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Review List of レインボー 

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     2023/06/04

    珍しい作品に特化したレーベル、マルコポーロですが、その中にブリティッシュ・ライトミュージックシリーズというものがあって、これは題名通りイギリスのライトなクラシック曲を集めた珍しいシリーズでした。
    シリーズは結構な枚数が発売、徐々に入手難になっていきましたが、一昨年からナクソスに移行、再発売されています。
    これは第10集にあたるもので、エドワード・ジャーマンの作品を集めたものです。
    ジャーマンは交響曲も書いており、代表曲は『ウェールズ狂詩曲』のようなそこそこ長めの作品で、どちらかというと本格派のクラシック作曲家のイメージがありますが、サリヴァンの後継的存在としてオペラ畑でも活躍しており、本CDの大半はオペラから取られた作品です。
    強く印象に残る作品はないですが、どれもイギリス的な穏健さと、美しいメロディに満ち溢れており、なかなか良いです。
    演奏はエイドリアン・リーパー指揮、スロヴァキア放送交響楽団です。
    リーパーはナクソス初期から録音をしている常連で、ブリティッシュ・ライトミュージックシリーズにも何枚か登場しています。
    オケも同じくナクソス初期に、ものすごい勢いでナクソスのカタログを埋めた功労者ですが、その頃の録音は無理が祟ったのかちょっとイマイチな演奏も多かったのですが、1990年代に入ると録音が減った代わりに質が上がっており、本CDでもリーパーのタクトの下、なかなか優れた演奏を聴かせてくれます。
    個人的にはソフィアのワルツ・ソングの出来が良いでしょうか。
    録音はデジタルですが、やや平板で当時の廉価帯相応の録音。
    ただ、聴く分には問題なし。
    1991年9月に、スロヴァキア放送コンサート・ホールで録音されたものです。

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     2023/05/31

    ベルリン・オペレッタの父、パウル・リンケ、名前は結構知られているが、なかなか音源はない。
    しかも他のオペレッタ作曲家の様に序曲ばかりを集めたアルバムというのは初めてではないだろうか。
    こういうマイナーな企画を発売してしまうのはCPOらしいと言えるだろう。
    本CDには代表作『ベルリンの風』以外はほぼ知られてない作品が並ぶが、いずれも美しいメロディの宝庫。
    序曲を聴いているだけでも充分楽しめます。
    演奏はエルンスト・タイス指揮、フランクフルト・ブランデンブルク州立管弦楽団。
    タイスはCPO近年いくつかアルバムを制作、その中にはオペレッタの録音もあります。
    このCDでは特筆した名演はないですが、ツボを押さえた好演奏であり、作品を知るにも繰り返し聴くにも問題ない演奏だと思います。
    録音は2020年、全く問題ありません。

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     2023/05/30

    チェコ出身の作曲家、ヤロミール・ヴァインベルガーはこんにちでは歌劇『バグパイプ吹きのシュヴァンダ』の中で奏でられる、ポルカとフーガでのみ知られていますが、もちろんそれ以外にも作品を残しており、このCDはシュヴァンダで成功してから書いたオーケストラ作品を収録したアルバムです。
    ヴァインベルガーの作曲の師匠はレーガーとの事ですが、序曲『騎士道のゲーム』と『オルガンと大管弦楽のためのパッサカリア』はまさにレーガー譲りの重厚な後期ロマン派路線の作品。
    冒頭のメロディが曲中に随所に出てくる騎士道のゲーム、荘厳なオルガンの冒頭のメロディが印象的なオルガンと大管弦楽のためのパッサカリアと隠れた佳作がいっぱい。
    『6つのボヘミアの歌と踊り』は反対にボヘミア風のメロディを取り入れた聴きやすい作風の曲です。
    これらを演奏するのはゲルト・アルブレヒト指揮、ベルリン・ドイツ交響楽団です。
    演奏はドイツのオケらしい重厚な響きや、作品への共感が感じられる非常に充実した内容の演奏で、世界初録音ではないですが、片手で数えられるぐらいしか音源のない曲ばかりなので、十分最高レベルと言えます。
    2000年から2002年にかけての録音で、音質は良好です。

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     2023/05/29

    オランダの出版社、モレナールの参考演奏集、ニュー・コンポジッション・コンサート・シリーズの46枚目にあたるもの。
    今回はオランダの指揮者、ヤン・コーベルが大作を2作振った内容となっている。
    まず最初に収録されているのはニコライ・リムスキー=コルサコフの交響組曲『シェヘラザード』で、編曲はモレナールで優れた編曲作品を残したスペインの作曲家、フアン・ビンセンテ・マス・キレスによるもの。
    シェヘラザードの吹奏楽編曲はいくつかあるが、このキレスによるアレンジはオリジナルを重視したアレンジと言えるだろうか。
    演奏はスイス陸軍中央軍楽隊である。
    この軍楽隊はアモス・レーベルやオブラッソ・レーベル等、スイスのレコード会社への録音が中心のために日本では知名度は高くないが分厚いサウンドに、洗練された演奏を聴かせてくれる良い演奏だと思う。
    コーベルは客演になるが既にこの軍楽隊とゴトコフスキーの録音をモレナールと入れており、他のレーベルにも録音があるため、オケと上手く行ったのだろう。
    次に登場するのはクリス・レーマースの交響詩『テセウスの旅』を収録。
    演奏はオランダ王立エイスデン聖セシル吹奏楽団。
    同団体はオランダを代表する吹奏楽団の一つであり、コーベルが永年指揮者をしている。
    作品はより現代的だが、曲の魅力を存分に引き出している。
    録音もモレナールらしく、しっかりとした録音で良い。
    但し録音年は不明だが。
    参考演奏集であるためライナーには演奏者の紹介しかないが、曲自体聴きごたえもあり、鑑賞用としてもいけると思う。

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     2023/05/28

    近年再評価が進んでいるアメリカの作曲家、フローレンス・プライス。
    ナクソスでも既に2枚の管弦楽作品を収めたアルバムが出ていますが、これはそれに続く3枚目。
    本CDは今までの交響曲を中心としたものと違い、交響詩と演奏会用序曲を中心としたアルバムです。
    指揮者はジョン・ジーター、オーケストラはロイトリンゲン・ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団です。
    ジーターはナクソスにプライスの作品を吹き込んでいるスペシャリスト。
    本CDではドイツのオーケストラを振っており、ちょっと意外な感じがしますが、これがなかなか良い。
    収録された序曲や交響詩は黒人霊歌等を取り入れた作品だが、プライスの師であったチャドウィックの系譜を感じるヨーロッパ的な部分も強く、そこにドイツのオケらしいがっしりとした重厚感のあるサウンドがよくマッチしています。
    加えてジーターの共感豊かなタクトで、作品の真価を存分に伝えてくれる演奏です。
    曲は国民楽派が好きな方なら、『コロニアル・ソング』『舞踏組曲』あたりは特に気にいるのではないでしょうか。
    2022年録音で、音質良好。

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     2023/05/27

    アラム・ハチャトゥリアンの代表曲の一つ、『スパルタクス』の組曲第1番から第3番までを集めたCDです。
    演奏はアンドレイ・アニハーノフ指揮、サンクトペテルブルク国立交響楽団。
    このオーケストラは1969年にレニングラード国立コンサート管弦楽団の名称で設立され、1992年にサンクトペテルブルク国立交響楽団に改名されたとの事。
    設立当初から長きにわたりアナトリー・バトヘンが指揮者を務めましたが、1991年にアニハーノフに交代し、1996年まで主席指揮者を務めました。
    バトヘン時代の同オケはアンドレイ・ペトロフやエフゲニー・ドガの映画音楽のアルバムを出しており、どちらかと言えばポップス・オーケストラ的な感じだったようだが、アニハーノフ時代の録音はナクソスに入れたグリエールやハチャトゥリアンとリムスキー=コルサコフ、オーディオファイルに入れたチャイコフスキーの交響曲全集やピアノ協奏曲、ラフマニノフのピアノ協奏曲と言ったクラシック路線。
    このCDもそんな一枚です。
    代表作ながらスパルタクスの組曲第1番から第3番までが集められたCDは意外と少なく、本盤は廉価価格帯(今はちょっと値が上がったが)で手に入る貴重な一枚でした。
    演奏は良くも悪くも普通であり、トランペットなど時折ソヴィエト時代の名残が聴けたりしますが、人数が少ないのか、響きは薄いですし、また時折ミスが聴こえたりします。
    普及盤としては充分な水準の演奏ですが、やや物足りなさがある演奏です。
    録音は1994年サンクトペテルブルク音楽スタジオで録音されたもので90年代の平均的なナクソス録音と言えます。

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     2023/05/26

    オランダの楽譜出版社、デ・ハスケの2003年新譜集です。
    演奏はヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊、指揮はテイメン・ボトマとアーノルド・スパンです。
    デ・ハスケ・フェスティバル・シリーズの一枚で、新曲オリジナル作品から、行進曲、クラシック編曲、ミュージカルの編曲等ジャンルは様々な曲を集めた内容です。
    特筆するような曲はありませんが、ローストやスパーク、デ=ハーンやウェニャンと言った著名な作曲家による作品も多く、作品自体は安定した作品が多いと思います。
    演奏団体は1819年に創設された歴史ある団体で、もう一つのオランダ陸軍の軍楽隊であったオランダ王立陸軍軍楽隊と共に永らくオランダを代表する軍楽隊でしたが、2005年に両団体は合併し、現在はオランダ王立陸軍ヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊の名称で活動しています。
    指揮者のスパンとボトマは後にこの軍楽隊の隊長となりますが、この録音時はまだ隊長では無かったはず。
    演奏そのものは歴史ある団体らしく、自身に満ちた好演奏が続きます。
    表題曲のヴォルケーノやストラスカロンのような高い技術がいる曲も何なく吹いていますし、何より行進曲の安定感は流石と言えます。
    観賞用としても充分な水準で、ヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊時代最後の名演奏の一つと言えるでしょう。
    詳細な録音年は不明ですが、発売年と同じ2003年と思われます。
    レコーディングはデ・ハスケのオランダ録音の大半を担当した、ジョス・ボーアランド、レコーディング・スーパーバイザーをペーター・クライネ・シャール、プロデューサーをヤン・デ=ハーンとお馴染みの面々による録音で、吹奏楽らしいクリアで迫力がある録音で良いです。

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     2023/05/25

    ウクライナの作曲家、ボリス・リャトシンスキーが書いた『交響曲第3番』と交響的バラード『グラジーナ』を収録したCDで、キリル・カラビツ指揮、ボーンマス交響楽団の演奏で収録されています。
    リャトシンスキーの交響曲は5曲ありますが、その中では3番は人気があり、クチャル盤やムラヴィンスキー盤らの音源がCDになっているほか、CDにはなってないものの、トゥルチャク盤や作曲者の自作自演などもあります。
    このカラビツ盤は現在最も新しい音源です。
    3番の版については他のレビューアーさんが詳しいので省きます。
    このカラビツ盤は、ボーンマス響のサウンドも手伝い、非常に丁寧にスコアを読んだ、バランスの良い演奏されています。
    旧ソ連系の爆演タイプでもなかなか面白い演奏になるのではと思いますが、このカラビツの解釈も悪くはありません。
    グラジーナの方も同じく丁寧な演奏で、クチャルぐらいしか比較は出来ませんが、こちらは初めて聴いても問題ないでしょう。
    CD層でのみの試聴ですが、音はなかなか綺麗に録れています。

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     2023/05/24

    このCDはロベルト・シュトルツが、ヨハン・シュトラウスを録音したアルバム。
    ワルツ王と言われるシュトラウスだが、このCDではポルカや行進曲を中心としている。
    シュトルツがシュトラウスの作品を録音した音源と言えばオイロディスクに録音した音源が知られているがこれはそれとは別音源で、大半がベルリン交響楽団の演奏、一部がロベルト・シュトルツ管弦楽団の演奏で収録されている。
    自身の名を冠したロベルト・シュトルツ管弦楽団の演奏は少々オケが荒く、そこが気になる。
    ベルリン交響楽団は常設の団体だけあり、シュトルツ管弦楽団よりかは上手い。
    シュトルツはその経歴から同じようにシュトラウスを得意としたボスコフスキー等に比べ、中庸ながら、ウィーンの香りとアメリカ的な華やかな演奏を持ち味としており、ここでもシュトルツ節全開の演奏が聴ける。 
    ややがっちりとしたサウンドになっているのはドイツのオケだからだろうか。
    録音年は不明であるが、1960年代だろうか、年代を考えると音は悪くはないと思う。

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     2023/05/23

    アントニオ・デ・アルメイダ指揮、フィルハーモニア管弦楽団の演奏で収録されたこのCDは、ジャック・オッフェンバックの序曲とバレエ曲を集めたもの。
    アルメイダはオッフェンバックの研究者としても知られており、何枚かのアルバムを残している。
    これもその一つで、研究者らしい大変に濃い内容である。
    まず序曲といっても有名な曲は『天国と地獄』だが、これとて一般的に演奏されるビンダー編曲版ではなく、1874年にゲテ座改訂上演のために作曲家が新たに書き起こした珍しいバージョンを収録。
    また『ラインの妖精』『月世界旅行』は珍しさもあるが、共通点もあり未完成となった歌劇『ホフマン物語』にメロディが転用、しかもラインの方は著名な「舟唄」に、月世界旅行はアリア「輝けダイヤモンドよ」と、同じジュリエッタの幕に転用されているのが興味深い。
    一方、『ドニ夫妻』『にんじんの王様』『ペロニラ先生』は今持って全曲録音はもちろん、序曲すら聴く機会のない珍曲で、オッフェンバックらしい明るく陽気で繊細な美しいメロディが続く。
    また併せて収録されたバレエ、オッフェンバックの純粋なバレエ音楽は1860年に書かれた『蝶々』のみだが、オペレッタのバレエシーンで演奏される曲もあり、本CDではそれを集めたもの。
    やはりこれも録音は少なく、貴重なもの。
    演奏はだいぶオケに助けられているが、フィルハーモニア管弦楽団の弦楽セクションを活かした好演奏だ。
    1987年録音で、デジタル録音なので音質は問題ない。

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     2023/05/22

    ソニーが平成の初め頃に通販で販売したボックス、ホーム・ミュージック大全集の一枚で、よく知られたクラシック曲を収録している。
    演奏はブラームスのハンガリー舞曲第5番のみはクリストフ・エッシェンバッハ指揮、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団、その他はハリー・ラビノヴィッツ指揮、ロンドン交響楽団である。
    大多数を指揮しているラビノヴィッツは1916年に南アフリカはヨハネスブルク生まれで、後にイギリスに移住し同地で音楽を学び、イギリスで活躍した人物。
    作曲家としても映画音楽などを残した他、指揮者ではポピュラー系の録音を残している。
    この経歴から分かるようにどちらかというとクラシックよりの指揮者ではないようで、現在出ているクラシックCDもこれぐらいである。
    本CDは大雑把に言うと前半はワルツとオペラの間奏曲、後半はロシア音楽という組み合わせ。
    ラビノヴィッツの演奏は全体的軽めの演奏。
    だが、随時で音楽の流れが悪い所も聴ける(レハールのメリーウィドウなど)が、共演がロンドン交響楽団という事もあってだいぶ助けられている。
    曲自体は聴きやすい曲ばかりなので、聴き通すのに苦痛はないが、強くお勧めというほどでもないだろう。
    録音年は1985年頃と思われ、デジタル録音なので、音質は綺麗。

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     2023/05/20

    オランダの楽譜出版社、モレナールはLP時代から参考演奏集を出していますが、これはCD時代より発売されているニュー・コンポジッション・コンサート・シリーズの53枚目にあたるCDです。
    今回はそれほど規模の大きくない作品を収録しています。
    日本ではあまり知られてない作曲家もいますが、モレナールお抱えのベテランも多く、作品の質はなかなかです。
    バロックとポピュラーが合体した『ニュー・バロック組曲』は面白い。
    今回邦人作曲家の作品は取り上げてないですが、グリーグの十字軍の王シーグル組曲を淀彰が編曲したものが取り上げられています。
    演奏は、ホセ・マヌエル・フェレイラ・ブリト隊長指揮、ポルトガル公共治安警察音楽隊。
    このバンドは近年モレナールに録音を残しています。
    第38集、第49集に続く3度目となる本CDでも大編成ならではの分厚いサウンドと、巧みな表現力に技術力が存分に聴ける。
    参考演奏集と言うのはニュートラルな演奏もあるが、これは鑑賞にもいける。
    録音はポルトガルのレーベル、アファナウディオが担当している。
    吹奏楽系レーベルだけあり、録音は非常に優秀で綺麗に録れている。
    収録曲は以下の通り

    1~4. バミューダ・トライアングル (ホセ・アルベルト・ピナ)
    5~7.組曲『十字軍の王シーグル』(エドヴァルド・グリーグ arr淀彰)
    8~10.ニュー・バロック組曲 (テッド・フッゲンス)
    11.マカライボの伝説 (ホセ・アルベルト・ピナ)
    12~15. PC組曲 (エンニオ・サルヴェラ)

    演奏 ポルトガル公共治安警察音楽隊
    指揮 ホセ・マヌエル・フェレイラ・ブリト隊長

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     2023/05/19

    スポットライトというタイトル通り、ソロと吹奏楽というための作品を集めたアルバムとなっている。
    こういうアルバムは新曲が多いがこのCDは、クラシック曲からの編曲である。
    ウェーバーとドニゼッティのクラリネット小協奏曲や、メンデルスゾーンの2本のクラリネットのための小品、ドゥメルスマンのウィリアム・テル主題の大二重奏曲の様な大変珍しい曲が収録されている他、ツィゴイネルワイゼンではヴァイオリンと吹奏楽という変わった編成のアレンジも聴けます。
    尚、2曲だけ骨休め的にバンド単独の曲があります。
    演奏はルクセンブルク陸軍軍楽隊と、指揮は2012年に軍楽隊長に就任したジャン=クロード・ブラウン大尉、ゲスト指揮者でバーデン=ヴュルテンベルク州立警察音楽隊の首席指揮者、トニー・ショールの2名が担当しています。
    ソリストはバーデン=ヴュルテンベルク州立警察音楽のクラリネット奏、ユリア・シュラークと、ヴァイオリンのリャオ・ハオシンを除いてルクセンブルク陸軍軍楽隊の隊員がソリストをとっています。
    ルクセンブルク陸軍軍楽隊は同国を代表する吹奏楽団で、CD録音も多いです。
    このCDでも力強いサウンドと柔らかな音楽作りが特徴で、なかなかよいです。
    録音はミラサウンドが担当し、ルクセンブルク陸軍軍楽隊練習場にて収録されたもの。
    2013年3月9、10日にかけての録音です。

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     2023/05/18

    エリック・カンゼルと、シンシナティ・ポップス・オーケストラによるコンビは、テラークに多数の録音を残しており、これもそんな一枚です。
    アメリカの作曲家、アーロン・コープランドの1940年代に書かれた代表的な管弦楽作品を集めた内容です。
    冒頭は『市民のためのファンファーレ』で始まりますが、この曲、シンシナティ・ポップスの本体である、シンシナティ交響楽団が初演したもので、名称は違う物の本家による演奏と言えます。
    他に入っているのは『ロデオ』『アパラチアの春』『静かな都市』『ビリー・ザ・キッド』です。
    カンゼル、シンシナティ・ポップスの演奏はアメリカのオケらしいストレートな演奏。
    ノリもよく、軽めの演奏この辺りはアメリカらしい活き活きとした好演奏でしょう。
    録音は1989年から1995年にかけて録音されたもので、時期は飛ぶものの、テラークらしい優秀な録音です。
    コープランド入門に最適な一枚といえます。

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     2023/05/17

    ベルギーの楽譜出版社ハファブラが発売している自社の楽譜の参考演奏集、ハファブラ・ミュージックの21枚目です。
    演奏はアド・ホック・ウィンド・オーケストラ、指揮は1曲目と11曲目のみハーディ・メルテンス、他はゲルハルド・スポルケンです。
    選曲は参考演奏集らしく様々なジャンルを寄せ集めたものとなっており、その殆どはクラシックや映画音楽の編曲が大半を占めており、新曲は前記のメルテンス他、デリク・ブージョワとベテランのペンによる作品で、地味だけど曲の外れはない様に思います。
    演奏のアド・ホック・ウィンド・オーケストラは録音用に集められたメンバーによる団体ではありますが、ベルギーの軍楽隊等で活躍している一流のプロを中心とした団体のため、その実力はなかなか高い。
    例えばシンス編曲のフィンランディア等十分鑑賞用としても聴ける出来だと思う。
    録音はもう少し良ければ良かったが。
    尚、録音年の記載はないため不明ですが、2005年の新譜のため同年頃ではないかと思われます。
    ライナーには演奏メンバー表及び制作スタッフの記載及び、今までハファブラが出したアド・ホック・ウィンドオーケストラのCDの宣伝が載っています。

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