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TOP > My page > Review List of レインボー
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1 people agree with this review 2025/10/30
ムソルグスキーの代表作、展覧会の絵を収録したアルバムです。 本CDは原曲のピアノ版と、オーケストラ版を一枚に入れ、聴き比べ出来る様にしたアルバムです。 この様な企画の盤は他にもいくつかありますが、1000円以下で買える廉価盤はこの盤ぐらいでしょうか。 音源はアルティ・ノヴァが原盤であり、ギャラを抑えるためか、オール・ロシア勢のあまり有名でない人物が起用されています。 ピアノ版の演奏者はアルカディ・セヴィドフというピアニスト。 1947年生まれだそうでLP録音もありますが、CD時代の録音はアルティ・ノヴァぐらいしかないようです。 オーソドックスな聴きやすい演奏なのですが、全体的にあっさりとした演奏なのでちょっと淡白に聴こえます。 時折このピアニスト独自の解釈も入りますが、迫力不足でちょっと残念。 オケ版はラヴェルの編曲による譜面を使い、サミュエル・フリードマン指揮、ロシア・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で収録しています。 フリードマンはウクライナはハルコフ生まれのイスラエルの指揮者で、アルティ・ノヴァでは、チャイコフスキー交響曲全集等のロシア音楽を中心に録音を残しました。 演奏団体のロシア・フィルハーモニー管弦楽団はライナーに記載が無いため詳細は不明ですが、録音場所的にもナクソスに2000年代に録音を入れていた団体と同一ではないでしょうか。 フリードマンとロシア・フィルの演奏は高く評価されているのは見た事がなく、大抵褒められては無いのですが、本盤の演奏も全般にテンポやリズムが遅く、これで珍しい版を使っていればまた評価は変わったかもしれませんが、残念ながらラヴェル版という普及版の譜面で、他に良い音源も多数あるため、あまりおすすめしません。 キーウの大門等で、突き出たトランペットの響きからロシアを感じさせるサウンドだったのは良かったですが。 1996年10月1日から4日にかけて、ロシア放送第1スタジオ、ロシア放送第5スタジオで録音されたもので、録音自体は普通に優秀なもの。
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1 people agree with this review 2025/10/29
1990年代半ば頃にナクソスと並ぶ廉価盤レーベルとなったアルティ・ノヴァから出たチャイコフスキー交響曲全集。 元々バラバラで出ていたのも一枚にまとめたもの。 1995年から1997年にかけて収録されたもので、指揮者は全てサミュエル・フリードマンだが、オーケストラは3団体を振っています。 フリードマンはウクライナのハルキウ出身のイスラエルの指揮者で、アルティ・ノヴァではロシア物の録音を中心に担当していました。 それぞれの感想を書きますと、CD1→交響曲第1番と組曲第4番『モーツァルティアーナ』を収録。 オケはニジニノヴゴロド・フィルハーモニー管弦楽団。 1995年6月ニジニノヴゴロド・コンサート・ホールで録音。 割と小さな編成の様でバランスの良さが売りだが、交響曲は薄味の演奏。 ロシア色の薄い演奏ではあるのでそう言う色の強い演奏が苦手な人は良いかもしれない。 モーツァルティアーナも薄味ではあるが、曲の構成やオケの響き的に悪くないと思う。 CD2→交響曲第2番と幻想的序曲『ロメオとジュリエット』を収録。 オケはロシア・フィルハーモニー管弦楽団。 1995年7月ロシア放送第5スタジオで録音。 ロシア・フィルと言う団体は幾つか同じ名前の団体があるが、本CDの団体がどの団体かはわからないが録音場所的にナクソスにヤブロンスキー等が振っていた団体と同じだろうか。 交響曲はバランスこそ良いが、テンポがイマイチ。 それよりもロメオとジュリエットは中々良くて、ロシアのオケらしいブラスの力強い演奏が聴ける。 CD3→交響曲第3番とロココ風による主題による変奏曲を収録。 オケは2枚目と同じくロシア・フィルハーモニー管弦楽団。 1996年5月25日から29日、ロシア放送第5スタジオで収録。 交響曲は時折テンポの悪さが感じる所もあるも、ロシア・オケならではのブラスの咆哮や勢い、それでいてバランスの良い響きと中々悪くない。 ロココ風による主題による変奏曲は、キリル・ロディンのチェロのソロを取っている。 こちらはソロは控えめで抒情的、オケも伴奏に徹していて水準か、水準より少し上の演奏で、多数ある名盤を押しのけて紹介する程ではないが、これはこれで良い演奏。 CD4→交響曲第4番、組曲『くるみ割り人形』を収録。 オケはタタールスタン国立フィルハーモニー管弦楽団。 1997年11月、カザン大コンサート・ホールにて収録。 全集では最後に録音された物。 交響曲、くるみ割り人形ともに覇気がなく、テンポ感の良くない演奏。 録音もどこか遠く、音も迫力がなくボックスの中で1番イマイチなCDだ。 オケのタタールスタン国立フィルの録音は珍しいので、オケを聴くアルバムと言えるだろうか。 CD5→交響曲第5番、スラヴ行進曲、戴冠式行進曲を収録。 オケは再びロシア・フィルハーモニー管弦楽団。 1995年7月、ロシア放送第5スタジオで録音。 交響曲は真面目に正統的な解釈なのがわかるが、第4楽章がわかりやすいがテンポが速く、全体的にあっさりした演奏。 弦楽も荒れ気味な所があり、せっかくトランペット等にロシアン・ブラスの響きが聴けるのに勿体無い演奏だ。 スラヴ行進曲もテンポは速めの淡白系の演奏なのだが、終結部分から急にオケがスピードアップし、最後の最後に台無しになっているのが残念。 戴冠式行進曲は特に小細工もなく、機会音楽らしい華やかな作風も相まって、この5枚目の中では1番良い。 CD6→交響曲第6番と組曲『眠れる森の美女』を収録。 オケはロシア・フィルハーモニー管弦楽団。 1997年10月、ロシア放送第5スタジオにて録音。 第6交響曲は他の交響曲の録音と同じく、バランスは良いが軽い演奏。 重苦しさはないが、さらっと流れていき印象には残りにくい。 一方で眠れる森の美女は、この軽さが良い方向に向いた佳演だと思います。 上記に特記したタタールスタン国立フィルを除くと、普通にデジタル録音としては優秀で、問題なく聴ける。 このCDの売りは、最新デジタル録音で安価で手に入る事なので、廉価盤が幅を聴かせる現代ではやや2軍落ち感はあるが、安く手に入るなら購入してみても良いと思う。
1 people agree with this review 2025/10/26
このCDはソヴィエトとロシアの行進曲と題されたアルバムで、名前の通り行進曲アルバムです。 と言ってもいきなり冒頭から国歌や愛国歌が出てくるのですが。 タイトルからしてソヴィエト時代の行進曲と帝政ロシア時代の行進曲を半々に収めた様なタイトルですが、ソヴィエト時代の作品はコンチャコフが書いたロシア行進曲ぐらいで、後はソヴィエト時代の編曲もあるものの、帝政ロシア期に書かれた作品です。 演奏者は複数いまして、1番多く演奏しているのが、ソヴィエト国防省第1模範軍楽隊。 第3代軍楽総監、ニコライ・ナザロフ少将と軍楽隊指揮者のニコライ・セルゲーエフ大佐とアナトリー・マルツェフ大佐の指揮で収録されています。 ナザロフ&セルゲーエフ時代のこの軍楽隊は黄金期を迎えていたと言ってもよく、力強いロシアン・ブラスと大編成ならではの荘厳なサウンドのメリハリある演奏が聴ける。 ナザロフのものでは『プレオブラジェンスキー連隊』『ペチョラ連隊』がずば抜けて良いし、『ソヴィエト国歌』『愛国歌』『インターナショナル』と言った愛国歌のパワーのある演奏も良いし、セルゲーエフは『英雄』『速歩行進曲第5番』『飛び行く荒鷲』『イズマイロフスキー連隊』『擲弾兵』あたりが良い。 マルツェフは2曲だけだが、縦線がバシッとそろったメリハリが効いた好演奏。 ソヴィエト式に編曲された双頭の鷲の旗の下にが聴きどころ。 モスクワ・クレムリン司令部付軍楽隊はLPでは幾つか録音があるが、CDはこれぐらいだろうか。 イヴァノフ大佐は1980年代にこの軍楽隊の指揮者をしており、本CDの収録曲の録音もそれぐらいだと思われる。 いかにも軍楽隊と言ったサウンドで、国防省軍楽隊に比べると人数が少ないようだが、その分小気味の良い快演が続く。 ボリショイ劇場吹奏楽団は名前の通りボリショイ劇場のメンバー中心に集められた団体らしい。 このCDでは1曲のみで、力技に頼らない正確な演奏を聴かせてくれます。 CDには1978ー1994年の収録となっていますが、実際には1969年収録のものもあり、あまりあてになりません。 また全体的に復刻の状態が悪く、音質は良くない。 特にナザロフの勝者の帰還は非常にレベルが低い(と言うよりナザロフの音源はどれも良くない) ソヴィエト国防省第1模範軍楽隊の音源は後にヴィスタヴィラやカペルマイスターから再発されており、それらの方が音質は良い。 尚、音源の原盤はオリンピアではなく、メロディア原盤である。 今となっては2軍落ち感はあるが一応このCDでしか復刻していない音源もあるので、ロシア行進曲好きには注目かもしれない。 演奏者と収録曲目は以下の通り。 1.ソヴィエト国歌(アレクサンドロフ) 2.愛国歌(グリンカ) 3.インターナショナル(ドジェーテル) 4.望郷行進曲(作者不明 arrルノフ) 5.ロシア行進曲(コンチャコフ) 6.サラトフ第108歩兵連隊行進曲(作者不明 arrミハルコフ) 7.古い隊列行進曲(作者不明 arrチェルネツキー) 8.双頭の鷲の旗の下に(J.F.ワーグナー) 9.飛び行く荒鷲(ブランケンブルク) 10.速歩行進曲第5番(ソコロフ) 11.英雄(作者不明) 12.第16ラドガ連隊行進曲(作者不明) 13.擲弾兵(作者不明) 14.1815年のパリ入場行進曲(作者不明) 15.イズマイロフスキー連隊行進曲(作者不明) 16.勝者の帰還(作者不明) 17.リャオヤンでの戦い(エファーノフ) 18.ペチョラ連隊行進曲(作者不明) 19.プレオブラジェンスキー連隊行進曲(作者不明) 20.パンジャブ(ペイン) 21.トートレーベン(作者不明) 演奏 ニコライ・ナザロフ少将指揮、ソヴィエト国防省第1模範軍楽隊 1~3、16~21 アナトリー・マルツェフ大佐指揮、ソヴィエト国防省第1模範軍楽隊 7、8 ニコライ・セルゲーエフ大佐指揮、ソヴィエト国防省第1模範軍楽隊 9~15 ヴィクター・イヴァノフ大佐指揮、モスクワ・クレムリン司令部付軍楽隊 4、5 V.アンドロポフ指揮、ボリショイ劇場吹奏楽団 6
1 people agree with this review 2025/10/25
テオドレ・クチャル指揮、ウクライナ国立交響楽団の演奏によるムソルグスキーの管弦楽作品集だ。 ムソルグスキーの管弦楽作品というと、組曲『展覧会の絵』そして交響詩『禿山の一夜』である。 本CDには両方とも収録されているが、注目すべきは禿山の一夜だろう。 通常はリムスキー=コルサコフのオーケストレーション版が演奏され、このCDの一曲目もこれですが、更にこのCDには原典版と言われるムソルグスキーがオーケストレーションをしたバージョンが収録されています。 リムスキー=コルサコフ版を聴きなれるとかなりメロディが違い、こちらの方が魅力的に思えてきます。 展覧会の絵は有名なラヴェル版です。 クチャルは1994年から1999年までウクライナ国立交響楽団の音楽監督をしており、ナクソスへの録音はこの時期が多いですが、退任後にも幾つか録音をナクソスに入れ、これもその一つです。 クチャルとウクライナ国立響の特徴である透明感のあるサウンド活かした聴きやすい演奏で、前述の禿山の原典版などはムソルグスキー独自の野太さはちょっと後退してはいる物の展覧会の絵は中々充実した良い演奏と言えます。 とは言えその他の作品の演奏も充分合格点の演奏であり、禿山の原典版、リムスキー版の聴き比べが出来る入門用廉価盤としておすすめ。 2001年8月15日から18日に、ウクライナ放送大コンサート・スタジオで収録されたもので、音質は良好。
1 people agree with this review 2025/10/24
ナクソスが1990年代に製作したロシアの作曲家、チャイコフスキーの交響曲全集シリーズの一枚です。 ポーランド国立放送交響楽団を起用して製作されたこのシリーズ、5枚出ているアルバムのうち、3枚はアントニ・ヴィトがタクトを取っていますが、本CDを含む残り2枚はエイドリアン・リーパーが指揮をしています。 リーパーはナクソスが活動初期にスロヴァキアのオケを振ってイギリス物を中心に録音していますが、ロイヤル・フィルを振ったチャイコフスキーの管弦楽作品集も残していて、中々力の入った演奏で良かったのですが、このCDも良いです。 『交響曲第1番』幻想序曲『ハムレット』が収録されています。 リーパーの演奏は気をてらう事のないスタンダードな、真面目で曲自体に魅力を語らせる演奏です。 パンチはないけど、これはこれでありだと思いました。 ポーランド国立放送交響楽団の演奏は機能的なサウンドをしていますが、時々金管の咆哮にスラヴを感じさせます。 1991年9月7日から12日にかけて、カトヴィツェのポーランド放送コンサート・ホールで収録されたもので、柔らかな響きに収録されており、音質等も問題ないと思う。
1 people agree with this review 2025/10/23
エルガー・ハワース指揮、グライムソープ・コリアリー・バンドの演奏による、マルコム・アーノルドのブラスバンド作品集。 アーノルドがブラスバンドのために書いた作品と、管弦楽曲をブラスバンドに編曲した作品を集めたアルバムです。 作品としては比較的知られた作品で、アーノルドのたくさんある作品の中でも聴きやすい作品を集めた内容です。 演奏団体のグライムソープ・コリアリー・バンドは、イギリスを代表する英国式ブラスバンドの一つ、映画「ブラス」のモデル・バンドにもなり、もちろんその他に録音も多々あります。 ここでは、フィリップ・ジョーンズ・アンサンブル等で活躍した、エルガー・ハワースの指揮で収録されており、確かな演奏を繰り広げています。 最後の『パドストー・ライフボート』のみ、アーノルド自身が棒を取った、いわゆる自作自演で、ちょっと荒削りながら、作曲者が自作をどう解釈していたかがわかります。 アーノルドのブラスバンド作品の国内盤は珍しく、アーノルド入門におすすめです。 録音は1993年で、音質は良好です。
0 people agree with this review 2025/10/22
このCDはスティーヴン・ガンゼンハウザー指揮、チェコ・スロヴァキア放送交響楽団による演奏で録音されたセルゲイ・ラフマニノフの『交響曲第2番』幻想曲『岩』を収録したアルバムです。 ナクソスがまだマイナーだった活動初期に発売されたアルバムで、当時よく起用されていたチェコ・スロヴァキアの放送交響楽団と、アメリカ出身でナクソス初期に多数の録音を残したガンゼンハウザーのコンビによる演奏です。 交響曲はスロヴァキア勢の演奏にありがちなオケの非力さが随所に出ています。 ナクソス初期に良くある曲に語らせるタイプで、丁寧に演奏されていますが、軽めのサウンドで、例えば第4楽章冒頭等は推進力がもっと欲しい所。 しかし3楽章、この作品の1番の有名所は作品に語らせる演奏が独特の雰囲気を出し、旋律美を堪能でき、CD中1番の出来。 岩も線は細いが同じく丁寧に演奏されていて、作品を知るには悪くない。 録音は1989年5月、ブラスチヴァのチェコ・スロヴァキア放送スタジオにて収録されたものです。 デジタルですが当時のナクソスらしい可もなく不可もなくと言った音質です。
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1 people agree with this review 2025/10/21
アントニ・ヴィト指揮、ポーランド国立放送交響楽団の演奏によるチャイコフスキーの『交響曲第5番』序曲『雷雨』を収録したアルバム。 ナクソスが1990年代に制作したチャイコフスキー交響曲全集の一枚です。 ヴィトとポーランド国立放送交響楽団のナクソス録音はかなりの録音があるが、高い技術力と音楽性で、評判の良い演奏が多く、このチャイコフスキーの録音も中々に良い。 交響曲は堅実な音楽として解釈されているため、チャイコフスキーが書いた旋律美や構成が手にとる様に分かる。 交響曲も名演と言って良いのだが、演奏機会の少ない雷雨も充実した演奏であり、この作品の手に入りやすい入門用音源としてもおすすめ。 録音は1992年11月23日から25日にかけて、カトヴィツェのポーランド放送コンサート・ホールにて収録された物。 録音は当時のナクソスらしい、可もなく不可もなくといった所。 現在のナクソス・レベルの収録だとより良いアルバムになっただろう、そこが唯一の難点だ。
1 people agree with this review 2025/10/05
このCDはオランダの楽譜出版社、デ・ハスケから出たもので、同社の楽譜の参考演奏集、フェスティバル・シリーズの一枚。 1991年度の新譜集で、同年モーツァルト没後200年を迎えた事を記念して、ジェラルド・ポッシュ編曲、歌劇『魔笛』序曲から始まる。 その他の作品はデ・ハスケお馴染みの作曲家による新曲で、闘牛の様子を描いた交響詩『エル・ゴルぺ・ファタル』、徐々に歓喜の歌になる『自由の旗』エルガーの威風堂々のようなクラシックさに、ヴァン・デル・ローストらしさが同居した『セレモニアル行進曲』等、質の良い作品がいっぱい。 これらを演奏するのは、ピエール・キュイペルス指揮、オランダ王立陸軍軍楽隊です。 1986年に陸軍軍楽隊隊長に就任してから1996年に退任するまで10年間、デ・ハスケやモレナール、さらには自主盤まで多数の録音があるキュイペルス隊長、特に1989年頃から1991年頃の音源はそのどれもが非常に充実した内容のCDと言ってもよく、このCDもその頃の音源で、どのパートもレベルは高く、引き出しも広く音楽はよく考えられて、参考演奏ではなく鑑賞としても聴ける。 魔笛やセレモニアル、自由の旗あたりは名演だ。 録音は1990年11月に、デンハーグ復活教会で行われたもの。 程よい残響があり録音は良いと思う。 最後に収録曲と演奏データは以下の通りだ。 1.歌劇『魔笛』序曲(モーツァルト arrポッシュ) 2.エル・ゴルぺ・ファタル(ブロッセ) 3.ラ・ストリア(デ・ハーン) 4.カンゾーニ(ハデルマン) 5.ラグタイム組曲(デルフト) 6.セレモニアル行進曲(ヴァンデルロースト) 7.自由の旗(デ=ハーン) 演奏 ピエール・キュイペルス指揮、オランダ王立陸軍軍楽隊 1~7 録音 1990年11月27日、28日、デン・ハーグ復活教会
1 people agree with this review 2025/10/03
オランダの楽譜出版社、デ・ハスケが出した物。 グレート・パフォーマンスシリーズの第5弾だそうで、デ・ハスケとカーナウ・ミュージックから8作品を収録している。 演奏は、ヤン・ヴァンデルロースト指揮、レメンス音楽院交響吹奏楽団である。 またホルンと吹奏楽のための狂詩曲は、ヤコブ・スラグダーがソリストを務めている。 指揮のヴァンデルローストは現在作曲家としても活躍しており、日本ではこちらの方で知られているが、教育者としても活躍している。 レメンス音楽院はヴァンデルローストの出身校でもあるそうで、現在もここで教鞭をとっているようだ。 ヴァンデルロースト&レメンス音楽院のデ・ハスケへの録音は3枚ほどあり、これは1997年に収録された物。 音楽大学のバンドという事もあり、演奏には全体的にパワーを感じさせる。 例えば1曲目の祝典序曲ではパワーと推進力を感じさせる良い演奏だ。 本CDにはロシアの作品が2作品あるがどちらも中々よい。 もちろん技術面でも問題なく、どのパートもしっかりと鳴っている。 選曲はアレンジと吹奏楽オリジナル新作を組み合わせたもの。 新作はこれと言った作品はない物の、どれもが安定した質の作品だと思う。 録音日時や収録場所は不明だが、録音は良い。 最後に収録曲は以下の通り。 1.祝典序曲(ショスタコーヴィチ trans高橋徹) 2.コンザンセス(ヴァンデルロースト) 3.グランド・マーチ(小長谷宗一) 4.アップル島の伝説(カーナウ) 5.ネム・スザート(ヴァンデルロースト) 6~9.バレエ組曲『ガヤネー』から序奏、愛の二重奏、間奏曲、収穫祭(ハチャトゥリアン transヴァン・デル・ベーク) 10.ホルンと吹奏楽のための狂詩曲(ヴァンデルロースト) 11.さよなら(arrヴァンデルロースト)
1 people agree with this review 2025/09/29
このCDはオランダの楽譜出版社、デ・ハスケから出たもので、同社とミトロパの出版譜を演奏したものです。 中身はイタリアの作曲家による歌劇やバレエ音楽を吹奏楽にアレンジしたものとなっており、レスピーギ、ヴェルディ、プッチーニとイタリアを代表する作曲家の作品を集めたものです。 タイトルにもなっているシバの女王ベルキスは、大阪市音楽団の団長等を務めた木村吉宏の編曲で、またヴェルディの運命の力とナブッコは作曲家のフランコ・チェザリーニが手を入れた版等、編曲者は著名な人による物が多いです。 演奏はオランダ王立陸軍軍楽隊、指揮はヤン・デ=ハーン。 録音は1995年頃のようです。 演奏団体はオランダを代表する軍楽隊の一つであり、録音も数多い団体です。 録音当時のこの軍楽隊の隊長はピエール・キュイペルスでしたが、ここでは作曲家でもあるヤン・デ=ハーンが客演して振っています。 楽譜出版社の参考演奏集かと思いきや、中々に立派な演奏で各楽器が良く鳴っていて鑑賞用にも聴ける演奏です。 録音も普通に優秀なもの。 収録曲目は以下の通りです。 1~4.バレエ組曲『シバの女王ベルキス』(レスピーギ trans木村吉宏) 5.歌劇『エルナーニ』前奏曲(ヴェルディ transヴァン・デル=ベーク) 6.歌劇『運命の力』序曲(ヴェルディ transチェザリーニ) 7.歌劇『トゥーランドット』から誰も寝てはならぬ(プッチーニ transファン・ベーリンゲン) 8.歌劇『ナブッコ』序曲(ヴェルディ transチェザリーニ)
1 people agree with this review 2025/09/27
オランダの楽譜出版社、デ・ハスケが自社や系列の楽譜の参考演奏としてリリースしているフェスティバル・シリーズの一枚。 比較的初期の15枚目にあたるのがこのCDです。 演奏はヨハン・ヴィレム・フリソ軍楽隊、指揮は1979年から1994年までこの軍楽隊の隊長を務めたゲルト・ヤンセン少佐です。 尚、タイトルの『スラヴィア』のみ作曲者のヤン・ヴァン・デル=ローストが指揮をとっています。 このシリーズはデ・ハスケの新譜集なので、一枚の中に行進曲や吹奏楽のためのオリジナル新作、映画音楽やクラシックの編曲、ポピュラー音楽を吹奏楽アレンジしたものが収録、本CDもその様な選曲をしています。 演奏団体は1819年に設立された歴史ある軍楽隊で、オランダ王立陸軍軍楽隊やオランダ王立海軍軍楽隊、オランダ王立空軍軍楽隊と共に、オランダを代表する軍楽隊でしたが、軍縮によりオランダ王立陸軍軍楽隊と合併し、現在はオランダ王立陸軍ヨハン・ヴィレム・フリソ軍楽隊という名前で活動しています。 本音源はアッセンのヨハン・ヴィレム・フリソ兵舎で録音されたもので録音年は書いてないものの、1994年発売なので録音もその頃と思われます。 録音はDDDであり、問題なく綺麗な音質です。 CDはリーデマンが書いた行進曲『ソノリティ』で始まりますが、オーソドックスなスタイルの行進曲を低音を効かせてメリハリの付いた演奏に仕上げているのは名門軍楽隊と言えるでしょう。 前半の収録曲はクラシックのアレンジか、吹奏楽のオリジナルなので低音がガッチリとしたバンドのサウンドはよく合っています。 9曲目からはライトな曲調の作品が増えます。 ホール・ニュー・ワールドはさらりと流しすぎな気もしますが、ゴー・ウェストではバンドが乗っており良いです。 全体的には行進曲からポップスまで様々なジャンルの作品を巧みに演奏しており、この軍楽隊の実力の高さを伺え、また参考演奏ではなく鑑賞用にも耐えれる優れた演奏だと言えます。 最後に収録曲目は以下の通り。 1.演奏会用行進曲『ソノリティ』(リーデマン) 2.バレエ『白鳥の湖』よりハンガリーの踊り(チャイコフスキー arrヴァン・デル・ベーク) 3.バロッコ(ベーリンゲン) 4.スラヴィア(ロースト) 5.ブラック・ジャック(エヴェネペール) 6~8.ユダヤ民謡組曲(ケルネン) 9.映画「アラジン」よりメインテーマ『ホール・ニュー・ワールド』(メイケン arrケルネン) 10~12.祝典幻想曲(ネイス) 13.サラマンカ(デ=ヴォルフ) 14.休暇中のパーティ(ネイス) 15~17.音楽を楽しもう!(スホーネンベーク) 18.ゴー・ウェスト(モラリ/ベロロ/ウィリス arrゼーブレグッツ) 演奏 ヨハン・ヴィレム・フリソ軍楽隊 1~18 指揮 ゲルト・ヤンセン少佐 1~3、5~18 ヤン・ヴァン・デル=ロースト 4
1 people agree with this review 2025/09/22
ジョン・ウォーレス指揮、ウォーレス・コレクションの演奏で収録されたアルバムです。 東芝EMIが1990年代初めに制作したマスターピースシリーズでイギリスの作曲家の作品を集めた物。 いずれも吹奏楽に編曲したものです。 制作スタッフのクレジットを見る限り本CDは日本企画盤と思われますが、後述する収録曲リストを見るとわかる様に、中々にレアな作品も収録されています。 指揮のジョン・ウォーレスはフィルハーモニア管弦楽団のトランペット奏者として活躍、さらにはフィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルでも活躍していました。 ウォーレス・コレクションはフィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルと同じく、ブラスアンサンブルの団体ですが、本CDでは、木管も入った30数名の人数で演奏されています。 CDは威勢の良い快活なハンプトン・コートで幕をあけ、豪快な4つのスコットランド舞曲等が続きます。 ホルストの惑星は微妙な所ですが、最後の威風堂々はさすがイギリスの団体だからか、オルガンも入り速いテンポで引っ張っていく良い演奏です。 録音は1993年4月28日、29日に、ヘンリー・ウッド・ホールでとの事ですが、残響が少ない硬めのEMIの吹奏楽らしい録音と言えます。 収録曲は以下の通り。 1.序曲『ハンプトン・コート』(フィリップス arrデュソイト) 2~6.音楽の夕べ(ブリテン arrブラウン) 7.3つのウェールズの讃美歌による前奏曲(R.V.ウィリアムズ arrカーナウ) 8~11.4つのスコットランド舞曲(アーノルド arrペインター) 12.序曲『ピータールー』(アーノルド arrセイル) 13.組曲『惑星』より火星(ホルスト) 14.組曲『惑星』より木星(ホルスト) 15.行進曲『威風堂々』第1番(エルガー)
1 people agree with this review 2025/09/20
ダグラス・ボストック指揮、東京佼成ウインド・オーケストラの演奏で収録されたアルバムで、ザ・ベスト・ブリティッシュシリーズの一枚。 本シリーズはボストックが常任指揮者時代に録音した3枚のアルバムの2枚目にあたるもの。 名前の通りイギリスの作曲家の作品を集めたもので、タイトルのホルストの『吹奏楽のための組曲第1番』『第2番』グレインジャーの『デリー地方のアイルランド民謡』と言った有名な作品に、ブッシュの『スケルツォ』、オースティン『1911年ページェント・オブ・ロンドンのための音楽』ブリッジ『ページェント・オブ・ロンドン』と言った珍しい作品も収録。 特にオースティンとブッシュはこの音源が世界初録音なのだそう。 ボストックと佼成のこのシリーズの演奏はどれもよく、このCDでも佼成の高い技術力と随所に手が入ったボストックの解釈、癖の少ない聴きやすい演奏に仕上がっている。 録音は2004年10月24日、25日に、江戸川総合文化センターで収録されたもので、音質は中々良い。 収録曲目は以下の通り。 1~3.吹奏楽のための組曲第1番(ホルスト editマシューズ) 4~7.吹奏楽のための組曲第2番(ホルスト editマシューズ) 8~13.ページェント・オブ・ロンドン(ブリッジ arrハインドマーシュ) 14~15.1911年のページェント・オブ・ロンドンの音楽(オースティン arrブラウン/ボストック) 16~18.バレエ組曲『チェックメイト』(ブリス arrウィリアムズ/ウィック) 19.スケルツォ(ブッシュ) 20.デリー地方のアイルランド民謡(グレインジャー) 21.ダム・バスターズ行進曲(コーツ arrデュソイト)
1 people agree with this review 2025/09/19
アーサー・フィードラー指揮、ボストン・ポップス・オーケストラの演奏で収録されたアルバムで、リムスキー=コルサコフ『ロシアの復活祭』ボロディン『イーゴリ公から序曲とダッタン人の踊り』『中央アジアの草原にて』を収録した内容です。 フィードラーはボストン・ポップス・オーケストラを指揮してクラシックは元より、映画やポピュラーナンバー等を録音した事で知られています。 ここではロシアの作曲家の作品を集めたものですが、いずれもオーケストラ映えする作品であり、フィードラーのメリハリあるツボを心得た演奏やアメリカのオケらしい明るい響きで聴かせてくれます。 両曲とも多数録音があるので、本盤はベストと言えないですが、聴きやすい演奏で悪くはないです。 録音は1957年で古さはあるものの、そこさえ気にしなければ充分聴けると思います。
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