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Review List of 盤鬼hmv15 

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  • 3 people agree with this review
     2013/01/12

    西洋絵画の展覧会なら当然こうでなくっちゃ!ここに呈示されているのは、機能が最大限に発揮された時のオーケストラ演奏は斯くも素晴らしい!!!という見本であり、絢爛たる音絵巻の数々である。ババ・ヤガーに於ける、革が破れんばかりの容赦ない打楽器のアタッカーから終曲への盛り上がりは尋常ではなく息を呑むばかりだ。今までアマチュアの描いた絵ばかり見せ付けられてきたので、これでやっと長年の溜飲を下げる思いであり、気の抜けたビールの如き演奏ともオサラバだ。これこそは、編曲版の違い云々を超越してトップに君臨する演奏だと断言して憚らない。更に、他の小品群も決して《オマケ》などとは有無も言わせぬ堂々たる仕上がり、さすが超一流の職人肌集団である。毎度のことながら、とても50年代末期の録音とは思えぬ極上の品質である。なお、最新DSDリマスターによる通常CDにての評価であり、御容赦願いたい。

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     2013/01/11

    ’73〜’74年、ミュンヘンのヘラクレスザール、BE:H-Wildhagen。スラブ舞曲ファンなら当然早くから愛聴されているとは思うが、未だ所有されていない方の参考程度に…、今ではビックリの超格安値でもあるし…。この演奏の特徴は何と言ってもその弾け散る様な躍動感と牧歌的な長閑さ/郷愁との対比(コントラスト)ではないか、そしてその対比は極めてハッキリしていて曖昧さというものが無い。だから聴いていて解り易く、聴後もスッキリした爽快感やホノボノ感が残る。録音も演奏の良さを存分に伝えるエナジー感溢れる素晴らしいものである。小生普段はこのクーベリック/BRSO,ドラティ/RPO,シェイナ/CPOを主に愛聴しているが、ことにセッション会場を構成する素材(石材・木材と云った内装仕上げ)の違いが結構録音でホールレゾナンスの音質差となって表れているのもなかなか興味をそそるものが有る。終いに、この様な定番CDに敢えて寄稿したのは先般入手したセル/クリーヴランド管の内容があまりに期待外れであった為である。あくまで好みの問題だが、セルのファンならともかく、一般の方には内容の充実度で遥かに優れる当盤の方が絶対の御奨めである。それにしてもSACD仕様の素晴らしさが予感できる内容のCDではある。

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     2013/01/11

    ここでは【ローマの松】を主に話を進めて行こうと思う。この演奏/録音、以前から巷の噂にはよくよく聞いてはいたがこれ程までとは!!!…。この曲は大植/ミネソタ管(RR)盤を長らく愛聴してきた。初めて接し聴き終えた時の感激は身動きも取れぬ程であったのを覚えている。このライナー盤から受けたインパクトはその再来を思わせる。しかも録音年に1959⇔2001と大きな隔たりが有るにも拘らず、そのリアルなパノラミックイメージの再現は前者に匹敵する位に生々しい。これはもう通常CDを超え、限りなくSACDに肉迫する高品質な情報が詰まっていると言って差支え無かろう。併録の【ローマの祭】、ドビュッシー【海】ともども他盤を圧倒する文句無しのイチ押盤である。なお上記からも御判りのように、手持ちは60BOXセットからの一枚、最新DSDリマスターによる通常CDである。

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     2013/01/09

    全曲版の手持はフェドセィエフ/モスクワ放送響の【くるみ割り人形】のみ、他は組曲版や抜粋版で聴いてきた。プレヴィン/ロンドン響の組み合わせ、かつ諸兄の評価も高く仏EMIからのリリースとあっては食指も動く。結果としては演奏・録音ともにほぼ予想通り、見通し良く華麗に響き渡るのだが、今ひとつ音質には不満が残る。’70年代アナログ成熟期、黄金のダブルChristopherコンビの手に成る録音だと云うに…。どうしてこうも重厚感が薄いのだろうか?小生の再生機器との相性が悪いという訳でもあるまいに…。それとも、「所詮CDの器はこの程度」と適当にあしらい、「本格的な鑑賞ならSACDでどうぞ!」とでもタカを括っているのだろうか。或いは、そもそもEMIのマスタリングポリシーが小生の波長と合わないだけなのか。マスターテープが高品質であるという前提において、本気でリマスタリング作業の改善を図ればヘタなSACDなど打ち負かす位の高品質は普通のCDでも得られると思うのだが…。先般のLiving-Stereo盤の数枚を聴けば自ずと知れよう、しかもステレオ黎明期の古い録音である。翻って、このCDは透明で綺麗な音なのだが、曰く言い難い【気配/揺らぎ/暗騒音】みたいな物があまり感ぜられず、如何にも缶詰音楽に矮小化されてしまっているのが実に残念でならない。演奏の真の評価はいつまで《御預け》なのか!

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     2013/01/07

    これはマーチ演奏の御手本とも云うべきゴキゲンなCD!何とまぁ図太くて分厚い響きなのだろう!しかも近接ではなく程々の距離を取ったMICセッティング(いわゆるoff気味)と思われるに、金管・打楽器のこの容赦ないエナジー感といったら…、もう眼前の実演と見紛う程のスリリングな楽しさ!!!しかもセッション会場の音響も申し分無し。近頃のスカシっ屁的薄っぺら演奏に一矢報いるような痛快さが此のCDには有る。これが’50年代末の演奏・録音とは俄かには信じ難い。元音源の保存が良好でもあったのだろう、有難い事だ。マーチファンなら迷わず入手されよ!強く御奨めする。小生が今まで耳にしたマーチ演奏の中では抜群のパフォーマンスを示す。これを聴いたら他の演奏を受け付けなくなるのでは?と心配する程だ。これでヤワで御行儀良いマーチ擬きのCDは全て御払い箱だ!中でも特に印象深いDixie/Yankee Doodle/Jericho等からは、このバンドがagressiveでflexible且つsensitiveなトップ集団であることが一聴瞭然である。なお小生の手持は輸入60BOXセット中の一枚、最新DSDリマスターが施された普通のCDであるが、頗る内容が濃いのでこちらのSACD欄に寄稿した次第である、なにとぞ御容赦願いたい。

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     2013/01/06

    こうした小品ものを聴かされると当時のBSO(Pops)が只ならぬ実力を秘めていたことが窺い知れる。このCDに含まれる曲目は一通り多くの他演奏で耳にして来たが、Fiedler/BSO(Pops)コンビによる此の演奏に接する時、深く考え込まざるを得ない。アナログに多くの課題を積み残したままディジタルに移行したものの、我等アナログ世代には一向にブレイクスルーの実感が湧かないままである。加えて、商業主義に踊らされ上手く時流に乗った(或いは乗れた)個人/団体のみが注目されるという現状は如何にも嘆かわしい。これ等一連のCD群は技術的にも音楽的にも本質を見抜く審美眼を養ってくれる良き教材となるであろう。なお、小生の手持は60BOXセットの中の一枚、最新リマスターを施された普通のCDではあるが、その内容がSACDに肉迫していると思えるので当SACD欄に寄稿した次第である。どうか御容赦願いたい。

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     2013/01/06

    この世に完璧というものはまず無い。しかしながら、限りなく完璧に近いものは数多存在する。Living-Stereo一連のCD群の内容は真に素晴らしいものが多いが、このFiedler/BSO(Pops)コンビによる小品演奏の数々は出色の出来栄えと云えよう。奇跡とも思える収録技術と綿密・丁寧なリマスター技術に支えられ、彼等の本領が余すところなく眼前に再現されるのは驚異的ですらある。この様に良質なCDが生み出される条件として優れた元音源の確保が基本ではあるが、何より有能なReME(リマスターエンジニア)の存在が欠かせない。音楽産業各社はもっと本腰を入れる、と云うより本気で取り組む気概が欲しい。先達が残してくれた立派な業績を存分に活かしきれていない現今の御寒い状況を前にして、「何とかしなくては…」という切迫感の片鱗すら打ち捨てられてしまったのだろうか。’60年代以前収録の磁気テープの中には良好保存の限界時期に来ている物が多いと聞く。尚更早急な対応が望まれる。なお、小生の手持は60BOXセット中の一枚で最新DSDリマスターを施された普通CDであるが、内容の濃さから当SACD欄へ寄稿させて頂いた、御容赦願いたい。

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     2013/01/06

    手持CDが最新DSDリマスターによる60BOXセット中の一枚なのでこちらへ寄稿させて頂く、御容赦願いたい。両曲ともに当時としては思い切って距離を取った、今日で云うところのコンサートプレゼンスを意図した音場重視型の収録である。小生こうした音響が好みなので興味深く聴き通した。どちらも信じ難い立派な出来栄えであるが、グローフェの描写には特に強く惹かれるものが有った。コープランドの方はCunzel盤(TELARC)を主に聴いているが、暴れまくる打楽器群という強いインパクトの点では譲るものの、全体を俯瞰すれば圧倒的に此方のGould盤に軍配を挙げざるを得ない。ただ荒々しいだけの描写ではなく、細部の精緻な再現が絶妙である。この演奏を前にしてはCunzel/Cincinati響(Pops)といえども平伏すしかないだろう。グローフェの方はCunzel盤(TELARC)とDrati/Detroit響(DECCA)を主に聴いている。甲乙付け難い演奏であるが(最近では両者の評価が逆転しつつある)更に両者を上回る物が出現しようとは…!何だか両者の【いいとこ取り】的なところがあって極めて完成度が高い。当時の機材のハンディキャップ等を鑑みれば奇跡に近い。それでもそれを可能にしたのは有能なエンジニアたちが居たからこそだ。この【大峡谷】を超えるハードルはかなり高い!

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     2013/01/06

    「これ本当にオリジナルからのリマスター?」出てきた音に接した時の率直な感想である。まるで子や孫世代のコピーから編集した様な生気の無い上澄みだけを掬った様な音。空気感・実体感を生じせしめる環境ノイズ等が一切バッサリと切捨てられた結果、線は細く薄っぺらな響きだけが残ったようだ。小生は初出CDやSACDを知らない。SACDでは大きく印象も変わるかもしれないが、このCDがオリジナルからの物であるとすれば【CBS元音源】は余程劣悪な物に違いない。これでは優秀なReMEがいくら奮闘しようとも所詮【コップの中の嵐】であって「元々無い袖は振れぬ」と云う訳だ。同コンビによるシューマン交全集の様な完成度に期待を寄せていたが見事に肩透しを食ってしまった。演奏に関しては、リズムの刻み方・テンポ・間合いの取り方等々、小生の好むベクトルとは《ほぼ真逆》の方向を示したのは全くの想定外であった。音そのものに関しては、Living-Stereoのリマスターに係わったエンジニアということで大いに注目したが、上記の如く元音源に問題有りというのであれば詮無い事と諦めざるを得ない。

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     2013/01/05

    小生の所有している物は60BOXセット中の一枚、当然普通のCDである。このCDは最新DSDリマスター技術の恩恵に浴するものであり、圧倒的な情報量からして単なるSACDの亜流として捨て置けない程の充実した出来栄えである。CD化するに当たっては周到な検討と最適化が図られたであろうと推測する。よってこのSACD欄に寄稿することとした、何とぞ御容赦頂きたい。さて当CDに収められている演奏は全てに亘り手放しの称賛に値する素晴らしさである(しばし絶句!)。とりわけP協に至っては「これ程の辣腕BE(表記はRecording-Engineer)が居たとは!!!…」と驚愕した次第である。俄かには信じ難い完璧とも思える空気感の掌握、扇状に展開する広大かつ見通し良いパースペクティヴ、立体的な奥行を感じさせる深い響き、マッシヴであり何より音そのものに力(リキ)が有る。そのダイナミズムの極致を思わせるオケをバックに活きの良い魚の如くE-Wildのピアノが自由闊達に飛び跳ねるかのよう。ガチガチのクラシック脳で奏でるものとは根底から異なるものだ。彼は非常に柔軟な発想の持ち主なのであろう。ここまでJazzとClassicを融合させた演奏を小生は他に知らない。天上のGarshwinも納得の拍手を送っているに違いない。おそらく演奏・録音ともに此れを凌ぐものはそうそう容易くには現れないだろう。今のところ手持盤の中では2位以下に大差をつけてブッチギリの第1位である。因みにこの曲を聴いてカタルシスを感じたのはこれが初めてである。BEのA-Salvatoreという人物、ここでの仕事ぶりはK-Wilkinson氏やC-Struben氏らと同列に加えられる類希なる才能を発揮している。勿論もう一人のL-Layton氏も素晴らしいのだが、Salvatore氏の名が強く印象付けられる結果となった。当盤に関しては、奏者と収録者のベストパフォーマンスが奇跡の録音を生んだと言って良いだろう。こうした立派な成果を残してくれると、これからは堂々と「昔は良かった」と懐古の情を引き摺ることができる(笑)。それにしても当時の有能なエンジニア諸氏による錚々たる作品群に思いを馳せる時、昨今のクラシック離れの一因が送り手側(音楽産業)に在ることは疑いようもないと思い知らされる。

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     2012/12/30

    実は事前にSACD盤のレヴューにも目を通したのだが、3人の方が夫々に視点の異なる論評を寄せていて大変興味深かった。とりわけ茨城【愚猿】さんの寄稿には随分考えさせられてしまった。私事ながら小生は既に現役リタイア世代の一員なので、音楽ソフトの購買に湯水の如く金銭を注げる身には程遠い。氏の御指摘のように最近は素晴らしい品質のCDも多く出始めている反面、(SACDの諸評から類推するに)嘆かわしい品質のSACDも散見されるようで、諸兄の恨み節からはSACDマーケットが未だ成熟の域に達していないことがハッキリと窺える。小生としてはSACDのメリットは重々認めつつも、その内容の見極めに際し賭けに近いような選択に大枚を叩くことには二の足を踏む思いである。今日までず〜っと導入を躊躇う理由が此処にある。むろん10〜20枚の凡庸なCDより優れたSACD1枚の方がより心を満たしてくれることぐらい頭では分かっているつもりなのだが…。さて話をこのLegends盤に移そう。チャイコは’63年のK-Wilkinson収録になるものだが彼の’70年代ものに比するとやや乾いた響きと云った印象である。マスターテープの保存状態に起因するのか或いはReMEの匙加減の結果なのかは判らぬが、何時もより硬質でドライな感触といったところか。演奏内容は存分に納得できたので、ここは少々甘いとは思うが☆5とさせて頂く。

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     2012/12/28

    小生の所持盤は風景画をあしらったリーフレットで収録内容は全く同じ物である。このCDには全編に亘り格調の高さを保ちつつ北欧の空気をも感じさせる非の打ちどころが無い秀演が収められており、斯様な小品においても誠実で真摯な対応を見せるところが如何にもスイトナー氏らしい。【ホルベアの時代から】の組曲では最近までJ-Somary/ECO(Vanguard盤)を長らく聴いてきたが、このところ音に厚み・深み・力感の有る好録音に支えられた当盤に手を伸ばす機会が増々多くなってきたように思う。他の楽曲に於いても諸兄の仰せ通り最後まで弛緩すること無く丁寧に描写されている。この繊細に奏でられる音楽からは彼の人柄が偲ばれよう。響きの良いイエスキリスト教会と有能な録音スタッフに恵まれ、このコンビには取立ててハズレと思しき演奏が殆んど見当たらない程にその演奏水準は高い。小生にとっては、何某かのスーパーオケと呼ばれる団体よりは余程琴線に触れる演奏を提供してくれることが何とも頼もしくもあり有難いことなのである。

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     2012/12/27

    Legendary-Recordings10BOXの中にも収められている秀逸盤である。ルカ教会内に深々と響き渡り消えゆく様は実に心地良く、分厚い弦の重なりに止まらず、ソフトでありながら華麗で力強い金管群、艶が有りながらも渋く鄙びた木管群など、往年の良きSKDが奏でる音楽に酔い痴れることができる。まさにセッション録音ならではであり、なかなか一般のコンサート会場では得難い体験である。或る意味これこそが、当初は単なる記録から始まった行為を【レコード芸術】にまで昇華させ、更にその存在を永続足らしめることとなった証のひとつなのかもしれない。収録は’69年ルカ教会にて、BEはC-Struben、上述のように陶酔的な響きを捉えた手腕が光るCDである。

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     2012/12/27

    ’02年の発売から早や10年、リイシューも無く今以て健在なのが嬉しい。レヴュー数からしても察せられるが、当初は賛否入り乱れての評が飛び交う様相を呈していた。もしこれから当盤の購入を検討されるのであれば、失礼ながら昔日の小生寄稿分も含めこれ等レヴューの内容にはあまり目を向けない方が宜しいかと思う。既レヴュワー氏の中には種々雑多な刷り込みが災いしてか、かなりバイアスのかかった評も散見され、普遍的な説得力に欠くと思えるからである。そうした見地からすれば最新レヴューyouoneさんの御指摘は大いに参考になると思う。恐らく当盤を目隠しで聴かせてみて指揮者/オケを的確に言い当てる御仁はまず居ないだろうし、居たところで極めて少数であろう。それどころか、どの国のオケの響きなのかすら自信を持って答えられる方々がどれ程居るだろうか?音楽と向き合うに際しては、予備知識が理解の一助となる場合も有るとはいえ、得てして上記のような弊害を生ずる危険性を孕んでいる。【虚心坦懐】の境地にて音楽に向き合うのが理想なれど、真に「言うは易く行うは難し」である。

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     2012/12/27

    当盤も先のチャイコ交#4とほぼ同時期に収録されたパリ管とのセッションである。演奏に懸ける意気込みは十分伝わっては来るものの、やや空回りというか気合いだけが先行している感は否めない。録音は先と同じ会場であるが、BEはC-Parker、ReMEはI-Jonesと異なっており、小生所有の物は英EMI-artシリーズの国内プレスのようである。受ける印象は先のチャイコと大して変わらず、低域は確り出ているにもかかわらず体感上の響きが薄く感ぜられ何となく居心地が悪い。音場はスッキリ見通しが良いだけに帯域バランスの拙さが一層目立ってしまう。セッション会場は両者ともSalle Wagramだが、このホール固有の響きとは到底思えない。何故なら同じ条件下での収録でありながら良い結果を出しているCDが多く有るからだ。そもそもEMIに対する評価が芳しくないのはリマスター工程の拙さや出来/不出来のバラツキ(要は不安定と云う事)に一因があるからではないか?ここはBCレーベル等の爪の垢でも煎じて飲ませたくもあるが、最近では仏EMIに大きな改善の兆候が見られるので今後に期待することにしよう。

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