[12月のドススメ] 【downy】

2010年12月17日 (金)

今月のドススメ

12月のドススメ! horita編

 『無題(タイトルなし)3rd Album』 / downy
2003年05月08日発売 ※廃盤

01.鉄の風景
02.アナーキーダンス
03.抒情譜
04.形而上学
05.暁にて…
06.「 」
07.苒
08.月
09.酩酊フリーク




今月よりスタートした“新企画『担当者今月のドススメ(仮)』”。現在・過去・未来問わずに、自分の本気のオススメ盤を紹介していく。という政治力一切関係無しというガチな企画です!ということでスタートの今月はなんとすでに廃盤の商品をご紹介!紹介しても買うことができない!売り上げに一切つながらないということで本気さを理解していただけたらと。。。

と、前置きが長くなりましたが、今月ご紹介するのは2003年に発売されたdownyの3rdアルバムです。downyのアルバムには全てタイトルがついてません。ということでこのアルバムも当然タイトルは付いてません。このあたりはあぶらだこの影響なのでしょうかね、歌詞にもあぶらだこの雰囲気を感じさせます。

彼らのオリジナルアルバムは4枚発売されており、いすれも素晴らしい内容なのですが、その中でもあえてこの3rdアルバムをご紹介します。大雑把に彼らのアルバムを説明すると、1stはエモ/ハードコア、2ndはブレイクビーツ、4thはフリージャズ/ニューウェイブからの影響を感じさせるといったところでしょうか、かなり乱暴ですが。そしてこの3rdはエレクトロニカも要素が大きい。

downyの楽曲は基本的にヒップホップのトラックのようなループを基調としています。もちろん全て生演奏。そしてコレがすごいのですがドラムパターンが同じものが全アルバムを通じて存在しません。そしてタムを使用しない。数少ない音で無限ともいえるリズムパターンを構築。downyの楽曲の表情を変えているのはこのドラムとベースのリズムパターンによるものが大きく、3rdアルバムがエレクトロニカの要素を感じると思わせるのも、エレクトロニカ独特の複雑なリズムパターンを生のドラムとベースだけで表現しているからと思われます。特に4曲目の『形而上学』ではマッシブアタックを思わせるダークなベースのフレーズにハットとキックが絡む。ベースは2音のみ、ハットは頭打ち、そこに頭をずらしたキックが入ってくるだけでエレクトロニカ的なリズムパターンを演出する。

上物となる2本のギターも基本的にはループなので1曲つきに3〜4のパターンをループさせている。コレだけ聞くと簡単なような気がするが、このループのフレーズが極上で、逆に言えば極上なフレーズさえあればループだけでこんなにもかっこいい曲になるんだというのを感じさせます。単純に極上なフレーズといっても、2本のギターのタイミングや絡み、音色等非常に計算されられ、既存のギターの使い方とは全く異なっている。そしてクラシック〜オリエンタル的なメロディラインもdownyの特異な音楽性を表している。

そしてそこにのる青木ロビンのヴォーカル。儚い消え入りそうな声で奏でられる歌声。一聴しただけでは、一体どこの言葉なのかわからない。しかし歌詞カードを見てびっくりする、全てが日本語で歌われている。寺山修司や江戸川乱歩やあぶらだこの影響をもうかがわせる奇々怪々な言葉ははっきり言って何を言いたいのかさっぱりわからない。けれどその言葉が楽曲の雰囲気と合わさり、サイケデリックなイメージを強烈に脳へと刻み込み磁場が狂ったように眩暈すらおこさせる。

downyは2000年に青木ロビンを中心に結成。2001年に1stアルバムをリリースすると、そこからアルバムを約一年ごとにリリースしていった。当時はこんなにクオリティの高い作品をよく短いスパンで作れるなと思ったものだ。そしこの2003年の3rdアルバム、あまりの完成度の高さにもうdownyとしてやることは無くなってしまったんではないかといやな不安になってしまうほどでした。

そして翌年には4thアルバムがリリースされるのですが、このアルバムが(完全に僕のイメージですが)いままでのdownyとは違い楽曲単位ではそれぞれ素晴らしいが、アルバムに統一感がない。今ままで封印していたメンバーそれぞれの趣味が全面にでているような感じがし、またこれまでのdownyにはどこかロックのフォーマットを拒否するような意思が見えたが、4thアルバムに関しては“所謂ロック”の要素も感じられ、この作品を聴いた瞬間、ああ解散してしまうんだなと漠然と感じた記憶がある。その不安が的中したように、この年の末にdownyは活動中止。

それぞれ凄腕のメンバーは個々に活躍、ギターの青木裕はVOLA & THE ORIENTAL MACHINE参加後unkieを結成。drの秋山隆彦はLOVES.に参加、さらにbassの仲俣和宏とともにfresh!、KARENに参加と精力的に活動続けています。中心人物の青木ロビンのみ現在音楽活動を休止中。

毎年浮かんでは消えるdowny活動再開の噂。作品も4thアルバムのみを残し、全て廃盤。できればもう一度この目でdownyのライブを観てみたい、最新のdownyの音聴いてみたい。そんな贅沢は言わないので、できれば友達に貸したまま帰ってこない1stアルバムを再発して欲しい。
レーベルさん、この記事を見ていたらぜひ検討をお願いします。

ALBUM


 『無題(タイトルなし)1st Album』

いきなり完成度の高いの1stアルバム。このほかの作品と比べると、若干荒さは感じられるがデビューアルバムがこの完成度とは今聴いても恐ろしい。彼らの代表曲ともなる「酩酊フリーク」で幕を開ける。英語だと持っていた詩が“無頼一閃”だと気づいたときの衝撃。。(廃盤)

 『無題(タイトルなし)2nd Album』

アブストラクト/ブレイクビーツの影響が色濃く出た2ndアルバム。ヒップホップやテクノのようなトラックの作り、ループや音の抜き差しなどdownyの特徴的な楽曲構成等、いったんここで完成する。downyの全作品中最もポップな印象で人気も高い(無茶苦茶暗いですが…)。(廃盤)

 『無題(タイトルなし)4th Album』

ニューウエイブやフリージャズなど、アルバム全体の印象はまとまりがない感じだが、それぞれのベクトルに向いた楽曲一つ一つはすさまじい完成度。カウントするのが難しい変拍子やいままでになくアグレッシブな楽曲など明らかにこれまでとは違う変化・進化をみせる。

CD+DVD


 『無題(タイトルなし)映像作品』

本文では全く触れませんでしたが、彼らのライブの特徴と言えば、映像とのリンク。VJがメンバーにいるというのは当時では珍しかった。そのライヴでも使われる映像が楽しめる。アルバム未収録の山茶花もCDで収録。(廃盤)

 『Live無題(タイトルなし) (+dvd)』

4thアルバム発売後のツアーのライブ模様を収録。4thアルバムからの楽曲+彼らの代表曲を収録。圧倒的な演奏力でCDの音を完璧に再現。緻密さの中にダイナニズムも加わりdownyのライブバンドとしての凄さを実感。(廃盤)

single


 『月宿る善良』

downyのデビューシングル。タイトル曲はアルバム未収録。downyの中でもよりハードコアに近い楽曲。ここから全てが始まった。(廃盤)

ドススメ人 profile

horita
主な担当ジャンル:
japanese indies

暗〜いもの、ゆる〜いものサイケデリックなものに気が付けば心を奪われている。
入社10年。連載企画“音楽圧迫面接”にてダメっぷりを発揮中。。



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