please enable JavaScript on this site.
Guest
Platinum Stage
Gold Stage
Bronze Stage
Regular Stage
Buy Books, CDs, DVDs, Blu-ray and Goods at HMV&BOOKS online
Advanced Search
TOP > My page > Review List of ほんず内閣総理大臣
Previous Page
Next Page
Showing 571 - 585 of 1081 items
%%header%%
%%message%%
5 people agree with this review 2012/05/10
ヴェルディの大傑作「ファルスタッフ」。アバドさんのこのディスクは、オペラとしてのこの作品のまことに見事な演奏というべきでしょう。いかにもアバドさんらしく、一切の誇張や無理がなく、自然な流れの上に、選り抜きの歌手たちが心地よい歌を聞かせてくれます。それは、たとえば、カラヤン&ウィーンフィルの新盤が、もっと演劇的な芝居っ気の多いスタイルになっているのとは違っております。個人的にはカラヤンのその芝居っ気がこのオペラにはとっても似合っている気はするので(すばらしい演奏ですよ!)、それに比べるとアバドさんはちょっとそっけないのですけど、でも、音楽としての完成度は極めて高い、立派なものだなあ。歌手はみんな見事。オケもフットワークの軽さを発揮してスゴイ出来(ベルリンフィルらしからぬといふ感じ)。録音は超優秀。傑作オペラの傑作ディスク、まことに結構でしょう。
5 people agree with this review
Agree with this review
3 people agree with this review 2012/05/07
この超ウルトラマニアックなディスクに、すでに5件ものレビューがあるなんて!全世界的規模でも何枚売れるかしらと気になってしまうこのディスクを、日本でしかもわかるだけでこんだけ聴かれてるなんて!!マニアの裾野は何と広大なのでしょう。さて、映像はすばらしく古めかしい。戦前の記録映画のようだぞ。焦点の甘い画像であることはもとより、カメラワークも稚拙。でもねえ、こういう画像が残っていたこと自体、奇跡のようなすばらしく貴重なことです。音質もそれ相応のもの。レンジは狭く、全体に団子状。演奏の良し悪しとかをまともに論じるほどのレベルでもない。それでもなんでも、このディスクを手に取る人は、とにかくホーレンシュタイン大先生に興味がある人なんだから、もう、いいんです。あまり大きな身振りではなく、むしろイヤに縮こまったサインの出し方が多いなあ。ちゃんと見てないと、意外に演奏が難しい指揮かもね。一か所に落ち着かずに方々渡り歩いたくせに、妙なところでレコード史に名が残ったり(SP初期の大曲!)、戦後すぐウィーンを中心にたくさんレコーディングをしたり、大イヴェントを任されたり(予算消化の「千人」!)、何とも不思議な存在のホーレンシュタイン大先生。ツボにはまった時は空前絶後の大名演を達成しますが、うまくいかないと正体不明の出来。不思議な指揮者だったなあ。放送録音が残っているんなら、もっといっぱい聴きたい指揮者であることにはかわりありません。
3 people agree with this review
3 people agree with this review 2012/05/06
ディレクターズカット版で、208分、要は3時間28分もの大作となったが、全編に漂う緊張感で全く長さを感じない。この時間の中には、艦員らとともに我々までもが息をつめてじっとする時間も含められ、画面の中の出来事に見ている側までもが没入せざるを得ないほど、強烈に引き付ける力がある。ここには声高に反戦とか厭戦とかのメッセージはない。そんなことを口に出す者はいない。セリフよりも、役者の顔や機械が雄弁に「こんなところにいたくない」という気持ちを表わし、閉塞的な空間の中で目の前に現れる事態に最善を尽くして立ち向かい、その営みの中で戦争という巨大な事業が進行してゆく、そんなさまが比較的淡々と描かれてゆく。潜水艦という人目を避ける存在は、逆に自らが相手を人間として見ることもなく、およそ仮想のような戦いを行う。近代戦の「卑怯さ」と「残忍さ」が集約されたような構図だ。この映画のあまりにも皮相で痛ましいラストには、言葉を失う。このクルーたちが苛酷な戦場を生き抜いたのは何のためだったのだろう?見る価値のある、重い映画である。このディスクには特典などは何もないが、まさしく不要で、映画だけで十分。なお、特撮などは確かにちょっとちゃちな感じになっちゃいましたが、これはいたしかたありません。
1 people agree with this review 2012/05/06
いくつかの点で興味深い、1965年のセッション録音。第1は、有名ながら録音が極少のコーンヤのローエングリンが聴けること。やわらかめの声ながら十分に力強く、ユーゲントリッシャーテノールとして外題にはぴったりかも。但し、ニュアンスの不足という感じもあり、やっぱり実演向けの歌手かなあ。第2は、第3幕での「ローエングリンの名乗り」が省略なし版であること。最近ではバレンボイムのディスクもこれを採用していましたが、それまではこの録音が唯一だったんじゃないかな。オペラの最後の最後、ローエングリンが抑えていたものを一気に放出する感じの、エネルギーに溢れた歌。でもなんだかちょっと長すぎないかな、という気はしますな。第3は、ボストン交響楽団がワーグナーのオペラ全曲を演奏した唯一の録音であること。実はある日、某CDショップに行ったところ「ローエングリン」が流れていて、そのブラスの物凄い響きに驚き、カウンターで確認すると実はこのCDだったという次第。即決その場で購入。全編、ブラスがびんびん鳴り渡るこのオペラでボストン響の威力は絶大!さて、コーンヤ以外の歌手の皆さん、玉石混交かな。男声はおおむね結構。女声がいまいちで、オルトルートのゴールはずいぶんきつそうだな。コーラスはまあまあ。ラインスドルフさんの指揮は、ま、手慣れたもの。何しろ戦前からメトでずいぶん振っていますから、手の内に入ったものでしょう。一切無理がなく、なかなかに堪能させていただきました。録音はほんの少し歌手陣が引っ込み気味で、オケが前面のバランス。ワーグナーの魅力は管弦楽部分に大きいので、個人的にはこれはいい感じ。レンジや鮮度は全く問題なしで、立派な録音であります。
1 people agree with this review
0 people agree with this review 2012/05/05
みなさまのレビューはなかなかに面白いなあ。けなしている方がおられるのはもっともだし、高評価の方も文を読むと誉めているんだかどうだか微妙な感じだしね。要は、小林氏のアプローチの「個性」をどう受け止めるかにかかっているのでしょうね。私として一言でこの演奏を表現すると、「頑張った大賞」的演奏、ですね。参加された演奏者のみなさん、頑張っていますよ。オケは遅いテンポでつらそうで、美感を欠く個所も目立つけど、頑張っているなあ。独唱者のみなさん、音域でも声量でもつらそうだし、おかげで充分な表現に達していないけど、頑張っているなあ。合唱のみなさん、迫力はあるけど、そのせいで美しくはなくなっちゃって、でも頑張っているなあ。そして、指揮者は大いに唸って頑張っているなあ(この頑張りは不要だな)。皮肉っぽい書き方になってしまいましたが、演奏者がこの演奏に傾けたひたむきな「情熱」を揶揄する気はありません。但し、その「情熱」を一種「内向きに」凝縮させるという、志向の転換もあっていいのではないかと思うのであります。「あふれるものをそのままにあふれさせる」のではなく、気体のガスを液体にするが如く、水を氷にするが如く、密度の濃い形へと向かう、そんな演奏を試みてはどうでしょうか。「炎から氷へ」、コバケンさんのパラダイム転換、期待してみるものです。テンポの設定、各パートのバランス、彫琢の余地は山ほどあります。かつて都響を振ってこの曲を演奏(録音)したベルティーニさんもインバルさんも、それぞれの旧録音とはずいぶん違うスタイルになっていたのは、演奏者の「力量」を十分に推し測っての賢明なありようだったのではないかしら。録音は優秀。実演で聴くのに近い音圧があって、結構だと思います。
0 people agree with this review
2 people agree with this review 2012/05/05
大好きな「アルプス交響曲」。この小澤さん&ウィーンフィルは、魅力たっぷりの充実した仕上がりであります。何よりウィーンフィルがすばらしい。弦楽器や管楽器はまさに輝きがあふれ出てくるようで、きらめいています。それに打楽器が実に適切な音量と音色で「締め」を与え、完璧なバランスを保っています。小澤さんの設定するテンポもよくて、安心して身を委ね、情感たっぷりのエピローグこそ、この演奏のクライマックスと言ってよいでしょう。付録2曲も面白し。無くたっていいけど、でも「アルプス」をはさんでこの2曲が配置されたのも、(山ではなくて)コンサート模様を思わせて面白いなあ。録音は超優秀。いいディスクですよ。大いにお薦めします。なお、これはセッション録音ですが、この直前のコンサートを聴いた、指揮者の裄V寿男さんがその感動を『戦場のタクト』という本の中で書いておられます。戦火のやまぬバルカンの地で奮闘努力する裄Vさんのその本もついでにお薦めしておきましょう。
2 people agree with this review
1 people agree with this review 2012/05/05
想い出します。このコンビのこのプログラム、私は昭和女子大人見記念のホールで聴いたのであります。その時が、海外オケも初ならマーラーの実演も初という、わが音楽視聴歴の重大事件でありました。マーラー冒頭のシンバルの強烈な打撃でノックアウトされ、ぶあつい弦の大波に翻弄され、自信たっぷりに朗々と咆哮するホルンに驚き、とまさしく万事に圧倒されたのを今も忘れません。このディスクはその記憶をまざまざと再現してくれます。大編成による厚くたっぷりとした「ハフナー」は、確かにこんな感じでした。力に満ち、推進力を持った、大きな存在感のあるモーツァルトです。そしてメインのマーラー。重く、粘り、激しく、それでいて内にある感情を歯噛みしながらまだ内部にマグマとして留めているような、恐るべき高エネルギーの演奏でした(私が聴いた当日は、ほとんど90分に近い演奏時間だったな)。これは誰にでも薦められる演奏ではありません。キワモノとまでは言いませんが、あまりにも異形の、個性的で特別な演奏です。マーラー演奏に異常な情熱と使命感を持ったある指揮者が我々に突き付けた、現代におけるマーラー演奏の意義に対する問題提起にしてかつ一つの回答、とでもいうべきものとして、ひとまずは受け止めて欲しいと個人的には思います。名演とかいう言葉はふさわしくなくて、ひたすらに凄演です。思い切り没入して聴くと、かえってカタルシスの得られる演奏です。録音はまあ良好でしょうか。実演でのこのコンビは、本当にものすごい音圧で、全身が(飛ばされるのではなく)つぶされそうでした。優秀とまでは言えませんが(ややレンジが狭く、鮮度に不足)、鑑賞には十分です。
この演奏、かつてNHK−FMで放送されたものと同じかな?エアチェックして聴いたはずだけど、当時は「ホフマン物語」もあまり馴染じゃなくておぼえていないな。さて、その後、多くの演奏を聴いて今やすっかり大好きになったこのオペラ、このディスクも大いに期待して聴きました。録音のせいですかねぇ、歌手がちょっと奥に引っ込み気味で、特にドミンゴがひ弱に聴こえてしまいます。一方、演出のせいもあって、舞台での音(小道具移動、足踏みなど)はやたらに騒々しく、結構げんなりします。さて、演奏。歌手陣はなかなかに強力なキャストなのですが、みなさん調子はいま一つ。一番安定しているのは敵役のヴァン・ダムで、他はみな不安定な感じから抜けきれない。惜しいなあ。レヴァインの指揮はさすがに練達の指揮ぶり(この時まだ若いですけどね)で、よくまとめています。但し、アントニアの幕ではちょっと鳴らし過ぎだな。ウィーンフィルはここではそんなに固有の魅力を感じず、とくに何とも(オペラの実演で聴くとものすごく絶妙ですけど、ここには反映されず)。さて、めったやたらにエディションの多い「ホフマン物語」ですが、ここに聴くのもまるで他にない版で、個人的好き嫌いとしてはなんだかあまり面白くない。特にラストが静かに終わるのはつまらないなあ。多くの哀しい物語を経て傷ついたホフマンに希望が見えないものなあ。以上、万事、ちょっとがっかりのディスクでした。
1 people agree with this review 2012/05/03
聴き終わって持った感想は、「やっぱり『大地の歌』の演奏は難しいんだなあ」というものです。ここでは二人の歌手がどうにも非力にしか思えません。特にテノールは、リリックな声質の上に声量も無いようで、まるで歌いきれてないなあ。アルトも表現力が不足かな。都響は特段瑕疵はありませんが、もっと表現豊かでいいでしょうねぇ。この曲、トータルでは大編成になりますが、それが全合奏で威力を発揮する個所は少なくて、むしろ、それぞれのパートがちょっとしたフレーズや歌において技を求められる個所の方が多いであります。都響はそこにいささか「味」がないかな。ベルティーニさんもちょっとなすすべなし、という印象です。本当に難しい曲だなあ。そのことを痛感し、そこを差し引いても、このディスク、出来栄えはいま一つのような気もします。
このアルバム、バーンスタインのモーツァルトが聴きたい、という興味ではなく、あくまでバーンスタイン&ウィーンフィルだからそのモーツァルトが聴きたい、というところではないでしょうかね。演奏の姿勢は、ま、予想通り。モダン楽器の大編成による恰幅の良いモーツァルトであります。個人的にはこういう演奏は好きなので、それなりに堪能しました。但し、いささか鷹揚過ぎると言えばいいのか、オケの響きはくすみ(濁り)がちであまり美しいとは思わなかったなあ。また、やっぱりちょっと重くて、もう少し弾力があってもいいな。でも、バーンスタインのモーツァルト、やっぱりこういうところに落ち着きますよね。それを承知の上で聴きましょう。そう思えば、これはこれでいい演奏だと思いますよ。
1 people agree with this review 2012/05/02
20年前の録音で、メストさんのごく初期のディスクです。シューマンとメンデルスゾーンという組み合わせもいいですが(いかにもロマンティック)、演奏も大変に優れているのではないでしょうか。いたずらに力まず、しかし無難に振っただけではありません。傑作はシューマンの交響曲第2番。冒頭のトランペットのシグナルを実に意味深く鳴らし、いかにも何かあるぞと思わせる、なかなかの策士的演奏で、シノーポリ&ウィーンフィルよりもいいんじゃないかなあ。メンデルスゾーンでは「スコッチ」がいいですな。陰鬱な感じが重さを伴わずに表わされ、一種爽やかさを持っているようです。他の曲ももちろん水準以上。ロンドンフィルも、やや重い気はしますが立派な腕前。録音も良好。これはいいアルバムだと思います。
3 people agree with this review 2012/04/25
正直、安かったので購入。名声隠れも無き、フルトヴェングラーの演奏をいろいろ聴いてみようという動機です。聴き終わりまして、正直なところ感想は以下の二つ。@ここに収められた演奏からは、フルトヴェングラーの偉大さはわからない。A個々の曲を楽しむには、このフルトヴェングラーのディスクでなくてもよい。もうちょっとコメントを。@ですが、このアルバムにはフルトヴェングラーが得意にしたベートーヴェンが一曲もなく、ロマン派以降なら大曲が一曲もない。フルトヴェングラーが彼らしさを存分に発揮したそれらレパートリーがないこのアルバムでは、彼の持ち味・偉大さはやはり伝わっては来ませんな。Aについては、「レ・プレリュード」などに確かに彼の芸の片鱗は見えますけど、録音の新しい演奏で普通に聴いてこの曲の魅力は充分にうかがえますやね。なにもこの盤を取り出さなくてもいいな。なお、「レ・プレリュード」では、音が古くてもスゴイのはメンゲルベルクの大演奏、ちょっと古めで立派なのはシェルヒェンです。新しめならカラヤンで十分。ということで、このアルバムには偉大なフルトヴェングラーはいない(感じ取れない)というのが正直な感想です。彼のすごさは、まず大曲、例えばロマン派の大交響曲やオペラにはっきりと表れます。そして、セッションではなく、ライブで発揮されます。彼の内面で形成される音楽への巨大な想念が存分に活かされるのはそういうレパートリーじゃないですかねえ。ありきたりの平凡な感想ですけど、そんなところじゃないかなあ。このアルバムは、そういう位置づけの中に置いて聴いてみるのが妥当ではないでしょうか。但し、今回初めて聴いたモーツァルトの交響曲第40番には感動いたしました。曲想のせいか、彼の心の動きが素直に演奏に反映されて訴える力を感じました。フルトヴェングラーにモーツァルトが合わないとかいう言説は、少なくともこの曲には該当しないぞ。
まず明記しておきましょう。このディスクの音声は「モノラル」です。パッケージにも書いてありますし、何よりも聴けばわかります。もう一回。「モノラル」です。下のレビューでステレオと書いている人がいますが、大ウソです。そして、その「モノラル」であることがこのディスクの価値を相当に下げています。モノラルでも拡がりとか奥行きとかを感じさせるものもありますが、これは真ん中にギュッと固まったような音像で全くそうではない。ダイナミックレンジもかなり狭く、大管弦楽作品を聴くにはいかにもツライ。オケの配置が「対抗配置」になっているので、いろいろな効果も期待できたでしょうに、それも何にもわからない。まして、ケンペさん、実演ならではのノリで、相当にオケを煽って大迫力でやっておりますので、とても残念。ロイヤルフィルを存分に開放した「英雄の生涯」も聴きごたえがあったでしょうし、どういうわけか第3楽章以降急に爆演系にギアチェンジする「新世界」も面白い。それがこの不満足な音のせいで、結局、「記録」の意義にとどまってしまったのはあまりにも残念と言わねばなりません。ケンペさんの指揮、きっとオケの人は演奏しやすかったんじゃないかな。指示が明確で適切で、安心して委ねていられるような印象です。画質は時代相当。
1 people agree with this review 2012/04/24
なかなかに興味深い演奏であります。テンポは快速、なんたって60分で全曲が終わっちゃう。鈍重さは微塵もない。いかにも往年のドイツの巨匠のブルックナーらしく、金管群は大咆哮。実に輝かしい、イギリスのブラス。一方で弦は実にしなやかによく歌う。表現力において金管に伍しております。クレンペラー、ここでは金管の扱い方が実に巧妙で、グループの中でのバランスも絶妙だし、また、対位法的な部分ではいかにも立体的な鳴らし方(かけあい)のように処理されて、実に面白く聴きました。なるほど、クレンペラーさん、すごい人だなあ。大いに感服いたしました。スケール雄大とか、逆にしっとりとか、そういうタイプではありませんで、むしろ意外にこれがスタンダードっぽい路線なのかもしれません。録音は優秀。レンジはやや狭いながら、鮮烈な響きがしっかり伝わってきて、不満ありません。
1 people agree with this review 2012/04/22
さて、まあ、昔から出ている音源で、有名ではありましょうけれど聴いた人は少ないという、きっとそんな演奏ではないですかな?カラヤンの指揮は颯爽としていかにも劇場におけるライヴらしく弾んだもの。タイミング的には速くはないのですが、耳で聴いている分にはすいすい流れてゆく感じです。なかなかにうまい雰囲気づくりかとは思いますよ。でも、音のバランスやら状態やらの問題がありますので、演奏の出来栄えそのものを楽しむというよりは、やはり戦後再開したバイロイトの新たな一ページの記録という要素の方が大きいでしょう。歌手陣はなかなかに面白い。びっくりするのは、ホップのシュトルツィング。何ともロブストな声で、近年のリリカルな歌手とは大違い。でもこれぞ騎士様かもしれませんな。エーデルマンはじめ低音男声陣もみんな凄い太い声。シュヴァルツコプフはやっぱり古めかしい歌。総じて歌手陣は近年とはずいぶんと違うスタイル。個人的には悪いとは思いません。録音はいいとは言えない。年代とライヴであることを思えば、あるいは「良好」かもしれませんが、この大オペラを楽しむにはやっぱり不足というほかないでしょう。
Back to Top