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【連載コラム】Akira Kosemura 『細い糸に縋るように』 第40回 細い糸に縋るように Akira Kosemuraへ戻る

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2012年11月12日 (月)

profile

[小瀬村 晶 / AKIRA KOSEMURA]

1985年生まれ、東京出身の作曲家・音楽プロデューサー。
作曲家として国内外の音楽レーベルからコンスタントに作品を発表する一方、企業広告や、アパレルブランド、公共施設、舞台、映画、TV、ウェブコンテンツなど、特定の分野に限定されることなく様々なコラボレーションを行っている。
今年に入ってからは、コンテンポラリーバレエ公演「MANON」の劇伴、東京スカイツリータウン(一部施設)の音楽や、ドキュメンタリー映画「はじまりの島」エンディングテーマ、「ANA Lounge」の音楽監修などを担当。
コンサート活動にも定評があり、これまでに「音霊 OTODAMA SEA STUDIO」、「中州ジャズフェスティバル」への出演や、自身のピアノ演奏による全国ツアー / 中国ツアーも成功させている。
また、作曲家のみならず、2007年にSCHOLE INC.を設立、プロデューサーとして音楽レーベル「schole」を運営、数多くの作品に携わっている。




コラムの時間がやってきた。
さてなにを書こうかなぁ。普段からなにかちょっとしたことがあると、あ、これコラムに書けるかも!?って思うようにはなっているのだけれど、メモを取らないので結局いつもなにも覚えてません。結果、相変わらずのぐだぐだなコラムがいま現在も進行しているわけですが、割と真面目な人間なので、こんな感じでいいのかと正直とても心配です。(だったらメモ取っとけよ!って話ですね、はい)

そうそう、最近生まれて初めてアイドルグループにはまりまして。以前、このコラムでも紹介した通り、もうかれこれ一年以上前から奥さんがはまりまくっているアイドルグループがいて、僕はそれを端から眺めていたわけですが、先日とうとう奥さんがコンサートに行きたい!と言い出しまして。実は春にも一度誘われて、うまい具合に逃げていたので、今回はやる気だけは示しておこうということで、じゃあチケット取れるか頑張ってみるよ、という話に持っていったわけです。
とはいえ、まあ取れないだろうな、と思いながらも一応、発売日の時間きっかりにアクセスしてみました。
案の定、まったく繋がらず3分で完売し、奥さんにはメールで、やっぱり取れなかったよ。ごめんね。という具合に連絡をして万事解決!
と思っていた矢先、まさかの展開が起こりまして。
僕の奥さんは美容師なので、僕や僕の友達数名も髪を切ってもらっているのだけれど、学生時代からの友人で芸能記者をやっている仲の良い友達が髪を切りにきた時に、奥さんがそのアイドルグループのコンサートの話をしたらしく、チケットが取れなかったと嘆いていたら、なんとその友人、それならその事務所の知り合いに連絡してチケット取れるか聞いてみるよ!と言ってきたらしいのです。
こればっかりは僕も想定外、まさかそんな裏技が許されていいものか、というか、あいつそういうところで業界風吹かせるなよ・・・ごにょごにょという感じで僕は独り嘆きつつも、まあ本当に取れたらもう観念するしかないなと心を決めたのです。
それからしばらくして、その友人から連絡があり、案の定、二枚だけ取れたから二人で行ってきなよと言われ、奥さん大喜び(本音)、僕も大喜び(建前)という感じで先日そのコンサートに行ってきたのです。
初めてのアイドルグループのコンサート、一体僕はどうなってしまうのだろうと心底ビビっていたわけですが、その友人が取ってくれた席というのが、なんと関係者席で、なかでもおそらく一番良い席!?だったので会場に入った途端、奥さんこれまた大喜び。僕としても、ああ、ここで座っていられるんだと思い一安心。テレビなんかでたまに見掛けるアイドルのコンサートは、かなりわっしょい!な感じのイメージなので、曲もあまり知らない僕があのわっしょい!のなかに入るというのは、想像するだけで相当な試練だな・・・と思っていたのでこれでだいぶ気持ちもリラックス。
なんなら普段はなかなか観ることのできない種類の公演だし、どんなものなのかこの際じっくり観察してみる良い機会だなと思い始め、その段階くらいでようやく少し楽しみになってきたのです。
双眼鏡だけ購入して準備万端、いざ公演が始まると、まず思っていたよりも格段に音が良い!
僕らが遊びに行った会場というのは、2000人収容クラスの有名なコンサートホールだったので、その辺りは割と大丈夫そうだなと思っていたのですが、以前友人に連れられて代々木体育館であった有名なポップスのアーティストのライブを観に行ったときに、本当にがっかりするくらいの酷い音響だったので、それが少し頭をよぎって、あんな感じだったら正直耐えられないなぁ・・・と思っていたので、まず音響がものすごく良かったことで僕もすっかりご機嫌に。
それからはきっかり二時間、プロフェッショナルの技の応酬でした。
このアイドルグループというのが、歌も歌えて、ダンスがとっても上手なので、コンサートというよりは、完成された一つのショーを観ているような感じ。秒刻みですべて構成が組まれているようで、本当に隙のない演出、まさにあっという間の二時間でした。
奥さんはすっかりご満悦の様子、僕も先入観ばかりに捕らわれていた自分がちょっと恥ずかしくなるくらいの完成度で、畑は違えど正直完敗だ・・・となぜか自分のコンサートと比べていました。

それから数日、僕はすっかり日常の生活に戻っていたわけですが、なぜだか時折、そのアイドルグループの曲が頭のなかでリフレインしてくるのです。それも日を追う毎にじわじわと・・・
これがアイドルの力なのか・・・と思いつつも、どうせなら奥さんと一緒に楽しんでしまったほうが良いかもなぁという気持ちになり、CDショップでアルバムを購入(おそらくモリコーネ、シルベストリー、ホーナー、某アイドルを一気に購入したのは後にも先にも僕だけだろう・・・)、サプライズで奥さんにプレゼントしたのです。
すると奥さん、え、アルバム買ったの!?的なリアクションで、喜びながらも、なんかちょっと白い目でみてくるのです・・・
おいおいそれは違うんじゃないか・・・と思いつつも、最近この話をお仕事でご一緒した方や友人の音楽家に話してみたら、思いのほか皆さんけっこう詳しくて、意外に話が盛り上がるのです。正直、いまそれほど世間を賑わせているグループではないのだけれど、ああなんだ、言わないだけで意外と皆気になり始めているのかなと思い、とうとうコラムにまで書いてしまいました。

ここまで書いてそのグループの名前を明かさないというのもどうかとは思いますが、そこは皆さんのご想像にお任せします。

そんなわけで、また来月〜。


Live 情報

『Quentin Sirjacq & Akira Kosemura Piano Concert Tour in Kyusyu』 開催決定。
■ 11月17日(土)福岡 Benir Cafe [Lコード 82139]
■ 11月18日(日)長崎 旧香港上海銀行 [Lコード 82140]
  チケット情報・販売はローソンチケット『ローチケ.com』へ!

『Akira Kosemura 主宰、Schole レーベル五周年を記念したレーベルショーケース 東京編 2 DAYS』 開催決定。
■ 11月23日(祝)青山 LAPIN ET HALOT
    http://schole.shop-pro.jp/?pid=49655332
■ 11月24日(土)成城 SALONE FONTANA
    http://schole.shop-pro.jp/?pid=49656191


  http://www.akirakosemura.com/
  http://www.scholecultures.net/





Akira Kosemura 今月のオススメ

paniyolo 『Christmas Album』  [2012年11月01日 発売]

SCHOLE 冬のリリースはこれまでに『I'm home』(2009)、『ひとてま』(2012)の2作品をリリースしているギター弾き、Paniyoloのクリスマスカバーアルバム。冬の大定番の今作、Paniyoloの温もり溢れるギターの音色がシンプルで心地よいギターアンサンブルとなって、大切な空間にそっと灯りをともします。
過去のSCHOLE作品で数多くのギター演奏を担当してきたPaniyoloですが、リミキサーとして参加したFlica、ghost and tapeの作品では他楽曲へ自らの色を溶け込ませるセンスの良さと、そのアレンジ力が好評を博し、日本の童謡楽曲など、これまで様々なカバー楽曲を披露してきました。前作『ひとてま』で確立したPaniyoloの定番スタイルとも言うべき、素朴でささやかにつま弾かれるギター演奏で「レット・イット・スノウ」、「サンタが町にやってくる」、「ジングルベル」、「赤鼻のトナカイ」などの親しみやすい楽曲を、ゆっくりと静かに奏でていきます。
アートワークは絵描きと音楽家の2つの顔を持ち、自身もSCHOLEより作品をリリースしている武澤 佳徳(Yoshinori Takezawa)が担当。
メロディの美しさそのままに、シンプルに洗練されたアレンジが、落ち着いた雰囲気を演出。
そっと優しく、わくわくを届けてくれる、Paniyoloのクリスマスアルバム。
(レビューより)


ghost and tape 『Home』  [2012年09月15日 発売]

新しい季節が訪れたいつかの帰り道には、ghost and tapeの音楽がまたゆっくりと流れ始める。
前作のデビューアルバムより2年、いまや SCHOLE秋の定番アーティスト ghost and tapeのセカンドアルバムがリリース。セルフタイトルだったデビューアルバムの心地よいノイズの感触と、どこか朧げに見える景色の様な雰囲気そのままに、『Home』というタイトルどおり温かな作品に仕上がっている。自身がコペンハーゲンとバルセロナに居住した経験が大きな影響を与えている今作のアルバム。オルゴールの様な可愛いらしい音から旅の始まりを告げるかのようにアルバムが始まり、異国の運河に沿って立ち並ぶカラフルな木造家屋さながら全体の統一感を崩す事無く、個性溢れる楽曲が展開される。アコースティックギターのメロディーが丁寧に繊細に重ねられ、心地よく響く中で、小気味良いノイズがリズムを刻み、まどろみを誘う。
SCHOLEおなじみの Paniyolo、Sawakoのリミックス楽曲を含む 14曲入り。
夏から秋へと移ろう季節を想うとき、人々は新たな装いを、木々は葉を色づかせ、家の窓から入る光と風はやわらかな日だまりを作る。フイルム越しに見えるどこか懐かしくて温かい、いつかの帰り道には ghostand tapeの音楽がまたゆっくりと流れ始める。
(レビューより)






Akira Kosemura 最新作

Akira Kosemura 『MANON』  [2012年05月23日 発売]

18世紀フランスロマン主義文学の名作「マノン・レスコー」(アベ・プレヴォー原作)を、キミホ・ハルバート演出・振付によって現代にも重なるアレンジを施したダンス公演「MANON」。本公演の劇伴を担当した小瀬村 晶による書き下ろし楽曲、2枚組 全80分に及ぶ超大作のサウンドトラック。

風の様に天真爛漫で、終いには自分が巻き起こす竜巻に巻き込まれ死を迎えるマノンと、彼女との出会いから運命に翻弄されつつもマノンを愛し続けるデ・グリュー。二人の壮絶な恋愛劇を、時に美しく、時に儚く、そして時に残酷に、運命に翻弄される二人の人生に呼応するように書き下ろされた音楽からは「生きることへの喜びと、生き抜くことへの困難さ」という、現代にも通じる普遍的なテーマへと重なっていく。
前作のオリジナル・アルバム『how my heart sings』は、自身のピアノ演奏に重きを置いた飾らない演奏によるシンプルで美しいピアノ・アルバムだったのに対して、今作では、演奏家に白澤 美佳(ヴァイオリン)、人見 遼(チェロ)、良原リエ(アコーディオン)、三沢 泉(マリンバ・パーカッション)、高坂 宗輝(ギター)、荒木 真(フルート)、Shaylee(ボーカル)を招き、様々な顔を持った楽曲アレンジを施している。さらには、ギミックの効いた電子音楽や、ノイズ・ミュージックなど、これまでの小瀬村 晶作品では見受けられなかった作風も大胆に散りばめられており、オリジナル・アルバムとはまたひと味もふた味も違った、職人としての側面も垣間みれる充実の作品に仕上がった。
舞台作品のサウンドトラックでありながら、一音楽作品として非常にエキサイティングな聴覚体験が続く全80分、19曲を完全収録。

※舞台作品としての一連の流れを徹底した美意識で追求した本作は、小瀬村 晶 本人の希望によりCDフォーマットのみでの発売となります。



schole 最新作

paniyolo 『Christmas Album』  [2012年11月01日 発売]

SCHOLE 冬のリリースはこれまでに『I'm home』(2009)、『ひとてま』(2012)の2作品をリリースしているギター弾き、Paniyoloのクリスマスカバーアルバム。 冬の大定番の今作、Paniyoloの温もり溢れるギターの音色がシンプルで心地よいギターアンサンブルとなって、大切な空間にそっと灯りをともします。
過去のSCHOLE作品で数多くのギター演奏を担当してきたPaniyoloですが、リミキサーとして参加したFlica、ghost and tapeの作品では他楽曲へ自らの色を溶け込ませるセンスの良さと、そのアレンジ力が好評を博し、日本の童謡楽曲など、これまで様々なカバー楽曲を披露してきました。 前作『ひとてま』で確立したPaniyoloの定番スタイルとも言うべき、素朴でささやかにつま弾かれるギター演奏で「レット・イット・スノウ」、「サンタが町にやってくる」、「ジングルベル」、「赤鼻のトナカイ」などの親しみやすい楽曲を、ゆっくりと静かに奏でていきます。
アートワークは絵描きと音楽家の2つの顔を持ち、自身もSCHOLEより作品をリリースしている武澤 佳徳(Yoshinori Takezawa)が担当。
メロディの美しさそのままに、シンプルに洗練されたアレンジが、落ち着いた雰囲気を演出。
そっと優しく、わくわくを届けてくれる、Paniyoloのクリスマスアルバム。



次回へ続く…(12/10更新予定)。






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