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Flying Burrito Brothers
『Guilded Palace Of Sin And Burritos』
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バーズをカントリー化させた男、グラム・パーソンズとクリス・ヒルマンを中心に結成されたフライング・ブリトー・ブラザーズのデビュー作と2nd『Burrito Deluxe』とのカップリング盤。本2作において、彼らのルーツへの眼差しが当時のロック界に新風を送ることとなり、また、90年代に入りダイナソーJrが彼らの代表曲「Hot Burrito#2」をカヴァーしたり、ティーンエイジ・ファンクラブ、レモンヘッズなどがグラム・パーソンズにリスペクトを表明したりと再評価の気運も高まった。ローリング・ストーンズ「Wild Horses」のカヴァーを収録。
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Flying Burrito Brothers
『Flying Burrito Bros. / Last Of The Red Hot Burritos』
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グラム・パーソンズ脱退後、クリス・ヒルマンと新メンバーのリック・ロバーツを中心として制作された3rdアルバム『Flying Burrito Brothers』(年)と、スニーキー・ピートとバーニー・レドン脱退後に、カントリー・ガゼットのケニー・ワーツ、ロジャー・ブッシュ、バイロン・バーラインらがサポートとして参加したライヴ作品『Last Of The Red Hot Burritos』(71年)とのカップリング盤。『Last Of〜』中盤のブルーグラス・コーナーが聴きドコロ。名曲「Hot Burrito #2」での新加入アル・パーキンスのペダルスティールも圧巻。
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フォーク系のシャイロー、カントリー・ロックの先駆、伝説的なインターナショナル・サブマリン・バンドを経てバーズに加入し、彼らをカントリー・ロック化させたグラム・パーソンズがフライング・ブリトー・ブラザーズを経て発表したソロ第1作目『GP』(73年発表)。バーズ『ロデオの恋人』、ブリトーズ『黄金の城』、ディラード&クラーク『幻想への旅』などと並ぶカントリー・ロックの名盤中の名盤。
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Gram Parsons
『Grievous Angel』
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『GP』に続くソロ2作目にして遺作となった74年発表作品。全面にエミルー・ハリスのコーラスをフィーチャーし、その極上のハーモニーはまさに鳥肌もの。その他、リンダ・ロンシュタッド、ハーブ・ペダーソン、アル・パーキンス、バイロン・バーライン等豪華ミュージシャンがサポート。ライヴ・メドレーで唄われる名曲「Hickory Wind」の再演、美しいバラード「Brass Buttons」、エヴァリー・ブラザースなどでもおなじみの「Love Hurts」など、遺作という感傷を抜きにしても、後のオルタナ・カントリーのバイブルたる重要な作品。
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グラム・パーソンズの死の半年前、73年3月に行われた、ラジオ放送のためのスタジオ・ライヴの模様を収録した1枚。エミルー・ハリスを伴った「Love Hurts」や「California Cottenfields」といった代表曲が並ぶ。
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International Submarine Band
『Safe At Home』
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バーズ加入前のグラム・パーソンズが在籍したインターナショナル・サブマリン・バンド。彼らが68年にリー・ヘイゼルウッドのレーベルからリリースした唯一のアルバム。ロック・バンドのスタイルでカントリーを演奏するという新しいロックのスタイルを築き上げた金字塔的作品。
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Byrds
『Sweetheart Of The Rodeo』
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バーズの『ロデオの恋人』(68年発表)。リード・ヴォーカルの大部分はグラム・パーソンズ。また、クラレンス・ホワイトのストリングベンダー奏法がサウンドの要となっている。「バーズがグラムに乗っ取られた」と云われる所以である。グラムは本作発表後に脱退。共に脱けたクリス・ヒルマンとフライング・ブリトー・ブラザーズ結成に向かう。
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Byrds
『Untitled / Unissued』
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グラム・パーソンズらにバンドを乗っ取られた後、ロジャー・マッギンが再び仕切ったりと、様々な要素が絡み、妙な雰囲気が支配している気にさせられる70年発表作。本盤はデラックス仕様の2枚組となり、Disc2には丸々未発表ヴァージョンを収録。混乱していた後期バーズの様子がよりハッキリと解る。
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Dillard&Clark
『Fantastic Expedition Of / Through The Morning Through The Night』
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バーズ脱退後の69年、ジーン・クラークがバンジョー奏者のダグ・ディラードと組んだディラード&クラークの記念すべき1stアルバムと、2nd(最終作)のカップリング盤。上掲のバーズ『ロデオの恋人』、ブリトーズ『黄金の城』と並ぶカントリー・ロックの大傑作。ブルーグラスやカントリー・サウンドに、ジーン・クラークらしい緩やかな個性が融合したオリジナリティ溢れる1枚。リンダ・ロンシュタットも歌った「She Darked The Sun」、イーグルスが取り上げた「Train Leaves Here This Morning」などを収録。
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60年代より、あらゆるアメリカン・ルーツ・ミュージックを内包したサウンドで西海岸ブルーグラス・シーンの興隆を一手に引き受けてきた、ダグ(banjo)とロドニー(g)のディラード兄弟を中心とするディラーズ。本作は、ダグの脱退後、バンジョー・プレイヤーのハーブ・ペダーセンが新メンバーとして加わり制作された70年発表作品。ロック寄りのアプローチを徐々に強くしていったグループが、完全に”カントリー・ロック”という新しい潮流を捉えた、そのスジの草分け的1枚と今も高い評価を受けるアルバム。
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Gene Parsons
『Kindling Collection』
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後期バーズの名ドラマー、ジーン・パーソンズが73年にリリースした1stソロ『Kindling』に、バーズ時代の代表曲(7曲)、再編フライング・ブリトー・ブラザーズ加入時の4曲を追加し、年代順に収録した決定盤。ちなみに、『Kindling』は、クラレンス・ホワイト最期のスタジオ・セッション参加作品としても有名なアルバム。リトル・フィートの名曲「Willin'」のカヴァーなど、穏やかなアコースティック・サウンドが染み入る名盤。
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バーズ脱退後、ダグ・ディラードと組んだディラード&クラークを解消したばかりのジーン・クラークが、ジェシ・エド・デイヴィスをプロデューサー&ギターに迎え制作した71年ソロ2ndアルバム。オリジナル・タイトルは、もともと『Gene Clark』だったが、収録曲の「White Light」が、ジャケのイメージとシンクロしたこともあって、後に今のタイトルに定着した。「Because Of You」、「Where My Love Lies Asleep」等、ジェシ仕事ということでスワンプ・テイストも孕みつつ、胸を引き裂く哀愁まみれのカントリー/フォーク・ロック秀逸曲が並ぶ。
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Nashville West
『Nashville West』
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バーズ加入寸前のクラレンス・ホワイト、ジーン・パーソンズ、後にスワンプウォーターを結成するギブ・ギルボー、そして、ウェイン・ムーアによるナッシュヴィル・ウェストの67年ライヴ録音集。クラレンスの死後(78年)に発表された彼らの唯一の作品。
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Muleskinner
『Muleskinner』
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74年にワーナーから発売されると、当時のカントリー・ファン、ロック・ファンの両者に名盤として迎えられた本作。メンバーは、クラレンス・ホワイト(g)、ピーター・ローワン(vo,g)、ビル・キース(banjo)、デヴィッド・グリスマン(mandolin)、リチャード・グリーン(fiddle)など、いずれもブルーグラス・シーンのみならずフォーク〜カントリー・ロックなどのグループで活躍した名手達。中でも、クラレンス・ホワイトは、アコースティック、エレクトリック(ストリング・ベンダー付き改造テレキャスター)の両刀ギター・サウンドで大暴れ。
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Gosdin Brothers
『Sounds Of Goodbye』
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ジーン・クラークとの共演アルバムやクリス・ヒルマンとの親交で知られる、ヴァーンとレックスのゴスディン・ブラザーズが68年にキャピトルから発表した唯一作。大量のシングル曲や未発表トラックを追加した全24曲。バックには、クラレンス・ホワイト、ジーン・パーソンズ、ギブ・ギルボーらが顔を揃え、60年代西海岸におけるカントリー・ロック黎明期の貴重で溌剌とした記録を覗くことができる。
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Emmylou Harris
『Elite Hotel』
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グラム・パーソンズと親交を深めたエミルー・ハリスは、グラムの名作『GP』への参加、共演ツアーなどの活動で、グラム・パーソンズ、及び、カントリー・ロック・ファンの間に名を広めた。本作は、73年9月13日のグラム急死の悲しみを振り払うかのように再デビューを果たし制作にとりかかった、Repriseからの2作目。ジェィムス・バートン、グレン・ハーディンら名手を揃えた、ザ・ホット・バンドがバックアップ。他、ハーブ・ペダーソン、エイモス・ギャレット、リトル・フィートのビル・ペインらも加わり、味わい深い傑作を作り出した。
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Poco
『Pickin Up The Pieces』
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ジム・メッシーナや、元バッファロー・スプリングフィールドのリッチー・フューレイ、ペダルスティール・ギター奏者ラスティ・ヤング、イーグルスでも活躍したベース奏者ランディ・マイズナーらによる爽やかな西海岸カントリー・ロック・サウンドに酔いしれる、ポコの69年1stアルバム。
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Great Speckled Bird
『Great Speckled Bird』(+1)
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カナダを代表する人気フォーク・デュオ、イアン&シルヴィアと、エイモス・ギャレット、バディ・ケイジら後のハングリー・チャックのメンバーで構成されたグレイト・スペックル・バードが、トッド・ラングレンのプロデュースで70年に発表した唯一作。ナッシュヴィル録音のゆる〜いカントリー・ロックと高をくくっているとエラい目に!若きエイモスが弾きまくり。
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Ozark Mountain Daredevils
『Ozark Mountain Daredevils』
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オザーク・マウンテン・デアデヴィルズの73年リリースの代表作。プロデュースは、グリン・ジョンズ。バーズやフライング・ブリトー・ブラザースとはまた異なり、初期ポコに通じる西海岸流儀の爽やかなカントリー・ロック・サウンドが身上。また、「極上のAOR盤」とも高く評価されている。
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ザ・バーズ加入直前のクラレンス・ホワイト、ジーン・パーソンンズらと共にナッシュヴィル・ウェストのメンバーだったギブ・ギルボーを中心に結成されたスワンプ・ウォーター。2枚のアルバムを残し解散後、78年に再結成して作ったリユニオン・アルバムに、グループ解散後、ギブが在籍していた時期のフライング・ブリトー・ブラザーズのナンバー2曲を追加収録。
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Beau Brummels
『Bradley's Barn』
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もともとは、英国風ビート×フォーク・ロック・サウンドを身上としていたボー・ブラメルズが、サンフランシスコからL.A.に活動の拠点を移し、バンドの中心人物、ロン・エリオットとサル・ヴァレンティノが、後にエリアコード615(現在廃盤)を結成することとなる腕利きミュージシャンとともにナッシュヴィルでレコーディングを行なったアルバム。時は、68年、カントリー・ロック草創期に発表された”過小評価すぎる”傑作。
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New Riders Of The Purple Sage
『Powerglide』
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グレイトフル・デッドのジェリー・ガルシアによって69年に結成されたニュー・ライダーズの72年発表の2ndアルバム。すでにガルシアは正式メンバーから名を外し、ギターのジョン・ドーソンがイニシチアヴを握るものの、さすがにデッドから派生したグループならではのルーズ且つグルーヴィーなカントリー・ロック・サウンドがたっぷりと詰まっている。ニッキー・ホプキンスによるピアノが、実に小気味良い味付けとなっている。
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Larry Murray
『Sweet Country Suite』
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元ハーツ&フラワーズの中心メンバーで、L.A.カントリー・ロック・シーンの立役者、ラリー・マーレイの唯一のソロ・アルバム(71年発表)。スワンプウォーター、ニッティー・グリッティー・ダート・バンド、J.D.サウザー等、豪華ゲストが参加。ゴスペリデリカルなスワンプ好き諸兄にもおすすめ。
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当時”イーグルス・フォロワー”と呼ばれたフールズ・ゴールドの76年デビュー作。グレン・フライ、ジョー・ウォルシュ、グリン・ジョンズらがプロデュースに参加。先輩のイーグルスよりも爽やかな西海岸カントリー・ロックを聴かせ、洗練味のあるサウンドと抜群のコーラス・ワークは、後のAORにも多大な影響を与えた。マドンナの「Like A Virgin」を書く事になるトム・ケリーが在籍したことでも知られている。
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元フライング・ブリトー・ブラザーズのリック・ロバーツ、元フォールン・エンジェルズのジャック・バートレー、ジョー・ジョー・ガンのマーク・アンデス、元バーズ/フライング・ブリトーのマイケル・クラークらによって結成されたファイアフォールの76年1stアルバム。クリス・ヒルマン、リッチー・フューレイ作品を手掛けたことでも知られるジム・メイスンによるプロデュースで、カントリー・ロック色にポップなAOR要素を練り込んだ爽やかな作風に仕上がっている。冒頭「Doesn't Matter」は、マナサスでもおなじみの代表曲。
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Doug Sahm
『Doug Sahm And Band』
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フィドル奏者ダグ・サームによる泥くさくも華やかな73年のソロ・アルバム。Atlanticのジェリー・ウェクスラーの手引きで、ボブ・ディラン(「Wallflower」でデュエット)、ドクター・ジョン、フラーコ・ヒメネスといった豪華な顔ぶれが一堂に介し録音されたオールスター・セッション。ブルースやR&Bを呑み込みんだバック・トゥ・ルーツな1枚に仕上がっている。99年に心臓発作で他界するも、アメリカン・ルーツ・ミュージックを吸収し昇華させていくサームの姿勢は、ウィルコをはじめ多くのアメリカン・ルーツ・ミュージック求道者たちに継承されている。
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