【追悼】ECMを代表するジャズギター偉才 ジョン・アバークロンビー


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40年以上にわたり、カルテット、トリオ、デュオなど様々なグループフォーマットと多彩なプレイスタイルで30作品以上のリーダーアルバムを発表。ECMレーベルを代表するジャズギタリストとして独特の存在感を放ち続けたジョン・アバークロンビーが、8月22日米ニューヨーク州郊外ピークスキルの病院で心不全のため死去しました。享年72。心よりご冥福をお祈りいたします。

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1944年、ニューヨークはポートチェスター生まれ。チャック・ベリーに夢中になっていた少年期、14歳でギターをはじめ、その後バーニー・ケッセル、ウェス・モンゴメリー、ジム・ホールなどに傾倒していったジョン・アバークロンビー。1967年にバークリー音楽院を卒業後、本格的にプロとしてのキャリアをスタート。最初のセッション仕事はジョニー“ハモンド”スミスのバンドだった。

1969年、ビリー・コブハム、ブレッカー・ブラザーズらと幻のユニット「ドリームス」を結成。ルネ・マグリットの名画を使用した1stアルバム『Dreams』は、ロックのエネルギーとジャズの即興性がぶつかり合ったクロスオーヴァーな傑作として90年代以降高い再評価を得ることとなった。

70年代初頭には、チコ・ハミルトン・グループ、ギル・エヴァンス・オーケストラ、ガトー・バルビエリ、バリー・マイルスなどのレコーディング〜ツアーに参加。1973年、ECMのプロデューサー、マンフレッド・アイヒャーと出会い、1974年に、ヤン・ハマー、ジャック・ディジョネットとのトリオで初リーダーアルバム『Timeless』を発表。同作は「新たなジャズギター・シーンの到来を告げた名盤」として今も聴き継がれている。





翌75年には、ディジョネット、デイヴ・ホランドとのトリオで『Gateway』を録音。三者による濃密なインタープレイは激しくもあり内省的でもあり、ことさらアバークロンビーの柔軟かつ多彩でエクスペリメンタルなギターワークは、その後の「ECMギターサウンド」の布石を敷いたと言ってもよいだろう。95年に再編された本トリオによる『Homecoming』では、各者深みのあるプレイを披露しながら、その高い音楽性を見せつけてくれた。

以降も、リッチー・バイラーク(p)、ジョージ・ムラーツ(b)、ピーター・ドナルド(ds)との記念すべきファーストカルテット(『Arcade』、『Abercrombie Quartet』、『M.』)、ラルフ・タウナーとのアコースティックギター・デュオ(『Five Years Later』)、マーク・ジョンソン、ピーター・アースキンとのトリオ(『John Abercrombie / Marc Johnson / Peter Erskine』)など様々なバンドを率いて、また、ディジョネット、レスター・ボウイらとのニュー・ディレクションズをはじめ、ヤン・ガルバレク、チャールス・ロイド、エンリコ・ラヴァなど数え切れないほど多くのミュージシャンたちとのプロジェクトやレコーディングセッションを通して、ジャズギター・インプロヴィゼーションのまだ見ぬ可能性を追究し続けた。

2017年1月に発表された、マーク・コープランド(p)、ドリュー・グレス(b)、ジョーイ・バロン(ds)とのカルテット録音『Up And Coming』が惜しくもラストレコーディングとなってしまった。



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