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TOP > My page > Review List of 一人のクラシックオールドファン
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0 people agree with this review 2012/05/22
ポリーニがベーム/VPOのバックを得て1970年代後半に録音スタートしたベートーヴェン・ピアノ協奏曲集はベームの体調理由による降板で一部指揮をヨッフムが代わって完成したシリーズ物からの本盤は第5番「皇帝」協奏曲等であります。1978年収録(タイム@20’26A8’03B10’17)なので若い36歳ポリーニと84歳の最晩年期ベームとの組み合わせという事になり各々がその特徴を活かしたまことに各楽章テンポ共々バランスの取れた仕上がりになっております。所謂「皇帝」というネームから連想される雰囲気とは異なって力み無くしかも完璧テクニックで「華やかさ」さえただよわせるピアノとオーソドックスに安定感あるサポートが上手くブレンドしています、第1楽章ピアノのスタート合図からしばらくオーケストラの演奏が入るのですがベームの押しの強さが垣間見れます。この楽章で先ほど書いた強く豪快なドイツ風「皇帝」というより優雅なやはり気のせいかイタリア風な感じなのです。聖歌的に進む中間楽章はやや古さを感じさせる演奏ですが実にピアノの研ぎ澄まされた音の粒が美しいですね。最終楽章・・・フレーズ繰り返しが多い楽章に個人的には少し執拗さ・退屈さも覚え本盤演奏にも平板さを感じたのですがピアノの溌剌感がその辺りを軽減してくれました。なお、ポリーニは後年1993年アバド/BPOとの共演ライブ盤(タイム@20’29A7’48B10’35)があり何かと本演奏と比較対象になっている様です。又ポリーニがまだティーンエイジャーだった1959年にM.プラデッラ/RAIローマSOのバックでのモノラルライブ盤もHMVカタログにはあります。併録の第4番(1976年収録、タイム@17’22A5’07B10’17)は未聴であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2012/05/21
本アルバムは昨年の大病後必ずしも順調な回復を見せていない小澤征爾さん(以下敬称略)が日本人指揮者として本格的にメジャーレーベルレコードに初めて吹き込んだ頃の「若々しい覇気に満ちた時代の指揮者・小澤征爾の原点を知ることができるEMI録音集」(HMVレビューより)で素晴らしい音質と共に振り返る事が出来ます。私自身本盤収録曲を全て聴いているわけではありませんがリムスキー=コルサコフの「シェエラザード」、ビゼーの交響曲等について懐かしく書き込みさせていただきます。何らかのご参考になれば幸甚でもあります。私は彼の指揮盤でその初期でのシカゴSOを振って1969年録音(小澤34歳)したリムスキー=コルサコフ「シェエラザード」(タイム@9’43A11’55B9’48C12’04)&ボロディン「だったん人の踊り」(同13’35)のLP盤を発売後即買い求めて聴いたものです。小澤はこの「シェエラザード」を後年録り直ししておりCDでは1977年ボストンSOを指揮した演奏(同@10’18A12’12B10’02C12’18)の物や1993年VPOとの演奏録音(同@9’52A11’35B9’22C12’33)のものがあります。そこで私が時折思うのは演奏者の年齢の事で本盤「シェエラザード」ではHMVレビューにもあります様に当時の若々しい意欲に満ちたフレッシュな演奏が魅力で以降いろいろキャリアを重ね2002年ニュー・イヤー・コンサートでのほぼ絶頂期を経ての今日・・・誰しも避けられぬ老齢化・・・。私が2008年に当該シカゴSO演奏盤にレビュー書き込みしたメモを転記させていただきます。『小澤の若かりし頃30才台前半での「シェヘラザード」のシカゴSOとの収録は後のBSOよりはあっさりしている・・茶漬けみたいな味わい(大人しい演奏だと言われればそうかもしれません・・)があり彼が意図した方向と私の感じ方が異なるかもしれませんが、弱音も綺麗だし好きな盤となっています。先ず「聴き飽き」がしないところが長所で彼が欧米楽壇に本格的に進出していく過程としても一応のレベルに達している盤と言えるでしょう』。確かに今聴いてみてもタイム的にはどちらかと言えばあっさり気味で音色上も欧米指揮者とはちょっと違った日本人にしか出せない特徴を聴きとれるのではないでしょうか。「だったん人の踊り」は小澤が大陸生まれのせいなのか、特に力むこともなくこれも比較的ツボに合った演奏で草原のそよ風を想起させてくれます。次にビゼーの交響曲についてです。ビゼーがまだ十代の時に書いた彼の唯一?の交響曲は何と1930年代半ばあの大指揮者ワインガルトナーによって初演されたもので青春時代の作品そのものというか各楽章分かり易い楽想でメロディ・メーカーであるビゼーの芽が聴かれます。従ってこの演奏にはそれなりの「活き活きさ」「瑞々しさ」が求められるわけでその点では小澤/FNOの本演奏(小澤47歳の1982年録音、タイム@10’20A10’09B5’55C8’56)は比較的満足度の高いものとなっていると思いました。第1楽章は歯切れよくスタートし覇気感も充分です。日本人の茶漬け感覚とフランスオーケストラのお洒落れ感覚が程よくブレンドした雰囲気ではありますがちょっと弦の生々しさがザラツキ感に結びつく処もあります。第2楽章はオーケストラバックでオーボエが哀愁あるテーマが流れる楽章でやはりオーボエが決め手となりました。途中場が変わっての弦はよく歌いやがて入る弦掛け合いはゆっくり目に進めるところも実に印象的です。そして又初めの楽想に戻って行く過程も充分足どりをとって先ほどの「弦掛け合い」の面影を残しつつ余韻を持ってこの楽章を終えます。第3楽章は私がまだ小中学生の頃、TVでのニュースでよくBGMに使われたもので、クラシック音楽とは無縁の頃ではあっても記憶に残った曲です。小澤のこの演奏は反復してじっくり腰を据えたもので弦の美しさがこの楽章では活きています。最終楽章も通常得てして先を急ぐ様な或いは軽々しく扱われ勝ちなところを精妙に軸足しっかりとした運びに好感を持ちました。とにかく全体片手間的な演奏にはなっておらず透明感ある仕上がりになりこの曲では最高ランクにしたいです。小澤には後年1995年水戸COと録られたこの交響曲演奏盤(タイム@9’49A10’55B6’02C8’55)もありますね。同じビゼー作曲の劇的序曲「祖国」(13’07)は私は初めて聴いた曲でマァ愛国心高揚の為の音楽でもあるのでしょう・・・賑やかなものです。組曲「子供の遊び」(10’49)は洒落た小品で正しく「遊び」的な処が余裕が感じられました。マァとにかく2002〜2010年かのウィーン国立歌劇場音楽監督を務め上げその間色々無理もしただろう結果の大病とも思われるので、もう小澤には余り無理、いい格好せず、周囲からもそれなりの理解・サポートを望みます。さて、今、日本は二百何十年ぶりの完全「金環蝕」に・・・時代は移りますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
ポルトガル出身のM.J.ピリスは私の知っている登場時そのボーイッシュなルックスからもう少し若いと思っていたのですが私とほぼ同世代のピアニストで本盤と同じ作曲家モーツァルトのピアノ・ソナタ等で聴き始めておりました。ピアノ協奏曲については1970年代と1990年代と二回代表曲をいろいろ指揮者・オーケストラを替えて録っており本盤は1974年収録の第26番「戴冠式」(タイム@13’40A6’16B10’30)と第13番(同@10’34A7’05B8’09)で彼女が30歳の時の演奏であります。バックはグシュルバウアー(当時35歳)がリスボン・グルベンキアン財団COという楽団を振っての珍しいものです。グシュルバウアーも指揮者としてはまだ行ける年齢であったのにドイツ系指揮者にしてはやや線が細い印象を持たれいつの間にか消えてしまった感があります(決して活動休止したわけではなく地方オーケストラの首席指揮者等を務めている様であくまで地道な人なのでしょう)。しかし本盤協奏曲伴奏ではそうしたセンスを活かしつつ結構溌剌な運び具合でピリスの簡潔ながら色彩感豊かなタッチと良く呼応して特に「戴冠式」協奏曲はピリスの基本的には大層に構えない端正な中にもちょっとした「歌いまわし」が聴き処となっている様です。なお、前述した様に彼女はこの「戴冠式」協奏曲を1990年再録しておりその時のバックはアバド/VPO、演奏タイムは@14’10A5’37B10’35と前二楽章に若干の違いが見られます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2012/05/20
ポルトガル出身のM.J.ピリスはもう少し若いと思っていたのですが私とほぼ同世代のピアニストで本盤と同じ作曲家モーツァルトのピアノ・ソナタ等で聴き始めておりました。ピアノ協奏曲については1970年代と1990年代と二回代表曲をいろいろ指揮者・オーケストラを替えて録っており本盤は1974年収録の第26番「戴冠式」(タイム@13’40A6’16B10’30)と1977年録音演奏の第27番(同@13’55A8’00B9’10)であります。第26番「戴冠式」の方は30歳の彼女をサポートするバックはグシュルバウアー(当時35歳位)がリスボン・グルベンキアン財団COという楽団を振っての珍しいものです。グシュルバウアーも指揮者としてはまだ行ける年齢であったのにドイツ系指揮者にしてはやや線が細い印象を持たれいつの間にか消えてしまった感があります(決して活動休止したわけではなく地方オーケストラの首席指揮者等を務めている様であくまで地道な人なのでしょう)。しかし本盤協奏曲伴奏ではそうしたセンスを活かしつつ結構溌剌な運び具合でピリスの簡潔ながら色彩感豊かなタッチと良く呼応していますし、ピリスの基本的には大層に構えない端正な中でのちょっとした「歌いまわし」が聴き処となっている様です。なお、前述した様に彼女はこの「戴冠式」協奏曲を1990年再録しておりその時のバックはアバド/VPO、演奏タイムは@14’10A5’37B10’35となっております。なお、私は本盤演奏第27番協奏曲(バックはA.ジョルダン/ローザンヌCO)と「ロンド」(バックはグシュルバウアー/リスボン・グルベンキアン財団CO、タイム10’06)の方は聴いておりませんし、価格面からも当面OKランクとしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2012/05/19
HMVが中古CDを扱う様になりました。私はサラリーマン現役時代東京出張の際、新宿、御茶ノ水、高田の馬場等のクラシック中古CD,LP店に寄るのが楽しみでもありました。定年後、もうそういう事はなくなりましたが地元大阪でも結構枚数を揃えた中古クラシックレコード店が点在しており正直各お店周囲はそんなに環境的にはクラシックという雰囲気でもないのに、そしてクラシックが人気抜群というわけでもないのに不思議ですね・・・各店がつぶれずにあるのは。逆に新品扱いチェーン店が相変わらず厳しい状況の様であります。価格からも個人的にはそんなに新品にこだわる方ではありませんので時々HMVサイトもチェックする楽しみが増えました。そうした中古の本盤にレビューさせていただきますね(今回本中古盤への書き込み分は新盤にも載るかもしれません)。グリモーがまだ28歳の1997年、当時はもう指揮界の御大であったザンデルリング(当時85歳)の振るSKBをバックに演奏したブラームスP協奏曲第1番のライブ録音でこの青年の屈託的な音楽を若いグリモーが女性としてどこまで聴く側の私にフィットしてくれるかが注目の盤でありました。結果的にはライブ故もあって若干のタイミングミスも手伝って中々リアルでこの曲にフィットしたある「野蛮な」面を見せた出来上がりになっており好感を持ちました。要は女性だからといって決してなよっとしたものではなく、しかし細部まで立体的に高い精神的高揚感と恍惚感を伴いつつ丁寧に運んでおり彼女自身がブラームスとの相性を是としている事が肯けます。バックの特に第1楽章前奏のゆったりとした少し粘り気と凄みを宿した演奏が指揮者とこの悲劇的曲想について充分調整された彼女のアプローチを際立たせた様にも思います。本楽章終わりのコーダもゆっくりと攻めて行きます。第2楽章は内省的な美しい「祈り」的な感じです、この楽章が終わると通例的に即最終楽章に突入します。テンポとしては速めで前楽章とのコントラストを強調。感情的に前のめり気味にはなっていますが次第に透明感を増して冒頭の前奏からの推移が手に取る様に分かります。演奏タイムとしては@23’48A13’27B11’50と第3楽章の速さが特徴となつています。D.ジンマン/BDSOバックによる1995年録音のR.シュトラウス「ブルレスケ」(4曲トータルタイム21’49)は未聴でありますので★一つ保留します。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2012/05/18
デ・ワールトの演奏にはLP時代モーツァルトの作品録音から接し始めたのですが暫く私の頭の中から彼の存在が消え失せたのも正直な処で実力からすれば単に「オーケストラ・ビルダー」として位置づけられるだけではなくもっと一流楽団との録音盤が持ち上げられるべき演奏家なのでは・・・との思いも過ぎりつつあります。HMVカタログから見ますと彼の収録盤は比較的分厚いオーケストレーションの作品を扱ったものが多くマーラー交響曲もその範疇に入っているのかなぁと思っておりましたが本盤既に廃盤状態になっているのも先の扱われ方の「表れ」と勘繰りたくなりますね。さて、本盤はマーラー交響曲全集と銘打っていますが第10番と「大地の歌」は入っておりません。1992年〜1995年デ・ワールトのマーラー交響曲チクルスでのライブ録音で一番ポピュラーな第1番「巨人」について少しコメントを入れさせていただきます。この第1番、1993年デ・ワールト52歳の時の演奏で演奏タイムは@16’22A7’29B11’25C20’34と全体たっぷりと時間をかけてマーラーの「青春譜」を展開しております。オーケストラはRFOH(=NRPO)で同じオランダの名門RCOには及ばないけれど充分頑張っている印象は受けました。しかし第1楽章から感じていたのですが前段各管楽器での扱いは明瞭なものの弦その他が参入すると録音のせいかちょっとベタ塗り的な音色に・・・彼が管楽器出身だからかとも思いましたがこもり勝ちな音質がマーラーの粘着性を薄め穏やかさとなって表れた演奏となりました。テンポはそんなに触らないですが前段遅い部分では歌心をもって運び後段ピークからの下りはスピードを上げ、節移行でのクライマックス雪崩れ込みが面白いですね。第2楽章は真ん中の部分を穏やかに両端は弦リズムを若干シャープにして室内楽的な味わいを出し第3楽章はスタートの低音弦独特の音がゆっくり進み途中の移行でこの曲の生々しさが湧き出て来ます。最終楽章の出だしはそんなに強烈ではなく進んで行く内にこの演奏全体の印象というかマーラーにつきまとう狂気や分裂的病理を求めるには物足りない感じも残るものの、旋律の謳わせ方の上手さ、無理のないテンポでしっかりと弾き込まれ豊穣な音楽に仕上げて〆山場も堂々たるものです。この第1番については彼は1989年ミネソタOとの収録(タイム@16’17A7’28B11’27C20’13)もしている様です。なお、本盤現在販売されておりませんし、他の交響曲は殆ど聴いておりませんので当面「OKランク」としておきますね。他の交響曲各曲タイムデータだけメモしておきましょう。第2番(1993年録音同@21’59A10’22B11’04C5’41D36’41)、第3番(1995年同@34’51A9’31B16’59C10’12D4’23E25’04)、第4番(1993年同@17’11A9’51B23’00C9’25)、第5番(1992年同@13’53A15’27B18’47C10’01D15’44)、第6番(1994年同@23’57A14’27B16’19C30’31)、第7番(1994年同@22’20A16’09B10’06C12’50D17’24)、第8番(1994年同@24’03A59’15)、第9番(1995年同@28’27A16’55B12’47C25’34)と各曲なっております。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2012/05/17
既に皆さん書き込まれている通りで私も繰り返しさせていただきましょう。フェラスは30歳を少し過ぎた頃、磐石体制を築きつつあったカラヤン/BPOをバックに有名なヴァイオリン協奏曲を次々収録して行き個人的には学生時代にブラームスのVCをラジオから聴き出しその新鮮さが気に入ってLPをすぐ買い求めました。そして本盤演奏曲目チャイコフスキー(1965年録音。タイム@19’10A7’16B9’13)、シベリウス(1964年録音、同@16’11A9’00B8’04)と順次曲組み合わせは異なって別盤で聴き続けたわけです。チャイコフスキー第1楽章からゆっくりと艶っぽくVが入って行きます・・・想定はされたのですが割りと大仕掛けなバックオーケストラはカラヤン節たっぷりですしカデンツァではVは枠一杯粘っこく・・・正に堪能物です。ただカデンツァも終わっての〆辺りの「せわしさ」にはちょっと意表を突かれました。中間楽章も実に情緒たっぷりゆっくりしたペースでチャイコフスキーのメロディ・メーカーたる面たっぷり表現しています。そして切れ目なく最終楽章へ続ける準備の溜めをじっくりしてカラヤンらしいリードで華やかに運びますが正直な処少し喧しさも感じた次第です(Vの濁らない音色は素敵ですが・・・)。カラヤン・リードという点で彼がバック(勿論BPO)を務めた他のチャイコフスキーV協奏曲は後年1988年収録のムター盤(タイム@19’19A7’18B10’09)があります。そして詳細は把握していないのですがフェラスの同曲録音には1957年シルヴェストリ/PHO盤(但し独奏部分の改変や伴奏カットがありタイムは約31分と短め)及び1968年ブリュック/FRPO盤(ライブ)がある様です。代わってシベリウスはフェラスの実に美しい情念っぽい高音が終始印象的で第1楽章ではカラヤン支配の下で真摯に対している向きも感じられました。中間楽章ではVのゆっくりした官能性はフェラスの先行き50歳手前で夭折する人生の儚さすら漂わせ最終楽章では支配力が覆いかぶさる強いバックにVが必死に付いて行っている感じもしました。しかしカラヤンリードはそれなりに効果的でこの曲を北欧の冷たさのみに終わらせていないのは流石というべきでしょう。カラヤンにはこの曲の別演奏盤は正式にはない様でカラヤン56歳の時の本演奏が唯一らしいです。一方フェラスには翌年1965年収録のメータ/ORTFバックのDVD盤(タイム@14’51A8’32B7’14)がある様です。素晴らしいランク以上です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2012/05/16
メロスQは1965年シュトゥットガルトCOメンバーがヴュルテンブルグCOメンバー(メンバーと言っても何れも首席又はCMクラス)と組んで結成されたものでドイツの弦楽四重奏団らしく重厚な音色が特徴でありました。なお、「メロス」の名称の由来は、第1ヴァイオリンのメルヒャーのMelと第2ヴァイオリンとヴィオラのフォス兄弟のosを組み合わせ、ラテン語で「歌」「音楽」「旋律」を意味する言葉にかけたものらしいですよ。彼らは結成後間もなくベートーヴェン弦楽四重奏曲集を録音していたのですが結成二十周年に当たる時期1983〜1986年に二回目の収録をしており本盤もその内の一枚であります。残念ながらこのメロスQは結成後40年を経た2005年解散しております。本盤には第1番(タイム@8’57A9’23B3’14C5’55)、第4番(同@8’38A6’56B3’36C4’15)、第6番(同@5’49A7’13B3’20C8’14)の三曲がやや残響を多めに収録されております。私自身ベートーヴェンの弦楽四重奏曲にそんなに聴き入る方ではないのですがこの三曲中では唯一短調で書かれた第4番は第1楽章の少し急かせる様な美しいハ短調の押しの強い楽想をメロスQの怜悧で且つ落ち着いた運びから気に入っていました。時折この楽章では区切り的な処を踏まえつつ後段は更にスピードアップして〆ます。第2楽章はゆっくりかけ合いを繰り返しつつソフトランディング、不安感を煽る個性的テーマの第3楽章を経て最終楽章はスタート平明な短調歌謡的なものから途中明転したり急に飛ばしたりしてピークをダメ押しして〆は意外と穏やかなとにかく忙しい楽章を見事なアンサンブルで堅実にこなして行きます。この第4番は比較的聴き易い為かオーケストラ版にも編曲(シュピンゲル編)されています。作品18に属する六曲中比較的早期に書かれた・・・ベートーヴェンが30歳の頃ですよ・・・第1番での第1楽章の活き活きしたスタート・テーマと中程の追い込み、切り込みは若き作曲家の力強い意思がダイレクトに伝わって来る様であります。第2楽章は感慨深い短調ではありますが温もりがそして通常最終楽章はやや「まとまり感」に欠けるのですがメロスQはコーダで挽回しました。第6番は大らかな第1楽章からして当たりがソフトで明るい気分。第2楽章は内面静かな情緒をたたえた楽章ながら途中ベートーヴェン弦楽四重奏曲の特徴たる不協和音的パッセージを経て変奏曲的に〆はピッチカートで。最終楽章はゆっくりスタートするのですがユニークな楽想が散在し恰も現代音楽の様相を呈します。一旦締めて明転するや否やテンポの緩急著しく正直ちょっとフォローして行くのにしんどい曲でメロスQのゴツゴツした肌触りが私の能力ではこの曲の汎用性から遠い物に拍車をかけた様であります。とにかく私自身もっと聴き込まなければならないと痛感した次第です。OK以上からスタートしますが現在本盤は販売されておりません。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2012/05/15
本盤は現在販売されておりませんが参考情報メモの為書き込みさせていただきますね。1973年結成されたウィーン・ムジーク・フェラインSQはVPOのCMキュッヒルがリーダーでベートーヴェン弦楽四重奏曲集他何枚かウィーン情緒ある演奏盤を出していたのに本盤同様廃盤に追い込まれているのは四重奏団分野でも(レーベル上の問題も含めて)競争が激しい事を物語っております。本盤はそのSQとクラリネットのP.シュミードルが50歳頃に収録したブラームスのクラリネット五重奏曲(1993年録音、タイム@11’48A10’41B4’30C8’27)とモーツァルトのクラリネット五重奏曲(1991年録音、同@8’49A6’38B7’27C9’16)であります。先ずモーツァルトの方が生きいきとしたアプローチで軽妙かつ深みあるモーツァルトの世界を演奏展開しております。第1楽章からやや生々しい録音が先述の如何にもウィーンという雰囲気を増長しております。ブラームスの方は割りとスッスッと進みブラームス晩年の憂いある諦観を表すイメージとは少し異なる様な感じ・・・この奏法は先のモーツァルトならぴったりとも思ったりしたり・・・第1楽章でとにかくこの雰囲気に迷っている内に結構高揚するクライマックスと寂しさの残る〆が気に入ったりしました。第2楽章での深い味わいのあるクラリネットが冴えて攻めにも転じます。本盤について結論的には私は余り深刻ぶらない演奏としてモーツァルトを含め素晴らしいランクにしたかったのです。シュミードルには以前新ウィーン八重奏団とのこの組み合わせ曲の演奏盤・・・ブラームスのクラリネット五重奏曲(1980年録音、同@11’50A10’37B4’38C8’56)とモーツァルトのクラリネット五重奏曲(1978年録音、同@9’15A7’03B7’45C10’03)・・・がありこちらの方は現役らしいですよ。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
HMVが中古CDを扱う様になりました。私はサラリーマン現役時代東京出張の際、新宿、御茶ノ水、高田の馬場等のクラシック中古CD,LP店に寄るのが楽しみでもありました。定年後、もうそういう事はなくなりましたが地元大阪でも結構枚数を揃えた中古クラシックレコード店が点在しており正直各お店周囲はそんなに環境的にはクラシックという雰囲気でもないのに、そしてクラシックが人気抜群というわけでもないのに不思議ですね・・・各店がつぶれずにあるのは。逆に新品扱いチェーン店が相変わらず厳しい状況の様であります。価格からも個人的にはそんなに新品にこだわる方ではありませんので時々HMVサイトもチェックする楽しみが増えました。本演奏の新盤に以前2009/6に書き込んだレビューがそのまま本中古盤に載っていますので逆に今回追加情報的に本中古盤への書き込み分は新盤にも載る事となりましょう。メニューインの弟子であった破天荒風雲児ヴァイオリニスト N.ケネディが芸術監督に就任したポーランドCOを自らの指揮バックに弾いて2007年に収録したベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(タイム@24’42A12’51B10’32)は彼が51歳という年齢に拘わらず奔放さは健在であります。第1楽章スタートのティンパニー打からテンポは速め、弦もちょっとノンビブラート風に入りオーケストラ全奏では粗めに強力でテーマメロディも早足。その内充分溜め込んで入ったヴァイオリンは次々と忙しく展開して個性的な箇所での見得切りも最初に聴く分には面白いです。オーケストラはエネルギーを放ちつつ多少不自然であってもケネディの指揮への意欲が感じられ後段カデンツァはもうお手の物・・・実に見事でした・・・その後はヴァイオリンは慎重に後じまいして行きます。中間楽章は大変ゆるりとしたペースでヴァイオリンもオーケストラも引き摺りながら対話している様ですが妙にダレ感はありません、第3楽章へのバトンタッチのヴァイオリン演奏も面白いですが何と言ってもこの楽章でのケネディによるカデンツァ・・・第1楽章も回想して拍子取りにオーケストラを巻き込んで次第に激しさを増して行くパーフォーマンスは彼の例のスリリングさが味わえ聴き処です。ケネディのこの曲にはテンシュテット/NDRSOバックで1992年ライブ録音がありその時のタイムは@26’23A11’31B(拍手込み)12’15だったので他の演奏家と比較しても勿論、本盤演奏の早い第1楽章、遅い第2楽章の特徴が分ります。本盤余録のモーツァルト・ヴァイオリン協奏曲第4番(同@9’26A7’53B7’56)ではカデンツァで楽器を持ち替えたりしている様ですが「クリーピン・イン」(同4’40)と共に聴いておりませんしとにかく現代のクラシックに生きている点でOKランクを維持します。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
2 people agree with this review 2012/05/14
私はLP時代からA.フィストラーリの名をバレエ音楽「白鳥の湖」演奏指揮者としてのみしか知っておりませんでした。本当は協奏曲伴奏指揮のみならず色んな曲を1950年代から収録していたらしいのですが・・・。その「白鳥の湖」の録音は本盤1961年彼が54歳の時ACOを振っての抜粋版(13曲、トータルタイム45’43)の他に先ず1952年LSO(ヴァイオリンはA.カンポーリ)を振ったモノラルものと1973年オランダ放送O(ヴァイオリンはR.リッチ)を指揮したフェーズ4ものと三度ほぼ十年毎に収録しており抜粋版本盤以外の二つは一応演奏時間に約一時間半をかけた全曲版ということで何れも各々当時のDECCA録音の素晴らしさを誇った音質が楽しめたそうです。「白鳥の湖」の音楽は色々編曲があり知られているだけでも10種類以上・・・場合によっては筋書きそのもの自体もハッピーエンド型と悲劇型があるそうですね。よく演奏される組曲版は演奏時間は24分前後が多いし、本当の全曲版ならば二時間半位時間がかかるのですがフィストラーリはじめ大概の「全曲版」というものはかつてのLP収録用なのか結構曲の省略、順番不同とか適当に編集されての全曲版だそうです。その点、本盤は初めから抜粋版となってやや選曲に偏りがあるものの一応バレエ進行順の運びになってACOの独特なくすんだ音色がフィストラーリのポルタメントをかけつつテンポを揺らせて引き締めていくリードと相俟ってロシア演奏者には聴かれぬエレガントさを味わえます(尤もバレエ音楽指揮者素地としてのフィストラーリはロシア系イギリス人ではありました)。さて本盤でのヴァイオリンはACO首席奏者のS.スタリークという人で「オデットと王子バ・ダクシオン」ではチェロとの掛け合い独奏の聴き処をちゃんとポイント押さえして甘い切なさを官能的であると共に気品をも失わないで表現しているのはメルヘンチックなこの曲に真に相応しく思われました。〆は組曲版とは異なって「ドリゴ終止」と少し珍しい演奏となっております。最終曲「情景・終曲」でのティンパニーや管楽器の音の捉えはいささか古くなつたとは言え単に迫力では片付けられないDECCA音質そのものです。全体としてACOのビロードの様な肌触りなので大向うを張る様なダイナミックさはありませんが流れといいリズムといい繰り返して申し上げるなら「エレガントな」演奏です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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2 people agree with this review 2012/05/13
カラヤンは交響曲第4番をEMIに(ハース版)で1970年(タイム@20’37A15’28B10’33C23’01)にそして本盤を(原典版)で1975年カラヤン67歳の頃DGに収録しており私はLPで後者演奏(タイム@18’17A14’29B10’43C20’27)を聴いております。カラヤンはこの曲収録をそんなに回数を重ねてはいないしどちらもBPOであることで結局「版」の相異がこの二つの収録演奏を区別することになります(但し、手元資料では今述べた二つの演奏の他にオーケストラはやはりBPOで1974年ルツェルン・ライブ@18’45A15’40B10’16C21’12や本盤と同年1975年ライブ@18’04A14’45B10’27C20’27のCD等がマニアの間では知られております)。私は前者を聴いたことがありませんが本盤DGLPからのイメージだとどうも私の持っているブルックナーのあの奥行深い音と「間」イメージとは少し異なり些かこの演奏は第3楽章を除いて全体テンポの速さが手伝って饒舌過ぎるのかな・・・カラヤン世界・・・と思っています。確かに管楽器をはじめ音はよく鳴ってある意味有無も云わせませんがそこで足踏みしたまま流麗な最終楽章まで引き摺られました。多分私はブルックナーにこの様な機能的で都会的なものより何か素朴なローカル的なものを追っているのかもしれませんのでOKランク止まりにさせて下さい。蛇足ですが本レビュー書き込み時点でのHMVレビュー欄「収録情報」での曲名に付記された(原典版:1978/80年)は(原典版:1878/80年)の記入ミスかと思いますのでよろしく・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2012/05/12
最初にお詫び申しておかなければなりません。カタログ番号UCCG5230カラヤン/BPOショスタコヴィッチ交響曲第10番他のCDレビュー欄に本盤カラヤン/BPOチャイコフスキー交響曲第6番他(カタログ番号UCCG5233)収録CDに書き込むべき内容を同日2012/5/12送信してしまいました。大変慎重さを欠き本当に申し訳けございません、今後はより一層留意して情報発信に務めたいと思いますので今回はオールドファンの手元誤りという事で何卒ご容赦の程よろしくお願い申し上げます。HMVルールはやり直しが出来ないので本盤チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」他収録盤レビュー欄後半にショスタコーヴィッチ交響曲第10番に関するレビューを補記させていただきたいと思います。先ず本盤UCCG5233→カラヤンは悲愴交響曲の演奏を非常に得意にしていましたので、録音状態に大きな問題点のない1960年代以降の録音分は、すべて安心?して聴ける様ではあります。カラヤンの年齢とオーケストラとの組み合わせで演奏の雰囲気は夫々異なっている様で勿論私も全てを聴いたわけではありませんがその代表格として我々の世代では身近な収録分であった1964年BPOを振った演奏(タイム@18’53A7’59B8’44C9’19)はカラヤンが56歳の時、BPOに君臨体制を敷いた頃でいい意味でまだ溌剌さが聴ける演奏であります。チャイコフスキーがロシアのヨーロッパ化に心がけていた事を納得させる様な感じで全体ロシア臭はせずスマートな仕上がりとなっています。第1楽章のあの「テーマ」も「泣き」に走らずさりとて決め処・ポイントはちゃんとしなやかに押えてそう癖はないもののちょっとしたアドリブは面白く聴く者を満足させます。第2楽章の舞踏も執拗ではありません。第3楽章も実にスポーティであります。最終楽章でのピークも決して「凄み」を極めるアプローチではありません・・・「悲愴」に縛られない曲そのものに対応した様でありそういう意味で全体アイデンティは保たれているのではないでしょうか。その他のカラヤン指揮分「悲愴」交響曲は次の通りであります・・・・1939年BPO(トータルタイム44’07)、1948年VPO@18’43A8’52B8’08C9’52、1954年NHKSO@19’17A8’51B8’41C10’09、1955年PHO@18’54A8’14B9’02C9’24、1971年BPO@18’16A9’01B8’15C10’10、1976年BPO@18’24A9’04B8’28C9’59、1984年VPO@18’23A8’52B8’31C9’54、1988年BPO@19’18A9’13B9’14C11’42(拍手込み)。「くるみ割り人形」は1966年の収録(トータルタイム23’04)でカラヤン節が芽生えたのかBPOの華麗な演奏に乗って結構標題感情に沿って進めている印象を受けました。この曲も他の演奏のデータを紹介しておきましょう・・・1952年PHO(23’06)、1961年VPO(21’56)、1982年BPO(21’57)。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)次にUCCG5230→カラヤンはショスタコーヴィッチ交響曲の収録をこの第10番だけ行なっており旧盤のこのCDの方が先発隊だっただけに強烈な印象を受けました。1966年カラヤン58歳頃の収録(タイム@22’00A4’04B11’13C13’35)でカラヤン指揮の「語り」上手さが前面に押し出されています。新盤(1981年録音、タイム@22’35A4’16B11’42C13’02)は当然音は向上しているのですが正直二番煎じの印象は拭えません。特にカラヤンは大きく年代によって演奏スタイルが変化をするタイプではないので新盤は割を食う形となりました。いずれにしてもこの旧盤ショスタコーヴィッチにはある興奮を感ぜざるを得ません。なお、カラヤン/BPOのこの曲演奏録音には更にもう一つ有りそれはモスクワでのライブ分(同@23’13A4’08B12’09C13’51)がHMVカタログには載っておりますが私は聴いておりません。余談ですがこのモスクワ・ライヴの際、当日会場に訪れていたショスタコーヴィチが終演後、壇上でカラヤンと並び立ったという有名なエピソードも残されており、バーンスタインが1959年NYPOを引き連れて交響曲第5番のモスクワ演奏時同じ様に当該作曲家と指揮者とがお互い舞台上で手を取り合った写真があった事を思い出しました。私は併録のストラヴィンスキーの交響曲(1970年録音、タイム@10’56A6’26B4’59C7’21)は聴いておりませんので★一つ保留いたします。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
2 people agree with this review 2012/05/12
カラヤンは悲愴交響曲の演奏を非常に得意にしていましたので、録音状態に大きな問題点のない1960年代以降の録音分は、すべて安心?して聴ける様ではあります。カラヤンの年齢とオーケストラとの組み合わせで演奏の雰囲気は夫々異なっている様で勿論私も全てを聴いたわけではありませんがその代表格として我々の世代では身近な収録分であった1964年BPOを振った演奏(タイム@18’53A7’59B8’44C9’19)はカラヤンが56歳の時、BPOに君臨体制を敷いた頃でいい意味でまだ溌剌さが聴ける演奏であります。チャイコフスキーがロシアのヨーロッパ化に心がけていた事を納得させる様な感じで全体ロシア臭はせずスマートな仕上がりとなっています。第1楽章のあの「テーマ」も「泣き」に走らずさりとて決め処・ポイントはちゃんとしなやかに押えてそう癖はないもののちょっとしたアドリブは面白く聴く者を満足させます。第2楽章の舞踏も執拗ではありません。第3楽章も実にスポーティであります。最終楽章でのピークも決して「凄み」を極めるアプローチではありません・・・「悲愴」に縛られない曲そのものに対応した様でありそういう意味で全体アイデンティは保たれているのではないでしょうか。その他のカラヤン指揮分「悲愴」交響曲は次の通りであります・・・・1939年BPO(トータルタイム44’07)、1948年VPO@18’43A8’52B8’08C9’52、1954年NHKSO@19’17A8’51B8’41C10’09、1955年PHO@18’54A8’14B9’02C9’24、1971年BPO@18’16A9’01B8’15C10’10、1976年BPO@18’24A9’04B8’28C9’59、1984年VPO@18’23A8’52B8’31C9’54、1988年BPO@19’18A9’13B9’14C11’42(拍手込み)。「くるみ割り人形」は1966年の収録(トータルタイム23’04)でカラヤン節が芽生えたのかBPOの華麗な演奏に乗って結構標題感情に沿って進めている印象を受けました。この曲も他の演奏のデータを紹介しておきましょう・・・1952年PHO(23’06)、1961年VPO(21’56)、1982年BPO(21’57)。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
4 people agree with this review 2012/05/11
以前ムーティ/VPOによるシューベルト交響曲全集盤で書き込んだ記憶があるのですがその主意を繰り返しさせていただきます。この第9番「ザ・グレイト」はムーティ45歳の1986年収録されたもので演奏タイムは@16’39A15’09B14’04C15’11となっております。第1楽章、第3楽章そして終楽章に反復演奏を適用している為、ただでさえ現代人にも天国的長さが感じられるこの曲を一時間の演奏タイムですがVPOの音色が堪能出来ることとムーティのふくよかな歌わせぶりが決してその長さに退屈させません。両端楽章の最後の「詰め」等は聴く者に納得を強いるように更に念入りな仕上げを提示し堂々たるエンディングとなります。長さに弱い人は少し覚悟要。シューベルトとウィーンの関わりからすればもっとVPO又はVSOによるシューベルト交響曲全集があっても良さそうなものなのにそんなに種類が多くなく本盤全集はVPOが懇願してムーティを指名して録音しただけに特に(オペラを得意としているムーティだからか長帳場の曲の枠設計が上手く)この「ザ・グレイト」はある大きく豊かな気分になれる聴き応えある演奏であります、最高ランクにあげておきましょう。なお、ムーティの「ザ・グレイト」にはDVDでも2009年収録のBPOとの演奏もHMVカタログに載っていますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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