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コルンゴルト:『沈黙のセレナード』

2011年11月22日 (火)

コルンゴルト:『沈黙のセレナード』(2CD)
クラウス・ジーモン&ホルスト=シンフォニエッタ


作曲家エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト[1897−1957]は、20世紀初頭のウィーンで早くから天才として注目を集め、やがてオペラ『死の都』や『ヘリアーネの奇跡』などにより、人気も評価も盤石なものとしますが、ユダヤ系だったためナチスの迫害を恐れ、友人の高名な演出家マックス・ラインハルトからの要請もあってアメリカに亡命、1930〜40年代のハリウッドで映画音楽の作曲に従事し、シンフォニック・スコアの発達に大きく貢献した人物。
 映画音楽の仕事には、ときに意に沿わぬ思いを重ねながらも「ドイツにいる悪魔が打ち破られるまで」純音楽の作曲をしないと誓っていたというコルンゴルトが晴れて純クラシック音楽作品を手がけるのは、第二次世界大戦終了後のことでした。
 ハイフェッツの尽力により、アメリカで一躍人気作となったヴァイオリン協奏曲のほか、室内楽や交響曲などに優れた作品を発表したコルンゴルトの作風は、荒廃した欧州楽壇ではしばらくは受け入れられませんでしたが、近年では、この作曲家天性のメロディの才能と、良質なロマンティシズムが再び脚光を浴びることとなり、数々の実演のほか、多くの録音が登場しています。

 今回リリースとなる『沈黙のセレナード』は、ヴァイオリン協奏曲と同じ頃に書き始められ1954年に完成、初演された作品で、2台のピアノ、チェレスタ、2つのヴァイオリン、チェロ、フルート、クラリネット(もしくはサクソフォン)、トランペットに打楽器という室内アンサンブルの伴奏によっています。
 作品の雰囲気は、世紀末的雰囲気の漂う1920年代ベルリンの「キャバレー・ソング」を彷彿させるメロディが印象的なもので、オペラとミュージカル・コメディを合わせたようなスタイルが、作曲者コルンゴルトの良き時代への懐古のようなものも感じさせる作品となっています。
 コルンゴルト生誕100周年以降、幾度か上演の機会にも恵まれた『沈黙のセレナード』ですが、ソフト化されるのはこれが初めてとなるので、コルンゴルトに関心のある方には見逃せないリリースということになりそうです。(HMV)

【収録情報】
・コルンゴルト:『沈黙のセレナード』Op.36 全曲
 台本:ヴィクター・クレメント
 ドイツ語翻訳:ラウル・アウエルンハイマー
 歌のテキスト:ベルト・ライスフェルト、コルンゴルト
 ディアローグ:ヘンドリク・ミュラー

 サラー・ヴェーゲナー(ソプラノ)
 ビルガー・ラッデ(バリトン)
 フランク・ブッフヴァルト(ヴォーカル)
 ヴェルナー・クロッコウ(ヴォーカル)
 アンナ=ルチア・レオーネ(ソプラノ)
 セバスティアン・ライヒ(ヴォーカル)
 ヤング・オペラ・カンパニー
 ホルスト=シンフォニエッタ
 クラウス・ジーモン(指揮)

 録音時期:2009年
 録音方式:デジタル
※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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