HMVインタビュー: RUSTIE

2011年9月29日 (木)

interview

Rustie

<Warp>からリリースしたデビューEP『Sunburst』に続き、遂に待望のフル・アルバムを完成させたグラスゴーの若き才能、ラスティにインタビュー!

「自分がやっていて楽しいと思うことをやること。そして、真の豊かさは心の中にあるってこと」かな。


--- あなたの音楽的バックグラウンドを簡単に教えて下さい。

Rustie: 子供の頃はプロディジーからニルヴァーナ、ウータン・クラン、マイケル・ジャクソンまで幅広く色々聴いていたよ。ギターをいじり始めたのは10歳からだね、15歳からDJを始めた。ビートを作りはじめたのは20歳の頃だね、作り始めたきっかけは、兄貴が『Fruity Loops』※ の海賊版を手に入れて、テクニック面の知識がなくても自分の音楽を作れるんだって気が付いたからなんだ。僕はグラスゴーで生まれ育ったけど、グラスゴーの音楽テイストとライフスタイルは、僕の音楽に素晴らしい影響を与えてくれたと思うよ。(でも1年半くらい前からロンドンに引っ越したよ。ロンドンの方が海外に行くのに便利だからね。(笑)

Fruity Loops : Windows用のリズムマシン・ソフト

--- グラスゴーのシーンは、貴方から見てどんな感じですか?

Rustie: 僕が関わっている音楽シーンは、パーティー&ダンス・カルチャーだね。グラスゴーはレイヴ・ミュージック、特に90年代初めのテクノと共に前進してきたんだけど、最近のシーンはその歴史を明確に反映していると思うし、特にRubadubのようなレコードショップ、テクノやレイヴ・ミュージックの起源に影響を受けた色んなタイプの音楽を流すナイトクラブなんかのお陰で洗練されてきていると思うよ。

--- どのような経緯で<Warp>と契約することになったんですか?

Rustie: <Warp>の指示で僕の『Jagz the Smack EP』でジェイミー・リデルとPVTのリミックスをやったんだけど、その後、彼らが僕にアルバムを作る予定があるかどうか尋ねてきたんだ。契約の話を受けた時、迷う理由なんてまったくなかったね。すでにボーズ・オブ・カナダやプレフューズ73の大ファンだったから。自分が愛する素晴らしいアーティスト達と同じサイドに立てると思うだけで興奮したよ。

--- 前作をリリースした当時ハドソン・モホークと比較するような意見も多かったように思います。彼は貴方にとってどんな存在ですか?

Rustie: ハドソンは大好きだし、すごく刺激を与えてくれる。類似点があるのも明らかだし、僕らは同じような音楽を聴いて、同じような影響を受けているんだ。それから僕とハドソンは<LuckyMe>というチームに所属しているんだ。<LuckyMe>はレコード・レーベルであり、近い興味を持って、アイディアを共有するプロデューサー、ミュージシャン、DJ、アーティストの集団であり、とても仲のいい友人の集まりなんだ。

--- アルバム・タイトル『Glass Swords』に込められた意味は?

Rustie: これはタイトル・トラックの制作中に思い浮かんだんだ。特に明確な意味というのはないんだけど、タイトルにしても曲にしても、美しさとおもしろさを兼ね備えたものっていうか、聴いていて嬉しくなるようなものを作りたいって気持ちがあったんだ。

--- 今作のアルバムのコンセプトはありますか?

Rustie: これといったコンセプトはないよ。自分の想像の世界の中のちょっとした冒険ってくらい。リスナーに伝えたいメッセージがあるとするなら、「自分がやっていて楽しいと思うことをやること。そして、真の豊かさは心の中にあるってこと」かな。

--- 2年前にくらべて、曲作りに対して何か変化はありましたか?

Rustie: 今回は、前回の2倍努力したよ(笑)それに、自分のプロダクションを、より音楽的にするにはどうしたら良いかを前よりは理解しているし(以前に比べると成長しているってことかな?)前は、とにかくリズムとベースを作って色々試していただけだったからね。今の自分は、コードや構成、スケールとかモードとか、もっと色んな事を勉強中なんだ。今回一番大きなチャレンジは、一つ一つのトラックの完成を見極めることだった。(大抵最初の方に浮かんだアイディアの方が魅了的なマジックを持っているんだけど、僕はいつまでも手を加えようとしてしまうからね。)

--- 今後の予定を教えて下さい。

Rustie: これからも愛を込めて音楽を作り続けることだよ。

新譜Rustie / Glass Swords
フライング・ロータス、ハドソン・モホークに続く<Warp>の新たな才能=ラスティーが遂にデビュー・アルバムを完成!プログレッシヴ・ロックや、16ビットのゲーム音楽、グライムやデトロイト・テクノ等を、未来のレイヴ・ミュージックとして表現。予測不能の展開と、あたたかなテクスチャーの波がアルバム全体を包み込む若き天才による期待の一枚がいよいよ登場!!
profile

RUSTIE /SUNBURST

多くの優れた才能が集まり、様々なジャンルが交錯するグラスゴーのディープなエレクトロニック・ミュージック・シーン。そんな今最もアツく、濃いシーンの中において、ラスティが一際輝く天才クリエイターということは火を見るより明らかだ。空想的なサウンドが鳴り響くラスティの待望のデビュー・アルバム『グラス・ソード』は、2年の制作期間を経て完成。アートワークからも連想される通り、壮大かつ異質。予測不能の展開とあたたかなテクスチャーの波が、アルバム全体を包み込み、方向感覚も平衡感覚もなくしてしまうかのような初めての音楽体験をリスナーに与えるだろう。獰猛でアッパー、シルキーで煌びやか。ネオンチックな中毒性を持つ今作は、驚異的なスピードで進化を続けるUKベース・ミュージックを象徴する一枚である。

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