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Review List of ほんず内閣総理大臣 

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  • 2 people agree with this review
     2013/01/06

    これは素晴らしいボックスですねぇ。全体にかなりのハイ・アベレージでして、確かにナンバーワンはないと思うのですけれど、交響曲も協奏曲もブラームスの魅力を存分に味わわせてくれる、立派な出来栄えです。いたずらに「力」を誇示せず、かといって弱々しいところはない。繊細な美しさをしっかり表現しつつも、一方で毅然とした強さを失わない。個性的ではないけれど、そうそう真似のできるものではない。音楽家としての相当な高み、その境地を確かに示しております。立派な音楽行為ではないでしょうか。前述の通りトータルでハイ・アベレージで、特にどれがいいということはありませんが、交響曲はどれもいいなあ。強いて言えば、第2番の憧れにも似た伸びやかさ、第4番の毅然たる憂愁は、ジュリーニさんならではかもしれませんな。録音も全く問題なしで、鑑賞に不足なし。ただ、一番新しい交響曲第4番がなぜかちょっとヒスがあって古めかしい音になっています。でもまるで問題なし。60年代のジュリーニさんの完成度の高さに大いに感服するすばらしいボックスです。よかったなあ。

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     2013/01/05

    どうもねえ、この本、私は好感が持てない。だって、270ページあるうちの3分の2は『レコード芸術』巻末のディスク一覧の転載ですぜ。残り3分の1も、そこそこのお薦めガイドでありまして、手抜き感はたっぷりで内容的にはもの足りないことおびただしい。SACDというフォーマットの特質や可能性についてもっとしっかり説明してくれてもいいんじゃないの?また、「レコ芸」の転載じゃなくてもっとこれ専用の一覧の作り方もあったんじゃないの?正直、いい製品だとは思いません。但し、現時点におけるカタログとしてはそれなりに便利なものではありますでしょう。

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     2013/01/04

    まことに立派な演奏であります。大変感服いたしました。テンポは速めで、時々揺れ動きます。うっかりすると若干不安定にも聴こえかねない個所もありますが、実は決して「不安定」なのではなく確かに指揮者の「揺らし」であります。ベースになるテンポとバランスとをしっかり設定しながら、実演での感興をちょっぴり盛り込んだ、そんなところでしょうか。マタチッチさんのブルックナーは「豪快」という語で評される場合もありますが、この第8番にはその語はふさわしくありません。むしろしっとりした場面が多く、無理のない、一種枯淡の境地すら感じさせましょうか。N響はここではその持てる技量を十分に発揮し、良い出来栄えです。ま、さすがに疲れたのか、第4楽章では予想(予定)どおりに金管がミスをやらかしますが。録音はオケの響きをとらえ損ねているのでしょうか、音が薄い気はします。オケが鳴りきっていないのかもしれませんが、やっぱりNHKホールの巨大さが原因かな。ライナーノートで某評論家がめったやたらに褒めるほどのスゴイ演奏だとは思いませんが、「名演」と称して過言ではありますまい。

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     2013/01/04

    まず、誰も触れてないから一言。ローエングリンの名乗りは省略なしの長い版でして、バレンボイム盤でもそうだったものです。さて、強力なキャストを揃え、入念なセッションによる新録音で大いに期待されます。ボータの外題は美声を活かして抒情的な像であります。毅然としたヒロイックな姿ではなく、美しい歌へと傾いた感じかな。でもそれはこの演奏全体の姿勢と重なるものであります。女声陣も同様な「美しい歌」を聴かせています。低音男声陣は強力で張りのある、勇ましい歌を聴かせてくれます。すっかりベテランになったシュトルックマンがいいですね。役柄上、テルラムントは決して「オジサン」ではないのですが、ステージではローエングリンとのコントラストのためですかね、いつも「オジサン」にさせられています。シュトルックマンはテルラムントが確かに武勇に秀でたまだ若い男であることを十分に示しています。さて、最後にビシュコフ。劇場で繰り広げられるオペラというよりも、シンフォニー・オーケストラの演奏する歌入り音楽というアプローチですかねぇ。ものすごく精緻な演奏で、ことに弱音部の精妙さはこのディスクならではのもの。オケは大変美しく、コーラスも含めてよく整えられていて、その完成度の高さは見事なもの。ですけどねぇ、そこがまたやや不満でもあるのだなあ。「ドラマ」としてもっと起伏をつけて、またもう少しオケを鳴らしてもいいな(個人的趣味です)。といふことで、トータルの質の高さには大いに感心しつつも最高まではいかなかった、ってなとこです。録音は優秀。

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     2013/01/03

    画像も音声も古いのはいたし方ないですが、それでもこのステージ・演奏が残されたことはなんと幸せなことでしょう。ストーリーから音楽まで全てが現実離れして「人工物」であるこのオペラ、その「人工」ぶりをこれほど完璧に極めた演奏もありますまい。美しくはかなく、その一方、下世話で下品であるこのオペラの演奏としても究極と言えましょう。歌手もみんないいでしょう。主役3人の女声は文句なし。エーデルマンのオックスはまさしくイヤな奴の体現。なんかよく評論でオックスも貴族で悪い奴ではないみたいなことを言う人がありますが、西洋東洋を問わず、貴族といっても貧乏なのも品性下劣なのも残酷なのもいっぱいいまして、オックスはむしろその典型ですぜ。漁色と吝嗇、歌詞で追っていけばオックスのキャクタライズはそれ以外にないでしょう。オックス弁護はむしろ歴史に不勉強な庶民のたわごとであります。それはさておき、ファーニナルのクンツがすばらしい。ずっとずっと自分の地位向上しか考えぬ勝手オヤジで通しながら、オペラのラストで全てを理解し「若い人はこんなもんですな」という達観と同時に未来がひらめいたような見事な一言で去ってゆく、その姿の何とすばらしいこと!!感動しましたね。最後ながら、カラヤン&ウィーンフィルも申し分なし。何もかも全ての条件が揃った1960年の奇跡。良いソフトであります。

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     2013/01/03

    レヴァインの再録音。フィラデルフィアとの旧録音は、意外にもというと失礼ながら、優秀なオーケストラの力をフルに活かして明朗快活、生気あふれるよい出来栄えでありました。ベルリンフィルとの再録音は、きっとそうしたレヴァインらしさにドイツ風の重厚さが加わってなかなかに凄かろうと期待されます。ところが、以前のような生気は消え、どこか煮え切らない結果となりました。ベルリンフィルもなんだか軽い響きで重心が高い。総じてこの再録音は中途半端な印象であります。指揮者とオケの双方ともスランプかなあ。あるいはレヴァインとベルリンフィルの相性かなあ。いくつかのベルリオーズの録音もそんなにいいと思わなかったんだよなあ。もちろん、技術的破綻などはなく、全体はハイレベルなのですけれどね。それでは音楽は済まないのだな。旧盤は一種の開き直りのような、あるいはむしろ積極的な確信のもとに、レヴァインはシューマンの陽性の部分と美しい旋律を思う存分美しいパッケージで披露したようなもの。それがここではドイツ音楽の権化のようなベルリンフィルを相手にしていささか腰が引け、またシューマンに晦渋さや屈折を見出してしまってこれまた一歩後ずさりし、その結果、レヴァインは以前ほどの溌溂とした賛歌を奏でられなくなったとかいう感じかな。遺憾であります。

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     2012/12/27

    大好きな『ホフマン物語』。楽しくも残酷なオランピアの幕、暗く哀しいアントニアの幕、美しくもおどろおどろしいジュリエッタの幕、そしてそれらを包み込むルーテル酒場の陽気な風景、どこをとっても魅力的な素晴らしいオペラ。エディションの違いが多々ありますが、これは何版かなあ。よくわかんないけど、魅力的なナンバーは全部入っているし、筋ははっきりしているし、ま、どの版になじんでいても楽しめます。超強力キャストを揃えたこの録音。ドミンゴは再録音。旧録音のボニング盤は私の長年の愛聴盤でまことに楽しく軽やかないいディスク。そこでのドミンゴはまさしく「歌」を聴かせてくれましたが、ここではもっと「芝居」に傾いていますね。そこがいいとも悪いともいえますな。個人的にはもっと歌を聴かせて欲しかったな。声もなんだかあまり美しくない。ヒロインのグルベローヴァもどうですかねえ。オランピアがいかにも彼女向けですが、やや聴かせ場の少ないエディションのせいかあまり心奪うというほどの出来でもないかな。モリスは悪役的な表情がまだまだ。ということで、主役3人に私は少し(かなり?)不満だな。そしてそれは小澤さんのせいではないか、と思ったりもします。基本的に生真面目に取り組んでいるのですが、それが劇としての起伏をうまく生んでくれません。煽ったり急がせたり、テンポの緩急や各声部のバランス調整などでドラマを盛り上げるとかしてくれた方がいいですよね。オケの細かい動きがこれほど良く分かる『ホフマン』も珍しいのですが、それがオペラとしての面白さに結びつかないのだなあ〜。歌手もそういう姿勢につきあって、トータル、生真面目一本の印象が強いです。残念だなあ。なお、データでは録音は3年間にまたがっていまして、部分的な録り直しも含めてなのでしょうけれど、ま、なんかその辺のところも関係あるのかねぇ。なお、90年代のメトでの『ホフマン』が、演出も含めて、ドミンゴが圧倒的なステージだったそうです。それ発売されませんかねえ。期待します。

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     2012/12/27

    ライナーに録音についてのデータが何もなし。HMVさんによれば1982年のライヴとのこと。ライヴとは言ってもお客さん入りの実演ではなく、DVDになっているあの映像ものの音声部分だけということでしょうな。ステージノイズは結構入っていますし、オケの配置も劇場型だしね。さて、もうずいぶん前に出ている音源ですから、評価も定まっているディスクでしょう。とにかく素晴らしいのは外題のホフマンさん。彼としても絶頂期だったのではないかな。美声で朗々と歌われ、高音もしっかりし、若々しくて何より十分にヒロイックであります。それに比して女声陣はやや不満あり。エルザは荒く、清澄さに不足しますし、オルトルートは凄み不足。テルラムントもやや弱い。ハインリヒや式部官はきりっとして結構。となると、ホフマンさんの一人舞台の感もあるね。ネルソンの指揮も今一つ特徴の弱いもので、「ローエングリン」の魅力を伝えるには不十分だなあ。特に第2幕が弱い。但し、第3幕は大変力強く、迫力満点の男声合唱とバイロイトのオケの威力もあってとてもすばらしい出来栄えです。録音は優秀。『ローエングリン』を気楽に楽しむ分にはまことによろしいディスクでしょう。

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     2012/12/23

    半世紀も前の録音ですが音質面での不満はほとんどありません。驚異的な高音質で、音の粒の明瞭さ、レンジの広さも十分。但し、協奏曲ではオケの一部の楽器の音色がシンセサイザーっぽくなっていて、不自然なところもないわけではありません。それでもこれらの名演を聴く分には何の問題もありません。当時のRCAのお仕事の水準の高さは素晴らしいものです。さて、協奏曲は力強さが特徴で、硬派のアプローチ。デレッとしたところのない、潔癖な演奏です。もちろんいいですよ。立派な出来栄えです。「くるみ割り人形」も同様のアプローチ。こちらはもう少し柔軟さというか色気というか、はずむようなわくわく感があってよかったかな。でも、極めて質の高い良い演奏です。といふことで、往年の巨匠たちによる強靭できりっとしたチャイコフスキーのディスク、お楽しみを。

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     2012/12/23

    2Dで視聴。ホントは3Dというところが売りなんでしょうけれど、個人的には3Dには何の興味もなし。といふことで、普通に映像と演奏について述べましょう。新しいこともあって、映像は超キレイです。くっきりして明瞭。カメラワークも絶妙で、曲に合わせてふさわしい画面が出てきます。演奏は最近のラトル&ベルリンフィルの特徴がよく出たもの。ラフマニノフではたっぷりとした抒情を流しつつ、重厚な響きを獲得しようとしております。いろんな演奏で聴いたけどあんまり印象に残ってなかったこの曲、このラトルの演奏は最上のものであります。次いでマーラー。こちらは様々な手管が繰り出されるタイプの演奏で、人工的なアプローチです。音量の強弱のコントラストには特にこだわり、またルバートも頻出。響きは全体にやや軽めで、その一種スマートさが身上でしょうか。但し、やっぱりそれはどこか物足りないというところにつながります。感情面での起伏が大きくないんだなあ。まあ、しょうがないのかもね。スーパー・ハイレベルだけど究極の名演にはならない、という、ラトルらしい結論でありました。

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     2012/12/23

    説明にある通り、手塚治虫の漫画「雨のコンダクター」と、バーンスタインのDVDの組み合わせ。漫画について一言。ニクソンのパーティー(オーマンディ&フィラデルフィアの演奏付き)に対して、バーンスタインが有志を募ってハイドンの「戦時のミサ」を演奏した件については、私はリアルタイムで憶えております。「レコ芸」の反応も覚えてますよ。声楽の評の畑中氏はニクソンやオーマンディのノー天気ぶりに怒りをあらわにしてましたなあ。当時、「レコ芸」には粟津則雄・林光・黒田恭一の3氏による鼎談が載っていてこれが面白かったのですが、そこでも取り上げられ、林氏だったかな、「バーンスタインは何をやっても青少年のためのコンサートという感じがするけど、これはそれがないな」と言ってたのが面白かったな。上記は、バーンスタインの「戦時のミサ」旧盤についてです。政治問題に端を発してはいますが、音楽家であるよりもまず「人間」であるというバーンスタインという稀有の人物の偉大なモニュメントでありました。そのエピソードを手塚が漫画にしたものが「雨のコンダクター」であり、やはりバーンスタインという人物の魂に打たれた巨匠手塚の心意気でもあろうかと思います。この漫画は私ははじめて読みました(存在そのものを知らなかったし)。短編であり、また正直今となっては多くの説明(注釈)がないと分かりづらいのも事実でしょう。そこは本製品がもっと多くの説明をしておいてよかったのかもと思います。さてDVDの方ですが、ずっと後年の演奏で曲にふさわしく迫力満点の出来ですが、ただ気構えとしてはごく普通の感じがします。かつての行動(演奏)のことはもうすっかり遠い昔のことで、もうそういうこととは違うステージにいるのだよということかな。それはそれで当然のことでしょう。ごく普通の演奏(イヴェント)の記録、そんな感じのディスクです。その意味で、漫画と演奏との間に懸隔があるのは事実でして、そこはどうかなという気はしないでもありません。企画は面白いし、この話は記憶されていいと思いますがね。なお、旧盤は最近出たニューヨークフィルとのハイドンを集めたボックスに収められています(買ったけど未聴)。

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     2012/12/22

    傑作オペラ。前半のドタバタから後半の見事な音楽劇(オペラ)となり、ラストは限りなく高揚してゆくシュトラウスならではの輝きに満ちた絢爛たる最高の音楽。このステージでも大いに堪能できます。歌手は女性陣が充実し、みな立派な出来です。男性ではヴィラーズが頑張りました。高音の輝きが求められる難役ですが、いい声で歌い切りました。テオ・アダムが出ているのがいいですねえ。ベームの『リング』でヴォータンを歌っていましたから超大ベテランというところですが、実は『リング』の時はずいぶん若かったのですね。健在ぶりがうかがえます。デイヴィス指揮のDSKはもちろん立派なもの。小編成なのに大オーケストラを彷彿とさせる豊麗な響きで充実の限り。演出は現代的なシチュエーションで、正直なところその意図はよくわかりません。音楽の邪魔はしていない、とだけ言っときましょうか。総じて高水準のステージ、なかなかに結構でした。録音は優秀。なお、このDVDソフト、中国語版は台北で700円くらいで売ってました。DVDの価格の彼我の差、どういうことなのでしょうねえ。

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     2012/12/21

    一言でいえば、「上岡さんの個人的演奏」、かな。ライヴでの感興のおもむくまま、楽想から得られた情感を思い入れたっぷりにぎゅうぎゅうぎりぎり詰め込んで、オケも聴衆も引きずりまわした、ってなとこかな。個人的には大いに結構だと思います。これくらいの表現意欲がなくては人の心を動かすチャイコフスキーはできませんね。ただ、冒頭に「上岡さんの個人的演奏」と書いたように、ここに表れた上岡さんの感情の振幅に同調できるか否かに、この演奏の評価はかかっているでしょうか。「悲愴」ではバーンスタインの新盤が、その思い入れの強烈さゆえに、いかにも奇矯なようでいながら逆説的に強烈な説得力があったのに比べ、上岡さんの場合はまだそこまでの力はないかもしれませんね。また今後に期待。録音は優秀。

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     2012/12/21

    この演奏には私もちっとも感心しない。はっきり言えばがっかりしました。ほとんどの演奏が力強さと勢いと、そして猥雑さを盛り込んで、華やかにまた豪壮にしかしひねた影のある、そういう再現をするこの曲。ハーディングはそういう従来のやり方を拒否し、勢いに呑まれないよう注意しながら、楽譜を克明に再現するという手に出ました。そのため、管弦楽も声楽もこれまで気づかなかった表情がいくつもあって、なかなかに発明は多いというところです。バイエルンのオケやコーラス、ソリストもみなスペックの高いメンバーが集まっているので、成果としては明白に出たというところでしょう。ところが完成品としては平板で、まるで生気のない活力に欠ける調子になってしまいました。ソリストたちの癖の強い歌のおかげで部分的には表情の変化は付いているようにも聞こえますが、トータルはさほどでもなしといふ感じ。私はどうもハーディングのスタイルに合わないんだなあ。これもいい印象を持ちませんでした。残念。

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     2012/12/20

    いまや向かうところ敵なしのインバル&都響コンビ。このディスクでも実に見事な演奏を聴かせてくれます。正直、ブルックナーの交響曲第2番は、これまで何度聞いてもいい曲だとは思いませんでした。ところが、このディスクは聴き始めてすぐに「ああ、いいなあ」と感じました。旋律線とそれを支える声部とが一緒になってほくほく呼吸し、音楽はふくれたりまた静まったり、生き物のように動いていく、という感じかな。曲を面白がらせるための工夫をしているのではなくて、まさに曲を活かす技を使っているのだな。見事なものです。カペルマイスター出身の巨匠たちの伝統的な演奏や、チェリビダッケが聴かせた偏執狂的な絶対音楽再現主義的演奏とも違う、インバルさん独自の新しいブルックナー演奏スタイルを確立したとまで言っていいのではないかしら。都響も立派。ただここではもう少し音色に美しさがあったら良かったけどなあ。ま、ぜいたくすぎる不満かもしれません。録音も優秀。傑作ディスクです。

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