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スティーヴ・ジョーダンの蛇腹再考

2010年8月5日 (木)


Steve Jordan


2010年、スティーヴ・ジョーダンの蛇腹グルーヴ再考


 「テックス・メックス(テクス・メクス)」。19世紀半ばに、テキサス・メキシカン鉄道のニックネームとして初めて公に認知された言葉だそうです。一般的には、音楽だけでなく料理の呼称にも用いられることが多く、例えば、タコス、ナチョス、チリコンカンといったメキシコ風のアメリカ料理を指す場合に多く用いられます。また、音楽に限って言えば、テックス・メックス音楽は、「テハーノ(テハノ)音楽」とも言われ、テキサスはサンアントニオを中心に発展していったものとされています。「テハーノ」とはつまり、ヒスパニック系住民、メキシコ系テキサス人のことです。もちろん、その昔テキサスはメキシコ、コアウイラ・イ・テハス州の一部であったわけですが、その中で「テハーノ」は、1821年のメキシコ独立革命、1835年に勃発したテキサス革命(テキサス独立戦争)といった血塗られた歴史の闇の中で闘い続けてきた民族であったことも付け加えておきます。そのあたりの詳しい歴史の変遷などに関しては、何とか解説員とやらが、そのうちに民放キー局にて判りやすく解説してくれることでしょうから、ここでは割愛。 またさらに加えて、「今日のテハーノは、その民族性により、ヒスパニック、チカーノ、メキシコ系アメリカ人、スペイン人、ラティーノとさまざまな呼称で分けて考えられ、田舎のコミュニティと同様に都会のエリアでも、テハーノはヒスパニックとアングロ・アメリカンの文化の両方にうまく溶け込んでいるように見受けられる」とは信頼と実績のWikipedia。

 そんな「テハーノ」としての血統を誇りに、蛇腹を抱えロックし続ける男、それがスティーヴ・ジョーダン(スペイン語名:エステバン・ホルダン)、その人なのです。「蛇腹」とはアコーディオンのことなのですが、そんじょそこらの哀愁垂れ流しバンドネオン野郎とは違い、彼の演奏は、とにかくワイルドで官能的! 南米コロンビアのカルタヘナ・デ・インディアス発祥の庶民派ダンス・ミュージック=クンビアや、マリアッチなどと並ぶメキシコの伝統的なノルテーニョ、バンダを軸としながら、サルサ、マンボ、ウアパンゴ(3拍子のラテン音楽)に加え、ブルース、ソウル、ファンク、ジャズ、ポルカなどを自在に取り入れ、まさにぐちゃぐちゃにかき混ぜたタコライスの如くスパイシーな香り漂うカラフルな彩りの楽曲に仕立て上げ、「コンフント」と呼ばれる小編成コンボ・スタイル(アコーディオン、バホ・セストまたはギター、ベース、ドラムなど)で、チカーノ/ラティーノのみならず世界中の音楽ファンを踊らせ続けているのです。

 ”チカーノ魂”然としたものの出自が、多民族社会から図らずも派生した「ごった煮感」、あるいは混血ゆえのルサンチマンから生まれた「成り上がり根性」、どちらに大きく起因していたとしても、さすがにここまで常軌を逸した蛇腹ロッカーというのは、後にも先にもこのスティーヴ・ジョーダンしか存在しないのではないでしょうか? タモリも慄くトレードマークのアイパッチで、ご自慢のダイアトニック式蛇腹愛器=ホーナー社コロナUにエフェクターをかけるところなんざ、それこそ「蛇腹界のジミヘン」! ちなみに、ディレイを筆頭に、フェイザー、フランジャーを多用しているとのこと(参考資料:1992年3月雑誌「LATINA」掲載の宮田信氏によるスティーヴ・ジョーダン来日時のインタビュー)。

 日本では、ライ・クーダーが自身のアルバム『Chicken Skin Music』の中で巨匠フラーコ・ヒメネスを紹介したことや、テキサス甘茶王フレディ・フェンダーテキサス・トルネードス)の「涙のしずく」の大ヒットなどをきっかけとして、70年代半ばから80年代にかけてこのテックス・メックスが話題となりましたが、それはほんの序章に過ぎず、1992年突如日本(渋谷クアトロなど)に上陸したスティーヴ・ジョーダンの挑発的(スーツの”社会の窓”が全開だったという伝説も!)でヒップなステージを観て、心底テックス・メックスの虜になった人が後を絶たなかったそうです。

 そして2010年現在再び、異端児スティーヴ・ジョーダンに熱い視線が送られることになろうとは! DJ、レアグルーヴというクラブ・カルチャー的視点からの蛇腹グルーヴ再考。市況の冷え込みにつけ込んだ ”カマシ” ではありませんよ。その証拠に、このたび、『Ahorita(アオリータ)』(1979年発表)、『Turn Me Loose』(1986年)という代表作にして、廃盤CDも今やオークションで高値を付ける大人気作品が再リイシューとなるのですから、徐々にではありますが蛇腹がダンス・フロアを侵食する日もそう遠くはない、ということが推し量れるってものでしょう。

 ちなみに、このスティーヴ・ジョーダン、スタジオ、ライヴ・ステージどちらにおいても、蛇腹&歌だけでなく、コンガ、ティンバレスをはじめとする各種パーカッション、ギター、ベースも弾きこなす、フランク・ザッパばりの鬼才マルチ・プレイヤーでもあるのです。明らかにかっこよすぎるその容姿だけではない、真の ”音楽極道ぶり”、是非上記2作品でお確かめください。


Steve Jordan



スティーヴ・ジョーダンは、はたして21世紀ダンスホールの主役となり得るか!?


 「異端児」だとか「ジミヘン」(むしろジミヘンが「ロック界のスティーヴ・ジョーダン」!?)だとか滑稽無唐に遠慮なく書いてきましたが、スティーヴ・ジョーダンは実に洒脱な男。ダンス・ミュージックの”粋”をよく心得ているというか、みんな(特にバリオの庶民派層)の悦ぶツボをよく判っていらっしゃる。バホ・セスト(メキシコの12弦ギター)に代わりモダンなエレキ・ギターをコンフントに導入しスウィング感を増幅させたのだって彼なんですよ。

 ひねもす、アルゼンチン・タンゴにしっとりと酔いしれているだけの人生なんて・・・ポルカやサルサやグアヒーラで朝まで踊り明したい日だってあるんですから。21世紀のレイバーたちが、このスティーヴ・ジョーダンや、70年代エレクトリック・マイルス・デイヴィスの音楽で無我夢中になって踊る姿を想像し、ひとりニンマリしながら、簡単ではありますが『Ahorita(アオリータ)』『Turn Me Loose』の解説を。

 まずは、1979年発表の『Ahorita』スティーヴ・ジョーダン蛇腹&歌、ギター、ベース、パーカッションと、息子スティーヴ・ジョーダン Jr.の歌&コーラスを中心に、ドラムとホーン・セクションが加わり、ジャケットにもなっている最新機材が揃ったハシエンダ・スタジオで制作されたアルバムになります。

 ディレイ・エフェクターを施した蛇腹も妖艶な冒頭のダンス・ナンバー「ファルサ・イ・マンコルナドーラ」、クンビアにディスコ・ファンク風味をまぶした軽快なラテン・グルーヴァー「クランケ」、バート・バカラックが書いたディオンヌ・ワーウィック「You'll Never Get To Heaven」の改題カヴァー「シ・テ・ポルタス・マル」、さらには「君の瞳に恋してる」をポルカにコンバートさせた「オヒートス」など、様々なイディオムを自在に出し入れしながら問答無用のオリジナリティに昇華。そして、「オレはジョージ・ベンソンみたいな音楽がすげえ好きなんだよ」と言うだけあり、全体を洒落たムードでコーティングする術はなかなかのもの(しかしチャックは全開)。ちなみに、「Ahorita(アオリータ)」というのは、「たった今」とか「今、まさにこの時」といった意味だそうです。  

 続いて、エスコーツ「All We Need Is Another Chance」に負けず劣らずの ”ジェイルハウス・ジャケ”でイキってみせた1986年発表の『Turn Me Loose』。 「ハイブリッドな音楽性とバリオ音楽としての大衆性の結実がその頂点を迎えた」と数多称賛される、彼の最高傑作として名高いアルバムです。ドラムの一部を息子に担当させた以外は、ほぼすべての楽器を自身で演奏・録音しています。

 またしてもダビーなディレイを突っ込んだ蛇腹の鳴き声にしてヤラれるトランシー・クンビア・チューン「ラ・クンビア・デ・チョン」、ポルカから一転4ビート・ジャズへとなだれ込む展開が実に痛快な「ラ・ポルカ・ロカ」、先ほどの「ベンソン好き」発言が出まかせではないことを知るブリージンな「ドンデ・エスタラ」、グアヒーラ・リズムのラテン・ダンサー「カント・アル・プエブロ」など、こちらもDJ、レアグルーヴ文脈で語るには不足はない曲ばかり。バラード曲「ボイ・ア・エンペサール」も素敵です。

 最後に、その昔某社からリリースされていた〈テックス・メックス・シリーズ〉のスティーヴ・ジョーダン編のライナーに、「チカーノ・ミュージックというのは、できるだけデカい音で聴く目的で作られているのが基本なので、よかったら大音量でどうぞ」みたいなことが書かれていたのですが、今回に関しても、あらためて可能な限りの大音量で聴くことをおすすめします。 

ジェリー・ガルシア(左) / 蛇腹男(右)
 また、発売元のMUSIC CAMP ENTERTAINMENTホームページでは、カルロス・サンタナジェリー・ガルシアとのライヴ共演映像がアップされていますので、ご興味持たれた方は是非ご覧になってみてください。映像内で最も大暴れしている人間が、何を隠そうスティーヴ・ジョーダン
※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

1979年作品

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1986年作品

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