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インタビュー : Schroeder-Headz 『Synesthesia』

2014年2月17日 (月)

Schroeder-Headz Synesthesia

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■ 今作は、人間とシンセサイザーが汗をかいて一緒にやっているようなもの

Schroeder-Headzの新作『Synesthesia』のジャケット・カヴァーは、人気イラストレイターの中村佑介さんによるもの。そこには、ピアノの鍵盤から様々な色や形が立ち上がり、自在に舞っている様が描かれている。それ、鮮やかにストーリーや情景を浮かび上がらせるアルバムの内容を見事に具視化している。

「新たにビクターからアルバムを出す事が決まって、いろいろ内容を考えました。前作の『NEWDAYS』がいろんな人に気に入ってもらえたので、そこにあるポイントを自分が思うまま拡大して、いろんな可能性を曲ごとに出してみたいと思いました。また、メロディアスだったり、親しみやすいものだったりするところは、自分の良さだとも思うので、もっとポップなアルバムにしたいとも思いました」

Schroeder-Headzは百戦錬磨のキーボード奏者/クリエイターである渡辺シュンスケのソロ・プロジェクト。彼は佐野元春、PUFFY、DE DE MOUSE、土岐麻子ら、本当に様々な人たちの表現に寄与してきている、現代J・ポップ界の重要水先案内人の一人だ。

「僕は誰かと音楽を作るのが、すごい好きなんです。いろんな人との出会い、それぞれが僕のターニング・ポイントですね。一方で、もちろん自分だけの表現の仕方というのも、模索しています。そして、Schroeder-Headzの場合、ピアノ・トリオという縛りには拘っています」

グルーヴィなものから詩的なものまで、視野広く四方八方に広がる各曲は、どれも彼のオリジナルだ。それらは、心の琴線に入ってくる好メロディを核に置きつつ、“ピアノ・トリオ音とシーケンス音やストリング音”や“生音や電気音”が自在に綱引き。あたかもその様は、<私が考える、魔法の絨毯に乗った現代ピアノ・トリオ表現>と言うべきものか。

「それで、自分ではSchroeder-Headzのことを未来系ピアノ・トリオとか、ポスト・ジャズとかあえて言ったりもしますね。ピアノ・トリオというとやはりジャズのイメージも強いし、僕も影響を受けていますが、ジャズやポップス、ロック、ハウス・ミュージックなんかを自分のなかで濾過した先にあるものを作ろうとしています。今作は、人間とシンセサイザーが汗をかいて一緒にやっているようなものになったとも思いますね」

 Schroeder-Headz 『Synesthesia』[2014年02月19日]

Schroeder-Headz 『Synesthesia』エレクトロニカ、ブレイクビーツ、ポスト・ロックといった現代のポップ音楽をジャズやクラシックのフィルターを通し表現するピアニスト、渡辺シュンスケによる未来形ピアノ・トリオのポスト・ジャズ・プロジェクト、メジャーレーベル移籍第一弾。美しいメロディを奏でるリリカルなピアノを中心にベース、ドラムが紡ぐオーガニックなビートとプログラミングを融合させたオリジナリティ溢れる音楽世界を構築する。2010年にリリースしたデビューアルバム『NEWDAYS』はVILLAGE VANGUARDを中心にロング・セールスを続け、収録曲「NEWDAYS」はiTunes JAZZシングル・チャートで1位にランクされるほど話題。『Synesthesia』(共感覚:色に音を感じたりする特殊な知覚現象)と題されたこのアルバムは白と黒の鍵盤から紡ぎだされるカラフルな音の世界を描き出している、約3年ぶりの待望のセカンド・フルアルバム。アルバム・アート・ワークはASIAN KUNG-FU GENERATIONなどのジャケットを手掛ける人気イラストレイター、中村佑介氏の書き下ろし。

■ 『Synesthesia』渡辺シュンスケによる解説

00. アルバムタイトルについて

シナスタジア=共感覚
(文字に色を感じたり、音に色を感じたり、形に味を感じたりする感覚のこと)

僕個人、おそらく共感覚は持っていませんが、音楽から色を感じるイメージはあります。音の色と書いて、音色(ネイロ)と読むように、音にも様々な種類があります。例えば、さまざまな楽器による大編成のオーケストラ作品からは、多様な色彩をイメージすることが出来ます。逆に、ピアノは実際の見た目にも黒鍵と白鍵から成り立っていて、そこから生み出されるピアノ曲からは、絵画に例えれば、デッサンやクロッキーのように、白黒のモノトーンの骨組みや陰影から生み出されるシンプルで静謐な構造を感じとることができます。

ピアノが主役であるこのアルバムにおいて、一番ミニマムなアンサンブルであるトリオ形態による自由な演奏と、EDM的なエディット作業を駆使することによって、白黒のモノトーンの世界から溢れ出す、みずみずしい躍動感に満ちたさまざまな色彩を持ったカラフルで新しい世界を曲ごとに感じて欲しい。そしてそれはちょうど共感覚のように、聞く人によって全く異なる、それぞれの色彩へとなって欲しい。

このアルバムタイトルには、そんな願いが込められています。

『光と闇のあいだに色彩がうまれるように』
01. Memento Mori
死生観。『人はいつか死ぬことを忘れるな』という警句。

あの震災を経て、音楽をやる意識が少し変わったと思う。
音楽がけしてパンや水になることはないが、生きる上で楽しむことは大切なこと。

夕日を見て美しく感じたり、部屋に花を飾って気分が晴れたり。
自分の作る音楽が、せめて誰かにとってのそういった存在になれたら、
とても嬉しく思う。

02. Blue Bird
眠る鳥は、やがて目を覚まし、青い鳥となって羽ばたいた。
デビューアルバム『New days』から、『Sleepin'Bird』を経て、
たどり着いた一つのかたち。

今現在の自分が、いちばん表現したい音が込められた曲です。

03. 3 on 3
舞台は未来世紀20XX年。
この年、ニューオーリンズの巨大なスーパーコロシアムでおこなわれた、
格闘バスケットボール、スリーオンスリーバトルのワールドシリーズ優勝決定戦。
国籍豊かな3人の人間代表チームと、人工筋肉を持った完全自律人型アンドロイドTB303チームとの攻防。下馬評では圧倒的にアンドロイドチームが有利だったが、反則スレスレの凶器攻撃に耐えながら、最終的に人間が逆転勝利する。

そんなPVを妄想しながら作った曲。。。
ではないが、テクノを代表するアシッドマシンTB303とJAZZ的なイディオムの中でジャムるアイデアから。

04. Follow Me
映画『ジャンヌダルク』での有名なセリフ。揺るぎない意志を持った強い女性へのあこがれ。遺伝子的にみると、男だけの持つY染色体は年々劣化していき、やがては消滅するという。肉食系女子とか、字面だけみると恐ろしくなるが、日本の男も昔に比べてずいぶん弱くなったものだ。

時代、もしくはナウシカの作った功罪なのか。

昔の男の言葉に置き換えれば、『黙ってオレについて来い』

05. Tokyo Tribal Sacrifice
ニューヨーク、パリ、ロンドン、欧米から見たTOKYOと、ドメスティックな視点からみたTOKYO。多くの国の首都がそうであるように、多くの人々や新旧さまざまな場所にあふれかえって刺激的な反面、おなじだけの矛盾もたくさんあるが、地球規模で見ると、よくもまあ、こんな小さな島国に海外からみんなひっきりなしに集まってくるものだと感心する。「おもてなし」と「おひとよし」は紙一重。

今現在のTOKYOを表現するには、初音ミクがどうしても必要だと思い立ち、
ミックス直前に楽器屋で購入、インストールして初調教。

06. Far Eastern Tale
アジア、もしくは日本としての文化的アイデンティティーについて。
潜在的なリズム感や、音感というものが仮にあるとして、果たしてそれが自分の中の音楽的なピンポイントによって見つけられるのだろうか?ねじれた欧米至上主義とも言える、80'sの日本のミュージックシーンをルーツに持っていることを再確認しつつ、その呪縛にあえて身を任せて、今現在の形へと素直に再構築してみた批評的な意欲作。

07. Petal
太陽のポールシフト、氷河期の到来、温室効果ガスによる温暖化、いろいろ言われている中、日本の四季がだんだん薄れてきている感覚がある。特に、春と秋が短くなってきている気がするのは自分だけではないと思う。どちらも大好きな季節なだけに、なんだか時折、落ち着かない気分になります。
とはいっても、生きていく中での変化はつきもので、それはもちろん人間にかぎらず、視点の違いや大きさによって時間の流れ方、感じ方もそれぞれ違うはず。
ただ、人間に言わせれば、大きく変わると書いて「大変」と読むというだけの話なのである。

「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」

植物の持つ時間感覚とは、どんなものだろうか?蕾が花へと、ゆっくりと開花してゆき、やがて一片づつ散っていくまでの時間。逆に都市から遠く離れた森の木々たちは、人間の営みを、あるいは人間が四季と呼ぶサイクルをどんな風に感じているのだろうか?

08. Midnight Sun
ポストジャズ。ECM時代のリッチー・バイラークをナイジェル・ゴドリッチがプロデュースしたら、という仮定をもとに製作。有機的な物と、無機的な物の融合。それは、北極圏の沈まない太陽のような、あるいは、宇宙の広大な闇の中で密かに静かに燃え続ける、青白い恒星を思い起こさせる。

09. Wildthing's Arm
架空の映画のサントラのつもりで作曲。

その外見から人々に忌み嫌われ、街を追いやられることになった心優しき怪物は、自分の出生をけして呪うことなく、人里離れた山奥の湖へと帰ってゆく。街で偶然手に入れた片方だけのピンクのニットの手袋をし、道ばたで拾ったボールペンのキャップを握りしめ、さざ波一つない、月と星空をくっきりと映し出した鏡のような湖面から、ゆっくり、ゆっくりと湖の最深部へと帰っていく。彼の表情からは、感情らしきものは何ひとつ読み取ることはできなかった。

そんなイメージをバイオリンの岡村美央さんに伝えて、自由に弾いていただきました。

10. The Award For The Most Stupid Question
ヴィンス・ガラルディへのオマージュ。
タイトルはpeanutsのコミックのシュローダーのセリフから。

『ベートーベンのどこが、エルトン・ジョンよりいいの?』

と聞いたルーシーへの返答。
最後は、ほっと一息つける明るい曲で終わりたかったのです。

■ Schroeder-Headz (シュローダーヘッズ)

数多くの著名ミュージシャンのサポート・キーボーディストとして活躍する、渡辺シュンスケによるポスト・ジャズ・プロジェクト。ピアノ、ベース、ドラムスによるアコースティック・トリオ・サウンドとプログラミングを融合させ、美しいメロディと有機的なグルーヴが印象的なピアノ・トリオの未来形とも言えるサウンドを紡ぎ出す。その名前の由来はアメリカのアニメ"PEANUTS"(日本名:スヌーピー)に登場するトイ・ピアノを弾くシュローダー君に依り、クラシック、ジャズ、ダンス・ミュージック、エレクトロなどに影響を受けたリリカルな男子の脳内イメージを表現している。また、同アニメの音楽を担当したビンス・ガラルディ・トリオへのリスペクトの意味も込められている。
2010年デビューアルバム『NEWDAYS』を発表。“遊べる本屋“VILLAGE VANGUARDを中心にロングラン・ヒットを記録する。
2011年のカヴァー・ミニアルバム『ピアノ・ア・ラ・カルト・フィーチャリング・シュローダーヘッズ』を発表。そのアートワークでは本家シュローダー君と夢のコラボレーションを実現。
また同アルバムに収録されたDE DE MOUSE の大ヒット曲 「baby‘s star jam」のカヴァーでは、DE DE MOUSEの特徴的なオリジナル・ヴォーカル・トラックを使用しエレクトロと生演奏が見事に融合したトラックとして高い評価を得た。2012年には「静岡〜頂〜2012」、「Sunset Live 2012 」、「MINAMI WHEEL」、「TIMM (Tokyo International Music Market)」などのイベントにも参加・
2013年には「GREENROOM FESTIVAL13」、「福岡・中洲ジャズ2013」のイベントに参加する一方、シンガーの土岐麻子とともに、「土岐麻子 meets Schroeder−Headz」として「SAPPORO CITY JAZZ Ezo Groove 2013」、「12th 境港妖怪ジャズフェスティバル2013」、「定禅寺ストリートジャズフェスティバル in 仙台」、「高崎音楽祭2013 〜TMF JAZZ 4DAYS〜」、「Jazz JAPAN presents 女子ジャズ LIVE AID 2013等全国各地のジャズフェスティバルやイベントにも勢力的に出演する。2013年12月にはREMIXプロジェクト・ミニアルバム『Sleepin' Bird』を発表し、マルチトラックの配信リリースも話題となる。

■ 渡辺シュンスケ (Schroeder-Headz, cafelon)

幼少の頃サッカープレイヤーを志しながらも、高校生の時、初めて触れたキーボードに魅力を感じ高校3年で音大進学を決意。
1年間のピアノ・レッスンを経て国立音楽大学へ入学。在学中よりクラシック、ジャズを学びながらもセッション・キーボーディストとして活動を始め、著名ミュージシャン等のサポートを務める。アコースティックピアノ、オルガン、シンセサイザーからコンピューターまで大胆に使いこなすキレの良い鍵盤さばきと華のあるステージ・パフォーマンスによって一躍若手を代表するキーボーディストのひとりとして注目を浴びる。近年では佐野元春、小泉今日子、PUFFY、柴咲コウ、藤原ヒロシ、後藤まりこ、DE DE MOUSE、Scott & Rivers(From ALLiSTER & weezer)、YO-KING、遊佐未森など個性あふれるアーティストたちからの信頼を得て、それらのアーティストのレコーディングやライヴ・ステージで活躍する他、楽曲提供、プロデュース、アレンジ等も数多く行っている。
また、自身のプロジェクトとして”はSchroeder-Headz”の他、オリジナル・ソングをヴォーカル&ピアノを披露する”cafelon”としても定期的にライヴを行なう。

 オフィシャルサイト

Schroeder-Headz ライブ情報

●Schroeder-Headz 2nd ALBUM「Synesthesia」リリースツアー
05月04日 (日)大阪 梅田 Zeela
05月05日 (月・祝) 名古屋 CLUB UP SET
06月01日 (日)渋谷 WWW

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