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【特集】 クリスマス・アルバム 2012 (ジャズ編)

2012年12月6日 (木)


クリスマス・ジャズ・ディスクガイド 2012



2012年最新リリース


心温まる冬の新定盤誕生

ウィンター・キッス〜わたしのホリデイ Diana Panton
『ウィンター・キッス〜わたしのホリデイ』


カナダの妖精ダイアナ・パントンがそのメロウ・ヴォイスで囁きかける、ファン待望のクリスマス・アルバム。アレサ・フランクリンで知られる「キッシング・バイ・ザ・ミスルトゥ」のボッサ・カヴァーからはじまり、お馴染みのクリスマス・ソング、アンリ・サルバドール「セ・ノエル・シェリー」、デイヴ・フリッシュバーグ「スノウバウンド」、そして、ヴィンス・ガラルディ「クリスマス・タイム・イズ・ヒア」などの隠れた冬の名曲をしっとりとカヴァー。これまでのクリスマス・アルバムとはひと味ちがう、心温まる冬の新定盤誕生。日本盤のみのボーナス・トラックとして、ランディー・ニューマン作のレア名曲「スノウ」収録。



「四季ジャズ」完結編となるクリスマス作

Winter Wonderland Nicki Parrott
『Winter Wonderland』


『さくらさくら』『サマータイム』『枯葉』に続く、ニッキ・パロットの「四季ジャズ」完結となるクリスマス作品。彼女のヴォーカル&ベースはもとより、実姉リサのサックスを全面にフィーチャーということで、しっとりとした肌触りの中に年の瀬特有の賑々しさなども感じさせてくれる。とかく、しっとり派には、「ブルー・クリスマス」、「クリスマス・タイム・イズ・ヒア」、「ホワット・アー・ユー・ドゥーイング・ニュー・イヤー・イヴ」などがオススメ。



デビューは、いきなりのクリスマス・アルバム

Christmas Gift Rachelle Bentley
『Christmas Gift』


マドリード在住のイギリス人美女シンガー、レイチェル・ベントレーのデビューは、いきなりのクリスマス・アルバム。メリー・ホプキンスなど往年の英国ポップス歌姫達を彷彿とさせる清楚な歌声。殆どのナンバーがオーソドクスなスウィングやボッサ、スローバラードによるジャズ・アレンジだが、「In The Bleak Midwinter」など後半には、箏やパーカッションをフィーチャー。東洋風、アフリカ風などワールド・ミュージック・ライクな異色のアレンジで締め括られる。




北欧スウェーデンならではの凛とした歌声

World For Christmas Real Group
『World For Christmas』


驚異的な歌唱力と美しいハーモニーでアカペラ・コーラスにおいて世界一と称されるザ・リアル・グループ。日本ではアカペラ・コーラスの人気が再燃している中、多くのグループが彼らを目標にしている。北欧スウェーデンならではの凛とした歌声は、男女混声合唱ならではの幅広い音域で聴く人を魅了。クリスマス・アルバムの定番となった『リアル・クリスマス』に続く本作。ポップス、ジャズ、フォーク、クラシックの要素をふんだんに取り入れた、彼らならではの洒落たセンスとソフィスティケートされたクリスマスソング集で多くの人に長く愛される作品となっている。


オリジナル曲だけのクリスマス・アルバム

Send Me Some Snow Chris Standring / Kathrin Shorr
『Send Me Some Snow』


英国出身のベテラン・ジャズ・ギタリスト、クリス・スタンドリングと、キュートな歌声が印象的な女性ヴォーカリスト、キャスリン・ショアによる、オリジナル曲だけのクリスマス・アルバム。クリスの普段のフュージョン・タッチな作風とは違い、王道ジャズ・スタイルをベースに、ストリングスが華やかさを添えるポップ・チューンから、ロマンティックに聴かせるバラードまで。心躍る素敵なメロディとアレンジ、クリスマスの新たな定番アルバムの登場。





地元ストックホルムでのライヴ・レコーディング

Christmas With My Friends III Nils Landgren
『Christmas With My Friends III』


ニルス・ラングレン、恒例のクリスマス・アルバムの第3弾。2011年12月19、20日、地元ストックホルムでのライヴを録音したもの。ドラムレスのトリオにサックスとニルスのトロンボーンとヴォーカル、そして、ジェシカ・ピルナス、イダ・サンドなどの独ACTを代表する女性ヴォーカリストが出演。お馴染みのクリスマス・ソングに加え、ジョン・レノン「イマジン」、ジョニ・ミッチェル「リヴァー」、スティーヴィー・ワンダー「想い出のクリスマス」なども収録。



カタロニア地方に伝わるクリスマス・ソングを

Swing Swing Swing! Cor Vivaldi / Ignasi Terraza
『Swing Swing Swing!』


* こちらの商品は、2013年1月下旬入荷に変更となりました。何卒ご了承ください。
スペインの人気ピアニスト、イグナシ・テラザ・トリオが、聖歌隊、ジャズメン、シンガーらをゲストに迎え、さらには、米国ジャズ・コーラス・アレンジャーの権威、カービー・ショウの全面的協力を得て、スペイン・カタロニア地方に伝わるクリスマス・ソングをレコーディング。楽しくスインギーで、本来あるべき神聖な雰囲気をも漂わせるジャズ・クリスマス・アルバム!


Steeple Chase 初のクリスマス・アルバム

Advent [Ure] Craig Brann 『Advent [Ure]』

ギタリスト、クレイグ・ブランのSteeple Chase デビュー作品であると共に、同レーベル初のクリスマス・アルバム。曲はいづれもお馴染みのクリスマス・キャロルだが、レニー・トリスターノの影響を強く受けてきたクレイグ自身による見事なアレンジにより、名曲に新たな生命と息吹が感じられる作品に仕上がっている。グレゴリー・ターディ(ts,ss)も参加。





ムーンドッグがバカラックの曲を演奏したかのよう

Christmas Album National Jazz Trio Of Scotland 『Christmas Album』

ビル・ウェルズによる新プロジェクト「ナショナル・ジャズ・トリオ・オブ・スコットランド」によるクリスマス・アルバム。但し、「トリオ」であれどトリオでなし。ジャズ臭もさほど強くない。5人のヴォーカリストをゲストに迎えて作られた本作、所謂トラディショナルなクリスマス・ソング集だが、繊細かつ大胆・実験的なアレンジが施されたビル・ウェルズ流のものに。まるでムーンドッグがバカラックの曲を演奏したかのよう。ティーンエイジ・ファンクラブのノーマン・ブレイクもレコーディングに関わっているということで、一筋縄ではいかない一枚に。



実力は折り紙つきの女性シンガーばかり23組

Merry Christmas In Jazz V.A.
『Merry Christmas In Jazz』


High Note 発、ロマンティックで心温まる、そして楽しみに溢れたクリスマス・ソングの数々を優しいジャズ・ヴォーカルで包んでくれる2枚組コンピレーション。クリス・バーバー、コニー・エヴィンソン、ジュディ・アキン、クリス・ベネット、エレン&ベルント・マルクアートなど、日本ではあまり知られていないものの、実力は折り紙つきの女性シンガー(デュオ)ばかり23組。ゼロ年代以降の女性ヴォーカル・シーンを知るにも打ってつけ。








選/文 ●山本勇樹(ローソンHMV エンタテイメント)


  • Petra Haden & Bill Frisell

    [1] When You Wish Upon A Star ♪ / Petra Haden & Bill Frisell

    チャーリー・ヘイデンの愛娘と奇才ギタリストによるハートウォーミングなセッション。選曲も面白い・・・エリオット・スミス、フー・ファイターズ、コールド・プレイ、トム・ウェイツ。その中でも静かに輝きを放っているのは「Moon River」と「When You Wish Upon A Star」のスタンダード。

  • Epigraphs

    [2] Silent Dream ♪ / Ketil Bjornstad & David Darling

    デュオ繋がりでECMを。一音が鳴れば一瞬にして静寂が訪れる神聖な雰囲気、そんな魔法のような作品。ピアノとチェロのデュオでドラムレスという編成も今の気分にぴったり。作品を通して小さなヴォリュームで聴きたいが、あえて挙げるなら曲名からして素敵な「Silent Dream」。

  • Lux

    [3] 全曲 ♪ / Brian Eno

    ブライアン・イーノが戻ってきてくれた。もしかしたらすこし早いクリスマス・プレゼント?かのアンビエント・シリーズの続編といわれる、この新作を前にすると心が穏やかなになっていくのがわかる。空港で試聴会をおこなうという話を耳にしたが本当だろうか、ぜひ体感してみたい。

  • Under The Blanket

    [4] I'll Never Fall In Love Again ♪ / Pisano & Ruff

    もうこれはタイトルからして冬の定番。こんなに地味で完璧なソフトロックもなかなか見当たらない。今年は色々とA&M作品が紙ジャケで復刻したが、久しぶりの登場に喜んだ人も多いはず。ロジャニコ「Drifter」も良いけど、ここでは「I'll Never Fall In Love Again」を聴きながらH.デヴィッドに合掌。

  • V.A.「Something Festive」は未CD化となります

    [5] It's The Most Wonderful Time ♪ / Pete Jolly

    A&Mの流れでこの一枚。しかし残念ながら未だにCD化がされておらず。当時ノベルティで作られたというクリスマス・アルバムには、バカラック、セルメン、ウィ・ファイブ、クロディーヌ・ロンジェなどオールスターの面々が収録。そしてピート・ジョリーのきらめくようなピアノ・タッチに笑顔があふれる。

  • ウィンター・キッス 〜わたしのホリデイ

    [6] Snow ♪ / Diana Panton

    [5] で紹介したアルバムに収録されているクロディーヌ嬢の「Snow」(オリジナルはニルソン)を見事にカヴァーしたのはカナダの妖精ことダイアナ・パントン。「ああ、良いなぁ」というため息しかでないくらい素敵な冬のアルバム。その他デイブ・フリッシュバーグからスタンダードまでどれも彼女の優しい色合いに。

  • Brighter Visions Beams Afar

    [7] Christmas Time Is Here ♪ / Don Peris

    ヴィンス・ギャラルディがスヌーピーのサントラに書いた「Christmas Time Is Here」という曲、これが入っている作品はどれも外れがない。というのは大げさかもしれないが、ギターだけで紡がれると良い一層にこの美しい旋律を際立つ。イノセンス・ミッションのメンバーによる隠れた名品より。

  • Milk White Sheets

    [8] Cachel Wood ♪ / Isobel Campbell

    伝統的なクリスマスにちょっと憧れたりする。キャンドルの灯にともされた料理たち、窓の外に降り積もる雪景色。そんな風景が似合う無垢な歌声は、元ベルセバのヴォーカリストによるもの。まるで70年代のトラッド・フォークのような滋味深い世界観、だけどしっかり愛らしい少女の面影も感じられる。

  • Just Another Diamond Day

    [9] Lily Pond ♪ / Vashti Bunyan

    もはや隠れた名作を越えて定番にさえなっている一枚。やはりそれだけの魅力にあふれているという理由がある。普遍的なメロディと奇跡のような歌声、そっと耳を傾ければ幸せが訪れる、「きらきら星」のメロディをモティーフとした「Lily Pond」が聖なる夜空に瞬く。

  • Saravah For Quiet Corner

    [10] 全曲 ♪ / Saravah For Quiet Corner

    フランスのサラヴァ・レーベルの音源を「Quiet Corner」をフィルターに選曲したコンピレイション。サラヴァのもっている親密で優しい楽曲がゆるやかに流れる。心地よいボサノヴァやサンバ、メランコリックなフォーク、リリカルなピアノ・トリオなど・・・。クリスマスのBGMにもぴったりなのでぜひこの機会にどうぞ。


Quiet Corner クワイエット・コーナー Vol.8 へ

 


モダンジャズ


Charlie Brown Christmas Vince Guaraldi Trio
『Charlie Brown Christmas』
(1965)


リリカル且つファンキーな西海岸ピアニスト、ヴィンス・ガラルディが、モンティ・バドウィッグ(b)、コーリン・ベイリー(ds)とのトリオで吹き込んだ、クリスマス・ピアノ・ジャズ永遠の定番にしてピアノトリオの大名盤。元々は、1965年にアメリカCBS-TVで放映された「スヌーピーのメリークリスマス」のサウンドトラックとして制作されたもの。あらゆるジャズ・ミュージシャンがカバーする名曲「Christmas Time Is Here」の原曲も収録。本作は、オリジナル・マスターから24bitリマスタリング。オリジナルLP未収録曲(『チャーリー・ブラウンの休日』収録の「Great Pumpkin Waltz」、「Thanksgiving Theme」のモノラル版)を追加した2012年最新リイシュー盤。



My Piano Christmas Beegie Adair 『My Piano Christmas』
(2011)


ここ日本でもすっかりおなじみとなった、古き良き時代のアメリカを今に伝えるベテラン女流ピアニスト、ビージー・アデールのクリスマス・アルバム。カラフルなオーケストラやトリオによって明るく柔らかなタッチで奏でられるクリスマス・ソングの数々が、幸せな気分を運んでくる。衒いのない、包み込むようなピアノの調べがとても温かい。



Christmas Songs 1 & 2 Eddie Higgins 『Christmas Songs 1 & 2』
(2005/2008)


2005、2008年にそれぞれリリースされた、エディ・ヒギンス・トリオのクリスマス・アルバムをカップリング。ヒギンスはスタンダード・ソングの達人であり、名曲のもつ魅力を引き出し、優雅でジェントルにスイングさせたら右に出るものはいない。ヒギンスのピアノ・スタイル、それはジャズ・スタンダードでもミュージカルの歌曲でも、そしてクリスマス・ソングでも不変だ。



Oscar Peterson's Christmas Oscar Peterson 『Oscar Peterson's Christmas』
(1995)


高音質サウンドでおなじみのTelarcからリリースされたオスカー・ピーターソンのクリスマス・アルバム(カナダ・トロント録音)。巨匠といえども聖夜は童心にかえってウキウキ、といった様相。おなじみのクリスマス・ソングを、シンプルながらスインギー&リッチに聴かせてくれる。実は、1993年に脳梗塞で倒れてからの復帰作ということで、ことのほか心が躍ったことも推知できる。



What A Wonderful Christmas Louis Armstrong 『What A Wonderful Christmas』
(1997)


サッチモ・クリスマス盤にも色々あるが、入門編ということではこちらがお手軽か。「20th Century Masters -The Christmas Collection」からのベストで、ベニー・カーター楽団で歌った「Christmas in New Orleans」、ゴードン・ジェンキンス楽団で歌った「White Christmas」など、サッチモのクリスマス関連有名曲を概ねまとめて聴けるウレシイ一枚。


Chirstmas Album Herb Alpert 『Chirstmas Album』
(1968)


ハーブ・アルパート&ティファナ・ブラスならではのアメリアッチ・サウンドで踊ろう。バカラック作の「The Bell That Couldn't Jingle」、アルパートのヴォーカルがムーディに響く「The Christmas Song」、アカペラ・コーラスから一転ノリノリのジャズ・サンバになだれ込む「Jingle Bells」など、今も昔も楽しいクリスマス・ムードを盛り上げるには欠かせない一枚。営業DJsにもオススメ(ていうかもはや鉄板)!



Silent Nights Chet Baker 『Silent Nights』
(1986)


チェット晩年のクリスマス・アルバムは、 ”闇を抱えていた”時期とは好対照の明るいムードが漂う一枚。気心知れるクリストファー・メイソン(as)の呼びかけで、ニューオリンズのスタジオで ”ゆるり” と録られた作品だそうだが、どの曲もチェットにとっては初吹き込みとなる曲ばかり。ゆえに、そのあたりの新鮮さが顕著に出ている。つまり演者が楽しそうに立ち回っている様が手に取るように伝わってくる、と。唄はナシ。すべてトランペット一本で臨んだ潔さにヴーヴ・クリコで乾杯だ。



Christmas Album Till Bronner 『Christmas Album』
(2007)


トランペットはジャズの花形。しかも欧州仕込みの洒脱さにこのルックスがあれば、クリスマスはまさに ”稼ぎどき” 。クリス・ボッティと双璧を成す現代トランペッターの最高峰、ティル・ブレナーのクリスマス・アルバム。そのボッティほか、フランク・マッコム、ニューヨーク・ヴォイセス、イヴォンヌ・カッターフェルド、ベルリン・ドイツ交響楽団など豪華なゲスト陣を従えて、唄あり、ビッグバンドあり、オーケストラあり、様々なスタイルにて甘すぎず渋すぎずの演奏をキメる。独米グッド・ルッキン・ラッパ男子対決と相成った「Notes On Snow」を是非。


Noel! Noel!! Noel!!! Michel Legrand 『Noel! Noel!! Noel!!!』
(2011)


ミシェル・ルグランの「これぞ巨匠!」と唸らずにはいられない、絢爛豪華な聖夜盤。レコーディングには、16人編成のビッグ・バンドと34名のオーケストラが参加と、祝祭ムードは極めて高い。世界中で歌い継がれてきたクリスマス・ソングの数々は、流麗なストリングスと緻密なアレンジと、どこを切っても安心二重丸のルグラン印。歌唱陣には、マデリン・ペルー、カーラ・ブルーニ、ジェイミー・カラム、ルーファス・ウェインライト、そしてイギー・ポップまでもが参加。彼らが一堂に会する書き下ろし新曲「Noel D'espoir」がスペシャル!


Joy To The World Pink Martini 『Joy To The World』
(2010)


リーダー兼ピアニストのトーマス ローダーデール率いるユニークなビッグバンド、ピンク・マルティーニのホリデー・アルバム。「White Christmas:PartU」は、由紀さおりが日本語で歌い上げたヴァージョンで、翌2011年のコラボレーション・アルバム『1969』制作のきっかけともなった、本作のハイライトのひとつ。スウィング・ジャズを基本に、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、中国語を駆使しながら、ドゥーワップ、アラビック、ハワイアン、カリビアン、タンゴ、オペラなどを披露する極めて多国籍な内容が、全米を中心に話題を呼んだ。



Carla's Christmas Carols Carla Bley 『Carla's Christmas Carols』
(2009)


カーラ&夫君スティーヴ・スワロウと、パルティカ・ブラス・クインテットというドイツのブラス隊との共演。その結果が、意外や意外のクリスマス・アルバムに。カーラのピアノがそこまで全面に出ているわけではなく、また勿論、”前衛”と呼べるものではないのだが、緻密なアレンジやスワロウとの絶妙なやり取りによって築かれた荘厳で宗教的な世界・・・教会音楽という彼女のルーツを窺える意味でも多分に興味をそそられる一枚だ。



Dave Brubeck Christmas Dave Brubeck 『Dave Brubeck Christmas』
(1996)


全編ソロピアノによるデイヴ・ブルーベック、76歳のときに吹き込んだクリスマス・アルバム。クラシックの素養をチラつかせながらも、しっかりとジャズのアドリブを展開し聴き手の高揚感を煽るあたりは、百戦錬磨の経験値と衰えることのないテクを併せ持つ大ベテランならではの妙技。「'Farewell' Jingle Bells」で一瞬スウィングするも、ほぼ全曲においてしっとり落ち着いたムードが味わえる。このほかTelarc モノでは、ジョージ・シアリング『Christmas With George Shearing Quintet』(1998年)などもオススメ。


Have Yourself A Soulful Little Christmas Kenny Burrell 『Have Yourself A Soulful Little Christmas』
(1966)


クリスマスにはなぜギターの音色が恋しくなるのだろう? そう思わせてしまうケニー・バレルのCadet録音のクリスマス・アルバム。ブラス・セクションやストリングス・オーケストラをバックにした多様なスタイルでソロをとるバレル。イケイケのアップテンポも良ければ、スローやブルースも尚良し。ラヴェル「ボレロ」との併せ技で披露される「Little Drummer Boy」やブラスが大活躍する「My Favorite Things」など、ユニークなアレンジが楽しめるのもポイント。




Christmas '64 Jimmy Smith 『Christmas '64』
(1964)


サンタに扮したジミー・スミスが赤いオープンカーをスッ飛ばすジャケットでおなじみのVerve盤『Christmas Cookin'』。こちらはジャケ違い同内容となるもの。ソウルフルなオルガンでガンガン攻めるトリオ楽曲と、ビリー・ バイヤース、アル・コーンらによるアレンジが冴えるスウィンギーなビッグバンド楽曲とがちょうど半分ずつという構成で、この時期ならではの賑々しさや喧騒感が溢れ出る。プロデュースはクリード・テイラー、ヴァン・ゲルダー録音の名品。



Sound Of Christmas Ramsey Lewis 『Sound Of Christmas』
(1961)


「The In Crowd」の大ヒットから遡ること4年。まだまだ全国区になっていなかったラムゼイ・ルイス・トリオの実質的な初ヒット・アルバムがこのクリスマス集。特筆すべきは、前半5曲のブルース度の高いトリオ演奏。ドロリとした冒頭から徐々にヒートアップする「Merry Christmas, Baby」や、ポップな風合いを持つオリジナルの「Christmas Blues」など、さすがジャズロックの先鞭を打っただけあり、独特なスウィング&グルーヴ感で迫りくる。






フュージョン


Christmas Collection Shakatak
『Christmas Collection』
(2011)


『Christmas Eve』、『Christmas Dreams(サイレント・イヴ)』、『Merry Christmas in Summer』、シャカタクが90年代に発表した3枚のクリスマス・アルバムを再編集した日本独自企画のベスト盤。定番曲、オリジナルのクリスマス・ソングから、山下達郎「クリスマス・イブ」、KUWATA BAND「メリー・クリスマス・イン・サマー」、辛島美登里「サイレント・イブ」のJ-POPカヴァーまで、今も日本で熱狂的な支持を受けるシャカタクならではのウィンター・ギフト。



Wear My Love David T. Walker 『Wear My Love』
(2009)


近年精力的にリーダー・アルバムをリリースするデヴィッド・T・ウォーカー。ンドゥグ・レオン・チャンスラー(ds)、クラレンス・マクドナルド(p)、バイロン・ミラー(b)とのカルテット・レコーディングによるクリスマス・アルバム。「Santa Claus Is Comin' To Town」、「The Christmas Song」といった定番ソングを中心に、オリジナル曲(「Wear My Love」、「Holidays Are Mirrors」)も加えて構成された一枚。「White Christmas」など3曲では、バーバラ・モリソンをゲスト・ヴォーカルに迎えている。



Night Before Christmas Spyro Gyra 『Night Before Christmas』
(2008)


老舗フュージョン・グループ、スパイロ・ジャイラ、結成33年目にして初のクリスマス・アルバム。「O Tannenbaum」や「Winter Wonderland」をはじめ、ジェイ・ベッケンスタインの紡ぐ柔らかいサックスの音がまるで粉雪のように降り注ぐ。ゲスト陣も適材適所。「It Won't Feel Like Christmas」ではクリスティン・エバーソール、「Baby It's Cold Outside」ではジャニス・シーゲル(マンハッタン・トランスファー)、二人の女性シンガーが彩りを添え、また前メンバーでもあるデイブ・サミュエルズのヴァイブも心地良く響きわたる。


Peace Round: A Christmas Celebration Yellowjackets 『Peace Round: A Christmas Celebration』
(2003)


イエロージャケッツのクリスマス・アルバムは、陽気なパーティ・ムードとは一線を画した、「砂漠のサンタ」のジャケットに代表されるようなシニカルなメッセージが、裏テーマに色濃く差し込まれたものに。定番の選曲にしても、ひと工夫ふた工夫あるアレンジで飽きることなく一気に聴かせてくれる。所謂フュージョンの王道的グループでありながら、ゼロ年代以降はアコースティック・サウンドに根差していたこともあって、ベテランならではの渋みや滋味深さをたっぷりと堪能できるだろう。




December Chris Botti 『December』
(2002)


米スムース・ジャズ界のトランペット貴公子クリス・ボッティのホリデイ・アルバムは、前評判どおりの伊達&セクシーな一枚。ビリー・チャイルズ(p)、アンソニー・ウィルソン(g)、ヴィニー・カリウタ(ds)、ピーター・アースキン(ds)ら磐石の布陣が強力バックアップする、ただ甘ったるいだけじゃない聖夜ジャズの祭典。ボッサ・アレンジの「Santa Claus Is Coming To Town」、ファンキーな「Little Drummer Boy」、多幸感いっぱいのポップ・チューン「I'll Be Home For Christmas」など、この聴きやすさこそが伊達男たる所以か? こちらは、2006年にジャケ新装+数曲入れ替えで発売されたリニューアル盤。



Christmas Eyes Bob James / Hilary James 『Christmas Eyes』
(2008)


ボブ・ジェームスとその実の娘ヒラリー・ジェームスとの共演クリスマス作。クリスマスの定番曲を中心にしながら、ボブのオリジナル、またはヒラリーとその夫でもあり本作のプロデューサーでもあるケヴィン・ディシモネとの共作によるオリジナルなどが楽しめる。ヒラリーはそもそもジャズ畑で活動しているわけではないこともあり、その”サラッと感”が持ち味のようだ。そういう意味でも、ナタリー・コールの「Christmas List」などを衒いなく歌い上げるところなどは好感度大。とまれ、ボブのアコースティック・ピアノの美しい音色に尽きる部分もあるかもしれない。







ジャズ・ヴォーカル


Ella Wishes You A Swinging Christmas Ella Fitzgerald
『Ella Wishes You A Swinging Christmas』
(1960)


女王エラの、もとい全てのクリスマス・アルバムの中で最もスウィンギン! オープニングの「Jingle Bells」、続く「Santa Claus Is Coming To Town」や「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」、「Sleigh Ride」などなど、フランク・デヴォル・オーケストラの演奏に乗って、これでもかとばかりにグイグイとスウィングする痛快盤。世知辛い世の中において「クリスマスぐらいはこうでなくっちゃ!」と思わず膝を打つことウケ合い。録音は、かの名演『Mack The Knife - Ella In Berlin』と同じ1960年。つまり絶頂期の記録となる。退屈なワケがない。   



This Time Of Year June Christy 『This Time Of Year』
(1961)


一面の銀世界をバックに歌姫が雪合戦。いいジャケだ。しかも定番ソング一切ナシ。全て、アーノルド・ミラー&コニー・ピアース夫妻によって書き下ろされたオリジナル曲ということで、ジューン・クリスティ作品の中でもとりわけ人気が高い。彼女のハスキー・ヴォイスは、夏(『Something Cool』)には一服の清涼剤となり、冬には人肌の温かさを感じられる辛口の熱燗のような存在になり得るということ。「Winter's Got Spring Up It's Sleeve」など、好バラード目白押し。



My New Celebrity Is You Blossom Dearie 『My New Celebrity Is You』
(1976)


バリバリのクリスマス・アルバムではないが、この季節に好んで聴かれることも多いブロッサム・ディアリーのメロウ&ソフトなウィンター・アルバム。そのキュートな歌声だけでなく、彼女自身が爪弾くエレピの音にも耽溺必至。クリスマス曲ほか、シャレたムードの表題曲や、ボッサ調の「Killing Me Softly With His Song」、デイヴ・フリッシュバーグのカヴァー「Peel Me A Grape」なども言うことなし! ロン・カーター(b)、グラディ・テイト(ds)、ヒューバート・ロウズ(fl)、トゥーツ・シールマンス(harmonica)らスモール・コンボによるアシストも絶妙。


Christmas Song Book Helen Merrill 『Christmas Song Book』
(1991)


”ニューヨークのため息” ヘレン・メリルが1991年に吹き込んだクリスマス・アルバム。オーケストラ入りの色彩感溢れるトラックとコンボをバックにしたジャズ・オケとの二本立てで、当時還暦を迎え円熟期にさしかかった貫禄の歌唱は、自在なスキャットやフェイクを駆使する「Let It Snow」などにおいて顕著。作者メル・トーメとのデュエットが幸福感を喚起する「The Christmas Song」、アート・ファーマーの淡々としたソロが効果的な「A Child Is Born」、柔らかなワルツ「Winter Wonderland」など、じっくりと聴き込みたい一枚だ。



Christmas Time Is Here Jaimee Paul 『Christmas Time Is Here』
(2010)


ビージー・アデール完全バックアップの下、『At Last(邦題:シングス・スタンダーズ)』でデビューを果たしたジェイミー・ポール。リッチで艶のあるその歌声は、クリスマスのお供としても不足はない。いや、実に頼もしい。彼女のバックグラウンドとなるゴスペル、ブルース、ソウル系譜のふくよかさが染み出る。「若かりし日のエラ、あるいはビリー・ホリデイを想起させる」といった評判にも納得だが、それも表層的な亜流でないところにその凄みがあるのだろう。クリスマスに甘味だけを求める時代はとっくに終わった。ビージーも2曲に参加。


Many Times, Many Ways - A Christmas Collection Halie Loren 『Many Times, Many Ways』
(2010)


新世代ジャズ・ヴォーカル・シーンにおいて一際注目度の高いヘイリー・ロレンが、マット・トレーダーとのピアノデュオで贈るクリスマス・アルバム。しっとりとした歌唱の中にあるわずかな翳りや渋みが、テクニック云々を超越した部分で聴く者の心を捉えて離さない。まだ20代だというのに大した表現力だ。「The Christmas Song」、「Winter Wonderland」といった定番曲もピアノデュオで耳にするとかなり新鮮。トレーダーのオリジナル・ソロピアノ曲「Sugar Cookies」、「From The Mouths Of Babes」も良いアクセントに。


Hooray For Christmas Janet Seidel 『Hooray For Christmas』
(2004)


オールド・ファッション・スタイルと清々しくもコケティッシュな歌唱で心奪うオーストラリア・シンガー、ジャネット・サイデル。ボッサ・アレンジの「I'll Be Home For Christmas」、ウクレレに乗って軽やかに歌われる「Winter Wonderland」など、南半球に位置する彼の地ならではの ”真夏のクリスマス” ムードも随所に。ペギー・リー、ドリス・デイ、ブロッサム・ディアリーらによって歌われてきた古きよき聖夜ジャズ・ヴォーカルの伝統。それは、ジャネットの魔法によって再びエヴァーグリーンの輝きを取り戻す。




This Is The Season Traincha 『This Is The Season』
(2010)


ポップ・フィールドで活躍してきた人だけあって、スティーヴィー・ワンダー「Someday At Christmas」、「What Christmas Means To Me」、ジョン・レノン「Happy X'mas(War Is Over)」、ダニー・ハサウェイ「This Christmas」、そしてマライア・キャリー「Miss You Most(At Christmas Time)」など、選曲からしてその辺のジャズ・シンガーとはひと味もふた味も違う。プロデュースを手掛けるレオナルド・アムエドのギターとコーラスのみというシンプルなバッキングが功を奏し、トレインチャの本当の歌の巧さというものが際立っている。



Winter Wonderland Emilie-Claire Barlow 『Winter Wonderland』
(2007)


”歌姫大国” カナダでは、ダイアナ・クラールに負けずとも劣らぬ高い人気を誇るエミリー=クレア・バロウ。清楚なキューティ・ヴォイスとポップな作風でここ日本でもファンの多い彼女。クリスマス・アルバムでもその魅力をたっぷりと。「What Are You Doing New Year's Eve?」、「Santa Baby」、「Winter Wonderland」、「Little Jack Frost」などの定番曲も、ひとたび彼女が歌えば甘く夢見心地のスペシャルなひとときに。『Mannequin』で知られるAORシンガー・ソングライター、マーク・ジョーダンとのデュエット「Baby, It's Cold Outside」もお見事。



Christmas Songs Diana Krall 『Christmas Songs』
(2005)


1998年の6曲入りミニ・アルバム『Have Yourself A Soulful Little Christmas』に続くダイアナ・クラール2作目のクリスマス集。トピックは、彼女にとって初となるビッグバンドとの共演。アンソニー・ウィルソン(g)のギターに導かれ、ジョン・クレイトン=ジェフ・ハミルトン・ビッグバンドのダイナミックなアンサンブルに乗ってスウィングしまくる冒頭「Jingle Bells」から早くもヒートアップ。ピアノ・ソロ、スキャットを交えながら盛り上り大会へと突入するあたりは卒倒必至のかっこよさ。スモール・コンボによる「The Christmas Song」、「White Christmas」では、彼女の細かい息づかいにたっぷりと酔いしれる。



Christmas Singers Unlimited 『Christmas』
(1972)


オスカー・ピーターソンとの共演で注目されていた頃に吹き込まれた、アカペラ・ジャズ・コーラスによるクリスマス・アルバムの金字塔。粋なアレンジ、美しいハーモニー、重厚なコーラス、シャープなリズム感、全てが完璧。「Have Yourself A Merry Little Christmas」以外は、古くから伝わるおなじみの賛美歌やトラッドなどが並ぶということもあり、コマーシャライズされていない厳かな雰囲気にもあずかれる。とはいえ、ただ単にしんみりしているわけではなく、「Deck The Halls(ひいらぎ飾れ)」など、聖なる喜びを爆発させるハッピー・チューンも満載。



Acapella Christmas Manhattan Transfer 『Acapella Christmas』
(2004)


アカペラつながりでもう一枚。世界最高峰のジャズ・コーラス・グループ、マンハッタン・トランスファー、デビューから約30年で意外にもこれが初となる全編アカペラによるクリスマス・アルバム。エンターテイメント性を全面に出して、聖夜をゴージャスにスウィングさせる点からも、シンガーズ・アンリミテッドとはまた別の魅力が満載。円熟のコーラス・ワークは、甘くムーディな「I'll Be Home For Christmas」でどうぞ。彼らにはもう一枚、トニー・ベネットらがゲスト参加している『Christmas Album』(1992年)というクリスマス作品もある。



Have Yourself A Merry Little Christmas Maya 『Have Yourself A Merry Little Christmas』
(2008)


松尾明トリオを従えて、セクシーさだけでなく、時として少女のようなな可愛らしさも魅せるクリスマス・アルバム。映画のスクリーンの中のMAYA、小説のヒロインのMAYA、恋人に夢中なMAYA・・・まるで女優のように曲ごとで変化をみせる。「I'll Be Seeing You」ではキュートな語りも。コンセプトが「一人でクリスマスを過ごす人にも聴いてもらえるクリスマス・アルバム」ということで、音と詞、両方を大切にして歌う中にどこか儚くしみじみとした風情が漂っているのも、ブルージーな彩を放つ彼女ならではの深み。





Christmas Michael Buble
『Christmas』
(2011)


5曲入りミニ・アルバム『Let It Snow』(2003年)に次ぐ2作目のクリスマス・アルバム。プロデュースは、デヴィッド・フォスター。ここ数年のジャズ・ヴォーカル聖夜企画盤では最もポピュラーな一枚に挙げられるのではないだろうか。「White Christmas」では、シャナイア・トゥエインと、「Mis Deseos/Feliz Navidad」ではタリアとのムーディなデュエットを披露。また、「Jingle Bell」、「Blue Christmas」といった古典から、マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」までカヴァー曲のレンジも幅広く、新世代ジャズ・シンガーならではのフットワークの軽さもスマートに見せつける。オリジナル新曲「Cold December Night」も収録されている。



White Christmas Bing Crosby 『White Christmas』
(1942)


「世界中で最も聴かれているクリスマス・アルバムとは?」と訊かれたら、往年のポピュラー〜ジャズ・ヴォーカル・ファンは真っ先にこのアルバムを挙げることだろう。第二次世界大戦中の1942年にオリジナル発売されてから70年、SP、LP、CD、本国盤から日本独自編集盤までフォーマットや収録内容を変えながら、現在も世界中で売れ続けている特大ベストセラー盤。心弾む明るいクリスマス・ムードを味わいたいという貴方、何を買おうか迷ったら、とにかくコレを! といっても概ね乱暴ではないだろう。




Merry Christmas Nat King Cole 『Merry Christmas』
(2009)


メル・トーメ/ボブ・ウェルズ作で、ナット・キング・コールによって初めて吹き込まれた不朽の名作「The Christmas Song」を皮切りに、「The First Noel」、「Joy to The World」、「Silent Night」・・・めくるめくクリスマス・ソング・クラシックのオンパレードに、得も言われぬ幸福度はうなぎ上り。ビング・クロスビーのアルバムと共に「一家に一枚」常備しておきたい。2005年には、愛娘ナタリーとの時空を超えたデュエット版「Christmas Song」などが収録されたニューヴァージョンもリリースされたが、現在は残念ながら廃盤となっている。



A Jolly Christmas Frank Sinatra 『A Jolly Christmas』
(1957)


アメリカン・ポピュラー・ミュージックの王道を聖夜に。バラード主体で世界中の恋人たちを濡らす、40代ホンモノの男の色気。クリスマス・スタンダードですら無双のシナトラ節でオリジナリティ溢れるものへと様変わり。ビング・クロスビー、ナット・キング・コール、ペリー・コモらと同様、一時代を築いた男の歌には、追随を許さない圧倒的な粋と、全てを包容すべくポジティヴな愛が満ち溢れている。ボーナストラックとして、「White Christmas」、「The Christmas Waltz」、ネルソン・リドル編曲による別ヴァージョンを追加収録。




A Swingin' Christmas Tony Bennett 『A Swingin' Christmas』
(2003)


老いて尚色気ムンムン。トニー・ベネットが、カウント・ベイシー・ビッグバンドやモンティ・アレキサンダー(p)の最高にスウィンギーな演奏を背にシャウトする、ダンサンブルなエンターテイメント・クリスマス・ジャズの本丸盤。「I'll Be Home For Christmas」、「My Favorite Things」、「Winter Wonderland」、「Santa Claus Is Coming To Town」、いずれも底抜けにスウィングし、どこまでもゴキゲンに歌い上げる。イタリア男子の美学ここにあり。バラードもフェロモン出まくり、腰砕け必至のメロウネス充満。トゥーツ・シールマンス(harmonica)、アンディ・シュナイツァー(ts)らもゲスト参加。



Harry For The Holidays Harry Connick Jr. 『Harry For The Holidays』
(2003)


1993年の『When My Heart Finds Christmas』以来10年ぶりにリリースされたクリスマス・アルバムの第2弾。歌/ピアノだけでなく、本作ではビッグバンド・アレンジとコンダクトまでをもやってのけてしまった、コニックのマルチな才能が爆発した一枚。セカンドライン・リズムに乗ってスウィングする「Frosty The Snowman」、ドロっとしたブルースに変貌を遂げた「Silver Bells」、再びセカンドラインでドライブするファンク・チューン「Santa Claus Is Coming To Town」など、ニューオリンズ・テイスト(LA録音ではあるが・・・)が要所で味わえる。「I'll Be Home For Christmas」のようなスローも、歌に滋味深さが出てきた分聴きごたえあり。






コンピレーション


ブルーノートのクリスマス V.A.
『ブルーノートのクリスマス』
(1995)


原題の「Yule Struttin'」は、言うまでもなくソニー・クラークのアレに引っ掛けているわけだが、現代的には ”ミニスカ・サンタ” のおみ足にやはり軍配か。1995年、新体制となったBlue Note はちょうど ”新しいジャズの定義” を模索していた時期でもあり、よってそれまでの旧態然としたカタログ音源オンリーで固めたオムニバス盤とは異なる、かなりフレッシュな顔ぶれが並ぶものとなった。スタンリー・ジョーダン、イリアーヌ・イリアス、ダイアン・リーヴス、ジョン・スコフィールド、ジョーイ・カルデラッツォ、ベニー・グリーン、リック・マーギッツァなど、彼らの当時の新録を中心とした内容は世界中で大いにウケた。チェット・ベイカー、カウント・ベイシー、デクスター・ゴードンらの古典曲も収録。