スクエニクリスマスアレンジCD第2弾リリース記念浜渦正志インタビュー！

2013年11月22日 (金)

スクウェア・エニックスが贈るクリスマスアレンジCD第2弾『X'mas Collections II music from SQUARE ENIX』が11月27日にリリース！今回は何とアレンジで参加した浜渦正志さんにお話をお伺いする事ができました。スクエニ在籍中は「ファイナルファンタジーXIII」「サガ・フロンティア２」「ファイナルファンタジーX」「アンリミテッド・サガ」「チョコボの不思議なダンジョン」「シグマ・ハーモニクス」「武蔵伝II」「ダージュオブケルベロス・ファイナルファンタジーVII」等の名作を手がけ、現在はゲーム以外の分野にも一気に活動の幅を広げている浜渦さんの貴重なインタビューを御覧ください。

---今回のクリスマスアレンジ楽曲を制作するまでの経緯をお教え頂けますでしょうか。

古巣であるスクウェア・エニックスさんから依頼をいただきました。色々面白いことができそうだったこともあり、お引き受けしました。

---なぜこの楽曲を選択したのでしょうか？

まずクリスマス＝冬ということで、とても寒い情景をイメージしたのですが、それで浮かび上がったのがFINAL FANTASY XIIIの「Choose to Fight」でした。この曲にはそういった要素が強く感じられたのですが、しかしXIIIからの選曲だといかにも有名どころの選曲、お気に入りすぎる選曲だと思い、似たような構成の曲はなかっただろうかと考えたところ、突然これを思いつきました。

---実は光田康典さんとの共作（？）とお聞きしてますが、当時ガンハザードの音楽を担当するきっかけなどあればお聞かせ願えますでしょうか。

厳密には共作ではありません。ゲーム中、私が作った楽曲の直前にイントロのような形で光田さんの数秒の曲がかかっていて、サウンドトラックでは合体した状態で一曲となったことで二人の名義となりました。スクウェアに入社して最初の仕事として植松さんと光田さんに声をかけていただき、仲野さんと4曲ずつ参加することになりました。まだ機材が届いてなかったので、最初は効果音を手伝っていました。

---実際にアレンジしてみていかがでしたか？

最初は思いのほかイメージになかなか届かずに難しかったです。最後はなんとかたどり着いたと思います。今回は光田さんのその部分は考えてなかったのですが、入れても面白かったかも知れません。

---工夫された箇所や、こだわった箇所、苦労した箇所等聴きどころをお教え頂けますでしょうか。

パーカッションを寺田典子さんという方にお願いしました。彼女は私がやっているユニット「IMERUAT」のシカゴ公演と東京公演で演奏してもらった方で、本作品でもとてもきめ細やかで且つ力強いサウンドを産み出してくれました。クリスマスというと鈴や鐘、あるいは明るく楽しい雰囲気が思い描かれやすいですが、今回はそれらと相反するような楽曲だったため、冬の世界観を出すためにパーカッションは非常に重要な役割でもありました。少しでもバランスが崩れると民族的になり、南方の雰囲気も出てしまいかねないので、かなり意識して叩いてもらったのですが、絶妙なアプローチで大変素晴らしかったと思います。またバイオリンの室屋光一郎さんもこのあたりを的確に読み取ってくださり、スタジオで一気に酷寒のイメージが出来上がりました。

「IMERUAT」公演
---ガンハザードの原曲を制作した当時のエピソードが何かあればお教え頂けますでしょうか。

とにかく一曲だけでも作るのが大変で、どうして上手く行かないのだろうかと悩みの連続でした。なんとか完成してしばらくしたとき、サウンドトラックのライナーノーツの原案を覗かせてもらうことが出来たのですが、植松さんと光田さんの対談の中で「お互いにこれは自分にはできない曲はなんですか」というような質問があり、植松さんがこの曲を挙げていました。光田さんが、「あ、それ新人くんです」と返し、「あ、そうなの？」と笑い話になっていたのですが、それを読んで「なんとかやっていけるかも」と胸をなで下ろしたことをよく覚えています。残念ながらこの部分はライナーにならなかったですが（笑）。

---もしまたこのようなクリスマス企画があったらどのゲーム（どの曲）をアレンジしてみたいですか。（具体的でなくて大丈夫です！）

たぶんまたその時の直感で選ぶ気がします。ただまたハッピーな感じの曲にする自信があまりありません（笑）。

---今後の浜渦様の活動のご予定等があればどうぞ。

一番近い予定は2014年1月11日に自身のユニット「IMERUAT」のライブを渋谷WWWでやることになっています。同時期に新譜も発表する予定です。是非いらして下さい！

　『X'mas Collections II music from SQUARE ENIX』[2013年11月27日発売]

スクウェア・エニックスが贈る、クリスマス・アレンジCD第2弾！
SQUARE ENIX MUSICがお届けする、オフィシャル・クリスマスアレンジ・アルバム。前回好評だったクリスマス・アレンジ企画が3年ぶりにリリース。アレンジ化する事で原曲とは別の新たな一面、魅力、世界の広がりを引き出し、ゲームの枠に収まらないアレンジャーの魅力的な楽曲を楽しめます！
前作を超える収録曲数、アレンジ楽曲はFINAL FANTASYをはじめとする、さらに聖剣伝説、サガフロンティア、クロノトリガー、シグマハーモニクス、デュープリズム、ガンハザード、ザ・サードバースデイなど、大人気のゲーム・タイトルばかり。

◆参加アレンジャー

Junya Nakano / Kenichiro Fukui / Kumi Tanioka / Masashi Hamauzu / Mitsuno Suzuki feat.Hijiri Kuwano / muZik! / Nanaa Mihgo's / Ryo Yamazaki / Tsuyoshi Sekito & Yasuhiro Yamanaka feat.Remi / Yuki Hirose & Yasuhiro Yamanaka feat.HEAT_CZR / Yuzo Koshiro

【Track List】

1.DEWPRISM / X'mas Edit
“DEWPRISM”より
Music Composed & Arranged by Junya Nakano

2.Roman～Vorspiel / X'mas Edit
“SaGa Frontier II”より
Arranged by Ryo Yamazaki
Original Music Composed by Masashi Hamauzu

3.クロノとマール～遠い約束～エピローグ～親しき仲間へ～ / X'mas Edit
“クロノ・トリガー”より
Arranged by Kenichiro Fukui
Original Music Composed by Yasunori Mitsuda

4.夢見るクリスマス
Performed by Nanaa Mihgo's
Music Composed & Arranged by Naoshi Mizuta

5.やがて訪れる時 / X'mas Edit
“SIGMA HARMONICS”より
Performed by Yuki Hirose & Yasuhiro Yamanaka feat.HEAT_CZR
Arranged by Yuki Hirose & Yasuhiro Yamanaka
Original Music Composed by Masashi Hamauzu

6.クリスタルタワー～アムルの街～エンタープライズ海を行く / X'mas Edit
“FINAL FANTASY III”より
Performed by Tsuyoshi Sekito & Yasuhiro Yamanaka feat.Remi
Arranged by Tsuyoshi Sekito & Yasuhiro Yamanaka
Original Music Composed by Nobuo Uematsu

7.Joy to the World / Post Production Mitsuto Suzuki Mix
“The 3rd Birthday”より
Performed by Mitsuto Suzuki feat.Hijiri Kuwano
Arranged by Mitsuto Suzuki

8.闇王さんのクリスマス
“FINAL FANTASY XI”より
Arranged by Kumi Tanioka & Sebastian Schwartz
Original Music Composed by Kumi Tanioka

9.心踊りし魂の住処 / X'mas Edit
“聖剣伝説 (Future Project)”より
Arranged by muZik!
Original Music Composed by Yoko Shimomura

10.焦燥 / X'mas Edit
“GUN HAZARD”より
Arranged by Masashi Hamauzu
Original Music Composed by Yasunori Mitsuda & Masashi Hamauzu

11.少女リディア / X'mas Edit
“FINAL FANTASY IV”より
Arranged by Yuzo Koshiro
Original Music Composed by Nobuo Uematsu

IMERUAT live 2014 "HAPPY NEW IMERUAT!"チケットローチケにて11/18より受付開始！

公演名：IMERUAT live 2014 "HAPPY NEW IMERUAT!"
会場：Shibuya WWW
公演日：2014/01/11（土）
出演：浜渦正志（Pf）/Mina（Vo, Mukkur, Tonkori）/桑野聖（Vl）/田部井とおる（Gt）/竹本一匹（Perc）/結城貴弘（VC）

【浜渦正志プロフィール】

浜渦正志
Masashi Hamauzu
作曲家、編曲家。

1971年9月20日、声楽家の父、ピアニストの母の元、ミュンヘンにて出生。両親がミュンヘン音楽院で授業を受けている間に名指揮者のカール・リヒターにバターミルクをもらって面倒をみてもらうなど貴重な乳児期を過ごす。１歳のときに帰国し、父・浜渦章盛が主宰するローゼンビート少年少女合唱団に所属するなど音楽に親しむ幼少期を過ごす。この頃から、父の高い音楽性の影響、合唱団で内声のパートに長くいたことなどもあり、徐々に深く研ぎすまされた和声感覚を身につけていくようになる。高校の頃から独学で作曲を始めるようになり、東京芸術大学音楽学部声楽科に入学。声楽を学びながらバンド活動や楽曲制作に打込む。

大学卒業後、株式会社スクウェア・エニックスに入社。多彩な和声とオーケストレーション、既成概念にとらわれない手法で、既存のゲーム音楽ファンに賛否両論を巻き起こしながらもゲーム音楽業界に新しい風を吹き込み、多くの支持を得ていく。同社在籍時代の代表作は「ファイナルファンタジーXIII」「サガ・フロンティア２」「ファイナルファンタジーX」「アンリミテッド・サガ」「チョコボの不思議なダンジョン」「シグマ・ハーモニクス」「武蔵伝II」「ダージュオブケルベロス・ファイナルファンタジーVII」等。2007年ピアノソロ・アルバム「Vielen Dank」をリリース。2009年全編担当した「ファイナルファンタジーXIII」の音楽では世界的な評価を受け、サウンドトラックもオリコン初登場3位を記録。特にピアノとバイオリンを使った楽曲に定評があり、近現代和声の才覚においてはフランス6人組に匹敵するとの評価も多い。

2010年フリーランスに転向。ピアノ小品集の作曲や国内でのコンサートを多数開催するようになり、2011年にはフランスの若手音楽家を起用した浜渦正志コンサートをパリで公演した他、スウェーデンで行われたロイヤルストックホルムフィルハーモニー管弦楽団によるNintendoオーケストラコンサート「LEGENDS」にオーケストラアレンジでも参加、絶賛を博した他、ドイツ、アメリカ、ポーランド等各国で開催されるゲーム音楽オーケストラコンサートにアレンジやオーケストレーションで参加している。同年ヴォーカリストのMinaとユニット「IMERUAT」を結成し、ポーランド、フランス、日本、アメリカ、スイス等でもライブを行い、2012年にはファーストアルバム「Black Ocean」をリリース。また同年は、TVアニメ「貧乏神が！」（制作：サンライズ）の劇伴、ドイツ人ピアニスト、ベンヤミン・ヌス氏のアルバム「EXOTICA」（ドイツ・グラムフォン）への楽曲提供、SONYプロジェクト「 "α" CLOCK ～α：アルファが刻む世界の時～」ウェブサイトへの楽曲提供など、ゲーム以外の分野にも一気に活動の幅を広げ、さらに8月からスイスに拠点を移し、年末までヨーロッパ各地を廻って活動する予定である。

多趣味であり、IMERUATではCDジャケット、ミュージックビデオ、パンフレット、グッズ等のデザイン、撮影、制作までこなしている。また北方への志向が強く、アイヌやウィルタといった北方少数民族についても長年研究を続けている。

最も愛する録音としてリヒター指揮、ミュンヘン・バッハ管弦楽団による「マタイ受難曲（1958年）」を挙げているが、ミュンヘンでの乳児期にリヒターに面倒を見てもらったことがあるということを両親から聞いたのはその後のことであった。2012年よりローゼンビート音楽研究所顧問。

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