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2010/04/21
2009/3に本盤レビューには投稿済みなのですが今回演奏タイム情報その他を追加しておきますね。文意は先の投稿分と変わっておりません。ピノックはほぼ私と同世代でその彼が1978年頃からバッハ管弦楽組曲から始めたバッハ一連のオーケストラ物は途中チェンバロやヴァイオリン協奏曲集を経てブランデンブルグ協奏曲へと5〜6年かけて収録しました。私は本盤中ヴァイオリン協奏曲他以外のチェンバロ協奏曲集分を聴いていますので触れてみました。バッハのチェンバロ協奏曲集は1979〜1984年(ピノック本盤演奏録音時推定33〜38歳)に録音したものです。当時既に古楽器演奏が当り前で彼ももそれにならっていますが決して小難しい又古色蒼然としたものではなく幾分それ迄のモダン楽器演奏のイメージというか現代的な感じがします。それは逆にもう30年近く前ですから陳腐化しているのかも・・。しかし安心して聴ける素晴らしい盤です。 このチェンバロ(他のヴァイオリン、管楽器協奏曲も含む)協奏曲全部を特定の演奏家で聴き通すのは正直「飽き」が来るしバッハ自身学生の為に次々書いていたものだから全てが質の高いものとは限らないジャンルと自認していた節もあるようです。ですが学生という段階視野からすればこれらの曲は若い演奏の方が良い様に思えいずれにしても各鍵盤奏者がこれらのチェンバロ協奏曲集を出しており中々選択にも迷う処ではあります。さて、本盤を録音した頃のピノックは30歳代半ば・・・仕事が面白い時期でしょう、古楽器での演奏なのですが大変進取に富んだ現代的な感覚で次々とこなして屈託というものが見られません。まぁ「恐い物知らず」といった処で疾走します。とは言うものの先に書いた様に聴き通す「飽き」ともいくらピノック演奏であっても多少は戦わざるを得なかった事は事実ではありますが、私はBWV1060以降の複数台チェンバロによるものが比較的気に入って聴いております。メリハリがあると言うか締まった表情の中に各奏者の遣り取りが見える様でそれだけ変化が垣間見られたのでしょう。各曲のカデンッアらしい部分も典雅な中に現代的な攻めがあるように感じました。なお、この曲集は日本レコードアカデミー賞を確か受賞したのではなかったでしょうか?以下参考までに各曲の演奏タイムをメモしておきますので他の演奏家のものと暇があれば比べては如何でしょうか。BWV1052(@7’25A6’18B7’57),BWV1053(@7’39A5’16B6’10),BWV1054(@7’41A6’49B2’35),BWV1055(@4’16A5’41B3’39),BWV1056(@3’08A2’49B3’38),BWV1057(@6’59A4’20B5’15),BWV1058(@3’43A6’19B3’53),BWV1060(@5’15A5’24B3’37),BWV1061(@7’43A5’01B6’01),BWV1062(@4’00A5’56B4’46),BWV1063(@5’07A3’45B4’57),BWV1064(@6’14A5’28B4’38),BWV1065(@4’02A2’08B3’23)。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)