加藤和彦及びパートナーの作詞家安井かずみがこよなく愛読していたアーネスト・ヘミングウェイの生涯をテーマにしたコンセプト・アルバム。本人曰く「ヘミングウェイの思想ってものを音楽に置き換えたらどうなるかってことで、また違う世界を作り出す手法に興味があって、あれを作った」。
レコーディングは作家ゆかりの地であるナッソーのコンパス・ポイント・スタジオと、マイアミのクライテリア・スタジオで録音。レコーディングメンバーとしてサディスティック・ミカ・バンドから小原礼と高橋幸宏、前作 『ガーディニア』 にも参加した坂本龍一、そして高橋と坂本が所属するYMOのツアーサポートメンバーだった大村憲司。代表曲「アラウンド・ザ・ワールド」「ジョージタウン」はシングルヒットしている。
79年当時としては、第一線のアーティスト・ミュージシャンを従え、レガエやカリプソのリズムを取り入れた最先端のサウンドアプローチとコンセプチャルなそのアルバムの世界観は35年経ったいまでも、色あせない最高傑作作品として高い支持をえている。