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「ベルリン・フィル・ラウンジ」第31号:デジタル・コンサートホールが完全日本語化!

2010年11月26日 (金)

ドイツ銀行 ベルリン・フィル
ベルリン・フィル&HMV提携サイト
 ベルリン・フィル関係ニュース

朗報!デジタル・コンサートホールが日本語が完全日本語化。検索機能も充実
 この11月より、デジタル・コンサートホールのサイトが、日本語でご利用いただけるようになりました。これまでは英語とドイツ語のみでしたが、今後は演奏会のプログラムのみならず、操作メニューや支払い方法まで、日本語でより簡便にご覧いただけます。
 日本は現在、ドイツ本国に続きデジタル・コンサートホールの利用者が最も多い国です。ベルリン・フィルでは、50年以上にわたる日本との関係に感謝する意味も込め、ウェブサイトの日本語化に踏み切りました。皆様にベルリン・フィルの演奏をより身近に感じていただけることを祈っております。
 またこの機会に、サイト全体が一新されました。ご利用の方はお気づきと存じますが、すでに8月のシーズン開幕と共にラウンチしています。当サービスが開始してから2シーズンが経過し、すでに70本以上の演奏会がオンディマンドで再生可能。今回は特に検索機能を充実させ、アーティストや演奏曲目を迅速に探し出せるようになっています。「24時間券(9,90ユーロ=1,100円)」から、お試しにぴったりな「30日券(29ユーロ=約3,200円)」、1年存分に楽しめる「12ヵ月券(149ユーロ=約16,650円)」までを揃えて、皆様のお越しをお待ちしております。今後もwww.digital-concert-hall.comをぜひご利用ください。


アブダビ、シンガポール、オーストラリア・ツアー。公式ブログもオープン
 11月8日から25日まで、ベルリン・フィルの演奏旅行がサー・サイモン・ラトルの指揮で行なわれました。今回はアブダビ、シンガポール、オーストラリアへのもので、とりわけオーストラリアでの演奏は初めてとなりました。同地では、パースで2回、シドニーで4回の演奏会を開催。シドニーでは、教育プログラム「未来@ベルリン・フィル」も実施され、マーラーをテーマとしたワークショップ(発表会)がオーストラリアの青少年と共に行われました。
 今回のツアーで演奏された曲目は、ハイドン「交響曲第99番」、ベルク「3つの管弦楽のための小品作品6」、ブレット・ディーン《コマロフの没落》、ブラームス「交響曲第2番」、ラフマニノフ「交響的舞曲」、マーラー「交響曲第1番《巨人》」の6曲。オーストラリア出身のブレット・ディーンは元ベルリン・フィル・ヴィオラ奏者で、現在は作曲家として活躍しています。
 ツアーの模様は、特設のブログblog.berliner-philharmoniker.deでご覧いただけます。これは団員の「旅行日記」の形式を取っており、旅行の印象が生の声でお読みいただけます。


ドキュメンタリー:ラン・ランがベルリンのピアノ生徒と共演!
 先シーズン、ベルリン・フィルのピアニスト・イン・レジデンスを努めたラン・ランが、今年の5月、ベルリンで100人のピアノ生徒と共演しました。これはフィルハーモニーで行なわれたワークショップの一環で、ラン・ランは子供たちとシューベルトの「軍隊行進曲第1番」を演奏しています。デジタル・コンサートホールでは、スペシャル映像コーナーでそのドキュメンタリーを公開。皆様には無料でご覧いただけます(注:デジタル・コンサートホールに無料で登録する必要があります)。

ラン・ランのドキュメンタリーをデジタル・コンサートホールで観る(無料)


ラトルのマーラー《巨人》&《復活》がアーカイブにアップ
11月初旬に行なわれたラトルのマーラー・ツィクルス第2弾「交響曲第1&2番」がアーカイブにアップされました。今年から来年一杯まで、ラトルは全ての交響曲に取り組みますが、《復活》は彼の国際的なキャリアの契機となった作品。今回は愛妻マグダレーナ・コジェナーをソロに迎え、感動的な演奏を繰り広げています。ついに確立されたラトル&ベルリン・フィルのマッシヴかつシルキーなサウンドを、ぜひご体験ください。
 また《巨人》は、シーズン・オープング演奏会と同じ曲目。8月のヴァージョンも名演でしたが、ヨーロッパ・ツアーで磨き上げた後のこの演奏も、美を極めるものです。
 一方興味深いのは、両演奏会前半のプログラム。シェーンベルクの《ワルシャワの生き残り》はめったに演奏されない作品ですが、今回はスピルバーグ作品で知られる名優ハンス・ツィシュラーが語りを担当しています。ユダヤ人迫害を題材にしたこの作品を、ドイツ人俳優が英語で演じる、というのもなかなか興味深いものです。またラフマニノフ最晩年の傑作「交響的舞曲」が、ラトルの棒で聴けることも朗報でしょう。

マーラー「交響曲第2番《復活》」の演奏会をデジタル・コンサートホールで聴く
マーラー「交響曲第1番《巨人》」の演奏会をデジタル・コンサートホールで聴く

 アーティスト・インタビュー

マグダレーナ・コジェナー(前半)
「《ジュリエッタ》におけるマルティヌーは、チェコ的という以上にフランス的です」
聞き手:ジョナサン・ケリー(ベルリン・フィル/オーボエ奏者)
(定期演奏会10月2日)

【演奏曲目】
マルティヌー:歌劇《ジュリエッタ》からの交響的断章
ドヴォルザーク:交響曲第7番

ジュリエッタ:マグダレーナ・コジェナー(メゾソプラノ)
指揮:トマーシュ・ネトピル


今号からは2号連続で、マグダレーナ・コジェナー(メゾソプラノ)のインタビューをお届けします。今回テーマとなるのは、10月にベルリン・フィルで歌ったマルティヌー「歌劇《ジュリエッタ》からの交響的断章」。この作品は、サー・チャールズ・マッケラスの指揮で歌った録音(スプラフォン)が発売されていますが、歌唱原語はフランス語。そのあたりの事情を、コジェナー自身が説明しています。ナチュラルな声の持ち主ですが、話しぶりも大変自然で、好感を呼びます。

ジョナサン・ケリー 「今回コジェナーさんは、マルティヌーの歌劇《ジュリエッタ》を歌われます。これはフランス語で書かれ、また〈断章〉と題されていますが、作品は完成しなかったのでしょうか?」

マグダレーナ・コジェナー 「いえ、オペラは完成しています。そして原語はチェコ語です。作品はプラハの国立劇場で初演されましたが、マルティヌーは不幸な運命を背負った人で、第2次世界大戦の前にフランスに亡命したのです。その際、スコアを持ってゆくことができませんでした。彼はそれを再び得られたらと望んでいたのですが、作品は彼にとって非常に重要なものでした。自作でも最高だと思っていたようです。ですから国際的な聴衆に聴いて欲しかったのでしょう。抜粋版の歌唱原語はフランス語ですが、物語の原作はフランス人作家ジョルジュ・ヌヴーの小説です。同時に彼は重要な個所を〈断章〉としてまとめることにしました。というのはスコアは大編成で、オペラ上演するのはずっと難しいので、コンサート・ヴァージョンの形で取り上げ易くしたのです」

ケリー 「マルティヌーというと、私はまずオーボエ協奏曲のことを考えますが、これは《ジュリエッタ》とはかなり違った響きの作品です。昨年ベルリン・フィルが演奏した交響曲もそうですが、フランス語で書かれたことが、作品のスタイルに影響を与えていると思いますか」

コジェナー 「マルティヌーは様々な実験をしています。彼はフランスに行って、フランスの作曲家の影響を強く受けました。私自身は、《ペレアスとメリザンド》の影響が極めて大きいと思います。例えばメリザンドの〈塔の場面〉にそっくりだと思う個所がある。また後年アメリカに亡命した時には、ジャズのスタイルを取り入れた作品を書いています。ですから色々な影響を吸収しているのでしょう」

ケリー 「オーボエ協奏曲にもジャズ的な要素が多いですね」

コジェナー 「彼はチェコ的、あるいはチェコ民族的なスタイルと、フランス的様式とを融合しています」

ケリー 「声楽作品は沢山書いているんですか」

コジェナー 「かなりの数のオペラを書いています。同時にピアノ伴奏の歌曲もあります。《ニッポナリ》という和歌に発想を得た歌曲集もありますが、これはアルトとオーケストラのための作品です。でもやはりオペラが重要で、私が好きなのは《3つの願い》という作品です。これは20年代のジャズの影響のもとで書かれ、3人のジャズ歌手が物語の出来事にコメントします。ジャズとクラシックのスタイルが入り乱れて、コラージュ的な感じになっているのです。とても面白いオペラです」

ケリー 「オペラ歌手には歌うのが大変ではないですか」

コジェナー 「普通この3人には、本物のジャズ歌手を使います」

ケリー 「《ジュリエッタ》は昔からなじみでしたか」

コジェナー 「作品は昔から知っていました。ですが当時は、自分向きではないと思っていた。というのは、普通はドラマティック・ソプラノが歌う役だからです。2、3年前、マルティヌー協会の会長が〈断章〉をチャールズ・マッケラスの指揮で上演するアイディアを出し、私にオファーしてきたのです。チェコ音楽の信奉者マッケラスのタクトですし、スコアを見て、やることにしました。メゾが歌うのは異例ですが、何とかなるわ、と(笑)。ですからとても興奮していました。この上演では、ライヴ録音も行われたのですが、世界初録音でした」

ケリー 「新しい役に挑戦する時、どうやって選んでいますか。高い音、低い音を見たりしますか。それとも声の“重さ”の問題でしょうか」

コジェナー 「ヴォーカル・スコアで判断するのは難しい。音の高さだけでなく、オーケストレーションの厚さの問題もあるからです。もちろん共演者が誰かということとも関係してきます。録音がある曲ならば、それで判断できますが…。一方ではとにかくやってみよう、と決断することも大事ですね。もっともやってみたら難しすぎた、ということもありますが(苦笑)」

ケリー 「あるパートが自分に合うかどうかは、どのように判断していますか」

コジェナー 「難しい問題ですね。どの歌手にも、それぞれ異なった弱点があると思います。例えば多くのメゾは、パッサッジョ(中音域から高音域に至る転換句)を歌うのがいやだと言います。高い音、低い音自体を歌うのは平気だが、2点FやGを長く歌い続けると苦しい、という問題です。私はそうした音は大丈夫です。嫌いなのは、高音をフォルテで歌うことですね」

ケリー 「チェコ語で歌うと、歌いやすいということはありますか。あるいは言葉によって歌い方が変わりますか」

コジェナー 「それは確かにあると思います。例えばフランス語では、音色の変化が他の言葉とは違いますね。まるで印象派の絵のように、絵の具をキャンバスに加えてゆく感じです。《ジュリエッタ》でも、母音に素晴らしい色合いを付けてゆくことができます。実際、私はこの曲を歌って言ると、チェコ的というよりはフランス的だと感じるのです。もちろんオーケストラのパートは、ワイルドなチェコ的要素があると思いますが、声楽パート、とりわけジュリエッタはフランス的ですね。無伴奏のレチタティーヴォの感じなど、特にそうだと思います」(後半に続く)

コジェナーの「歌劇《ジュリエッタ》からの交響的断章」をデジタル・コンサートホールで観る

 ベルリン・フィル演奏会批評(現地新聞抜粋)

カナダの新星ネゼ=セガンのデビュー演奏会の評価は?
(2010年10月21〜23日)

【演奏曲目】
メシアン:忘れられた捧げもの
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番
ベルリオーズ:幻想交響曲

ピアノ:イェフィム・ブロンフマン
指揮:ヤニック・ネゼ=セガン


 10月にベルリン・フィル・デビューしたカナダ人、ヤニック・ネゼ=セガンのレビューです。日本でも少しずつ知られてきているアーティストですが、全体に好意的な評で、批評家のシンパシーが感じられます。ケーニヒスドルフ、ネーターの両氏とも、若干難癖を付けてはいますが、これはむしろ、「評価の定まっていない指揮者をあまり誉めすぎたくない」というポーズ。実際には、かなり点が高いと考えられます。
 興味深いのは、ネーター氏が「ベルリン・フィルではデビュー以上に、再招待されるかが重要」と語っていること。厳しいヨーロッパの音楽界では、せっかくデビューしても、その後が続かないことは日常です。果たしてネゼ=セガンはベルリン・フィルに気に入られ、再招待を果たすことができるでしょうか。

「コンサート・ビジネスでは、デビュー指揮者に有利な条件を与えるのが普通である。つまりオケ側から、彼にとってやり易いレパートリーが提示される。今回のネゼ=セガン(35歳)の場合も、ベルリン・フィルは理想的な条件を与えた。つまり演奏される3曲全てが作曲家の青年期の作品であり、うち2曲はフランスものである。メシアンの《忘れられた捧げもの》では、ネゼ=セガンは力強い音響でスタートした。宗教的な色彩ではなく、現世的な情熱と官能性に重点を置いた表現。この時点ですでに、彼が世界的なキャリアを展開している理由が納得できた。音響を見事に“彫像”する、ストレートなスタイルである。もっともベルリオーズの《幻想交響曲》には、100パーセント適した方法ではなかった。演奏は柔和に美麗に響くばかりで、初演時に衝撃を与えたヒステリックな幻想性は薄かった(イエルク・ケーニヒスドルフ『ターゲスシュピーゲル』紙2010年10月22日付け)」

「今日、指揮者の新星というのは、山ほどいる。それは女性ヴァイオリニストのように、現われては消えるものなのである。ネゼ=セガンのデビューについても、気難しいベルリン・フィルから再招待された時に初めて、本当に成功したと言えるだろう。もっとも彼は自分の解釈をオケに演奏させることに成功していた。《幻想交響曲》では、ネゼ=セガンのタクトはカリスマ的ではないにしても、ベルリン・フィルがなぎ倒してしまわない程度には毅然としていた。これは客演指揮者がやり込められる場合が多いことを考えれば、かなりの成果である。将来ベルリン・フィルが彼により多くの信頼を置けば、両者の演奏は大変優れたものだろう(マティアス・ネーター『ベルリナー・ツァイトゥング』紙2010年10月23日付け)」

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 ドイツ発最新音楽ニュース

本コーナーでは、ドイツおよび欧米の音楽シーンから、最新の情報をお届けします。

ネーメ・ヤルヴィがエストニア国立交響楽団の首席指揮者を退任
 8月にエストニア国立交響楽団の首席指揮者に就任したばかりのネーメ・ヤルヴィが、早くも同職を退任する声名を発表した。背景は、エストニア文化省が同楽団の取締役を彼の了承なく解雇したこと。報道によればヤルヴィは、政界の一方的な処置にソ連時代の体質を見ているという。これにより、2012年以降に予定されている同オケのアジア、アメリカ・ツアーの実現が危うくなった。


チャイコフスキー・コンクールの審査員が発表
 2011年に開催されるチャイコフスキー・コンクールの詳細が発表になった。開催場所はモスクワとサンクトペテルブルクで、前者ではピアノとチェロ部門、後者では声楽とヴァイオリン部門が競われる。審査員長は、ロシア音楽界に君臨するヴァレリー・ゲルギエフ。審査員にはウラジミール・アシュケナージ、ネルソン・フレイレ、マクシム・ヴェンゲーロフ、アンネ=ゾフィー・ムター、アントニオ・メネセス、テレサ・ベルガンサ、レナータ・スコット、フェルッチョ・フルラネット等が顔を揃えるという。ピアノ部門と声楽部門の名誉審査員長は、ヴァン・クライバーンとプラシド・ドミンゴ。応募締切は、本来の12月1日より同月15日に延長された。


ジェイムズ・コンロンがロサンゼルス・オペラの契約を延長
 ロサンゼルス・オペラの音楽監督を務めるジェイムズ・コンロンの契約が、2012/13年シーズンまで延長された。これまでの任期は今シーズン終了までであり、「最低2シーズン」延長になるという。ロサンゼルス・オペラでは、総監督のプラシド・ドミンゴの契約が延長されたばかりだった。


レヴァインがメットの上演中に指揮を降板
 ジェイムズ・レヴァインが11月10日、メットの《ドン・パスクワーレ》上演中に胃痛を起こし、前半を指揮しただけで降板した。しかし続く13日の公演では体調を取り戻し、衛星中継された公演を最後まで振っている。なおレヴァインは、今年背中の手術のため長らく休養していた。

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