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TOP > My page > Review List of 一人のクラシックオールドファン
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0 people agree with this review 2010/04/20
シノーポリが指揮中倒れてそのまま亡くなって数え十年目、彼とほぼ同世代だけに当時は少しショックでありました。1987年そのシノーポリ(本盤演奏録音時推定41歳)指揮SKD演奏の録音盤です。SKDブルックナー交響曲第4番と言えば先日レビューした1981年収録のブロムシュテット盤をすぐ思いつくのですが本盤が今影が薄いのは廃盤だからでしょうか。余り期待せず聴いたのですが確かにブルックナーのサウンドとは異なる・・・しかしSKDのしっかりしたいぶし銀的な音色がシノーポリの明るいトーン意図によく対応し呼応しているといった感じです。演奏タイムは@18’46A15’59B11’04C20’56と特に特徴的なものはありません。第1楽章出だし段差をつけそして歌おうとします。強音、弱音を対比させながら若干気をもたせる過程を経て強奏管楽器に奥行きを感じさせる位各楽器の役どころがクッキリします。ゆっくり再現部に向かいますがとにかくゴッツクない処は大変(これは今まで思っていた或いは前提としていた素朴・武骨なブルックナーではないぞと感じつつ)聴き易いのです。最後のブルックナー・アプローチも流れる様にしなやかといって差し支えないでしょう。第2楽章は少し静寂感を意識し過ぎ?で表面的な高揚感と共に底が浅く感じました。第3楽章はもっとがっちり胸に響くものを・・・と思いながら決して割れないSKDサウンドに参ってしまい最終楽章の冒頭全奏は大いに迫力があり通しては低音管楽器を厚めに時にはコブシをつけた処など聴き応えあります。中だるみ的な部分はあるにはありますが最後フィナーレへの道程は含みを持たせてあくまで美しく穏やかにスケール感も程ほどの大きな余韻を感じさせた演奏で全体若干盛り込みすぎがあるものの素晴らしい演奏盤と思いました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
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0 people agree with this review 2010/04/19
以前BPOの首席クラリネット奏者だったフックス(本盤演奏録音時推定38歳)とベートーヴェン・ピアノソナタの録音が多い野平一郎がペアを組んで「プーランク:クラリネット・ソナタ」と銘打っての2001年日本での録音です。プーランクのこの晩年作品は私は本盤で初めて接しました。この作品はプーランクがあのベニー・グッドマンの委嘱を受けて作曲したもので1963年勿論クラリネットはグッドマンそして伴奏ピアノはバーンスタインで初演されたようです。本盤演奏タイムは@5’57A5’30B3’17であり第1楽章前半アレグロですが中程は思索的な雰囲気をさまよいます。第2楽章は穏やかながら最後は少し小叫びをあげるみたいに終わります。最終楽章おどけた感じで転調を絡ませ進みます。特に聴くのに難しいといったものではありません。本盤には他にブラームスのクラリネット・ソナタ第1番(タイム@7’59A4’57B4’31C5’11)、シューマンの幻想小曲集(タイム@3’26A3’29B4’10)そしてウェーバーの協奏的大二重奏曲(タイム@9’00A6’11B6’27)と何れもクラリネット曲の傑作ぞろいが収録されており演奏もそんなに声高ではないけれど大変質の高いものと思いました。私はシューマンの幻想小曲集をオーボエの分で聴いていましたがこうしてクラリネットやヴァイオリンで聴くのも中々いいものです。ウェーバーの作品もことクラリネット関係の充実した作品が多いウエーバーだけに大変質量とも詰まった作品で技法を知り尽くした感じの曲です。第2楽章などは凡人めの私などにも分り易く本格的なクラシックの世界に誘ってくれますね。それはそうと何故本盤タイトルを「プーランク:クラリネット・ソナタ」としたのかなんとなく「こだわり」を感じた次第です・・・・素晴らしい盤です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2010/04/16
樫本大進氏がBPOの第一コンサートマスター就任に内定したというニュース・・・私たち日本人にとって土屋邦雄氏、安永徹氏・・・他に続く逸材としてBPOで活躍して行こうということで頼もしい限りであります。その樫本(敬称略、本盤演奏録音時20歳)がプロコフィエフ、ベートーヴェン、武満徹のVソナタを1999年まだ僅か二十歳の若き頃に演奏したライブ録音です。伴奏ピアノはイタマール・ゴランという人です。有名なベートーヴェン「スプリング・ソナタ」でコメントを入れさせていただきます。先ず演奏タイムとしては@10’00A6’22B1’06C6’22と普通と申していいでしょう。第1楽章ソフトな入りで音の「伸び」が素晴らしいです。伴奏ピアノの鋭い切れと好対照をなします。途中の転調で少し粘っこく変貌しますが以降このタッチを若干残しながら元の軌道へと・・・。それこそ春の息吹を感じさせてくれる若い演奏です。録音は少し残響を大きくとっているようです。穏やかな第2楽章と繋ぎの第3楽章を経た最終楽章は全体大きく緩急をとって神経質な処は一切ありません。まぁ今から十年以上前のしかも彼にとっては一過程時代の録音ですがこの曲の演奏は何も老大家が成功するとは限らないわけで若い演奏という処にも注目していいのではないでしょうか。OK以上ランクの確保です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
アシュケナージが指揮活動し出してほぼ十年目前後1987年(本盤演奏時推定50歳)にショスタコーヴィチ全集をRPOを振って録音したものの一環であります。RPOは融通性あるオーケストラ特性を活かして革命的・土俗的表現までに到らずともまぁ概ねアシュケナージの真面目さに合わせたという感じで素晴らしい演奏かと思います。第1楽章底力を秘めたスタートではありますが若干弦の薄さ?もあり美しさが先行し勝ち。録音は良く最後の〆は適切な処理というかゆっくり各独奏楽器が余韻をばらまきながらあくまで美しく終わります。第2楽章もそんなにドギツクなくむしろ舞曲風です。第3楽章は逆に情緒に溺れず比較的通しては均等的に扱い前半はペッタリ感もありましたが後半盛り上がります、しかしシャープさは感ぜられません。最終楽章割とじっくりの出だしから一転スピードアップして途中流し気味ではあります。一旦静まって後クライマックスへはフワリとした中で分厚い管楽器等でドスも聴かせ終結部はティンパニーと共にゆっくり、厳しさといったものはないですがそれなりにダメ押し的な処もあり大きな意味ではアシュケナージの根本にあるロシア的感覚を発揮しているという点でも納得した演奏ではあります(演奏タイムは@16’31A5’15B14’43C10’55)。なお、同演奏者による同作曲家の「五つの断章」(単純トータル8’47)がカップリングされたものですが現在廃盤になっているようです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
4 people agree with this review 2010/04/15
プレヴィンと言えば私は標題音楽演奏中心での活躍を連想し久しいです。この「アルプス交響曲」も然りでありプレヴィンは1983年PPOとの録音があり本盤は1989年VPOとの再録という事になります。PPO盤は管楽器ソロの上手さや機能的な弦が良かったらしいのですがこのVPO盤は全体のファッとした美しい音質が魅力的であり演奏タイムとしては22場面トータルで48’14とどちらかと言えば短め、アッサリ系ではあるでしょう。プレヴィンはR.シュトラウス作品をこの曲以外にもVPOと連荘しており何れも評価が高い様です。「夜」はお決まりで重くスタートしますがやがて底力を見せ始めます。表面的ではあっても管楽器の奥行き加減や弦の厚さはVPO様々ですね。やや曖昧に聞こえたりする場面もありますがそれはそれとして「登山口」から「森に入る」でいよいよ本格的に進んで行き、それが割りとしなやかさを伴います。「小川せせらぎ」の弦のきらびやかさや「山の牧歌」のやさしさは秀逸。テンポ感はこの辺りでは比較的スムースなイメージで一服タバコのオーボエも引き摺りません。「頂上」付近へのアプローチはプレヴィンならではの色彩感がありますがもう少し立体感も欲しいと思ったのも事実であります。さーて、次第に曲は暗化して雷鳴も遠くで轟き大粒の雨が「嵐」を呼びます。小鳥も何処かへ飛び去って本格的な大嵐へ・・・。ウインドマシーンとかが動員されるシーンなのがここがアッサリ系の所以・・・。そんなに大騒ぎせずそれこそ自然体なのです。プレヴィンらしい処かも知れません。しかし嵐のおさまった後の(オルガン含む)処理と結びつければそれも何となく納得します。やがて「日没」への慰撫から終結部は淡々としたものです。私は最近指揮者としてのプレヴィンを見直しており本盤も満点とは行かないまでもその客観性が魅力的に思えるようにようやくなって来たようです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
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2 people agree with this review 2010/04/14
カラヤンのロ短調ミサ曲録音盤については代表的なものが三種類あり1950年VSO、シュワルツコップ、フェリアー他による演奏、1952年VPO、シュワルツコップ、ヘフゲン他による演奏そして本盤1973〜1974年BPO、ヤノヴィッツ、ルートヴィヒ他による演奏であります。カラヤンのマタイパッションの処でも触れたのですがカラヤンのバッハ宗教曲は大変分り易く特にこのロ短調ミサ曲は聴き様によっては次々歌われる各曲が変に宗教的頑迷さを強要するといった事ではなくあくまで聴く者に対して余裕を与える・・・通俗的とも言ってしまえるのかその辺りは分かりませんが・・・従って裃を着ないで曲に身を投げ出す事が出来る感じがし更に昨今のトレンド演奏の如くの「したり顔」ではない点が受け入れ易いのです。この辺り申し上げたいのは既に東京都の方のレビューで言い尽くされている様です。本盤は演奏タイムとしてはトータル125’29(主な節毎概算タイム→KYRIE/21’15,GLORIA/39’46,CREDO/35’46,SANCTUS/17’13,AGNUS DEI/11’29)とほんの少し長めなのですがゆっくり聴きたい曲は期待通りゆっくり演奏し声楽陣もそれに呼応しております。例えばこのミサ曲のブービー曲である第23曲アルトによるアリア「アニュイスデイ」は7’33と因みにリヒター/MBOによる代表的名盤たる1961年同曲盤(トータルタイム121’40)での6’32を約一分長く聴かせてくれる類いであります。このアリアではルートヴィヒの静かな熱唱が心を打ちます。一番最初の「キリエ」コーラスは厳粛な中にもファッーとした感じでカラヤン・レガートそのものですが決してダレません(11’50)。大体本演奏ではデュエットを含むアリア部分に比較的タイムというか余裕を持たせた運びになっているようです。私が偶々共に聴いている先述のリヒター盤との比較だけで申し上げるのも誤解を招くかも知れませんがその辺りは判断して頂くとして参考までにサンプリングしましょう。第2曲S/Aデュエット6’19(リヒター以下同様5’49)、第5曲アルト・アリア5’26(4’29)、第7曲S/Tデュエット6’18(不詳)、第9曲アルト・アリア5’48(4’24)、第10曲バス・アリア4’57(不詳)、第14曲S/Aデュエット5’38(5’23)、第18曲バス・アリア6’31(5’34)、第22曲テノール・アリア8’14(7’46)・・・といった具合で一部カウント誤りもあるかも知れませんし「不詳」とした曲はコーラス部分とのセット曲の為フォロー出来ていない為でありあくまで傾向といったものであり如何にこのあたりにも気を遣った演奏かという事であります。一方コーラスの方は全体として・・例としては先の第1曲「キリエ」が11’50(12’11)・・・である如しであります。散漫にならないコーラス陣の健闘が汲み取れるし各独奏楽器の伴奏のある曲々も各々その趣旨が徹底されバッハの心底を見る様な感じに仕上がっています。冒頭にも触れましたがどうしてもカンタータ、パッション物の様に「語り」の無いミサは一本調子になり勝ちなのを上手く回避もしている様で伝統あっての素晴らしい演奏かと思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
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1 people agree with this review 2010/04/14
二人のリチャードによるブラームスのクラリネット・ソナタ(1981年?収録)です。ストルツマンはこの演奏盤で1983年グラミー賞に輝き更に彼は後年1996年アックス、ヨーヨー・マとの同じくブラームスのクラリネット三重奏演奏盤でも同賞を受賞しているので恰もブラームスがスランプ時に名クラリネット奏者の演奏に触発されて先のソナタ二曲そして三重奏曲及び五重奏曲を書いてそのスランプを脱したとも言える曲での事なので何はともあれ有難い曲達ではあるでしょう。ストルツマンは私より少し年上ではありますが現在クラリネット奏者としては代表格の一人で米国出身なのか元々比較的楽観的な演奏を旨としていた人だけに本盤のブラームスは意外と結構聴く側の内奥に響く演奏となりました。サンプリングで第2番の方を聴きますと演奏タイムは@8’41A5’18B6’37とまぁ過不足感はありません。第1楽章、主題が印象的なこの楽章を滋味な感じで聴く側に入り込んで行きます。短調で底に激しさを秘めたトリオを伴う第2楽章そしてお決まりの変奏形式での最終楽章・・・。着実なグードのフォローも活き、独墺系演奏の晦渋さとは無縁ですが平明な素晴らしい演奏かと思います。第1番の方は他の方が書かれていますのでその方を参考にされたらと思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
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0 people agree with this review 2010/04/13
本盤ではやはり弦楽五重奏曲が注目にあげられるでしょう。些か難しいとっつきの悪いこの曲をカザルス、スターン以下全五名の粒そろいのプレイヤーがリアルに演奏している事が演奏の醍醐味を味あわせいつの間にか曲の真ん中にいる自分に気がついた次第です。二名のヴァイオリン、一名のヴィオラ、そして二名のチェロと編成に特徴があるこの曲はチェロが割りと重要な重心に位置づけられてます。カザルスとトゥルトゥリエがスタイルとして合っているかは不問として・・・。第1楽章初めややゆったりした重々しいスタートから軽いやさしいテーマになりそれが形を変えて暫く続きほぼこの楽章を支配します。チェロも効いた烈しい遣り取りを経て最初の導きに帰った後最後は支配テーマで終わります。第2楽章、チェロのピチカートに乗って他の弦が夢見るように進みます、中間部気分が烈しくなりピチカートの進展は途絶えますがやがて再現されます。この楽章のテーマは第1楽章支配テーマの変形ではないでしょうか。この楽章では時々奏者の唸り声らしき物も聞こえます。第3楽章は初め烈しいのですが中間部はだるく所在なげな感じで時に悲劇性をちらつかせます。最終楽章は舞曲風・短調的な出だしなのですが転調しながら途中別の動機を挟みながら再びすっかり長調になつた舞曲で回復であります。最後手仕舞いあのモーツアルト交響曲第40番に聴こえるテーマを交えて力強いです。この楽章でも掛け声、唸り声が聞こえます。この曲・・・演奏タイムとしては@14’19A13’17B9’09C9’45と中々充実しており傑作でもあります。シューベルトはこの曲を書き終えた数ヶ月後に亡くなったのでは・・・?一方のPFOをカザルスが振っての交響曲第5番(@5’32A12’39B5’13C5’56)はより一層カザルス体臭が満ちており私がこの曲に抱く軽いイメージとは離れているのですが演奏の悦びを伝えてくれる盤であります。第2楽章がバランス上冗長に何回もテーマが繰り返されます。この辺りはシューベルト独特の世界ですがこの楽章に限らず曲全体で唸り声、掛け声が聞こえます。それはそれとして全体としては最高ランクにしたいですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
0 people agree with this review 2010/04/12
1 people agree with this review 2010/04/11
ケルテスが珍しくショスタコーヴィチをそれもSROを指揮しての1962年録音盤で私は本盤とは別のもので同じ作曲家のバレエ「黄金時代」組曲・・・1958年録音のマルティノン指揮LSO(タイム四曲で17’00)・・・とセットのもので聴いていました。ここでは前者についてのコメントですが何となく「革命」標題とは異なる純音楽的なアプローチが成否を決定しているようです。ケネテスと言えばVPOとの新世界交響曲で始めて接した私なので溌剌演奏を想定しておりましたが・・・。演奏タイムとしては@15’17A4’36B13’10C8’53と短めで全体としてはそんなにドギツくなく興奮度辺りも抑え気味なのかなぁというイメージ。第1楽章初めはゆっくりで特に管楽器の長い呼吸は面白いです、しかしやはり大人しくピークマーチからの下りに曖昧さが残ってしまい「決め」が欲しかったですね。第2楽章も出だし小刻みに弦音も小さいのに意表をつかれます。第3楽章は繊細さがある意味新鮮。ピークへのゆっくりした攻めは実に美しく無闇に煽らないスタンスはリリカルさえ思えました。最終楽章・・・タイムとしては短くそれ程速くないスタートもなんのその、中ほどへの突入は折りたたむようでマーチが又スローダウンとやたら緩急がつき表現意欲はわかるのだけれど聴く方は違和感に陥りました。ティンパニーを強くしての最後はお決まりの堂々たるものですが・・・。通して聴いてこの曲にこの演奏が必須かと言われれば少し疑問があります。それは我々この曲に対して聴き慣れたイメージを抱いているわけですからこの演奏との隔たり感を埋めるのに如何に余りけなされることの少ないケルテスの演奏で表現意欲は買ったとしても躊躇しました。SRCの音も土俗的・革命的なものとは元々異質なのでそれが助長しているように思えました。本盤に入っている他の曲は未聴でもありますのでOKランク以下とさせていただきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
0 people agree with this review 2010/04/10
2008年に亡くなったホルスト・シュタインはNHKSOの名誉指揮者としても我々には馴染みある指揮者でその風貌からも印象的な人でありました。単に職人気質的な演奏だけに留まるのではなくそのキャリアから生まれる演奏は中々捨てがたいものがありました。1997年彼が70歳直前のブラームス交響曲の一連のライブ録音盤である本盤中第3番を取り上げたいと思います。演奏タイムからメモしますと@11’00A9’23B6’46C10’08と何れの楽章もじっくりと構えた演奏である事が分かります。第1楽章、少し粘っこくスタートする感じでとにかくスローであります。中ほど繰り返しに到るまで充分「溜め」を作って対応します。終わりの方も各パーツを確かめる如くゆっくり閉じます。第2楽章も然りでゆっくりだけに弦を充分たっぷりと聴かせます・・・伝統的な弦の音の中にも少しある華麗さを感じました。続く有名な楽章はこれまでのアプローチが更にピッタリ、ホルンの鳴りも秋の寂しさを予感させ相変わらずゆっくりの最終楽章は一節一節武骨なまでです・・・しかし決してダレません。最後小波が寄せるようにそして過去を反芻するようにテーマを散らばせながら終わります。全体聴き通してどっしり腰を据えた演奏であり(シュタインが演奏すると全てゆっくり感があるとは限らず例えば1980年代半ばのシューベルト交響曲集はマトモな?テンポで仕上げています・・・)、最近では聴けなくなった本来のこの交響曲のあるべき姿にデフォルメした様に私には思え・・・、私には最高ランクのこの曲でありました。なお、他の曲は聴いておりませんので素晴らしいランクに止めておきますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
0 people agree with this review 2010/04/09
今朝の朝日新聞「天声人語」に・・・ベートーベンの交響曲第3番「英雄」と5番「運命」。はざまの4番を「2人の巨人にはさまれたギリシャの乙女」とシューマンはたとえたという。似た印象がポーランドという国にもある・・・といったことが載っていました。その第4番をチェリビダッケ/MPOでの1987年ライブ録音が本盤に入っている一曲です。演奏タイムは@11’11A12’25B6’37C5’41とチェリビダッケ晩年ほどではありませんがゆったり構えたものです。特に第1楽章曲自体がスロースタートの処より遅く運んで行きます。次第に高揚して最後の終わり方は後述の第2交響曲終楽章の結びに似た感じで少し特徴的です。第2楽章もベースは同じですが弱音が大変美しく第3楽章はテンポ感は普通、そして第4楽章は堂々としてその終わり方はソフトランディングでユニーク。最晩年チェリビダツケ死の年1996年MPOラストコンサートの第2交響曲(@12’50A14’05B5’03C7’19)、第1楽章からゆっくり、まるで本格的大作のような入れ込み具合で決して軽くは扱っておりません。第2楽章の豊かななだらかさ、そして若干重い第3楽章を経て最終楽章はやはり堂々密度の濃い演奏です。終わりの〆の区切りが面白く聴けました。元々本盤を含め一連のEMI盤は彼の死後子息が横行する海賊版に対して正式なリリース、それも期間限定という事だったわけで殆どこのシリーズは今廃盤であります。ただただ再登場を望むだけであります。本盤は私が好きなチェリビダッケによるベートーヴェン偶数番交響曲というわけで本盤のノートにはチェリビダッケの考えとか云々興味あるものが載っていました。いずれにしても演奏としてはじれったさのある反面の面白さが何とも言えないといった処でしょうか。素晴らしいです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
戦後ニューヨークにて設立されたウエストミンスター・レーベルでは特にウイーンプレイヤーによる室内楽を中心に殆どモノラルながら不滅とも言える録音を残しています。私が「不滅」と言っても現実例えば今述べるウラッハのクラリネットによるブラームスのソナタ、三重奏、五重奏などの入った盤は廃盤となっており残念至極! 又いつか再発売されるでしょうが・・・。HMVカタログでは一応まだ消さずに残してはくれています。私は先の曲で三重奏曲(1952年録音)が入った盤を聴いていました。なんと滋味溢れる格調があると言うのか余裕があると言うのかモノラルながら音も鮮明で最高であります。演奏タイムは@6’50A7’38B4’28C4’23と他の演奏とそう違いはありません。この曲ではピアノがF.ホレチェックという人でJ.デムスではありませんが・・・。デムスとの共演は本盤にやはり入っているシューマンの「おとぎ話」(タイム計15’07)とメンデルスゾーンの二つのコンツェルトシュテュツク(第1番タイム計8’28、第2番同8’32)であり(何れも1950年収録)、若き頃のデムスとの絶妙なそれもぎすぎすしない遣り取りが楽しめます(80歳を越したデムスがわが町でミニコンサートを時々開いています)。私は初めてこの演奏で聴いたのですがメンデルスゾーンの分・・・結構ピリッとして佳曲と思うのですが・・・。とにかく申し上げたいのはこのような録音分は灯を消してはならないということであります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
0 people agree with this review 2010/04/08
クーベリックには余り残されたブルックナーの演奏盤が多くなくその少ない中でも1979年BRSOとの交響曲第4番(ノヴァーク版)は評価が高いようです。成る程全体先ず特に「癖」がなく中庸な感じである事と色調が明るい現代的な事があげられましょう。第1楽章ゆっくりスタートして行き段々全奏ピークへの追い込みは凄いものがあります。第2楽章は私には少し速いと感じたのですが後述の演奏タイムからはそれをうかがえません。単調と思えた時間もあったのですが後半の迫力と最後の方のあの思い入れは見事! 第3楽章「狩りスケルツォ」、少しモチャッーとした処はありますが結構鳴ります。いよいよ最終楽章・・・些か長すぎる楽章で途中何回か第1楽章、第3楽章テーマが表れる処がその要因かも?それはともかく冒頭先触れは強烈であります。最終先の第1楽章テーマに沿ってじわじわ攻め上げ大波に乗ってゆっくり段落をつけて落とし前をつけるのは単に勢いで進むのではない演奏だった様に思えます。演奏タイムは@19’25A15’10B11’03C21’30でやはりどちらかと言えば第1楽章が長めなのかなぁという印象であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
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