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2010/06/08
本盤HMVの掲示においてジャケットイメージ及びタイトル名が「モーツァルト ピアノ協奏曲19,20」となっているのに曲目内容が「バッハ、クープラン・・・」とかになっており合致しておりませんが本レビューは前者に従って書き込みました。ハスキルのモーツァルト ピアノ協奏曲第19番、20番は結構異奏盤があります。少しHMV資料から紹介しておきますね。先ず第19番→1950年ズヴォボタ/ヴェンタートゥールSO(本盤),1952年フリッチャイ/KRSO,1953年フリッチャイ/RIASSO,1955年フリッチャイ/BPO,1956年カトレヴィッツ/パリ音楽院O,1956年シューリヒト/SRSO,1957年デザルツェンス/ローザンヌCO、次ぎに第20番→1948年ブール/パリ音楽院O,1950年ズヴォボタ/ヴェンタートゥールSO(本盤),1952年イッセルシュテット/ベロミュンスタースタジオO,,1954年フリッチャイ/RIASSO(二種),1956年カラヤン/PHO,1957年ヒンデミット/ORTFNO,1960年マルケヴィッチ/コンセール・ラムルーO,年代不詳クレンペラー/ルチェルンFO といった具合でこれらは何れもハスキル50歳を超えての演奏でもっと若い頃のものもひょっとしたらあると思います。本盤は50歳を超えたとは言え何れも1950年のモノラル収録演奏であります。第20番協奏曲は第1楽章カデンツァに入る前のバックオーケストラのテンポには驚きました、地方のあまり有名?ではない指揮者とオーケストラ(このオーケスラは確かシェリングのバッハ・ヴァイオリン協奏曲集のバックでした)の存在感・・・勿論技術的には大したレベルではないもののそれが逆に身近に感じます・・・にも光ります。最終楽章のカデンツァは誰の作なのでしょうか、初めて聴くのですが素晴らしいです(演奏タイム@14’06A9’24B7’18)、比較的手に入り易い最晩年の1960年マルケヴィッチ/コンセール・ラムルーO分のタイム@13’27A9’30B7’03とは基本的に変わっていないですね。この名曲、数あるハスキル盤でどれが決定盤なのか分らず本盤の位置付けも正直不案内です・・・こうした事は乱演奏気味?アーティスト(ビジネスなので決してアーティスト自身の責任ばかりではないのだけれど)にとっても愛好家にとってもあまり感心したことではないと近頃思い始めています。第19番(演奏タイム@12’15A9’04B7’13)は作品自体からもそう取り立てた特徴は聴けません。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)