無人島～俺の10枚～【山森大輔編】

2014年7月30日 (水)

無人島～俺の10枚～ vol.296 【山森大輔編】

音楽好きには、超定番の企画『無人島～俺の10枚～』！なんとも潔いタイトルで、内容もそのまんま、無人島に持って行きたいCDを10枚チョイスしてもらい、それぞれの作品に込められた思い入れを思いっきり語ってもらいます！ミュージシャンとしてルーツとなるもの、人生を変えた一枚、甘い記憶がよみがえる一枚、チョイスの理由にはそれぞれのアーティストごとに千差万別です！
今回のお客様は、ROCK'A'TRENCH（ロッカトレンチ）、SKA SKA CLUBのヴォーカルであり、ソロとしてLive DVD『”YESTERDAYS AND TODAYS” Live at 渋谷STAR LOUNGE』を7/23にリリースした山森大輔さん！

【山森大輔　プロフィール】

1978年、沖縄生まれ。東京、ニューヨークで育つ。日英のバイリンガル。東京大学法学部を卒業し、司法試験にも合格している。現在は一児の父。3歳からピアノを習い始め、高校からバンド活動をスタート。ギター、ベース、ピアノなど多彩な楽器を演奏し、プログラミングも自身でこなす。 ROCK'A'TRENCH（ロッカトレンチ）とSKA SKA CLUBのボーカルとして活動。SKA SKA CLUBではインディーズながら15万枚のセールスを記録する。またROCK'A'TRENCHではドラマ『メイちゃんの執事』の主題歌を始め、数々の映画、CM曲を手がけ大きな反響を得るが2011年末に活動休止。2012年よりソロ活動を開始。愛と心の歌を奏でるシンガーソングライターである。

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山森大輔『”YESTERDAYS AND TODAYS” Live at 渋谷STAR LOUNGE』
　[2014年07月23日発売]

ROCK'A'TRENCH（現在活動休止）、SKA SKA CLUBのボーカルとして活動しながら、1人のシンガーソングライターとしても歩み出した山森大輔。本作は、2014年4月4日金曜日に渋谷STAR LOUNGEで行われたワンマンライブの模様を収録した、ソロ・アーティストとしての待望の初映像作品。サポートメンバーとして中嶋康孝（Gt）、河原真（Ba）、脇山広介（Dr）、山本健太（Pf）が参加。「素晴らしい夜だった。忘れられない日がまた増えたぜ！」と自身のBLOGで語る通り、熱気、空気感、盛り上がりを観衆と分かち合い、楽しみ披露した、その場、その日限りのライブ・マジックが宿った素晴らしいパフォーマンスが見事に収められている。「アカシアの丘」「Friday!!!!」「素晴らしい世界」などソロ人気曲はもちろん、「Music is my Soul」「South wind」「Don't Stop The Music」「Santa Monica」などROCK'A'TRENCH、SKA SKA CLUBの代表曲のここでしか見ることができないスペシャルなアレンジも楽しむことができる。

収録曲

01. Julie
02. Music is my Soul （ROCK'A'TRENCH）
03. South wind （ROCK'A'TRENCH）
04. HONEY
05. Flower
06. アカシアの丘
07. Santa Monica （SKA SKA CLUB）
08. Don't Stop The Music （ROCK'A'TRENCH）
09. Friday!!!!
10. 素晴らしい世界

山森大輔が選んだ10枚

Aerosmith
『Get A Grip』

僕は父の仕事の関係で10歳の時にNYに移住したのですが、そこでロックの洗礼をくれたのがこのアルバム。テンションが高過ぎるintroから、Eat The Richへ雪崩れ込む完璧なアドレナリンスイッチは今聴いても芸術。バラード曲も秀逸で、Cryin'はMVにもハマって一日中MTVにかじりついて流れるのを待ってました。ハードロックの答えがここにある、と僕は思います。

Jack Johnson
『In Between Dreams』

“Sitting, Waiting, Wishing”のMVを初めて見たとき、その個性の結晶みたいなサウンドに釘付けになったのをはっきりと覚えてます。唯一無二のどこまでも深く、太く、暖かい声。ハワイの乾いた風を吹かせてくるアンサンブル。そして含蓄や示唆に富んだ歌詞！いまでもたまに辞書を引きつつじっくり歌詞を噛み締めたりします。ジャック本人の飾らない人柄や環境保護の活動にも共感しますね。ちなみにこのアルバムのサイン入りアナログはうちの家宝。

Sublime
『40 Oz. to Freedom』

Sublimeに出会った時には既にボーカルのBradley Nowellはこの世を去った後でした。カート・コバーンと同じく、一度で良いからライブを観たかったと熱望するアーティストです。少しでも彼らの吸った空気を感じたいと思ってSKA SKA CLUBのGt橋谷と二人でロングビーチまで旅をしたりもしたなあ。パンク、ヒップホップ、レゲエやダブなど縦横無人に音楽の海を自由に泳ぎ回る姿勢にはとても大きな刺激をもらいました。数々のフォロワーバンドが生まれているけど、やはりSublimeの三人の音が欲しくなってしまう。どうしても埋められないぽっかり空いた穴を抱えてSublimeファンは生きていくのです。

QUEEN
『QUEEN GREATEST HITS』

QUEENも、フレディ・マーキュリーがおじいさんになるまで音楽やってたら、、、と夢想したくなるバンド。名曲が多すぎてどうしょうもないので、恥ずかしながらベスト盤をセレクトします。自分で曲を作るようになってからは、いかに音楽性が高いかを見せつけられて打ちのめされたりもしますが、無人島ではそんなこと考えず極上のポップスとして楽しむことにしましょう。最近ではFUN.がとても良い作品を作ってくれて冒頭の夢の続きをぼんやり見せてくれているのを嬉しく思っていたり。

Rancid
『And Out Come The Wolves』

16歳の頃最強に熱狂したアルバム。全曲ベースギターでコピーしました。いまでも多分全曲弾けると思います。最初はいわゆるメロコアとして紹介されていたけど、一線も二線も画したルーツミュージックを感じさせるパンクサウンドにやられました。このアルバムと出会ってなければミュージシャンにはなっていなかった、といえる一枚ですね。そのあとBob Marleyに出会ってなければ僕はパンクの道に進んだかも。

THE BLUE HEARTS
『STICK OUT』　※廃盤

同じくバンド小僧の時に夢中になったアルバム。僕はとにかくこのアルバムの曲達の歌詞にやられまくりました。一曲目から「君　ちょっと行ってくれないか　すてごまになってくれないか　いざこざに巻き込まれて　泣いてくれないか」と。あまり日本のロックを通ってなかった当時の自分には頭をがつんとされるような出会いでしたね。名曲ぞろいだけど特に“やるか逃げるか”という曲はいま聴いても涙腺が緩みます。なんて荒っぽくて優しい言葉たちなんだろうと思います。絶望したときにきっと力をくれるような曲です。

玲葉奈
『One blooD』　※廃盤

僕は女性ボーカルも大好きなんですが、アルバムで選ぶとなるとこの一枚。玲葉奈さんの1st、マジ最高です。瑞々しい才能が一流のサウンドプロダクションに支えられて極上のルーツ・ポップミュージックになってます。G.LOVEとのデュエットで幕開けする一曲目なんて、どんだけイカしたアイディアなんだと今でもにやけます。これまた大好きだったレゲエバンドROCKING TIMEの演奏による“Whoa Child”“熱い闇”という二曲はいつ聴いてもご機嫌にさせられるし、“Honey”という曲は穏やかな曲調ながら何故か痛切な想いが伝わって来て胸が締め付けられます。おすすめ。

The Beastie Boys
『Ill Communication』

これも夢中になって聴いたアルバムです。ビースティーは色んな時代があるけど僕はこのアルバムの頃が一番好きです。大晦日に友人宅で“Sabotage”という曲を聴きながらモッシュしてて脚をねんざして年越しを救急車の中で過ごしたのも良い思い出！ビースティーももう全員揃った姿をみれないとおもうと切ないですね。HIP HOPということでは餓鬼レンジャーのUPPER JAMもめちゃ聴いたので迷ったことを付け加えておきます。日本語ラップもLOVEです。

BOB MARLEY
『Live！』

上に挙げたRANCID→THE CLASH→BOB MARLEYという順序で出会いました。その時の衝撃はいまでも忘れられない、、、なんというグルーブ、なんというメッセージ！一番の不良に出会ってしまった、という印象でした。そして数あるライブ名盤の中で、特に好きなライブ盤でもあります。お客さんの歓声や歌声までレイドバックしてるんですよね。音楽家でありながら戦士でもある、そんな生き方をした彼には何歳になっても変わらず憧れを抱き続けて行くんだろうと思います。

山森大輔
『Wonderful World』

手前味噌で申し訳ありませんが、きっと無人島に持って行くと思います。ソロ1stアルバム。ROCK'A'TRENCHを休止してから1年間かけて魂を刻み込んだ作品なんですが、不思議とそれ以前の作品と違って、出来上がった瞬間にふっと自分の手を離れてふわふわ羽ばたいて行ってくれたような感触がありました。僕は音楽ファンとして音楽にたくさん救われて来たんです。だから -おこがましいかもしれないけど- ミュージシャンとしては、「誰かを絶望の淵から救ってあげたい」ということを究極の目標にしてやってきました。このアルバムは今までで一番その役割を果たせる作品をクリエイトできたなと思っています。自分でも折に触れて聞き返したいアルバムです。