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Review List of レインボー 

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  • 1 people agree with this review
     2023/05/01

    ラモン・ガンバ指揮、BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団による、イギリスの作曲家による序曲を集めた「ブリテン諸島からの序曲集」
    第1集に続き出たのがこのアルバムである。
    収録曲は引き続きマイナーな曲ばかり。
    ウォルトンとコーツの作品はまだ録音が複数あるが、他は片手で数えらるぐらいに少ないし、なんと世界初録音もある。
    マイナーとはいえ、曲自体は良いメロディを持った作品も多く、前記ウォルトンとコーツはもちろん、アンセルのプリマス・ホーや、クィルターの子供たちの序曲はもっと知られて良いだろう。
    ガンバはシャンドスの看板指揮者で主にBBCフィルハーモニックを振っている事が多いが、前作に引き続きウェールズのオケを振っている。
    しかし演奏の素晴らしさは変わらずであり、どの曲も丁寧に、作品の魅力を引き出した好演奏だと思います。
    ブックレットには詳しい作品解説の他に各作曲家のポートレートが載っており貴重です。
    録音は良好です。

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     2023/04/30

    ルイス・レーン指揮、アトランタ交響楽団の演奏による、コープランドの管弦楽作品集です。
    ここに収録されたのは、『市民のためのファンファーレ』『ロデオ』『アパラチア』とコープランドのオーケストラ作品では代表的なもので入門的なもの。
    指揮者レーンは、セル時代のクリーヴランド管弦楽団で副指揮者を務めた後、ダラス交響楽団の指揮者に就任しましたが、短期政権で離任、続いて当時、ロバート・ショウが音楽監督をしていた時のアトランタ交響楽団に副指揮者として就任、本CD音源はその頃の録音となります。
    レーンの録音は少なく、クリーヴランド時代にアメリカの作曲家やベートーヴェンの作品を振った音源、もしくはテラークに入れたレスピーギとコープランドの音源ぐらいで、テラーク時代のはレーンの代表的な音源となっています。
    レーンの音楽は一言で言ってしまえば堅実なもので、職人的な演奏と言えるのではないでしょうか。
    いずれも名演と言えるかは微妙ですが、しっかりと曲の魅力を引き出しています。
    本CDでは録音がデジタルで優秀だった事もあり、それもプラスに働いていますが、初期デジタルらしく、ちょっとバランスがおかしい所があるのは残念です。
    1982年録音で、コープランドの生前に録音された音源の一つ、ですのでジャケットにはコープランドの没年がありません。
    コープランド入門の1つとしても、コープランド・ファンにもおすすめです。

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     2023/04/29

    ベルギーの楽譜出版社、ハファバラの上級グレードを集めたマスターピース・シリーズの一枚です。
    演奏はイヴ・セヘルス楽長指揮、ベルギー王立近衛兵軍楽隊です。
    今回はオリジナル作品と編曲作品がそれぞれ4曲ずつのバランスの良い選曲です。
    オリジナル作品はメルテンスやコスミッキ、ゴーブとベテラン勢が勢揃い。
    当然というか、作品の出来は一定の水準で仕上がっているが、個人的にはその中ではマイナーな、シュテルトの『ヴェア・イスト・エリーゼ?』が面白いと思った。
    編曲作品はいずれもジョセ・シンスによる編曲である。
    シンスは演奏団体のトロンボーン奏者を務めながら、かなりの編曲を残し大半はハファバラから出ている。
    今回はマイナーな作品が多く、マンシーニ『ポップス・オーケストラへの序曲』コーツ『全労働者諸君』の吹奏楽版は珍しい。
    演奏は流石ギィデ、どの曲も余裕のある演奏で、クラシカルな表現からジャズまで幅広いジャンルに対応している。
    軍楽隊のサウンドのカラー的に違和感がある作品もないわけではないのだが、少なくとも参考演奏としては十分だろう。
    セヘルス楽長も着隊して10年経って、軍楽隊とのコンビネーションはバッチしだ。
    録音は普通で、これは残念であるが、総合すると悪くない一枚である。

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     2023/04/28

    ナクソスが保有する音源からワルツを集めたアルバムです。
    ウィンナ・ワルツとその周辺の作曲家の割合が多いのですが、ウィンナ・ワルツ集というわけではなく、ワルツとつく有名な作品を押さえたもので、チャイコフスキーやベルリオーズ等の作品も収録されています。
    本CDの音源は、その大多数が既に発売済みの音源より拝借して、編集されたものであり、新規音源はないと思いきや、トラック4曲目、レハール『金と銀』は本CDが初出の音源の様です。
    演奏はミヒャエル・ディトリッヒ指揮、スロヴァキア放送交響楽団。
    スロヴァキアのオケの演奏なのであまり期待せずに聴きましたが、テンポの変化が大きく、メリハリがありなかなかの演奏でした。
    他の演奏も、常に安定はしているので悪くはないと思います。
    録音年は書いていませんが、1990年代半ば頃までの録音と思われます。
    音質は昔のナクソス録音と言ったところです。

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     2023/04/27

    ニコス・スカルコッタスはギリシャの作曲家で、同国を代表する作曲家です。
    日本では知名度は高くないものの、ギリシャの作曲家では比較的知られている。
    ナクソスはすでに第一集と言える一枚を出しているのだが、これはそれに続くもの。
    冒頭の『36のギリシャ舞曲』はスカルコッタスが今日まで知られるきっかけとなった作品で、特に本盤収録の第1集の三曲目が有名だ。
    この作品はギリシャ国民楽派に相応しい、民謡風のメロディが出てくる作品で、他のレビューアーさんがヴラディゲロフの名前を出しているが、ヴラディゲロフもスカルコッタスもパウル・ユオン門下なので何かしら影響はあるのかもしれない。
    一方バレエ組曲『海』は描写的な作品で、タイトルに波のダンスが持って来られているのもわかる。
    これも作品としてはなかなかのもの。
    組曲第1番はまだシェーンベルクらに習っていた時代の作品で確かに力作ではあるが、一度聴くと充分だろうか。
    ステファノス・ツィアリス指揮、アテネ国立管弦楽団の演奏である。
    演奏はエネルギッシュで少々粗さもあるが、情熱もありいわゆるヘタウマ的な演奏と言えるのではないだろうか。
    録音も新しいだけあり良い。

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     2023/04/26

    オランダの楽譜出版社、デ・ハスケが出した2009年度の新譜参考演奏集です。
    イヴァン・メイレマンス指揮、オランダ王立陸軍ヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊の演奏で録音されたものです。
    演奏団体は、オランダ王立陸軍軍楽隊と、ヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊と言うオランダの著名な陸軍軍楽隊が再編によって、2005年に新たに編成されたもの。
    ヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊が本拠地にしていたアッセンに所在しており、80数名の大編成バンドです。
    合併前からデ・ハスケに録音を残していましたが、合併後も定期的に録音を吹き込んでいます。
    指揮のメイレマンスは、オランダの指揮者で元々トロンボーン奏者としてロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団にいた人物との事。
    本CDでは客演となりますが、これがなかなか素晴らしい。
    1曲目は酒井格の行進曲『剱の光』で、委嘱元の海上自衛隊横須賀音楽隊による音源もありますが、ここでは速めのテンポ設定を取り引き締まった演奏となっており、この一曲だけでもなかなか。
    他にもドラマティックな情景を存分に描いたシュワルツ『マントヴァ』ヤン・デ・ハーン『スザート変奏曲』タイトル曲ホゼイの『スプラッシュ・ゴールド』ヤコブ・デ・ハーン『祝典』ハース『スパイクド・ホイール』等がよく、元々トロンボーン奏者としてオケにいたからか、ブラスの鳴りが良く、レンジの広いダイナミックな音楽作りが特徴で、本CDは長めの作品が多い事もあり、相性が良く、良い演奏です。
    軍楽隊もさすがオランダを代表するだけあり、技術面では問題ありません。
    録音もデ・ハスケのCDの中では鮮明に録れていて、なかなか良い。

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     2023/04/25

    このCDはアーロン・コープランドの代表的な作品を集めたアルバム。
    3人の演奏者が演奏しており、編集盤である。
    まずは、アンドレ・プレヴィン指揮、セントルイス交響楽団による組曲『赤い子馬』
    セントルイス交響楽団との共演は珍しいが、さすが元は映画音楽とプレヴィンの出身分野だけあって、溌剌とした演奏が特徴です。
    『市民のためのファンファーレ』『リンカーン・ポートレポート』の2曲はユージン・オーマンディ指揮、フィラデルフィア管弦楽団で収録しています。
    さすがフィラデルフィア・サウンドで有名になっただけに演奏は確かな安定感があります。
    『ロデオ』『戸外の序曲』はルイス・レーン指揮、クリーヴランド・ポップス管弦楽団。
    レーンはこの中で無名ですが、セルの副指揮者としてセル時代のクリーヴランド管弦楽団に加わり、セル没後はダラス交響楽団やアトランタ交響楽団の指揮者を務めた。
    録音はアトランタ交響楽団時代にテラークと、クリーヴランド管弦楽団時代に数枚のアルバムを残しており、これは後者の録音から復刻したもの。
    オケはやや粗いがいかにもアメリカと言った演奏で、ローカルな味わいのある良い演奏だと思う。
    どれも最上とは言えないが、年代を考えるとそこまで悪い音質ではないと思う。

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     2023/04/24

    ベルギーの出版社、ハファブラは毎年自社の楽譜の参考演奏集を出しており、これはシリーズ42枚目にあたるCDである。
    演奏はアド・ホック・ウィンドオーケストラ、指揮は最後の1曲のみ、ハーディ・メルテンスが、残りの曲はジャン=ピエール・ヘックが振っている。
    参考演奏集であるためか、選曲はバラエティに富んだもので、吹奏楽のために書かれた新作から、クラシックのアレンジ、映画音楽のアレンジ、ポピュラー系の作品までジャンルは様々である。
    タイトルにもなったやモルックポーアの『ザラシュトラの地』は新曲の中で良いし、同じモルックポーアの『ペルシャ舞曲第2番』は中東カラー満載でハチャトゥリアンが好きな方には良さそう。
    編曲物では、ハファブラでクラシック曲のアレンジ担当であるヨー・キタノによるチャイコフスキーのバレエ、眠りの森の美女のワルツや映画ではローランド・スミーツ編曲のフランケル『バルジ大作戦』ニューマン『西部開拓史』等が聴きごたえがある。
    演奏のアド・ホック・ウィンドオーケストラは常設の団体ではなく、録音のために作られた団体であるが、メンバーがベルギーの軍楽隊を始めとした実力派を集めた団体のため技術力はなかなかのもの。
    その流暢な演奏はどのジャンルの作品でも安心して聴ける対応力の高い演奏と言えます。
    録音はミラサウンドが担当しており、大変綺麗に録音されています。
    ライナーには指揮者ヘックのプロフィールとアド・ホック・ウィンドオーケストラの参加メンバーの一覧があるだけで、曲の解説などはありません。

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     2023/04/23

    このCDは、トーマス・ド・ハルトマンのオーケストラ作品集です。
    ハルトマンは現在のウクライナ東部出身の作曲家で、サンクトペテルブルク音楽院で、リムスキー=コルサコフ、アレンスキー、タネーエフらに作曲を師事し、サンクトペテルブルクやパリ、ニューヨーク等で活躍しました。
    存命中はそれなりに評価を受けたものの、死後急速に忘れられたというありがちな経緯を辿り、知られざる作曲家の一人でしたが、2006年に作品の普及を努めるハルトマン・プロジェクトというものが立ち上がり、徐々に録音が増えています。
    本CDには『ピアノ協奏曲』『交響詩第3番』『幻想的スケルツォ』の3作品が収録、いずれも世界初録音かと思われます。
    これらはリムスキー仕込みの華麗なオーケストレーションと、チャイコフスキー的な美しい作品を特徴としており、そこに時々ストラヴィンスキーあたりが顔を出すような作風と言えるのではないでしょうか。
    現在ハルトマンのオーケストラ作品集は、イギリスのトッカータより2枚発売されていますが、本盤は同じイギリスのニンバスからリリースされています。
    オケは、リヴィウ国立フィルハーモニー交響楽団が演奏を担当、指揮者はティアン・フイ・ングが振っています。
    指揮者はシンガポール出身で、アメリカとヨーロッパを中心に活躍しているとの事。
    録音は本CDが初めてのようです。
    ピアノ協奏曲でソロを取ったエラン・シクロフはハルトマンの紹介に積極的なピアニストで、ニンバスからピアノ作品集や声楽作品集の伴奏のアルバムを残しています。
    本盤はあまり期待せず聴いたのですが、演奏は実に堂々としており、オーケストラを歌わし鳴らしと、これはこれでなかなか。
    シクロフのピアノも良。
    他に録音がないでしょうから充分な水準です。
    録音は2021年9月18日、19日。
    このCDの録音と前後してトッカータのクチャル盤の録音が行われており、集中して録音された結果良いものが出来たのかもしれません。
    音質も良好。
    尚、ニンバスは基本的にCD‐Rでの製盤となっており本CDでもそうです。

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     2023/04/22

    ベルギーの楽譜出版社、ハファバラ・ミュージックが毎年出している新譜参考演奏集、ハファバラ・ミュージック作品集の24枚目にあたるCDです。
    今回演奏するのは既に何度も登場している、ベルギー王立海軍軍楽隊、指揮はミッシェル・デュモン、イフ・セヘルスです。
    ハファバラ・ミュージック作品集は同社のマスターピース・シリーズに比べて比較的難易度の低い曲中心で、クラシックの編曲か新作のみのマスターピースに比べて、様々なジャンルの作品を収録しているのが特徴です。
    本作ではタイトル曲の『カタルゴ』や『モッサ・テェッラ』の様な新曲の中でも聴きごたえのある作品や『ウィーンの市民』『新・ピチカート・ポルカ』の様なウィンナ・ミュージック、映画音楽などを収録している。
    割と聴いたという人も多いのではという選曲だ。
    指揮のデュモンはスネリンクス楽長時代の副指揮者で、スネリンクスが隊長を退いた2007年以降、海軍軍楽隊の指揮者を務めましたが、2008年には後任に譲りました。
    セヘルスは2008年よりベルギー王立近衛兵軍楽隊隊長に就任しますが、これはギィデの隊長就任前の録音と思われます。
    ベルギー王立海軍軍楽隊は、ベルギー王立近衛兵軍楽隊やベルギー王立空軍軍楽隊と共に同国を代表する軍楽隊で、演奏はパワフルで楽器の伸びが良く、引き出しも多彩で、鑑賞用にも聴けるなかなか良い演奏だと思います。
    録音年は不明ですが、音は綺麗です。

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     2023/04/20

    オランダの老舗楽譜出版社、モレナールが自社の楽譜の参考演奏集として出しているニュー・コンポジッション・コンサート・シリーズの第52弾。
    エリオ・ルイス・サウシーニャ・ムーチョ中佐指揮、ポルトガル空軍軍楽隊の演奏で収録されています。
    自社の楽譜の紹介を兼ねているため、基本的に選曲はごちゃ混ぜ感のあるものですが、比較的シンフォニックな作品が多いです。
    新曲はモレナールお抱えのベテラン勢が中心ということもあってか、質は安定していると思います。
    また後半には有名ミュージカルのメドレーが4曲も収録されており、いずれもビッグネームが編曲を手がけ、うち2曲はリードが、1曲はハウバストが、更に1曲はデ・メイが編曲しております。
    ムーチョ中佐とポルトガル空軍軍楽隊はモレナールに2011年頃から録音を吹き込み初めています。
    本CDは2011年発売なのでその初期のアルバムと言えるでしょう。
    大体出版社が出した参考演奏集CDはニュートラルな面白みのない演奏になっていることが多いのですが、このポルトガル空軍軍楽隊の演奏はなかなかのもの。
    冒頭の『オーガスト・アルベス』はいわゆるパソドブレなのだが、スペイン顔負けの情熱的な演奏だし、『サウンド・オブ・ミュージック』や『マイ・フェア・レディ』は音が豪快に鳴っており、大編成バンドならではのサウンドが聴けます。
    録音を担当するのはポルトガルの吹奏楽系レーベル、アファナウディオ。
    柔らかく、細部までしっかり録られた録音が特徴で、吹奏楽系のCDでは優秀な録音と言えます。
    録音年及び収録場所は不明ですが、発売年が2011年なのでその頃でしょう。
    収録曲、作曲者は以下の通りです。

    1.オーガスト・アルベス (ヌーノ・オーソリオ)
    2.雲 積雲
    3.雲 巻積雲
    4.雲 積乱雲 (2.3.4.エリック・スウィッガーズ)
    5.アイ・フィール・グッド(ジェームズ・ブラウン arrロレンツォ・ボッチ)
    6.カルーソ (ルーチョ・ダッラ arrトン・ファン・フレーヴェンブレーク)
    7.小さなラスカル達 (アンドリュー・ピアス)
    8.9.コラール・アンド・ロックアウト (テッド・フッゲンス)
    10.マイ・フェア・レディ・セレクション (フレデリック・ロウ arrアルフレッド・リード)
    11.ジーザス・クライスト・スーパースター (アンドリュー・ロイド・ウェーバー arrウィリー・ハウバスト)
    12.キャッツ (アンドリュー・ロイド・ウェーバー/エリオット arrヨハン・デ・メイ)
    13.サウンド・オブ・ミュージック・セレクション (リチャード・ロジャース arrアルフレッド・リード)

    演奏 ポルトガル空軍軍楽隊
    指揮者 エリオ・ルイス・サウシーニャ・ムーチョ中佐

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     2023/04/19

    このCDはアメリカの作曲家の自作自演集です。
    まず最初に登場するのは、アーロン・コープランドで、ボストン交響楽団を振って録音したもの。
    コープランドは自作自演を結構残しています。
    作曲家の指揮は上手い人そうでない人どちらかといった場合が殆どで、コープランドは上手い方だと思いますが、このボストン響を振った演奏もなかなか見事なものです。
    収録されているのは『アパラチアの春』『入札地』の2作品。
    有名なアパラチアは良くも悪くも黄金時代のボストン交響楽団の響きをフルに使った壮大な楽しい演奏。
    入札地は割合珍しい作品ですが、これはオペラからの組曲なのだそう。
    こちらも演奏は申し分なく、作品を十分に楽しめます。
    次に登場するのはモートン・グールドで、ここではヒズ・オーケストラを振っています。
    このオケは録音用団体ですが、ニューヨークの腕利きフリーランスを集めた団体との事で、確かに上手い。
    『フォール・リヴァー伝説』と『ラテン・アメリカン・シンフォネット』を収録しています。
    フォール・リヴァーはこれもなかなかの演奏ですが、ラテン・アメリカン・シンフォネット、これ抜粋なのですが、最後のグァラチャが非常に陽気で楽しくいかにもアメリカ的な演奏で良いです。
    1959年から1960年の録音で年代の割には鮮明で聴きやすい音質です。

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     2023/04/18

    マルコポーロが発売していた、ブリティッシュ・ライト・ミュージックシリーズは、イギリスのライト・クラシックの作曲家の作品を集めたもので、本国イギリスでもなかなか企画されない画期的なシリーズであった。
    ただ徐々に入手難になってきた所、2021年からナクソスに移行され始めて、結構な枚数が復刻されている。
    本CDに収録されたアルバート・ケテルビーは、日本では比較的知られている作曲家で、本CDでは代表作『ペルシャの市場にて』『修道院の庭にて』を含む12作品を収録したもの。
    大半の作品は我々が知ってるケテルビーらしい聴きやすいライト・クラシック的な作品であるが、序曲『冒険者たち』や『チャル・ロマーノ』はこの作曲家では珍しい演奏会向きの作品であり、代表曲からそうでない曲まで、ケテルビーの様々な作品が聴ける一枚としておすすめ。
    尚、この序曲もブリティッシュ・スタイル全開の聴きやすい作品ではある。
    演奏はエイドリアン・リーパー指揮、スロヴァキア放送交響楽団である。
    このシリーズのスロヴァキア放送交響楽団の演奏はわりかし良い演奏も多く、本CDでも弦の国スロヴァキアのサウンドを生かした好演奏を聴かせてくれます。
    また時計とドレスデン人形、ピアニスティックな奇想曲では、シルビア・チャーポヴァーのピアノが、ペルシャの市場では、スロヴァキア・フィルハーモニー男声合唱団が参加し、演奏をより華やかにしています。
    録音は1992年1月13日から18日、ブラチスラヴァのスロヴァキア放送コンサート・ホールにて。
    デジタル時代のステレオ録音なので綺麗と言えばそうですが、当時のナクソス品質な所があり、ややオケの迫力にかける所もありますが、細やかな事を気にしなければ十分聴けるでしょう。

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     2023/04/17

    このCDはデ・ハスケが1997年の新譜集として発売したアルバムです。
    デ・ハスケと提携している出版社の新譜も含んでいます。
    演奏はドイツ連邦軍司令部軍楽隊、指揮はミッシェル・シュラム中佐です。
    指揮者シュラム中佐は、連邦軍の軍楽隊に入隊後、指揮者として(日本でも知られていた)ドイツ連邦陸軍第6軍楽隊の隊長に就任、ついでドイツ連邦軍教導団軍楽隊の軍楽隊長を務めた後、1995年に司令部軍楽隊の隊長に就任し、2001年にラツェク中佐と交代するまで隊を率いました。
    2009年には連邦軍軍事サービスの代表として大佐の階級で就任し、2016年に引退しました。
    後任のラツェク中佐程録音はないのですが、本音源以外だと、同じデ・ハスケに珍しいドイツ行進曲と帰営譜のCDを、アモスに同じく珍しいドイツ行進曲のCDを残したぐらいです。
    このCDではドイツのバンドらしい重心の低いサウンドと、引き締まった演奏で、十分に聴けます。
    新曲ではハーデルマン『コルテージュ』がサウンドも輝かしく良い。
    また軍楽隊といえば行進曲、ここではワッツ『2つの祝祭と行列の行進曲』デリードマン『爽快な気分』ラセロムス『ドラム・タイム』が収録されている。
    残念ながら軍楽行進曲ではなく、民間吹奏楽団向きの軽いタッチの作風ですが安定感のある演奏は見事。
    録音はデジタルなので悪くはないですが、ちょっと迫力に欠ける部分があるかなと思います。

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     2023/04/16

    ブルガリアを代表する作曲家、パンチョ・ヴラディゲロフの管弦楽作品集です。
    ブルガリア国立放送交響楽団の演奏に、イヴァン・ドレニコフのピアノ、指揮者の記載はないですが
    作曲家の息子、アレクサンドル・ヴラディゲロフの指揮でブルガリア国営レーベル、バルカントンに録音されたもの。
    代表曲『ヴァルダル』や『ピアノ協奏曲第3番』を含む4曲を収録しています。
    演奏は祖国を代表する作曲家への敬愛と、作品を紹介しようとする熱意が合わさった演奏で、はっきり言って名演と言えます。
    ヴァルダルはともかく、他の作品は録音も稀な作品ばかりですのでそういう意味でも貴重です。
    しかし現在はドイツのカプリッチョ・レーベルがこのCDの音源とプラスで、ヴラディゲロフの作品集を出しており、ちょっと2軍落ちしてしまった感は拭えません。
    録音は1970年代の東側録音としてはまずまずでしょう。

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