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Review List of DG 

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     2022/06/23

    作曲者自らが大称賛していたというカラヤン氏解釈のシベリウス音楽。絶妙なフレージングと悪戯に緩急を付けず大きな流れを重ねながら曲を造形していく。それは単にすらすらと流れる表面的・権威的なものでは決してなく、時に息長く長閑な場面だったり、急激な人生の激流の場面や、眼前に聳える岸壁を仰ぎ見た碧空かと思えば、周囲の家族だろうか、人との対話のような可愛らしい場面と、めまぐるしく移り行く音の場面をかくも見事に統合し、そして最後にそれらを集約するのは常に伸びやかで快活ないかにも愛国の士の愛に満ちた堂々とした荘厳な世界を巧妙に全曲を遥か高みから見遥かしたうえで地上に降り共に歩いて進んでいくような見事なまでのシベリウス世界を再現していると感じざるを得ない。好きでシベリウス氏の交響楽曲は音源が出れば購入しては聴き、コンサートがあれば出かけていって聴いて来たが(Vn協奏曲21盤11公演、1番17盤5公演、2番26盤14公演、3番15盤2公演、4番16盤2公演、5番17盤5公演、6番17盤6公演、7番16盤9公演など)、カラヤン氏の音源を聴いている時に感じるワクワク感・幸福感、聴き終わった後の満足感・至福感を超えた演奏には未だ出会えていないと思っている。

    交響曲第2番は若い頃はバーンスタイン氏のNYP盤を好んで聴いていたが(カラヤン氏PO盤もBPO盤も音質があまり好きでなかった)、それよりもっとスマートでありもっと熱量がありもっとヨーロッパ的な格式までも感じるカラヤン氏のPO盤。BPO盤は本盤よりさらに洗練され細かな起伏が平坦になっているように思われるがどちらも基本路線は変わっておらず聴く者にとって秀逸である。元気な時にはPO盤、穏やかに聴くときはBPO盤と聴き分けている。

    シベリウス氏の交響楽曲を聴くなら、やはりカラヤン氏盤に始まり寄り道はすれど末にはやはりカラヤン氏盤に戻ると言って過言ではない。

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     2017/01/06

    こんなに軽快でありながら、クラシックな響きをも呈するシューマンを聴いたことがありません。本当に独墺の正当古典派、モーツァルトやベートーヴェン、シューベルトのような響きです。旋律パートは比較的あっさりさらっと撫でるようにテーマを提示するにとどめ、これを後支えする色付けパートはよりきっちりと響かせ、むしろ後者の妙に引き込まれていき、あっというまに楽章が終わる。聴き終えた後味もとっても爽快で、何度でも繰り返して聴いてしまうけどちっとも聴き疲れしない。なんでしょう、この不思議な感覚は・・・。2016年末の日本公演でブラームスを聴きましたが、世界の舞台に上ったパーヴォ&ドイツ・カンマーフィルの紡ぎだす世界感には、今後も強く期待できそうでとても楽しみです。今度ぜひシベリウスの交響曲全集を出して欲しいものです。余談ですがパーヴォ&N響にも期待しています(2016年9月の千人の交響曲も聴きましたよ)。

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     2017/01/04

    私の中で、グリーグのピアノ協奏曲の名盤と言えばラドゥ・ルプーとプレヴィン&LSOのDecca盤なのですが、この盤は演奏内容でこれに比肩し、音質の点からこれを凌駕するように思います。まず内容ですが、両者ともこの曲の曲想が私の思い描くものと一致し、こと第2楽章のここぞというフレーズの抒情表現、演奏者の息遣いが、私のバイオリズムと見事に一致し非常に共感できます。ピアノとオケの息もぴったり合っていて、とても心地よく安心して聴けます。またピアノとオケ各パートの音のバランスも丁度良く、オケ内の弦合奏と木管、金管、パーカッションのハーモニーもとても安定していて、時に力強く、また時に味わい深く、ルバートやマルカートを効果的に再現し、しかも個々が自分を持ちつつ全体としては目指すべき同じ場所に向かっていくところは見事で、聴いていてとても爽快です。これも指揮者ジャッド氏の統率力と、それをこうも簡単そうに実現してしまうRPOの筋力・体力があってのことでしょう。感服です。音質ですが、ピアノ協奏曲はまるでコンサートホールでピアノとオケを目の前にして聴いているかのような立体的なサウンドで素晴らしいです。ピアノ独奏の小品集の方は協奏曲の方に比べて音が籠っているように聴こえますが、慣れれば気にならないかもしれません。星5つはピアノ協奏曲の完成度、録音の良さと、ここまで安価に入手できる点の評です。

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     2017/01/02

    ジュリーニ&ロス・フィルのコンビは時折驚かされる名演がありますね。
    ネットの評判を読んで、シューマンのラインを聴きたくて購入しましたが、評判通りの好演と思いました。特に印象深いのが、第5楽章の特徴的な弦部の奏法。柔らかなタッチでふわっと丸みのある音符を連続させる感じの表現が、ともするとリズミカルに聴こえがちなこの楽章に、温かみと連続した感性の移ろいを感じさせ、趣き深いです。なにはともあれ、確実に名盤だと実感しました。

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     2016/12/20

    シベリウスのバイオリン協奏曲の超一押し盤です。とにかく2楽章の美しさは他に類を見ません。フェラスの太くも美しく切ない鳴きのバイオリンがこの曲にぴったりマッチしているのだろうと思いますが、さらに後支えするカラヤン&ベルリンフィルが紡ぎだす美しいハーモニーによる相乗効果の上に成り立っているように思います。もはや奇跡でしょう。カラヤンが没して30年近くも経とうとしている今もなお、20世紀を代表する巨匠として燦然と輝き続けているゆえんとして、こうした緩徐楽章の歌わせぷっりも大きな要素となっていると思います。

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     2016/12/18

    エサ=ペッカはもはや巨匠の域ですね。フィルハーモニア管の首席指揮者となった時点でその評を得たようなものなのでしょうけど。余談ですが、昨年の来日公演、みなとみらい・サントリーホールともに素晴らしかったです。ことシベ5は。また、このCDに聴く限り、スウェーデン放送響のサウンドも素晴らしく、世界水準ですよね。そしてヒラリーのバイオリンも高音の繊細・緻密さから低音の太く奥行きのある音質も素晴らしい。そしてこのCD、なんといっても録音がよい。いまどき録音がいまいちということもありませんが、特にこのCDは音質も素晴らしい。素晴らしいことづくめの1枚です。個人的にシベリウスのバイオリン協奏曲についてコメントしますと・・・1楽章はこの演奏家たちの良い特徴が相まって、とてもよいです。出だしの繊細な音質から、カデンツァ部のハーンの丁寧な弓運びまで・・・。3楽章も素晴らしい。テンポどりから強弱・緩急、音質・音量まで実によいバランスです。ただ惜しむのは2楽章。伴奏の方は実に素晴らしいのです。カラヤン-フェラス盤にも匹敵するかのような充実したもので、サロネン氏の指揮力の高さとそれに応えるスウェーデン放送響の演奏力に脱帽です。ハーンのバイオリンも決して悪いわけではなく。ただ、安定したゆったりしたテンポどりの弱音伴奏の上に低音で載ってくるソロ・バイオリンとしては、個人的にもう少し情感豊かに強弱・緩急をつけて歌って欲しかったところです(そこまで欲しがるのは贅沢でしょうか)。ハーンのここのバイオリンには、少し棒引き感?(スコアどおりの音の長さ、オケの一パートであるかのような速度どり、真面目過ぎ?)を感じてしまいました。それが★4つにした理由です。ハーンには、是非もう少し人生を重ねた後でこの曲(シベリウスのVn Concerto)をもう一度演奏して、私たち聴衆を魅了して欲しいなと思います。

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     2016/12/03

    テンポの揺れや強弱、音符の長さなど、ティーレマンが指揮棒を振っている姿を容易にイメージできる、ティーレマンぶし全開のブラームスです。この録音の一番の特徴は、テンポが早めである点でしょう。1番はミュンヘンフィルとの録音より少し速めですが、基本的な解釈は同じようです。交響曲4曲とも揃って一般的な演奏よりテンポ取りが早めです。シュターツカペレ・ドレスデンの音色の美しさと相まって、聴き応えのあるブラームス全集になっていると思います。

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     2016/11/27

    不覚にも、これまでこの録音を聴いたことが無かったのですが、今回、低価格のバジェットシリーズが発売され、購入してはじめて聴きました。稀代の名演奏家による録音が数多あるチャイコフスキー交響曲全集ですが、その中においてもこの全集は秀逸の逸品だと思います。期待通りのロイヤルフィル(RPO)のクリアかつ厚みあるキラキラしたサウンド(録音の良さも手伝っているのでしょうか)はもちろんのこと、テミルカーノフの音楽解釈も緩急・強弱を織り交ぜたもので(この点においても、ロシア的とか、古き良きオーケストラ音楽と強く感じる方もあるかもしれません)、チャイコフスキーらしい、聴いていてとっても心地よいものとなっています。これもテミルカーノフの解釈と、それを表現するRPOのパフォーマンス力の高さ(日々培われたタフな体力)の上に実現し得たのかなと思います。どの曲も確固たる中軸となる一本の大きな音楽の流れが存在し、その安定した基盤の上に細やかな音の造形、緩急・強弱が構築されており、かつ時代錯誤を感じさせるような陳腐さも無く、安心感をもって聴くことが出来ます。RPOは金管の鳴りも良く、ティンパニのトレモロ、大太鼓の強打が合わさる部分(悲愴の3楽章など)ではロシア系爆演的な要素も垣間見れます。いずれにしても、この盤はどこにでもあるような演奏ではありません。フルトヴェングラー&BPO、カラヤン&BPO、バーンスタイン&NYP、ムラヴィンスキー&レニングラードフィルといった稀代の名コンビ&名演・名盤に匹敵する、歴史に残る名盤と云っても過言ではないと思います。

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     2016/08/18

    ヤンソンスがロイヤルコンセルトヘボウ管と2010年に録音した、この曲3回目の録音です。前の2回の録音(1986年フィルハーモニア管と1993年サンクトペテルブルグ・フィル)が若さあふれるファイティングでチャレンジングなラフマニノフに仕上がっていたのに対し、この録音盤は若さの角が取れてか丸く仕上がっていて、個人的にはヤンソンスのCDの中では最も好みに近い演奏です。オケの違いもあるのかもしれませんが、RCOの上品で円熟した響きがヤンソンスのそういうところを覆っているとも云えるのかもしれません。1楽章の前の2回の録音がとても攻撃的な感じだったのに対し、この録音はとてもまろやかになっていてラフマニノフの歌が聞こえてきそう。最後のティンパにの一打も控えめ?聞こえません。ヤンソンスの前の2回の録音で入っていた4楽章第2主題再現部直前のシンバルはこの盤でも健在。そしてコーダ部は以前にも増して軽やかでリズミック。ポンポン飛び跳ねるように進んでいき、1回目の録音で入っていて2回目では消えていた最後の一音での大太鼓打ちが復活。これだけ終わりが軽快なラフマニノフ2番もほかに無い特徴と思いますが、個人的にはあまり好みではないかな、ということで、あのラフマニノフの歌を聴きたい方にはお勧めできませんが、あまりその世界に入り込まないリズミックなラフマニノフを聴きたい方には良いかもしれません。

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     2016/07/31

    この曲を初めて聴いたのは当時から日本に客演していたレナード・スラットキンとNHK交響楽団の定期演奏会。当時まだ3楽章の美しさと4楽章の快活でリズミックな演奏に魅かれたものです。その後、リッカルド・シャイーがベルリン放送交響楽団を振ったライブ演奏?とNHK FM放送でエアーチェックし、スラットキン解釈とはまた全然異なる3楽章と特に4楽章のサルタレロのリズム感(ウィーン人独特のワルツの呼吸に類するもの)に圧倒され、シャイー信奉者になりかけました(笑)。が、シャイーはこの曲をレコードに残してくれていないようで、その後のCD時代に私もこの曲の最強盤を探していろいろ漁りました。そして以外に早くたどり着いた究極盤が、このロジェストヴェンスキー&LSO盤です(当時学生でしたが、秋葉原の石丸電気で輸入盤を安価に買えたのです)。その後、今までにプレヴィン、マゼル、デュトア、マリナー、アシュケナージ、スヴェトラーノフなどなど、ほかの演奏家の方々の演奏を聴いてきましたが、これほどまで一音一音に拘った、情感の塊のようなロマンチックな世界を味わうことは出来ません。最近ではキタエンコとケルンゲルツェニッヒの盤も非常に音が美しく注目どころではありますが、やはりこのロジェストヴェンスキー&LSO盤のロマンチシズムは遥かに凌駕しています。ではどこにこの盤の魅力があるのか・・・それは、全体的にゆったりしたテンポを取り、それにより特に緩徐部分の歌が情感たっぷり歌われていることに尽きると思います。もちろん3楽章も感動的だと思いますが、1楽章はほかの演奏家の演奏の追随を許しません。最高です。快活な演奏に慣れていると一瞬もたついて何?となるかもしれませんが、一度これを味わってしまうと、ほかの盤は物足りなくて聴けなくなると思いますよ!? それほど麻薬性の(笑)一品です。 今後は、シャイー&BRSOのライブ盤CDをなんとか入手して、このロジェストヴェンスキー盤とセットで、それぞれの特徴を楽しんでいきたいと思っています。

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     2016/07/09

    昔(30-40年前?)、NHK-FMで放送されたキタエンコ&モスクワフィルのこの曲の演奏(たぶん何かのライブの録音放送だったのだと思います)を、当時まだテープの時代でしたが、録音して繰り返し聴き、その演奏が私にとってのこの曲のスタンダードになりました。

    CDの時代となり、ほかの演奏家の方々のこの曲のCD録音を拝聴してきましたが、常にキタエンコ&モスクワフィルのあの演奏と比較してしまい、そのせいか、なかなか私のツボに嵌る演奏(CD)に出会えず、肝心のキタエンコ&モスクワフィルのCDは探しても見つからないので、最近はカラヤン&ウィーンフィルの演奏をCDでよく聴いていました。

    が、昨年、このキタエンコ&ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の新譜を見つけ、即決で購入し聴きました。まさに、当時のキタエンコ&モスクワフィルの演奏をなぞるかのようなキタエンコ解釈に「コレだ!!」と大満足でした。それでもたぶん、流麗で美しく少し落ち着いた魅力のキタエンコ&ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団盤に対し、あのキタエンコ&モスクワフィルの力強くかつ若い憂いとでも云うのか憂愁さをも兼ね備え、そしてロマンチックな響きで魅了したあの演奏とは、また少し異なるのです。

    この盤はもちろん、私の中のチャイコフスキー5番においての最高の名盤CDですが、キタエンコ&モスクワフィルのあのNHK-FMで放送された演奏を、できればもっとよい音質で、また聴いてみたいものです。

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