ベルニウスのメンデルスゾーン劇音楽ボックス

2014年6月26日 (木)

メンデルスゾーン：劇音楽集（３ＣＤ）
フリーダー・ベルニウス指揮

ドイツ合唱界の名指揮者フリーダー・ベルニウスは、カールス・レーベルでメンデルスゾーンの作品を数多く録音しており、今回、そのシリーズからのお買得ボックス化企画が登場します。内容は劇音楽集で、『真夏の夜の夢』、『アンティゴネー』、『コロノスのエディプス』の３曲を収録。
　ちなみに、前回リリースされた４枚組宗教合唱曲ボックスには、オラトリオ『聖パウロ』と『エリア』、および未完の『キリスト』が収められ、前々回の１０枚組宗教合唱曲ボックスには、賛歌やカンタータ、詩篇などが収録されていました。

【メンデルスゾーンの劇音楽】
有名な『真夏の夜の夢』のほか、ここでは『アンティゴネー』と、『コロノスのオイディプス』を聴くことができます。
　『コロノスのオイディプス』は、有名なオイディプス（エディプス）王の話の後日談。実の母イオカステーを妻として、４人の子どもを生ませてしまったエディプス王は、自ら目を潰し盲目となって放浪の旅を続け、アテナイ近くの「コロノスの森」にたどり着いて、そこを自分の最期の地と決めます。しかし、彼をとりまく人々のさまざまな思惑から、なかなか安らかな死を迎えることができず、対立関係にあったクレオンや、息子ポリュネイセスとの確執を経たのち、やがて運命の時が来て、神の声に導かれ地中へ姿を消していくというストーリー。
　『アンティゴネー』はそれに続く話で、王位継承をめぐって相討ちとなった兄たちを悼むオイディプスの娘アンティゴネーと、空席となった王位についた、アンティゴネーの叔父であるクレオンの争いを描きます。国家の威信をとるのか、それとも肉親の情をとるのか・・・クレオンの出した答えはアンティゴネーを赦すというものでしたが、時すでに遅く、アンティゴーネは自らの命を絶ってしまったというストーリーです。

【ベルニウス】
1947年、南ドイツのルートヴィヒスハーフェンに生まれたベルニウスは、シュトゥットガルト音楽院とチュービンゲン大学に学び、在学中の1968年にシュトゥットガルト室内合唱団を組織、以来、40年以上にわたって活動を共にして来ました。その間、ドイツを中心に高い評価を受けており、さまざまな賞を受賞してもいます。
　ベルニウスは古楽に精通しており、バッハから古典派までの作品では古楽器を使用して演奏しますが、19世紀なかば以降の作品については、通常の楽器の比較的小編成のオケによるスタイルを採用、合唱団の表現力を生かした演奏を聴かせてくれます。（ＨＭＶ）

【収録情報】
Disc1 （83205）
メンデルスゾーン：
● 劇音楽『真夏の夜の夢』 op.21 & op.61

　シビラ・ルーベンス（ソプラノ）
　クラウディア・シューベルト（ソプラノ）
　アンネ・ベンネント（語り）
　ヨアヒム・クンチュ（語り）
　シュトゥットガルト室内合唱団
　シュトゥットガルト・バロック管弦楽団
　フリーダー・ベルニウス（指揮）

　録音時期：1997年4月19日
　録音方式：ステレオ（デジタル／ライヴ）

Disc2 （83224）
● 劇音楽『アンティゴネー』 op.55

　アンジェラ・ヴィンクラー（語り：アンティゴネー）
　ヨアヒム・クンチュ（語り：クレオン）
　ミヒャエル・ランスブルク（語り）
　ユリア・ナクトマン（語り）
　シュトゥットガルト室内合唱団
　シュトゥットガルト・クラシック・フィルハーモニー
　フリーダー・ベルニウス（指揮）

　録音時期：2004年9月5日
　録音方式：ステレオ（デジタル／ライヴ）

Disc3 （83225）
● 付随音楽『コロノスのオイディプス』 op.93

　アンジェラ・ヴィンクラー（語り：アンティゴネー）
　ヨアヒム・クンチュ（語り：エディプス）
　ミヒャエル・ランスブルク（語り）
　ユリア・ナクトマン（語り）
　シュトゥットガルト室内合唱団
　シュトゥットガルト・クラシック・フィルハーモニー
　フリーダー・ベルニウス（指揮）

　録音時期：2004年9月4日
　録音方式：ステレオ（デジタル／ライヴ）