HMVインタビュー： Hiroshi Watanabe

Hiroshi Watanabe： 今回のミックスの依頼を受けたのは通常のスタイルではなく、あくまでもレーベルの音源のみを使うというテーマでした。僕の中でその括りを設けたことが逆に、どこまで面白いものができ上がるのか？と、とても興味が湧いてきました。自分にとっては、可能性と挑戦という気持ちが大きいです。今作品のタイトルやミックスコンセプトと題しているものは、僕が決めたのではなくレーベル側が先に用意してくれていたものです。

Hiroshi Watanabe： レーベル・エクスクルーシブミックスというのは基本的には、より多くのアーティストをできるだけ入れながらもレーベルカラーを打ち出しつつ、自分自身のDJスタイルも盛り込み、さらには自分自身がかけたい、使いたいと思えるトラックを奇麗にバランス良く分散させるのは正直に簡単ではないです。例えば単純に音だけを辿ってセレクトしていってしまうと…気がつくと同じアーティストの曲ばかりを多く選んでしまう…でもそれではミックスCDとしては成立しませんので、好きな曲とアーティストのバリエーションを同時に配慮していくのも大事です。
このプロセスには面白さと難しさが常に混在しています。

Hiroshi Watanabe： 正直、このミックスCDを作り上げるにあたり、レーベルが今までにリリースした音源を、当然ですが全ては知りませんでした。ただ、じっくりと全ての楽曲を聴きこみセレクトしていくうちに、どんどんとイメージが膨らんでいきました。どちらのレーベル音源も、とてもミックスしがいのある素敵なトラックが沢山リリースされています。

Hiroshi Watanabe： 今の時代で考えるならばある意味では、やはり挑戦だと感じています。ネット上には幾らでもDJミックスが聴ける環境があります。ラジオやライブ・レコーディングされた音源などと…その数は限りないです。そういう状況下で、ミックスをリリースするという行為は、やはり“挑戦”という言葉が今は一番合っているのかも知れない。あたり前ですが商品として、というボーダーラインがそこには無くてはならないことは作る前に分かっている訳です。そういう気持ちで“魂を込めた”一つの作品である！と前提で言えば、楽曲リリースもDJミックスのリリースも意義としては同じであると思っています。

Hiroshi Watanabe： 爆音でかけたいと思える音をひたすら、思うままにセレクトし、延々繰り返していくだけだと思います。そこが自身の中でシンクロしていくと自然にお客さんと自分もシンクロし、一体化していくのだと思っています。最終的には、フロアにいる皆と共に時間の感覚の無い空間を音で埋めつくし、音だけに身を委ねていられる空間が出来るのを望んでいます。

Hiroshi Watanabe： 幾つかのアルバム制作だったり、多岐に渡る構想は多くありますが、変わらずずっと音楽を作り続け、DJやLIVE活動を通じてより多くの人と繋がって行きたいと思っています。