【インタビュー】 本田恭章 ジャパニーズ・ポップス・インタビューへ戻る

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2014年5月30日 (金)

尾崎豊、吉川晃司と並ぶ80年代ティーン・ロックのカリスマ本田恭章。その本田恭章自らの監修リマスタリングでおくる、初CD化ヴァージョンを多数収録したベストアルバム『ゴールデン☆ベスト コンプリート・シングルズ』が6/4にリリースとなる。今回、そのベストアルバムの発売を記念したインタビューが到着。当時を振り返りつつ本作収録曲について思いを語る、ファン必見の内容となっている。




-- 子供の頃、よく聴いていた音楽は何でしたか?

本田恭章(以下、本田) 小学校2〜3年の頃、家に親が買ったクラシック大全集があって、それをオモチャみたいなプレーヤーでよく聴いてました。小学校高学年になると、チラホラとロックを聴き始めるようになるんだけど、当時はボーイスカウトをやっていて、キャンプに行くと先輩がカセット・テープにいろんな音楽を入れてくるので、そこで耳にしてた。だから衝撃的な「この音楽との出会い」というより、自然とロックに馴染んでいった感じです。

-- ギターは好きでしたか?

本田 若い頃はギター・サウンドが好きでした。小学校5年くらいから、家にあったガット・ギターでジャカジャカ作曲していたんです。その前だとリコーダーで曲を作ってた(笑)。当時はキッスやエアロスミス、クイーンなどが流行っていて、特にキッスはビジュアル面のインパクトが凄くて、カッコいいとは思わなかったけど、イメージとサウンドがマッチしていていいなあと。同時にパンクも流行っていたし、映画『サタデー・ナイト・フィーバー』の影響でソウルも人気があって、同時にいろいろなジャンルの洋楽を聴いてました。TBSの『ぎんざNOW!』の洋楽コーナーやTVKの『ファンキー・トマト』は良く観ていましたね。

-- デビューのきっかけは、JAPANの武道館コンサート(1979年)に行った時に写真を撮られて、それがファンクラブの会報に載ったことだそうですね。

本田 はい。中2ぐらいからよく街を歩いていると雑誌関係の人に「写真撮らせてくれ」って言われていて、その時も毎度の感じで気軽に応じてたら、それがJAPANのオフィシャル・ファンクラブの会報に載ったんです。JAPANのオフィシャル・ファンクラブは、そもそも『ミュージック・ライフ』の編集部がやっていて、今度は『ミュージック・ライフ』の読者モデルとして掲載された。リアクションも良かったらしく、同じシンコー・ミュージックの中のレコード事業部に話が行って、さとう宗幸さんもシンコーの所属だった関係で『2年B組仙八先生』に出演が決まったみたい。でも俺は詳しいことを知らないまま、ある日突然『ミュージック・ライフ』の編集者の方に呼び出されて行ってみたら、TBSのプロデューサーと脚本家の方とシンコーのレコード事業部の方がいて「で、どうする?」と(笑)。芸能界には興味がなかったけど、レコードも欲しいしコンサートも行きたい、洋服も買いたい年頃だったから、おこづかいもらえるならいいかなと(笑)。何の自覚もなく飛び込んだのですが、それを見越して、あまり喋らない役にしてくれたのかもしれません(笑)。

-- 歌手デビューは82年の5月25日でした。

本田 デビュー前に代々木の山野ホールでコンサートをやってるんです。そのときはデビュー・シングルAB面の「0909させて」と「謎めくシャーロック」、それとカヴァーを2曲やったかな。コンサートは届いたファンレター全部にDMを出して開催した無料のコンサートでしたが、人が殺到したので急遽、2回まわしになったんです。出て行った瞬間に悲鳴が凄かった(笑)。だってそれまで普通の小僧で、この世界を目指したわけでも何でもなかったのに、何の実感もないまま人前に出されて。

-- 「0909させて」をもらったときの感想は。

本田 作曲の鈴木キサブローさんがスキャットで歌っているデモテープを聴いて、単純に「カッコいいじゃん!」と思った。ただ、自分がそれまで聴いてきた音楽や憧れていた音楽とは全然違う感じがして、人事のように感じていたところもありましたね。

-- その後、「ジュテーム・スキャンダル」「☆BOY」とシングルをリリースしていきます。

本田 3ヶ月おきにシングルを出して、その都度テレビ、ラジオ、デパートの屋上での即売会、スーパーの店先でもキャンペーンやりました。

-- そういったアイドル的な活動は、本田さんが思い描いている世界と違ってきているとは感じませんでしたか。

本田 そういう思いはもうどんどん強くなっていました。あの頃、「俺はこういうのじゃない!」って主張はいろんな形で発信していたから、それはスタッフも感じていたと思う。例えばデパートの即売会のたびに全国何ヶ所も回るんだけど、ふだんの鬱積がそこで爆発しちゃって。たとえば、スタンドマイク振り回して好き勝手やって、客席に飛び込む。大パニックになって、ぐっしゃぐしゃにして、「してやったり!」じゃないけど、そういう憂さ晴らしを覚えて。既定のアイドル路線に収まらなくなってきたので、「☆BOY」のあたりで方針転換して違う部分をアピールすることになったんじゃないかな。

-- 4枚目のシングル「サヨナラのSEXY BELL」は作曲が玉置浩二さんでしたね。

本田 もう一段上に行くために、バーンと抜ける1曲を探していて、玉置さんの曲もそういう意図で結果的に決まったんじゃないかな。「サヨナラのSEXY BELL」とB面の「ONE NIGHT HEAVEN」の2曲は、デモテープで玉置さんが自分で仮歌を歌ってて、それがまた上手いんですよ!だから俺が歌ってもああならないよ!ってくらい上手かった。あと日本ってマイナーの曲が売れる感じがありますよね?そこもヒットを狙う上では考えた部分なんじゃないかな。「ONE NIGHT HEAVEN」は今でもライブで歌ってます。

-- 続く「SHAKE&SHAKEパラダイス」は森永製菓とのタイアップ・ソングでした。

本田 これは本気でヒットを狙おうとしてたんだと思います。キサブローさんの曲がバッチリだったのでそれで決まりでした。たしか最初、CM用に30秒ぐらいのレコーディングもしてるんです。

-- この曲のB面「MISS DEVIL」は本田さんの自作。

本田 当時は本当に洋楽にかぶれてて、下手の横好きで曲を作ってたんです。でも、デビューしてから大津(あきら)さんやキサブローさん、武部(聡志)さんたちの仕事ぶりを見て、初めて日本のアーティストに影響を受けたところがあって、その影響が作品にも出始めてますね。それまではイメージを形にするノウハウがなかったのを、具体的な方法論を知って、少しずつ試行錯誤しながら徐々に形になっていった、そんな時期でしたね。

-- ハノイ・ロックスのアンディ・マッコイに楽曲提供を受けたり、次第にロック的な方向に進んでいく本田さんに対し、お客さんや周囲のスタッフの反応はどうだったんでしょうか。

本田 何か俺が暴走している感じで、スタッフはお手上げ!みたいな状態だったかも。だから俺は行けるところまで行こうと思ってた。だけどロックだって突っ張っていても、ファンはお揃いのハッピを作って、ライブで合いの手を入れてきたりする。そのギャップが大きくて、それで俺は客席に飛び込んだり。でも、ファンの子たちもお揃いのハッピだったのが、髪染めたり好きな服を着たり、ロック・アーティストのいろんなファッションを見て、そういう楽しみを知るきっかけになったのかもしれない。ファンの中には俺の音楽やインタビューに影響を受けて、人生変わっちゃった人もいるかもしれない。俺自身が音楽によって人生変わったし、そんな力が音楽にはあるし、運命とかタイミング、いろんな要素があるよね。それにどこまで責任持てるかはわからないけど、無責任でいたくはない。

-- 今回の『ゴールデン☆ベスト』には、これまでCD化されなかったシングル・バージョンが数多く収録されています。こんなにシングル・バージョンの多い人も珍しいかと思うんですが。

本田 デビュー曲からしてシングルとアルバム・バージョンがありますからね。

-- アルバム未収録音源を楽しみにしている人も多いかと。

本田 楽しみにしてくれているみたいですね。でも、32年前ってアナログがメインの時代で、俺はまだ世間も音楽も何もわかってなくて、そんな頃の曲が生々しく蘇るのは、今の自分には拷問みたいなところもあるんですけど(笑)。みんな、これを聴いてどう思うんだろうかと。当時って、みんながそれほどいいシステムで音を聴いてはいなかったと思うんです。32年経って、イメージだけが残っているところに、今回、リマスターされた音源がドカンと生々しく来たときの心配と楽しみがありますね。「いいじゃん!」っていわれても「そうかあ?」ってちょっと恥ずかしい部分もあるし、かといってけなされても悲しいしね(笑)。でも、レコーディング・システムもアナログからデジタルへの移行期の真っ只中で、いろんな試行錯誤があった。その変わり目がみんなの青春の思い出とともに蘇って楽しんでもらえたらと思います。後半の曲はちょっとぐらい成長しているので、その辺も楽しみに聴いていただきたい。

2014年4月24日 渋谷にて
インタビュー・構成: 馬飼野元宏



本田恭章 『ゴールデン☆ベスト コンプリート・シングルズ』
 [2014年06月04日 発売]

尾崎豊、吉川晃司とならぶ80年代ティーン・ロックのカリスマ、本田恭章が『ゴールデン☆ベスト』シリーズに登場。
本田恭章は、82年5月「0909させて」(わくわくさせて)でデビュー。洋楽アーティストと見間違うほどのルックスを武器に多くの女性ファンを熱狂させた。サウンド面では、徐々にアーティスト/バンド・サウンド志向を強め、アルバム『ANGEL OF GLASS』(1983年)ではアンディ・マッコイが楽曲を提供、ハノイ・ロックスがバックに参加するなど、サウンド/ビジュアル共に吉川晃司〜BOOWY〜GLAYに至るその後のJ-ロックシーンに与えた影響は大きい。
本作は、フィリップス・レーベル(現ユニバーサルミュージック)よりリリースしたシングル盤9枚のAB面をリリース順にすべて収録。初期の瑞々しい作品から、玉置浩二(安全地帯)提供の「サヨナラのSEXY BELL」、森永のCMソング「SHAKE&SHAKEパラダイス」など全18曲中16曲がアルバム未収録もしくは別ヴァージョンで、そのほとんどが初CD化。まさにファン待望のリリースとなる。
ブックレットには本人の最新インタビューや写真/歌詞/ディスコグラフィーなども掲載予定。 数十年ぶりに発掘されたオリジナル・マスターテープを、最新技術によって本人監修の元デジタル・リマスタリング。



■ 初CD化曲収録
■ 本人監修リマスタリング
■ シングル・ヴァージョン:M-1,2,3,4,5,6,7,8,9,11,13
■ アルバム未収録:M-15,16,17,18


【HMV ONLINEオリジナル特典】

本田恭章 『ゴールデン☆ベスト コンプリート・シングルズ』をHMV ONLINE/MOBILEでお買い上げの方に先着で「サイン入りブロマイド」をプレゼント!
※先着ですので、なくなり次第終了となります。ご了承ください。
※特典の有無は商品ページにてご確認ください。
※店舗では「ブロマイド(サインなし)」を先着でお付けしております。


収録曲

  • 01. 0909させて
  • 02. 謎めく…シャーロック
  • 03. ジュテーム・スキャンダル
  • 04. 瞳にテンプテーション
  • 05. ☆BOY
  • 06. ラヴ・マジック
  • 07. サヨナラのSEXY BELL
  • 08. ONE NIGHT HEAVEN
  • 09. SHAKE&SHAKEパラダイス
  • 10. MISS DEVIL
  • 11. It's no FASHION GAME
  • 12. Turns Blue (ライヴ・ヴァージョン)
  • 13. TAKE THE FLOOR
  • 14. HIGH STYLE
  • 15. LAST DANCE ※アルバム未収録曲
  • 16. Rainy Life ※アルバム未収録曲
  • 17. ONLY YOU ※アルバム未収録曲
  • 18. LOOK MY WAY ※アルバム未収録曲


【本田恭章(ほんだ やすあき) プロフィール】


本田恭章
JAPANの来日公演を見に行った際のスカウトがきっかけでデビュー。1981年 学園ドラマTBS『2年B組仙八先生』に出演、82年にシンガーとしてデビュー。そのルックスの話題が先行しアイドルとして人気爆発。その後は着実に音楽性を高め、玉置浩二作曲のシングル「サヨナラのSEXY BELL」、ハノイ・ロックスをバックに従えたアルバム『ANGEL OF GLASS』、大村憲司をプロデューサーに迎えアルバム『STAY GOLD』等をリリース。84年には10代の男性アーティストとして初めて日本武道館にてソロ・コンサートを行った。その後も、洋楽志向のロック・サウンドとグラマラスな出で立ちで、ミュージック・シーンの中で唯一無二の存在感を確立。数年後にデビューする吉川晃司やBOOWYなどの活躍の礎と なった。現在も定期的にライヴ活動を行い、その会場には女性ファンだけでなく、多くの男性ファンも詰め掛けている。

[関連リンク]
  本田恭章 オフィシャルHP
  本田恭章 facebook
  本田恭章 YouTube









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発売日:2014年06月04日
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