PROFILのシノーポリ&SKDの名盤をALTUSがリマスター




2001年、『アイーダ』の公演中に倒れ突然の死を遂げた指揮者ジュゼッペ・シノーポリ。その晩年の至芸を改めて振り返るべく、PROFILレーベルのシュターツカペレ・ドレスデン自選名演シリーズのライヴ音源をALTUSがライセンスして国内盤化。いぶし銀と讃えられたオーケストラの何物にも代えがたい伝家の宝刀と言うべき極上の響きに、シノーポリの偏執響的な細部へのこだわりが組み合わされ、さらにライヴならではの高揚感が加わった至高の名演奏。リマスターにより音質にさらに磨きをかけ、カップリングも再構成しています。
 解説書にはベルリン在住の音楽評論家・城所孝吉氏による2001年当時のシノーポリ追悼原稿を復活掲載。シノーポリのラスト・コンサートとなった『アイーダ』公演の現場に居合わせていた城所氏による、衝撃を抑えきれない迫真の文章は戦慄すら覚える劇的な内容です。(輸入元情報)
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※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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  • 爛熟の調性音楽、その先の崩壊。晩年シノーポリの真骨頂、渾身のマラ9に貴重な自作音源を併録。
    評価:5点
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    (1)

    マーラー(1860-1911)

    Ponta2倍

    価格 (税込)
    ¥3,839
    会員価格 (税込)
    ¥3,341
    発売日
    2019年04月27日
    まとめ買い価格(税込)
    ¥2,918

     マーラーはシノーポリ十八番の作曲家で、セッションによるフィルハーモニア管との全集録音も名盤の誉れ高いものです。セッション盤は一種どぎついような神経質さを強調したところがありますが、このドレスデンとのライヴ盤はオケの特徴的な響きも相まって美しい音色と肌触り。とはいえシノーポリならではの細かなコントロールが行き届いており、聴けば聴くほど音楽の深層が見えてくるような、含蓄のある美演を聴かせてくれます。セッション録音との端的な違いの顕れとしては、第1楽章がおよそ5分、アダージョも2分以上と、すべての楽章の演奏時間が拡大した結果、全曲が10分も長くなっていることが挙げられます。マーラーの作曲技法の総決算と言うべき大作第9番を、じっくりと濃密に描き切った至高の名演です。
     カップリングには作曲家シノーポリの作品を収録しており、マーラーの描いた世界のさらに先へ入り込んでいくような感覚にとらわれます。ブックレットには輸入盤所収の楽曲解説の貴重な日本語訳を掲載。シノーポリの作曲家としての一面を知る一助となるでしょう。『ルー・ザロメ』はシノーポリの急死を受けて彼に捧げるコンサートとして演奏されたもの。指揮者ルジツカはシノーポリの友人であり、告別式で追悼の意を述べた人物でもあります。(輸入元情報)

    【収録情報】
    Disc1
    1. マーラー:交響曲第9番ニ長調、第1〜3楽章


    Disc2
    1. マーラー:交響曲第9番ニ長調、第4楽章
    2. シノーポリ:『コスタンツォ・ポルタ賛歌』より第2曲
    3. シノーポリ:『愛の墓』III
    4. シノーポリ:交響的断章『ルー・ザロメ』


     シュターツカペレ・ドレスデン
     ペーター・ブルーンス(チェロ:3)
     シルヴァン・カンブルラン(指揮:3)
     ペーター・ルジツカ(指揮:4)
     ジュゼッペ・シノーポリ(指揮:1,2)

     録音時期:1997年4月6日(1)、1994年12月20日(2)、2004年3月5,6日(3)、2001年10月6日(4)
     録音場所:ドレスデン、ゼンパーオーパー
     録音方式:ステレオ(ライヴ)
     国内プレス
     日本語帯・解説付

    【参考データ(実測値)】
    マーラー演奏時間
    ・シュターツカペレ・ドレスデン(1997)
     32:51+16:54+14:12+28:11=92:08
    ・フィルハーモニア管(1993)
     28:05+15:08+13:14+25:50=82:17

    【評論家レビュー】
    連載 許光俊の言いたい放題 第99回より

    ドレスデンというと、どうしても端正で、バランスがよく取れていて、それゆえマーラーの絶叫、憤怒、突進、耽溺が交錯する音楽とは相性が悪そうに思える。実際、これほどの名オーケストラでありながら、マーラー録音は異様に少ない
     ところが、だ。このマーラー、実にいいのである。なるほど、金管楽器がバリバリ、弦楽器がキンキンやっているわけではない。このオーケストラらしく、音色は全体として溶け合う方向だ。ワーグナーの「トリスタン」や「パルジファル」あたりを連想すれば、このマーラーがどんなものか、想像できるのではないか。ワーグナー風、あるいはブラームス風とでも形容したくなる美しさを持っているのだ。絶望とか懐疑とかの生々しい噴出ではなく、柔らかでロマンティックなのだ。そのロマンティック度合いも、たとえば同じマーラーの第5番アダージェットみたいなトロトロのネトネトでなく、濃厚でいながら上品さを失わない。絶妙である。
     それなりのクラシック・ファンなら、この曲はもうよく知っているだろう。だが、そんなあなたも知らなかった、気づかなかった独特の美しさが次々に出てくる。官能的なねっとりした味もあれば、東ドイツ時代の音楽みたいな感じもする。第2楽章での木管など、たまらなく懐かしい匂いがする。癒し系とも言えるだろう。シノポリは確かにあれこれ変なことをしている。が、このオケでやってみると、これでもかと突出しないのも意外である。
     フィナーレも期待にたがわぬ美しさ。いや、それ以上だ。弦楽器が分厚く、重厚で、密な響きで心ゆくまでたっぷりと歌う。その音色のなんというすばらしさ。感情の強さ。それと矛盾するような危なげのなさ。強い表現でありながら、あくまで美しくあり続けるのだ。そして、ヴァイオリンの高音部は恍惚とした天上の音楽みたい。これほどまでに陶酔的な演奏はワルターとウィーン・フィル以来かも。ああ、これは生で聴きたかった。たぶんありとあらゆるこの曲のCDの中でも、この演奏が一番好きだと感じる人が多いのではないだろうか。

    (きょみつとし 音楽評論家、慶応大学教授) 


  • ドレスデンの極上の響きに、晩年シノーポリの緻密な解釈が溶けていく。
    稀に見る美演、貴重な指揮者肉声つき解説もボーナス収録!
    評価:4.5点
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    ★
    ★
    ★
    ★
    (4)

    マーラー(1860-1911)

    Ponta2倍

    価格 (税込)
    ¥3,509
    会員価格 (税込)
    ¥3,054
    発売日
    2019年04月27日
    まとめ買い価格(税込)
    ¥2,632

     マーラーはシノーポリ十八番の作曲家で、セッションによるフィルハーモニア管との全集録音も名盤の誉れ高いものです。セッション盤は一種どぎついような神経質さを強調したところがありますが、このドレスデンとのライヴ盤はオケの特徴的な響きも相まって美しい音色と肌触り。とはいえシノーポリならではの細かなコントロールが行き届いており、聴けば聴くほど音楽の深層が見えてくるような、含蓄のある美演を聴かせてくれます。
     セッション録音と比較して両端楽章でそれぞれ2分ほど演奏時間が長くなっているのが目立った特徴。なかでもフィナーレはじっさいの時間以上に、出だしから極端に遅く感じられます。バンゼのソプラノもまさに天国的で心に染み入る名唱です。そうかと思えばシノーポリは第1楽章の主題が回帰するところでは一転、急加速。交替してソプラノの甘美なメロディが登場するとまたもやグッとテンポを落としてきます。このあたり、極端なテンポ・ルバートを基調としたシノーポリ美学の真髄といえるでしょう。
     ボーナス収録されたシノーポリの実演つき解説はコンサート前に行われたレクチャーの録音で、観客の前でシノーポリが解説をして、実際にオーケストラを鳴らし、また次の解説をして・・・と繰り返し、楽曲の構造を説明していくというもの。ブックレットには日本語でその全貌を掲載しており国内盤ならではの貴重な内容となっています。なおCDにはレクチャーの一部が収録されていませんが、これは輸入盤も同様ですのでご了承ください。シノーポリは柔らかくきれいな声で話していて、どんどん細かく説明していってしまうあたりが何ともシノーポリらしいです。(輸入元情報)

    【収録情報】
    ● マーラー:交響曲第4番ト長調


     ユリアーネ・バンゼ(ソプラノ)
     シュターツカペレ・ドレスデン
     ジュゼッペ・シノーポリ(指揮)

     録音時期:1999年5月29日
     録音場所:ドレスデン、ゼンパーオーパー
     録音方式:ステレオ(ライヴ)
     国内プレス
     日本語帯・解説・歌詞対訳付

    ● ボーナストラック:シノーポリによるマーラー交響曲第4番の実演つき解説


    【シノーポリのマーラー4番トラック・タイム比較】
    1999年 PROFIL
    T.18:07+U.10:16+V.21:54+W.11:12=61:29(※実測値)
    1991年 DG
    T.16:17+U.10:07+V.21:52+W.09:03=57:19

  • 晩年シノーポリがドレスデンと共に到達した高み。
    オーケストラの旨味を活かしきった匠の業が冴える!

     リヒャルト・シュトラウスとシューマンをメインに、ロマン派の大家による名作をたっぷりと収録した当盤では、ドレスデンの美しく特徴的な響きを存分に堪能いただけることでしょう。どれもロマン派らしく物語的な内容の音楽であり、語り口が重要となる作品が並んでいます。シノーポリの解釈はたいへん細やかで、時にマニアックなまでのこだわりぶりですが、オーケストラが繰り出す演奏は常に流麗。指揮者とオケの個性が高次元で混じり合った名演となっています。これぞ晩年シノーポリの境地と言えましょう。(輸入元情報)

    【収録情報】
    Disc1
    1. R.シュトラウス:交響詩『英雄の生涯』 Op.40
    2. R.シュトラウス:交響詩『死と浄化(変容)』 Op.24

    Disc2
    3. ウェーバー:歌劇『オベロン』序曲
    4. ワーグナー:歌劇『リエンツィ』序曲
    5. リスト:交響詩『オルフェウス』 S.98
    6. シューマン:交響曲第4番ニ短調 Op.120


     シュターツカペレ・ドレスデン
     カイ・フォーグラー(ヴァイオリン・ソロ:1)
     ジュゼッペ・シノーポリ(指揮)

     録音時期:2001年1月10,11日(1,2)、1998年9月22日(3,4)、1998年10月27日(5)、1993年8月30日(6)
     録音場所:ドレスデン、ゼンパーオーパー
     録音方式:ステレオ(ライヴ)
     国内プレス
     日本語帯・解説付

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