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TOP > My page > Review List of ほんず内閣総理大臣
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1 people agree with this review 2013/01/20
さあ、酷評しますぜ。こりゃヒドイ演奏だ。この音楽(驚異的な音楽だ!)から、レーグナーは何一つ得るところがなかったようだ。美しい曲想から何らの情感も得なかったようだし、曲の構成構造の秘訣の解き明かしも得なかった。ひたすら快速テンポで、無機質な金管の吹奏のみが目立つ、乱暴な演奏としか言いようがない。音響も混濁し、きちんとした整理もついていない。正直、取り柄のないディスク。いかんよ、こりゃ。
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5 people agree with this review 2013/01/20
3曲続けて聴いてみて、やっぱりどうにも感心しませんでしたね〜。特にダメなのは第4番。全く意気上がらず、何を表現したいのか不明としか言いようがない。感情の起伏、音響の起伏、いずれも不十分で凡演と断じるほかありますまい。また、録音もおかしくて、想像するにミスやノイズなどをカットするために無茶苦茶編集したのじゃないでしょうか。とても新しい録音とは思えぬ無機質な味と色のない音で、音楽がまるで活きていません。第5番は勢いのあるいかにもライヴらしい雰囲気があって、これはよろしいでしょう。でも、特別な決め手のない演奏ではあります。第6番はまたまた特別な表現意欲のない、平々凡々な出来。せっかくウィーンフィルという最高の表現力を持つオケを使ったのですから、もっとしっかり想念の大きい音楽を奏でてほしかったと思います。さて、3曲並べたこのアルバム、第5番(1998年)、第4番(2002年)、第6番(2004年)という二年おきの録音進行ですが、進歩発展がみられないといういかにも残念な結果となりました。期待感を込めて、やはりこのコンビにはハードルは高くなるのですやね。
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0 people agree with this review 2013/01/18
HMVさんはベスト盤と言いますが、むしろサンプラーですやね。ノリントンのポリシー、コンセプトを各種レパートリーで実践するとどういうことになるか、それを知るためのアルバムです。交響曲から一つの楽章だけを抜いて並べたようなものですから、特にこれを通して聴いて感動するとかいうものではありません。面白かったのはなんといっても古典。モーツァルトや、特にベートーヴェンは実に面白い。我々がなじんでいる、大オーケストラがだぶついた響きで聴かせる鈍重な演奏とは大違いで、「耳が洗われる」と言っていいでしょうな。それがロマン派になって、感情豊富・表現過多な音楽になるとどんどんつまらなくなってきます。やっぱりねぇ、一つの試みなんだな。音楽とは難しいものです。作曲者を、作曲という行為に導いたその意志というか表現意欲というか、モチベーションを聴く者に伝えることができなければ、やっぱり演奏行為は説得力を持たないんだね。それを痛感してしまう、皮肉なアルバムでもあります。ま、興味をお持ちの方には一聴をお薦めはします。
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6 people agree with this review 2013/01/18
なんと美しい、なんとすばらしいディスクでしょう!選曲の妙になんといっても感服いたします。このアルバム全体を通して「ff(フォルティッシモ)」はきっと一か所もなし。でもそれは物足りなさを生むことなく、優しい雰囲気がずっと続いていて、トータルの気分を実にうまく成就させています。そうそう、このアルバムは各曲が終わったのちほとんど切れ目なく次の曲へと流れていくように作られています。通常ならば前の曲の余韻をきちんと味わわせて欲しいと思うところなのですが、ここではむしろその連続性がとても心地よい印象です。タイトルにもある「夢」が途切れることなく、「夢」に憧れ追いかけて行く私たちの気持ちを引き寄せてゆくように、心をつかんで離しません。選曲も編集も、そしてもちろん演奏も、何もかもうまくできているなあ。大植さん、アメリカで本当に素晴らしいお仕事をなさっていたのですね。美しい曲を並べて、慰めにもなり、しかし一層楽しみでもある、ビューティフルの極みのアルバムです。個人的な白眉は5曲目のマスネ。チェロのソロをフィーチャーした最高に美しい曲。私の愛聴盤に「ヨーヨー・マ、プレイズ、モリコーネ」があるのですが、あの美しい世界を彷彿とさせる、優しく心に染み透る、泣けてくるような音楽。ぜひみなさま、お聴きください。満足感あふれる最高のアルバムでした。大植さんに心から感謝。録音も優秀。どこにも不満などなし。
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2 people agree with this review 2013/01/15
「復活」や第6番の強烈無比なマーラー演奏で一部の筋にカルト的評価を得ているホルヴァートさんの演奏だというので注目。でもその根拠はHMVさんが曲目の後に記す「Horvath」の文字だけ。オケだって不明。ま、とりあえず信用して購入。現物が届いてびっくり。だって、ジャケットにもディスクそのものにも演奏者に関するクレジットがかけらもないんですぜ。製品それ自体からは誰の演奏か全く分からない、実にひどい粗悪な商法の製品。ネットで調べてみますと、ホルヴァートさんはオーストリア放送交響楽団を指揮してドヴォルザークの交響曲第8番とスラヴ舞曲を録音しているようです。どうやらその演奏かな、と想像。確証なんかは全くありませんが、そのつもりで聴く(とはいえ、そのデータを示すページではマーラーの交響曲第6番がやはりオーストリア放送交響楽団になっているので、信頼できないなあ…)。といふことで、演奏者が誰かは不明なまま、演奏を聴いた感想のみ。交響曲はなかなかの佳演。正直オケの技量は一流とは言えないけれど(特にソロ)、曲想を素直に音にしてなかなかに爽快な仕上がり。スラヴ舞曲は、これは明らかに「下手くそ演奏」。オケがガサガサしてうまくない。そしてそれ以上のアピールポイントもない。音もヒスがあってこれまたガサガサ。トータル、「ミステリー・ディスク」。ま、物好きさんはどうぞ。
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3 people agree with this review 2013/01/15
このアルバムの特徴はなんといってもドミンゴがトリスタンを歌うということ、これに尽きますね。それは、単にトリスタンをドミンゴという稀代の名歌手が歌ったということにとどまらず、演奏全体の性格や出来栄えをも決定するほどのファクターとなっております。セッション録音とはいえ、やはり歌手同士の間や歌手とオケとのバランスの調整、役柄のキャラクタライズ、などなど全体への波及度は大きいと思うのであります。白状すれば、マイナス面でそれは大きいなあと思います。配役を見ますと(端役はさておき)基本はワーグナー歌いの中にドミンゴが入った(混じった)という感じで、そこがまず問題かな。ドミンゴの声質や歌い方を考えるならば、イゾルデもまた同じようなタイプのソプラノにすればよかったんじゃないの。たとえば、イタリアオペラ系の歌手ならトスカを歌うくらいの声質のソプラノを連れてきて、ちょうどよい「トリスタンとイゾルデ」カップルが出来上がるんじゃないかなあ。物語的には10代後半の美男美女のお話なんだからね、そういう芝居仕立てで主役二人を設定するのは全体のコンセプト作りとしてありうるのでは。ここではドミンゴが「闖入者」的な感じすらしますね。一般のワーグナー・テノールは、ニュアンスよりも、ストレートに伸びた声と歌い方でまず勝負ですやね。常に細かくビブラートがかかって揺れ動くドミンゴの歌は、やっぱりワーグナーの歌としては違和感をぬぐえません。例えるならば、マグナム弾でどんと制圧すべきところを、小口径サブマシンガンでちまちま撃ってるような感じ(わかるかなあ…)。ティーレマンとの『パルシファル』もそうでしたが、そうしたドミンゴに周りも「配慮」して、演奏の方向性が決められてしまった感があります。全体に迫力よりも妙なしっとり感が強い『トリスタン』となりました。それでも何でも聴いていて感動しましたから、この音楽の素晴らしさはホントに比類がないと思いますけどね。ちょっと変わった『トリスタン』として覚悟の上でお聴きになるのがよろしいでしょう。なお、録音は優秀ですが、ちょっと弱音は弱すぎ。
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3 people agree with this review 2013/01/14
これはいいですね。大変に美しい「グレート」です。レーグナーさんの姿勢は、真正面から曲に向かい、しかし総じてとても自然体。この曲はこれまでにフルトヴェングラーのいかにもものものしい「神」演奏、ベームの堅固な大城郭的演奏、カラヤンの熱中汗かき演奏、などなど大指揮者が渾身の気合を込めた大演奏がいくつもあります。また、この曲がまさしく「グレート」と称される理由を教えてくれたサヴァリッシュ指揮N響の立派な演奏も、実演で聴きました。そうしたこれまでの名演群と違い、とても自然で、無理な力瘤がなく、純粋にこの曲の美しさと魅力をよく伝えてくれる好演であります。オケも好演。確かな技量を持ちながら、それをそうとは感じさせぬ、奥ゆかしいもの。録音も超優秀。オケとホールのよい響きを心行くまで堪能できます。そう言えば、この演奏、初出のLPは各楽章をディスクの各面に収めた超ぜいたくな造りになっていたな。確かにそれに値するものです。ということで、まことにすばらしい「グレート」のディスク、大いにお薦めいたしましょう。
0 people agree with this review 2013/01/13
ステージをそのまま映像化したものではなくて、スローモーションになったり、アップ映像がモノクロになったり、と事後編集も入っています。また、下から見上げる角度の映像には天井の照明が映り、客席斜め横からのカメラにはオケも入り、あげくは指揮者の手も映る、といった調子で、その意味では、ステージプロダクションとしてではなくて、こうしてDVDに編集された形が完成形のものとして視聴すべき作品になっています。歌手は藤村さん以外知らない方ばかり。想像ながら、みんな比較的軽い声の小粒な人たちばかりじゃないかな。劇場での圧倒的歌唱という印象はないですね。録音上はその点に不満はなく、誰の声もしっかり聞こえます。リリックなトーンが全体の色調で、そこは指揮者も同じ。まあ、いいんじゃないでしょうか。個人的にはそんな不満は感じません。ただ、マルケ王は声も歌もちょっと弱いかな。トリスタンも肝心の第3幕で今一歩の踏ん張りがきかなかったかな。ジョルダンさんは『パルシファル』もレコーディングしてるし、またマーラーでも雄渾な名演(第3番!)を聴かせていますから、このあたりのレパートリーは得意もの。結構でしょう。演出は第1〜2幕まではまあまあよしとして、第3幕で急に妙な仕掛けが多くなって理解不可能になります。ちょっとやりすぎじゃないの?そこはよくないな。ですが、トータル、『トリスタン』を楽しませていただいた感はありました。画質はきれい。音質もよし。なお、特典のメイキングに出てくるリハーサル時の歌手の姿が本番とえらく違ってて面白いなあ。
1 people agree with this review 2013/01/13
いいですね、これは傑作ディスクです。交響曲はいずれもいかにもバーンスタインらしい大演奏。第4番は曲想に合わせてその場での感興をたっぷり注ぎこんだもので、激情たっぷり・情緒纏綿、もう堪らないですな。バーンスタインには何度も録音がありますが、CDも含めてこの演奏が一番いい気がしますねぇ(晩年のものはちょっと空転してる気がするんでねえ)。第5番だけはボストン交響楽団で、これまた大演奏。芝居っ気たっぷりで、それがまた見事にツボにはまって大成功。交響曲はどれも倍管で演奏していますので、これ実演では大迫力だったでしょうなあ。ヴァイオリン協奏曲はベルキンのソロ。達者な腕前で難曲を弾き切りました。そして凄いのが「アンダンテ・カンタービレ」。あたかもマーラーの「アダージェット」のごとく、あるいはバーバーの「アダージョ」のごとく、深い感情をこめて美しくも哀しく奏されます。葬送の音楽のようでもあり、いやあるいは逆に果てしのない憧れの羽ばたきのようでもあり、この曲をこんな風に演奏した人はいないなあ。以上、演奏はどれも大変すばらしいもの。傑作と言えましょう。画質は年代相当で古めかしく、きれいとはいえませんね。でもまあ、コンサートの記録だからいいでしょう(オペラだとツライけどね)。音は今一つ。やや鮮明さを欠き、特にダイナミックレンジが狭いのが痛いな。指揮と合わせて聴いていますと、実際にはものすごい強弱の振幅の差があったでしょうからね。まあ、でも年代から考えれば仕方ありませんね。この映像作品が残された幸せの方がはるかに大きいであります。よかった!!お薦めしましょう。
HMVさんの情報はいかにも不親切だなあ。曲目と演奏家についてとりあえず書いておきしょう。@R=シュトラウス作曲「英雄の生涯」ディミトリー・キタエンコ指揮モスクワ・ソヴィエト放送大交響楽団(1984年録音)。A同作曲『サロメ』から「サロメの踊り」アレクサンダー・コピロフ指揮モスクワ・ソヴィエト放送大交響楽団(1987年録音)。期待はなんと言っても@。ギュルツェニッヒとのショスタコーヴィチやチャイコフスキーで急速に、しかし改めてその評価を高めつつあるキタエンコさんのしばらく前の録音で、ロシアのオケということもあり、相当に「スゴイ」演奏が予感されるからです。さて、聴いてみますと…。全てはいかにも旧ロシアのレコーディングの質の低さのせいで台無し、というところですかな。aひたすらに硬い音。耳に痛いほどの硬い音で、実際の楽器の音はこんなものぢゃないよ。実はこれこの年代にもかかわらずアナログ録音ですが、アナログらしいつややソフトさがない。bダイナミックレンジの狭さ。特に盛り上がり部分でさっぱり音が大きくならない。c録音バランスの悪さ。中〜低音域が薄くて、腰の高い、何とも落ち着かないバランスで、迫力が今一歩なのはこのせいでもあります。ということで、レコーディングのせいでまことにがっかりな結果となりました。演奏自体は悪くない。キタエンコさんもいかにもきっぱりしたスタイルだし、コピロフさん(知らない指揮者だ)も曲の特徴をよく活かした好演です。惜しいなあ。
9 people agree with this review 2013/01/12
「レコ芸」の大賞も受賞した、定評のある名盤ですね。みなさまの評価も大変に高く、そしてそれは全くその通り、とも思います。ですが、今回、かなり久々に聴き直してみて、いろいろ考えるところがありました。前回聴いたのは10年ほども前でしょうか、その後数多くの『トリスタン』のディスク(CD、DVD)を視聴し、実演でも聴き、私自身『トリスタン』についてそれなりに親しみと認識を深めたつもりでおります。ベームの『トリスタン』を聴いて思ったのは、「これは伝統的な劇場における演奏なのだな」ということです。聴衆を前にして、一度始めれば途中で止めることのできない、そして演奏者みなが集中し感興に乗り、活きたドラマを再現してゆく劇場での音楽、それがこのディスクに収められたものなのだなあ。セッション録音では細部にこだわって表現の差が大きくなり、劇であるよりもまず音楽である要素が強いディスクもあります。しかしこの演奏では、精緻なニュアンスの描き分けよりかは、演奏者全員が恐るべき集中力で勢いに乗って驀進するそのエネルギー・パワーに圧倒されます。そうした姿勢が最も成功したのが第3幕で、傷を負ったトリスタンの熱と狂気が噴出する、まさに圧巻の出来栄え。一方、第2幕はやはりしっとり感がもっと欲しいかな。「愛」の場面であるよりかは、「愛と死をめぐる対話」という趣がありますかねえ。主役二人の哀しみをリリカルに歌った佳演が、近年はいくつか出ておりますな。以下、個別にコメント。ベームの指揮は強靭で清潔なもの。音楽は全く停滞せず、常に明確で揺れがない。テンポをびしっと決めて、歌手を安心して乗せてゆきます。劇場経験の豊富な人ならではの安定感はさすがです。そしてほとんど爆演に近い管弦楽の咆哮もベームならではのもの。これは主役二人がヴィントガッセンとニルソンだからできたかもしれませんね。さて、ヴィントガッセンはもともと声質はローエングリン向けのユーゲントリッヒャー・テノールなので、本当はトリスタンは彼には重すぎる役でしょう。でも声量があれば劇場でも問題がないので(彼の実演は知りませんが)、それで当たり役にもできたのかな。ヘルデンテノールの典型のズートハウスやロレンツのようなスーパーロブストな声と違い、繊細でリリカルな歌に向いていそうですが、ヴィントガッセンはむしろ勢いに任せて疾駆するような歌を聴かせます。仕上がりはややラフでして、特にフレージングに問題はあるようで、もう少し「歌」として丁寧に聴かせて欲しかったな。一方、ニルソンは貫録たっぷりのイゾルデ。こちらもややラフな歌で、迫力満点ですがやや美感を欠きます。それに、個人的にはどうもニルソンは美声だと思えないのですな。ちょっと魅力薄。ヴェヒターのクルヴェナールが実にすばらしい。若君を守り心からの忠義を尽くす股肱の臣を、力強い声で見事に歌いました。ルードヴィヒのブランゲーネは強いニルソンに見事に寄り添って、こちらもひけをとりません。マルケ王は裏切られつつ許しもする、マヌケでお人好しとも言えるし、気の毒だけど徳高い人とも言えるし、役作りは難しいところかもしれませんが、タルヴェラは声の威力でひとまず乗り切りました。総じて強力なキャストを揃えたバイロイトならではの布陣。録音は文句なし。バイロイトの特殊音響をよくとらえ、咆哮するオケとそれに負けない歌手の歌を絶妙に再現しました。このディスクは、戦後バイロイト全盛期の時代を背負った指揮者と歌手による「歴史的な名演」という評価、位置づけにするのがよいかと思います。上記のような不満はありますし、『トリスタン』という作品のさまざまな魅力を伝えてくれる演奏は他にもありますので、あえて「最高」とは申しません。ただ、劇場での現場経験の豊富な熟練の名人たちによる「活きたドラマ」がここにはあって、全曲を聴きとおして大いに感動したことは事実であります。もちろん、お薦めいたしますよ。
9 people agree with this review
0 people agree with this review 2013/01/12
ジンマンさんの旧録音。この旧録音の第1・4番のディスクについて、私は先に「チューリヒ・トーンハレとの新録音がスリムでスポーティな方向性を持つのに対し、この旧録音はまだやや方向性が定まらない感じかな。オーケストラの響きはやや厚め(普通と言えば普通)で、重心もやや低い。派手に鳴らして開放的にという姿勢ではないし、かといってじっくりと内省的にという感じでもない。いささか中途半端な出来となりました。全体のレベルは決して低くはないのですけれど、まあ、売りの部分がちょっと薄い気はしますなあ。残念です。録音はテラークらしく優秀。」と評したのですが、この第2・3番についても全く同じことが言えます。近年名演奏がたくさん出てきた第2番は、全体に生気と切れに欠け、何とも野暮ったい。第3番も総じて明るい見通しがなく、どこか重い気持ちのまま全曲を通してしまった感じかな。オケのアンサンブルはしっかりしていますし、傷というような傷はないのですけれど、逆に魅力らしい魅力もないのですね。やっぱりこちらも残念であります。
1 people agree with this review 2013/01/12
先に聴いた『復活』については私は低い評価をいたしましたが、この第1番は一転、大変すばらしいと思いました。基本的なアプローチは同じかと思うのですが、慎重に一つづつ石を積み上げてゆくような作り方がこの曲ではプラスに働き、弦や管の歌がとても繊細に仕上げられていて実に美しい。青春を感じさせる勢いこそないものの、傷つきやすい心のありようがうまく表出されています。オケも『復活』では頼りないところを感じましたがここでは何の問題もない。名技性こそ感じませんが、腕は確かだしアンサンブルも立派だし、大変結構でしょう。但し、個人的好みとしては、さらなる情熱の噴出があるといいんだけどな。全曲の終結も、完結感としてはちょっと物足りない。ま、でもトータル、よしとしましょうか。録音は優秀。
0 people agree with this review 2013/01/09
本の構成は、最初と最後に金さんと玉木さんの対談があり、その間の本論部分が金さんによるマーラーの交響曲の解説、という形です。本の出来栄えとしては「今一つ」というか、「惜しいなあ」というのが実感。@マーラーという個人のエピソードがずいぶんと扱われますが、ほかの本でも読めるものや、すでに間違いであることを指摘された話も多く、正直、不要かと思う記述が多いと思いました。なお、前島良雄氏の『マーラー 輝かしい日々と断ち切られた未来』(アルファベータ、2011年6月)をもし先にお二人がお読みになっていれば違う書き方になったように思います。それがとても残念。A金さんは指揮者ですから、マーラーを演奏するうえでの苦労というか、実際の音楽家でなければ分からない、そういう問題を中心に扱ってくれればよかったのではないでしょうか。もちろんいくつか紹介されてはいますが、そういう演奏者目線のマーラー論こそこれまでにそんなにありませんから、そこ中心だったらよかったのになあ、と思います。ま、まだ全部の曲を指揮されていないということですから、今後に期待いたします。B玉木さんの役割が「微妙」です。金さんの解説中にしばしば「玉木さんによれば」とか「玉木さんの説」として曲その他への解釈などが現れます。金さんが説明しているように見えて実は玉木さんが「背後の主役」であることを匂わせるっぽい感じが至るところにあります。共同なら共同に徹し、分担なら分担し、というように役割をはっきりさせた方がいいんじゃないかなあ。トータル、さして新発見はなく、今一歩であります。なお、間違いを若干。327ページ「水藍という指揮者が新加坡交響楽団を指揮…」→中国人に「水」という姓はありませんので、わざわざ漢字表記で中国人を示すなら「藍水」と書くべき。333ページ「ウィーラー版」→349ページ年表ではフィーラーで不統一。343ページ「ワルター指揮コロンビア交響楽団の『復活』」→ワルターの『復活』はニューヨークフィルとの録音。
7 people agree with this review 2013/01/09
ライヴ盤で最後には聴衆の熱狂的な拍手喝采が収められており、これまで寄せられたレビューもまた絶賛の嵐であります。ですけどねぇ、私はこのディスク、さっぱりよいと思いませんでした。まず、オケと音響面。ソウルフィルは初めて聴きました。新団体ではなく60年ほどの歴史を持つのだそうですが、技量はやはりいま一つではないでしょうか(あるいは大編成故にエキストラがいっぱい入っているはずでその人たちかな)。変な音がそこかしこに聴こえるし、きちんと鳴ってないパートもあり、打楽器は常におっかなびっくりの感じでパンチがない。録音の加減もあるんですかねぇ、銅鑼が極めて小さい音量で全く効果的でなく、オルガンもしょぼいなあ。次に指揮者のアプローチ。テンポは遅めでありますが、細部へのこだわりとかパワーの詰め込みとかいう姿勢の結果ではなく、ただ単に「遅め」の進行というだけ。第1楽章は巨大な問題提起だと思うのですけれど、「提起」でないどころかそもそも「問題」ですらないようなどこか「ぬるい」音楽把握のように思えます。それ故、第2楽章と第3楽章はそこそこにいいのですけれど。第5楽章は音響面でも感情面でもいっこう盛り上がらず、特に最後のクレッシェンドから一打の終結はあっけないほどあっさり。「えっ?!」と思うほどの高揚の無さで、正直がっかりしたなあ。ましてすぐに熱狂的拍手喝采が始まるので「なんで?」という気になってしまいました。現場ではすごかったのかな?ま、ともかく、私としては残念なディスクでした。
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