【インタビュー】aire
2013年5月17日 (金)
日本を飛び立ちタイの首都バンコクで生活をしているGinnが、現地で出会った仲間と組んだインストゥルメンタルロックバンドaire。結成直後からバンコクのインディーズシーンをDIYな姿勢で縦横無尽に駆け回り、一気にタイ国内のインストバンドの最前線に躍り出てしまいました。その緻密に計算された変拍子ながらも美しい楽曲展開はタイは元より東南アジア各国での評価も高いんです。
耳の早いバンコクのリスナーの間で瞬く間にaireの噂は広がり、結成一年目とは思えないほどのライブ本数をこなし、大型フェス参加。勢いそのままに2013年4月14日〜20日の期間、日本ツアーを敢行。今回のツアーには勝井祐二(ROVO)とのセッションもあり、他に類を見ない緊張感溢れるライブとなりました!
そんなaireのリーダーでもあるGinnさんにインタビューを行いました。せっかくの機会なので普段知ることのできないバンコクのインディーズバンド事情に関してもあわせて訊いちゃいました。
-- まずaireについて初めて知る方も多いと思うので、基本的な事から訊かせてください。aireは結成してどのくらいですか?
Ginn: まだ1年経ってないですね。
-- メンバー構成がユニークですね。
Ginn:はい。日本人二人、タイ人二人、日本とタイのハーフが一人という構成です。バンド内での会話は日本語、タイ語、英語が入り乱れてる言語環境です。(笑)
-- aireにとっては初の日本でのCDリリースになりますが、今回のレコーディングはどういったかんじで行ったんでしょうか?
Ginn:タイで録音しました。知り合いのタイ人の家にスタジオがあったので、そこに機材を持ち込んで録音しました。その友人宅になぜかレコーディング機材やらミキシングルームやらがあるということで、そこを使わせて頂きました。足りないマイクなんかは他の友人から借りたりして。正に宅録ってやつです(笑)。
-- レコーディングの際、特に気をつけたことはありますか?
Ginn:自分が元々ハードコア出身なので、どんなジャンルの音楽でも、バンドの持つ勢いや一体感を大事にしたいと思っています。なので、できれば一発録りにしたかったのですが、今回は録音環境的にそれが叶わなかったんですよね。そのため、バラ録りでもバンドの一体感やグルーブがでるミキシングや音のかぶせになるよう注意を払いました。
-- そういえばGinnさんはタイに住まれる前に、東京でバンド活動をしていたと伺いました。せっかくなのでタイのことも含めて質問させて頂きたいと思います。 まず、バンコクの音楽シーンが今どんな状況なのかって、日本に住む多くの人はあまり知らないと思うのですが、バンコクのインディーズシーンと日本のシーンを比べるとどんな違いがありますか?
Ginn:色々と違う部分はあるのですが、特徴的なのは、東京と比べると、バンコクは圧倒的にライブハウスが少ないんですよね。 そもそもバンコクではインディーズのバンドが活動できるハコって、今も四店舗位しかなくて。しかもやってるんだか閉まってるんだか分からないハコや、少し名前の知られてるバンドじゃないと出演できないハコもあったりします。結局バンドが音楽活動などの表現をする場がないと、なかなかシーン自体が大きくならないのかなって。
-- とはいえ、東南アジアではバンコクやその他の都市を中心にポストロック系のバンドが盛り上がって来ているようですね。
Ginn:そうですね。東南アジア独特の空気感を持ちながら、ポストロックというジャンルに限っても、多様に細分化されてきていますね。
バンコクのバンドで僕が今おすすめのバンドはTwo Million Thanksという若手のバンドです。SO::ON DRY FLOWERという日本人の方がタイで運営しているレーベルに所属しているポストロックのバンドなのですが、オリジナリティ溢れる楽曲で、完成度の高い素晴らしいクオリティを誇るバンドです。また、最近はインストのバンドが増えてきてますね。サイケでグル―ビーなpopdubや、ジャズのアイディアをふんだんに盛り込んだKineticsや、一人ギターオーケストラといった風情のWednesdayなど、独自性のある音楽を奏でているインストバンドが活動しています。それ以外だと、Neuter Loverというアーティストが「キム」というタイの民族楽器を取り入れた楽曲を作っていたり、と、面白いことをやっています。他にも、Desktop Error、handicat、Hariguem Zaboy、Inspirative、PLOT、Withyouathomeなどなど、耳を引く音を出しているバンドも多数おり、これからもっともっと盛り上がっていくのではないかと思っています。
-- タイのバンドってギターのピッキング1つ取っても日本のバンドとは異なる「間」をもってるような気がします。
Ginn:はい。やはりタイ人の持ってる文化的背景が影響しているのかな、と思います。急いてない、フワっとした感覚みたいなものを彼らは内包しているように感じます。
-- バンコクでは所謂インディーズと呼ばれるバンドのCDを購入できる店はどのくらいあるんでしょうか? CDの流通システムなど、レコード屋のスタッフとしては気になるところなんですが。(笑)
Ginn:市内のCD屋に関しては、インディーズ系の商品を取り扱っているのは二店舗しかない状況ですね。 大手の流通業者を通せば、デパートに入っているようなCD売り場にも並ぶとは思いますけど、実際はそういったところに僕らのようなインディーズバンドのCDを置いても、アングラな音楽を好きなリスナーはあまりそういった売り場には来ないので、販売といった側面のみで考えると、効果的ではないですね。そういった事情もあり、結局どのバンドもライブ会場での即売がメインになっている状況ですね。
-- タイにおけるインターネットでの通販なんかはどうなんでしょう?
Ginn:うーん、そうですね、タイのネット通販市場自体が「これから」という段階なんですよね。クレジットカードの発行枚数だとか、決済手段だとか、配送網といったインフラだとか、そういったことがまだ整備しきれていないのでインターネット通販で活発にやりとりがされるのは、もう少し先になると思います。aireでは、タイの地方に住んでいるファンの方からCDを購入したいとメッセージを頂いた場合は、まず僕の銀行口座に入金してもらってから、商品を郵送で出荷しているので、結構手間がかかっています(笑)。
-- バンドをやりたい人が増えてきたり、シーンの裾野は広がってると感じますか?
Ginn:バンコクでは以前よりは随分増えているとおもいますね。ただ、楽器を買おうとしてもまだまだ手の届かない価格だったりするので、その辺がバンドを始めるにあたってハードルが高い状況じゃないかと思います。楽器を手にする人が増えないと音楽人口が増えないし、バンドも増えないので、シーンも広がりにくいですよね。
-- それでもバンドをやりたい子ってどうしてるんですか?
Ginn:面白いのが、タイのリハーサルスタジオって、ギターもエフェクターも複数種類が備え付けであって、無料レンタルで一式揃うんですよね。ドラムなんか、ツインペダルでチャイナシンバルがついていたりもします。楽器を持ってなくても手ぶらでリハスタに来て演奏することはできます。
-- こうして色々お伺いすればするほど、タイのインディーズシーンって決して活動しやすい環境ではないと思うのですが、そんな中で今後aireが目指す音楽や活動の目標はどういったものですか?
Ginn:僕個人の考えではありますが、バンド活動を続けていくことというのは難しいことだと思っていまして、それ故に、継続してやっていくことが凄く大事だと思っています。また、ただ続けるのではなく、意味のある活動を続ける、といったことが重要だな、と。 こうしてCDをリリースしてもらったり、タイの大きなフェスに参加させてもらったりと、凄く恵まれた環境で活動が出来ていると感じています。だからこそ、その環境に甘えちゃいけないし、勘違いしちゃいけない。本来、日々の練習や、日々の生活の積み重ねがあって、その先に、自分の音、自分たちの音が生まれてきて、音源のリリース、ライブ、フェスがあるべきだと思っています。 僕らみたいな結成1年も経ってないようなバンドは、毎回ベストライブを更新するようなライブをしたいし、その「最高」の到達点を伸ばしていきたいですね。やはり、地道に真摯な姿勢で、意味のある活動を続けていくことが重要だし、常に音の結晶のようなものを磨き続けていきたいな、と。まあ、こういったことって、どこまで行ってもゴールはないと思いますね。
-- なるほど。ところで現在、日本ツアー中ですがいかがですか? aireにとって初めてタイ国外でのライブだと思いますが。
Ginn:日本出身の僕が言うのも何ですが、当初は「アウェーな雰囲気でのライブになるのかな?」と思っており、ある意味では、そういう状況を望んでいた部分もあったのですが、大変温かい環境でやらせてもらっています。しかも、今回のツアーでは勝井さん(ROVO)とセッションさせてもらえる機会にも恵まれており、自分たちの音の幅を広げていただいた感覚があり、大変ありがたく思っています。
-- タイ人のメンバーのお二人は日本に対する印象は何か仰ってました?
Ginn:彼らはaire結成前にやっていたバンドの頃から日本でライブをしたかったようで、長年の夢が一つ叶ったと言ってました(笑)。
日本でCDをリリースできることや、日本のライブハウスで演奏できることなど、一つ一つが凄くエキサイティングなことなんだ、って言っています。二人ともすごく充実しているようですよ。
-- では、今後のaireの予定はいかがでしょうか?
Ginn:5月はタイの第二の都市であるチェンマイにツアーしにいく予定です。チェンマイではバンコクとは全く違う音楽のシーンがあるということなので楽しみにしています。あと、シンガポールをはじめとした近隣諸国へのツアーもしたいなと考えています。
aireは、バンコクのHARMONICAというライブハウスで演奏させてもらうことが多いのですが、そこでは僕らを見に来てくれるお客さんもいるので、どうしても温かい環境に身を置いたうえでの活動になっていると思うんですよね。それはそれで、もちろん大変ありがたいことなのですが、ただ、一方で僕らのことを誰も知らないようなところに行って演奏して、本当にaireは通用するのか、っていうのも知りたいんです。まあ、まずは自分たちから出る音というものを固めて、ライブでの間や阿吽の呼吸のようなものを自分たちに落とし込んでいきたいですね。そのうえで今年中にはもう1枚CDを録音できればなと思っています。
-- 楽しみにしています。今日はありがとうございました!
無人島企画もアップ!!
音楽好きには超定番の企画『無人島 〜俺の10枚〜』!第206回目のお客様は、日本人・タイ人混成バンドaire!
aire - Facdbook : http://www.facebook.com/aire.bkk
インディーズ最新商品・チケット情報
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
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inhale slowly, exhale shortly
aire
価格(税込) :
¥1,320
会員価格(税込) :
¥1,214
まとめ買い価格(税込) :
¥1,122
在庫あり
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オススメ
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LITE
ユーザー評価 : 5点 (1件のレビュー)
価格(税込) : ¥2,409
会員価格(税込) : ¥2,217
まとめ買い価格(税込) : ¥2,048発売日:2013年06月05日
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Norikazu Chiba
価格(税込) : ¥2,200
会員価格(税込) : ¥2,024
まとめ買い価格(税込) : ¥1,870発売日:2013年06月12日
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