【追悼】ジャンルの垣根を越えて活躍した天才ギタリスト アラン・ホールズワース


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ジャズ、ロックとジャンルの垣根を超えながら唯一無二の超絶テクニックで、ギターファンのみならず多くの同業ギタリストたちをも魅了した英国出身の天才ギタリスト、アラン・ホールズワースが16日に亡くなりました。享年70。心よりご冥福をお祈りいたします。

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アラン・ホールズワースは、1946年8月6日イギリス北部のヨークシャー、リーズに生まれている。子供の頃、サックスが演奏したかったアランは、高価なサックスを手に入れることができず、15歳のときに父が手に入れてきたギターを与えられて演奏をはじめた。

60年代末、20代前半のときには地元の音楽クラブに出演し、チャート系のヒット曲を演奏するギグを行なっている。1968年、デイヴ・フリーマン、ミック・スケリーと共に最初のグループ、イギンボトムを結成。この当時の演奏はDeramレーベルから発売され、今日聴くことができる。

やがてマンチェスターに移ったアランは、ヴァイオリン演奏をはじめ、この地でハイテンションなベーシスト、グラハム・コリアのワークショップで演奏することになる。

数ヶ月でロンドンに移ったアランは、今度はイアン・カー、ジョン・ハイズマンなどの優れたミュージシャンたちと知遇になった。ロンドンでのアランは様々なグループに参加、ギルガメッシュ、ナショナル・ヘルス、ジャミー・ミュアーなどと共演。

1972年6月、コロシアムのドラマーだったジョン・ハイズマンのニューバンド、伝説のテンペストに加入。さらにゲストとしてニュークリアスの『Belladonna』やゴードン・ベックの作品にも参加している。その後、ロンドンのジャズシーンに復帰したアランは、ニュークリアスでヨーロッパ〜英国内をツアーしている。

1973年、ソフトマシーンのメンバーとジャムセッションを行なったアランは、それ以降時おりゲストとして彼らのバンドに参加、同年のクリスマスの日に正式メンバーとなる。翌1974年7月には『Bundles』のレコーディングに参加している。




1975年、マイルス・デイヴィス・バンドを退団したトニー・ウイリアムスからライフタイムへの参加オファーを受けてアメリカに渡る。『Believe It』、『Million Dollar Legs』はその時の成果を記録した必聴盤。超絶技巧ギタリスト、アラン・ホールズワースの名をジャズファンに印象付けたのもこの作品からだ。

やがて初リーダー作品『Velvet Darkness』を発表。当時はそこまで話題に上らず、またアラン本人は「本作は正式な許可がないまま発表されたものであり、自分の作品の目録に加えられるべきではない」としているが、このアルバムには、アラン・パスクァ、アルフォンソ・ジョンソン、ナラダ・マイケル・ウォルデンなど当時最高のリズム隊が名を連ねている。

その後、再びカンタベリー音楽シーンと交流してゴングに参加。1976年の夏に『Gazeuse』を録音後、ツアーに参加するが結局ゴングは解散。1977年、アランは多くのセッションに参加して次々と印象的なプレイを残すこととなる。ビル・ブラッフォード『Feels Good To Me』、ジャン=リュック・ポンティ『Enigmatic Ocean』、ゴードン・ベック『The Things You See』、ジョン・スティーヴンス『Touchig On』がそれにあたる。

1979年春のツアーの後、アランはブラッフォードを脱退。ジャック・ブルース、ジョン・ハイズマンと最高のバンドを結成するも残念ながら作品化はなされていない。その後、相性のいい相棒となるドラマーのゲイリー・ハズバンドと出会い、ニュークリアス時代のメンバー、デイヴ・マクレエ(key)が参加して、自己のバンド、アラン・ホールズワース&フレンズを結成する。

一方でジャズ系のセッションも並行して行ない、1980年、ゴードン・ベック、ジェフ・クライン、ゲイリー・ハズバンドと共に日本でもヒットした『Sunbird』を録音。また同時期には、ソフトマシーンのラストアルバム『Land Of Cockayne』にも参加している。




1981年、ポール・カ−マイケル(b)、ゲイリー・ハズバンド(ds)、ポール・ウイリアムスによるI.O.U.を結成。1982年カリフォルニアへと移住。ドラムはハズバンドのほか、チャド・ワッカーマン、ヴィニー・コイヤタ、ベースにカーマイケルのほか、ジェフ・バーリン、ジミー・ジョンソンが参加、さらにキーボードはスティーヴ・ハントなどが参加。『Road Games』(83)、『Metal Fatigue』(85)、『Atavachron』(86)、『Sand』(87)、『Secrets』(89)など、80年代を通して多くのアルバムをリーダー名義で残している。

さらに90年代に入っても、『Wardenclyffe Tower』(92)、『Just For The Curious-Instructional』(93)、『Hard Hat Area』(94)、『None To Soon』(96)、『I.O.U.Live』(97)、『The Sixteen Men Of Tain』(99)など、多数のリーダーアルバムをリリース。2000年代に入っても活動は衰えず、『Flat Tire』(2001)、『Live At The Galaxy』を発表し、ますます超絶技巧健在ぶりを印象付けた。

アラン・ホールズワースはその卓越した技巧に加えて、ジャズ、ロックの両シーンを文字通りクロスオーヴァーしながら活躍。同郷のジョン・マクラフリンと並び、両ジャンルを代表する最高のギタリストとして多くのギターファンから愛された。


アラン・ホールズワース 80〜00年代の歩みをたどる最新デジタルリマスタリングによる12CDボックスセット


エディ・ヴァン・ヘイレンをはじめ、ジャンルを問わず多くのギタリストに影響を与え、また唯一無二の超絶テクで魅了した孤高の天才ギタリスト、アラン・ホールズワース。

テンペスト時代の友人ポール・ウィリアムスの助力を得て自主制作された1982年の記念すべきソロデビュー作『I.O.U.』から、ビターシンセを駆使しながら制作され、「存在しない映画の為の音楽」というサブタイトルが付けられた2001年の異色作『Flat Fire』までのスタジオアルバムと、米Alternity社から掘り起こされた90年の東京ライヴ盤『Then!』からなる全12作品を格納。




チャド・ワッカーマン、ヴィニー・カリウタ、ゲイリー・ハズバンドといった凄腕ドラマーを使い分けた92年の『Wardenclyffe Tower』、ジャズ志向を強めた99年の『Sixteen Men Of Tain』には、それぞれ2014年の再発時と同じくボーナストラックを収録。また、『Then!』も日本盤のみに収められたボーナス曲「Funnels」を収録している。

アラン本人監修によるオリジナルマスターテープからの最新デジタルリマスタリング音源を採用。貴重なフォトや新規バイオを掲載した40ページのブックレットを収納。

また、こちらも全曲オリジナルマスターよりリマスタリングした、お求めやすい2枚組ベスト・アルバム『Eidolon(アイドロン)』も同時リリース。ヴォーカルにジャック・ブルースをフィーチャーした「Road Games」の貴重な未発表ヴァージョンを収録している。

『The Man Who Changed Guitar Forever』収録曲


CD1
01. The Things You See
02. Where Is One
03. Checking Out
04. Letters of Marque
05. Out from Under
06. Temporary Fault
07. Shallow Sea
08. White Line

CD2
01. Three Sheets to the Wind
02. Road Games
03. Water on the Brain-Pt II
04. Tokyo Dream
05. Was There?
06. Material Real

CD3
01. Metal Fatigue
02. Home
03. Devil Take the Hindmost
04. Panic Station
05. The Un-Merry Go Round (In Loving Memory of My Father)
06. In the Mystery

CD4
01. Non-Brewed Condiment
02. Funnels
03. The Dominant Plague
04. Atavachron
05. Looking Glass
06. Mr. Berwell
07. All Our Yesterdays

CD5
01. Sand
02. Distance Vs. Desire
03. Pud Wud
04. Clown
05. The 4.15 Bradford Executive
06. Mac Man

CD6
01. City Nights
02. Secrets
03. 54 Duncan Terrace (Dedicated to Pat Smythe)
04. Joshua
05. Spokes
06. Maid Marion
07. Peril Premonition
08. Endomorph (Dedicated to My Parents)

CD7
01. 5 to 10
02. Sphere of Innocence
03. Wardenclyffe Tower
04. Dodgy Boat
05. Zarabeth
06. Against the Clock
07. Questions
08. Oneiric Moor
09. Tokyo Dream
10. The Un-Merry Go Round (Part 4)
11. The Un-Merry Go Round (Part 5)

CD8
01. Prelude
02. Ruhkukah
03. Low Levels, High Stakes
04. Hard Hat Area
05. Tullio
06. House of Mirrors
07. Postlude

CD9
01. Countdown
02. Nuages
03. How Deep Is the Ocean
04. Isotope
05. None Too Soon (Part 1)/Interlude/None Too Soon (Part II)
06. Norwegian Wood
07. Very Early
08. San Marcos
09. Inner Urge

CD10
01. Son Onofre
02. 274
03. The Sixteen Men of Tain
04. Above and Below
05. The Drums Were Yellow
06. Texas
07. Downside Up
08. Eidolon
09. Above and Below (Reprise)
10. Material Unreal

CD11
01. The Duplicate Man (Intro)
02. The Duplicate Man
03. Eeny Meeny
04. Please Hold on
05. Snow Moon
06. Curves
07. So Long
08. Bo Peep
09. Don't You Know

CD12
01. Zone I
02. Proto-Cosmos
03. White Line
04. Atavachron
05. Zone II
06. Pud Wud
07. House of Mirrors
08. Non-Brewed Condiment
09. Zone III
10. Funnels


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※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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