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Review List of 一人のクラシックオールドファン 

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     2010/05/23

    朝比奈隆の指揮するブルックナー交響曲第7番もその演奏盤が数多く残されております。私の手元資料からは以下のとおりであります。・・・1968年日フィル@20’47A22’03B9’34C12’44,1975年大フィル(本盤)@22’49A25’01B9’34C15’23,1976年大フィル@20’50A23’10B9’34C13’10,1983年大フィル@19’59A22’28B9’16C13’31,1992年大フィル@20’58A21’20B8’10C12’42,1992年新日本フィル@22’04A23’53B8’52C13’23,1994年都響@22’21A22’10B9’38C14’53,,1997年都響@23’18A23’55B9’35C14’08,2001年都響@21’39A20’16B8’51C13’59,2001年大フィル@21’18A20’40B8’35C13’21・・・。さて、本盤はその中でも海外演奏旅行ライブ盤、しかもその会場はブルックナー縁りの聖フローリアン寺院マリモアザールで否が応でも注目せざるを得ない盤であります。一連のこの曲の演奏盤でも比較的朝比奈がまだ若い?頃のもので1908年あのカラヤンと同じ年生まれなので1975年本演奏時推定67歳・・・これから益々充実していく頃です。会場の残響を考慮して朝比奈は少しゆっくり目に曲を運んで行きます。管楽器も幾分抑え気味です。第2楽章などハース版使用のため打楽器が排除されているのもある意味結果論的には会場と合った感じがします。独特のやや霧がかった雰囲気の充分時間をかけて前半二楽章が終わり次の第3楽章にかかる前に寺院の午後5時を知らせる鐘がチーン、チーンと遠くで聞こえます。この間約30秒・・・朝比奈はその鐘の鳴り終わりを待ってスケルツォ第3楽章の棒を下ろします。ここでは少し厳しさが加わり決然と進んで行きます。タイム的にはこの楽章は遅さが感じられません。最終楽章は又雰囲気的には戻っておりゆったり感が味わえます。健闘したオーケストラの力不足はあったとしてもそれを補うこの全体の雰囲気は一度聴くべきでしょう。時々寺院の扉らしいものの開閉音とかが入っていますが最後少し余韻を待って静かに始まる拍手もライブらしいです。全体インテンポで進めて後年変化して見せる朝比奈の武骨さとは少し違ったニュアンスの演奏ですが最高かと思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/23

    ドゥダメルというベネズエラの若い指揮者を知ったのは店頭でのDVD画面で派手なパーフォーマンスと団員の若きエネルギーを観たのが初めてでありました。本盤はドゥダメル・・・1981年生まれというからまだ30歳位でこれも若いオーケストラSBYOV(1975年青少年音楽教育の為に結成されたものユース・オーケストラの様なもの)を振って2008年演奏したチャイコフスキーの交響曲第5番その他のライブであります。交響曲の演奏タイムは@15’14A14’29B6’17C12’10と取り立てて特徴はありません。演奏自体もDVDで見た印象からすればもっとパーフォーマンスがあるのかなとは思いましたがどちらかと言えばおとなし目な感じがしました。最初の楽章は本線乗りを探っているようで終始マァマァといった感じです。終わりの方は若いSBYOVの迸りが聴けました。続く楽章はややゆったり目にスタート、エネルギーは何故かコントロールされているようでそれだけある苛立ちを覚え確かにその効果は逆にあるようで、楽章は静かに閉じます。これもゆっくり終わった第3楽章はもう一押し欲しい処で最終楽章に期待しました。その最終楽章、少し特色を見せ全員がようやく乗って来た感じです。クライマックスにかけては弦を思い切り表に出し管楽器かそれを上回る強奏で対抗させ各パートの役割を明確にします。緩急も強調しマーチ風に突入、煽り立てる様な野生的な躍動感のある一面も聴かせます。以上なのですがここには彼らにしか表せないものが私には拾えませんでした。確かに映像では見れるはちきれんばかりの・・・私などは若い女性に注目しがちになります・・・メンバーの生命力溢れる勢いが、そして指揮者の指揮ぶりがCDだけでは分からないので一度彼らのビジュアルに接した場合は少し頼りなく感ずるかもしれません。幻想曲「フランチェスカ・・・」(演奏タイム25’33)の方が勝負が結構速く大波小波具合が分かり易かったです。いずれにしてもこれからのクラシック音楽の一つの方向性を示す指揮者でありオーケストラではあるとおもいますが本盤は当面OKランクにしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/22

    鈴木の率いるBCJ演奏によるバッハのカンタータシリーズももう40巻を優に超えてその演奏スタイルというのが定着しておりますが(2015年には一応カンタータ全曲録音完成予定と聞いております)本盤は12巻目の1999年録音のまだこのシリーズ初期にあたるものでBWV147「心と口と行いと生活が」(タイム第1部18’50,第2部10’58)とBWV21「我が悩みの多き」(タイム第1部22’39,第2部15’37)という大作、私も好きなどちらも二部構成のカンタータ二曲を納めたCDです。私がこのカンタータに若い頃から親しんでいるのはやはり「心と口と行いと生活が」と「我が悩みの多き」というタイトルが単にキリスト、主、信仰、羊といった凡な語句が入らない処・・・もっとも曲本体には豊富にこれらの語句はいつものように唱えられていますが・・・が身近に思えたからでしょうか。前者BWV147は有名なコラールが一部、二部とも最後に合唱(どちらも3’00)されるものですが独唱者も素晴らしいです。第3曲のアルトアリア(4’00)の抑制の効いたロビン・ブレイズ(カウンターテナー)も素晴らしいし、第5曲目ソプラノアリア(4’14)の野々下由香里の澄み切った透明感あるよく通る声が特に心に浸みました、それに伴奏の寺神戸のヴァイオリンや鈴木のチェロなどお馴染さんもその感激を倍加してくれます。又BWV21「我が悩みの多き」は最近いろいろ悩みの多い私に第1部では悩みをそして第2部ではそれを超えた喜びを謳いあげて(このカンタータでいう悩みなどとは違うのだけれど)少しでも自分の心痛を軽減してくれるカンタータとして受け止めて聴く場合が多いです。本盤では落ち着いたペーター・コーイのバスと野々下のソプラノによる第8曲二重唱(3’56)が聴きもの。ベテランテノールのゲルト・デュルクも健闘しています。このカンタータは第1部の初め第2曲の悩み合唱(4’01)と第2部最後の喜び合唱(3’09)が対を成し演奏もこの辺りよく斟酌したものかと思います。大体日本サイドでバッハカンタータ全集を完成しようという偉業はやはり少年期から録音場所でもある神戸の学園チャペルでオルガンを弾いていたという鈴木の体に染み付いた信仰に近いものがあってこそと思われます。シリーズ初期に属する盤としては最高ランクにしたいですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/22

    私の住んでいる町の出身である貴志康一は1909年生まれであるというからあのカラヤンらとほぼ同世代、ジャケットに載っている彼の指揮姿その他の写真(あのフルトヴェングラーと撮った写真も含まれます)を見るとその端麗な容姿からふとカラヤンの面影を見た想いでボンボン育ちであることがなんとなく分かりますね。本盤はやはり同市内のボンボン学校?として知られる甲南学園(1918年広田内閣で文部大臣を務めた平生という人が設立した学校で貴志が途中まで通学していた時期1920年代中頃ではまだ産声をあげて間もない学園でありました)の保管SPから復刻された盤で当然ノイズもありそこは前提済みなのですが何と言っても1930年代前半でBPO(フルオーケストラとは思いますが今の感覚では比較的メンバー数は絞ったのではないかと思います・・・)を振ったという事実は凄いものがあります。1933〜1934年での収録曲は自作の交響組曲「日本スケッチ」(タイム7’00+4’32+4’42+9’25)と管弦楽「日本組曲」(タイム6’41+5’01)を納めた盤と私が聴いたものはボーナスCDとしてマリア・バスカのソプラノで貴志康一/BPOバックで13曲の主に貴志の作詞曲集盤とで成っております。曲自体は勿論私には初耳ものばかりですが彼の自作初演をBPOを振ってやり遂げる・・・しかもあの時代に・・・尤もドイツの混沌とした政治状況において「日本」を紹介するという利害が日独一致したとも考えられてはいますが・・・その根性はそれは何かと我々にははかりがたい実情があったとしても・・・大したものかと思われそれだけでも本盤の価値は素晴らしいものがありますね。私は四つの曲から構成される「日本スケッチ」の内最初のトラック「市場」(演奏タイム7’00)が関西風の喧騒を偲ばせ好きになりました、他の曲も独創的とまでは行きませんが面白いものがありました。例えば同じ「日本スケッチ」の「夜曲」では歌謡曲「君恋し」の一節を引用したりしております。ボーナスCDの方はマァ正直外国人の日本語なのでそのイントネーションは想像通りでどうしょうもない処はありますが逆に「日本」というものを教えられる感じになりました。一般受けはしないけれど1937年に短い生涯を終えた一音楽家・・・貴志の記録であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/20

    アルゲリッチの弾くチャイコフスキー・ピアノ協奏曲第1番には数種類の録音盤がありどれも彼女の熱っぽい凄さが特色となったものです。本盤はそれらの内で一番古い録音というか彼女が一番若い頃(二十歳代後半)の1970年(1967年かも?)にあのデュトワ/RPOのバックでの演奏で演奏タイムは@21’16A7’30B6’56と比較的じっくり構えたものです(因みに他の代表的な演奏盤をサンプリングしますと1980年コンドラシン/BRSO分が@19’13A6’19B6’55、1994年アバド/BPO分が@19’10A6’28B6’26などとなっております)。第1楽章割と大人しいのはバックのRPOのやや淡白な音色と合わせたのか?この楽章は美しく弾いているなっていう感じです。カデンツァはもっと後年の彼女なら暴れる処こじんまりした感じに聴きました。続く楽章も抒情的ではあるけれど熱くならず抑え気味です。第3楽章での最終コーナーコーダ寸前のピアノはそのテクニック万全さが凄いです。しかし全般的には上記他の代表盤ほど聴き応えがないのはこの録音前後1969年に結婚するデュトワの指揮によるものなのか・・・それは分りません。あまり爆演というスタイルを採らないデュトワとRPOにも一因があるのかも・・・?後年録音には堪能する躍動感やエネルギッシュなテクニック披露面では少し物足りないかも知れません。私はシューマンの方の協奏曲(1978年収録タイム@14’24A5’09B10’16)が未聴でもありますので本盤OKランクとしておきますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/19

    波多野睦美のメゾ・ソプラノ、野平一郎のピアノ伴奏で日本の歌・・・懐かしい?歌を18曲収録した2003年録音盤です。中のブックレットで池内紀さんが次の様に書いてられます・・・どうして波多野睦美が日本の歌をうたうことになったのか? それは知らないがよくわかる気がする。というのは優れた歌は人生に二度あらわれるからだ。幼いころとかなり大人を生きてきたころと・・・。彼女はこの録音をした時は40歳手前?多分前文における後者に心境が近かったのか・・・。彼女はリュートの つのだたかし とリュート曲を録ったりしていますが本盤伴奏者の野平一郎とも海外の歌曲を後年にも収録しているようでしみじみとした安らぎに満ちたその歌声は押し付けでない情感と瑞々しさが特徴的であります。私の年代で親しんでいる所謂「日本歌曲」声とは少しニュアンスを異とし、そうパールカラーといったイメージ。私はBCJとのバッハ宗教曲での独唱者としての彼女しかあまり聴いていなかったのですが本盤もメゾソプラノのキンキンしないバロック的な感じが聴く者の心に浸みて来るようであります。通して聴くとどうしても一本調子に聴く側もなるのですが「からたちの花」(タイム2’01)、「夏の思い出」(同2’16)、「雪の降るまちを」(同3’31)、「花の街」(同2’32)などポピュラーなものほど静かに聴き入りました。勿論私には初めて聴く曲も含まれています。素晴らしいランク盤ですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/18

    この間、岩城宏之のベートーヴェン交響曲盤について書き込んだのですが今回はチャイコフスキー「悲愴」交響曲の1996年ライブ盤について少し触れたいと思います。周知の通り岩城は1956年指揮者デビューをこの「悲愴」交響曲で果たしておりある意味では彼の一里塚となる曲目であります。本盤は彼が64歳の頃の演奏でNHKSOとの定期演奏の最後だったものらしく大変気迫の入った入魂の演奏かと思います。このコンビによる演奏については早くからTVでも放映され私たちクラシックファンが茶の間で楽しむ時代にもうお決まりの様に馴染んでいた演奏スタイルなので特にこの「悲愴」交響曲についても違和感は無くしかも少なくとも私のベクトルに合った(年月を経て合わされたといってもよい・・・?)演奏であります。演奏タイムは@20’17A8’04B9’23C11’40とどちらかと言えばじっくり型という印象です。第1楽章の突然の強奏からの展開とその荒れ方はコントロールされてはいても凄いものです。第3楽章全奏マーチに入る前のティンパニーの叫びは流石打楽器出身の岩城の面目そのものです。ある演奏会で岩城はこの第3楽章のド派手に終わったところに時として入る拍手を制止する為その制止動作を後ろ手でしたとか聞きました、彼の演奏会場での途中のエピソードはいろいろあったそうです。最終楽章も適度な「泣き」で進め最終コーナーの慟哭抉りも充分聴き応えありますね。全体的には要所を押さえ作品自体の本質を提示した名演と申せましょう。なお、以前1967年録音のやはりNHKSOとの同曲演奏盤(タイムはトータル約46分)があったのですがその方は岩城もまだ若かったのか少し前のめりになり表情もワザとらしいどぎつい処がありオーケストラもアンサンブル不徹底さも手伝って腰の据わった本盤とは趣きが異なっているようでした(若さが物言った演奏でこれはこれで覇気ある演奏とは思いましたが・・・)。いずれにしても本盤演奏は最高ランクにあげて良いと思います。もう一曲黛敏郎の「曼荼羅」交響曲は1960年海外演奏旅行でもしばしば取り上げた岩城初演の今となっては古典名曲のその海外でのライブ録音(モノラル)で演奏タイムは@6’07A11’00で後年1965年録ったステレオ盤の@6’16A10’14と第2楽章に少しタイム的には差があるようで演奏は音質面もあるのか厚みが足りない感じで私は後年盤演奏の方が好きであります。本盤期せずして岩城のNHKSOとの初期と晩期の演奏が入っており興味がありますね。先日 佐藤慶という名優が亡くなりました。この佐藤慶が出演していたNHK大河ドラマで1970年に山本周五郎の「樅の木は残った」があって確か伊達兵部役になって重厚な存在感ある演技をしていたのを覚えておられる方も多いかと思いますがこのドラマの音楽が依田光正作曲のテーマ音楽で演奏が岩城/NHKSOで印象的でもありました、他の出演者も含め中々出来のよいドラマで音楽とともにいつまでも記憶に残っております。ここで佐藤、岩城両氏の冥福を祈らざるを得ない気持ちになっております・・・(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/17

    ザンデルリンクは二十歳代から四十歳代後半まで当時のソ連で演奏活動をしていたので思いのほか所謂ロシア物は聴かせる場合が多いのです。本盤はもうその頃からずぅっと年月を経てBSOというドイツ楽団を振ってのチャイコフスキー後期交響曲集ですが私は「悲愴」交響曲のみの盤で聴いていましたので「悲愴」交響曲について触れて見ますね。結論からすればこういうのがドイツ風というのか私にはわかりませんが普段他の演奏で聴いている同曲より何か穏やかな感じがします。第1楽章出だしバスーン管楽器と弦からして柔らかですぐ続く管楽器群の強奏も遠く構えておりハーモニーの美しさを強調しているようです。日本側スタッフも入っての1979年の録音ですからザンデルリンクは67歳前後、この頃既にやはりBSOとハイドン、マーラーといった曲を収録済み?でもありどうもその辺りの雰囲気をこの「悲愴」第1楽章で私は思い出しました。バランスが良すぎ又粘つかないし全奏でも崩れません。後半詰まる処ではやや引っ張って確かな「腕前」は見せるのですが差し迫った感じは薄いです。第2楽章も穏やかで殊更飾り立てません。続く第3楽章もあのピークに入る前のティンパニーもキツク荒れずマーチ風の蠢きも少ないですが途中音を絞る処は面白いですね、しかしテンポは乱れず最後の詰めも「おっとりさ」さえ感じます。やや初めアゴーギグを見せる最終楽章で例の「泣き」部分でも沈着冷静そのもの?しかし次第に最後の抉りはこのペースだとマァこんなものかと思います。演奏タイムは@19’38A8’40B9’12C11’08になりました。やヽ前半ゆっくりペースという位で特に特徴的なものは認められません。「悲愴」交響曲というかロシア物を別な面から聴けばこんな演奏になるのでしょうか。もう少しロシア雰囲気に浸りたいと思ったりして・・・参考までに他の二曲はタイムだけ付記しますと交響曲第4番・・・@20’48A10’17B6’00C9’14、同5番・・・@15’44A14’22B6’23C12’59と手元資料にはなっておりまたいつか聴いてみたいものです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/16

    プレヴィンに色彩豊かな管弦楽を振らせば大抵ある水準以上の出来を示すある意味そのレパートリーの広さからも又正直その服装ファッションからも特異な指揮者、プレイヤーとして私は認識しておりました。標題音楽にもその多才能ぶりを発揮しており最近彼の演奏盤になるべく接しているのですが本盤ヴォーン・ウイリアムズの交響曲「海」もその一環で聴いたものです。曲自体初めて聴いたのですがソプラノ、バリトン、合唱団そしてオーケストラの大編成でのこの曲を他の演奏と比較はしていないのですが大変メリハリがありプレヴィンの統率力が素晴らしくこの曲の普遍性を遍く提示しております。1970年プレヴィン41歳頃の充実期の録音でオーケストラはLSO、イギリス中心の作、演奏ですが歌詞はアメリカの詩人W.ホイットマンの「草の葉」から引用されています。演奏タイムは@19’20A10’51B7’39C28’25と一時間をゆうに越す大曲であり全編オーケストラ/声楽で貫かれています。第1楽章「全ての海と全ての船の為の歌」で最初管楽器ファンファーレからスタート、男女独唱、合唱が入り混じり・・・結構後半中程合唱、オーケストラが盛り上がりそして静かに終わります。第2楽章「夜の海辺・・・宇宙神秘」では男声独唱が主に曲運びをして印象的なテーマを最後までバックに引きずります。第3楽章「変わりゆく波」は速いスケルツォ的な楽章で管楽器とやや明るめの合唱から入ります、一部イギリス保守的な主題パッセージもあります、少し合唱の弱さも感じたのは私の聴く実力の至らなさのせいでしょう。その合唱が見事にバシッと最後決めてくれます。第4楽章「探検家たちの終わり」は初め穏やかな合唱とオーケストラから入り男女独唱も参加、シーンの変化をドラマチックに経て力強さをティンパニー支持で表しやがて静かに曲を閉じます。1910年の作or初演である曲なので丁度100年目を迎えたものでもっと聴かれてもよい作品でありそしてこの作曲家の交響曲全曲を完成するという偉業を成したプレヴィンの演奏であります。曲自体繰り返しますがあまり馴染みがなかったのですがその普遍性もふくめ最高ランクにしたいですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/15

    1981年結成の18COはハイドン、モーツァルトそしてベートーヴェンとレパートリーを拡げて行ったのですが私は交響曲第90番と本盤に入っている同第93番の海外盤を聴いておりましたのでそれに引っ掛けてコメントいたします。後者は1986年のライブ録音で演奏タイムは@8’25A5’14B3’56C5’34のちょつとした交響曲でザロモンセットの一曲でもあります。結構明るい色調である第1楽章は紆余曲折の変化に富む楽章ですが最期は力強く終わります。第2楽章は弦が室内楽的に主題が開始されすぐに他の楽器も加わり・・・やがてゆったり終結へ。第3楽章は前の楽章とは対照的に管楽器中心にスタート、メヌエットというよりアレグロの楽章。こうした管楽器が活きた演奏を聴くと古楽器独特の弦、打楽器のアプローチよりブリュッヘン自体のリコーダー奏者であることが先入観でもあるのか頭から離れないことが多いですね。最終楽章は穏やかなプレスト、やがてハイドン・ペースで次々と曲想を変えて滑稽さも交えます。あまり有名ではないハイドン交響曲においてもその演奏の活気は素晴らしく何より「空回り」していないことであります。とにかく今まで見過ごされたものを再発見しそれを聴く者に提示するこの団体の演奏は古楽器演奏でも時として鋭さも感じさせる程力強いものがありそれが「ツボ」にはまったら素晴らしい演奏になるように思いました。本盤大半の他の曲は聴いておりませんがハイドン作品でもあまりポピュラーではない曲であればある程彼らのそういった演奏で自分のライブラリーに定着しそうな感じであります。好きなフィリップスDUOシリーズでもあり素晴らしいランクとしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/14

    シリーズでベスト演奏盤を選んで行く「レコード芸術」今月号はモーツァルト中心に載っており後期交響曲はブリュッヘン/18COの演奏が各曲共高得点をあげておりました。1981年結成の18COはハイドン、モーツァルトそしてベートーヴェンとレパートリーを拡げ本盤もその過程範囲内にある処の1987年ライブ?録音の「英雄」交響曲その他であります。私は「英雄」交響曲単独収録盤(元々彼ら演奏者はこの「英雄」交響曲までを彼らの演奏スタイルのテリトリー内としていたらしいのですが・・・その後需要とビジネス両面から結局十年近くかかってベートーヴェン交響曲全曲録音に及びます)で聴いていましたので「運命」交響曲については割愛させていただきます。さて、この「英雄」交響曲(DVDも別にあるらしいです)、第1楽章出だし二つの和音からして当初は「これは従来と違うぞ」と思ったものでややオーケストラ人数(4〜50名)の関係と古楽器の音色から起因するある意味ベートーヴェンでの新鮮さを覚えたものであります。しかし従来聴いていた楽器バランスからして若干弦の薄さも気になりだしたことも事実て゜あります。この楽章は反復演奏の為普段聴いていたものより長めで全体の演奏タイム@18’22A13’09B5’35C12’06からして次に特徴的なのは第2楽章の幾分早めのテンポであります。古楽器や異版使用の古奏法でのベートーヴェンの演奏盤は今ではそう珍しくはないのですが当時はある意味インパクトはありました。ただそのショックも段々と治まりこの演奏・・・時には「鋭い」アタックと音色での何か神経質なまでにせせこましく触って曲を再構築する事への寄りかかり的なものを私の中で失って減っていったというのと最近トレンディ演奏との比較で色あせていった現在でもあります。正直私の好みではあまり楽しい演奏ではなくなったのです。翌年1988年ブリュッヘン/18COは来日公演をし当時の演奏意義自体はブリュッヘンの姿勢とともに認めるのですが・・・後は好みオンリーになってしまいました。先に書いた様に「運命」交響曲(なお、手元資料によりますと1990年録音で演奏タイムは@6’54A9’46B4’55C10’07となっております)は未聴ですので当面OKランクとしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/13

    ザンデルリンクは二十歳代から四十歳代後半まで当時のソ連で演奏活動をしていたので思いのほか所謂ロシア物は聴かせる場合が多いのです。本盤はもうその頃からずぅっと年月を経てBSOというドイツ楽団を振ってのチャイコフスキー後期交響曲集ですが私は「悲愴」交響曲のみの盤で聴いていましたので「悲愴」交響曲について触れて見ますね。結論からすればこういうのがドイツ風というのか私にはわかりませんが普段他の演奏で聴いている同曲より何か穏やかな感じがします。第1楽章出だしバスーン管楽器と弦からして柔らかですぐ続く管楽器群の強奏も遠く構えておりハーモニーの美しさを強調しているようです。日本側スタッフも入っての1979年の録音ですからザンデルリンクは67歳前後、この頃既にやはりBSOとハイドン、マーラーといった曲を収録済み?でもありどうもその辺りの雰囲気をこの「悲愴」第1楽章で私は思い出しました。バランスが良すぎ又粘つかないし全奏でも崩れません。後半詰まる処ではやや引っ張って確かな「腕前」は見せるのですが差し迫った感じは薄いです。第2楽章も穏やかで殊更飾り立てません。続く第3楽章もあのピークに入る前のティンパニーもキツク荒れずマーチ風の蠢きも少ないですが途中音を絞る処は面白いですね、しかしテンポは乱れず最後の詰めも「おっとりさ」さえ感じます。やや初めアゴーギグを見せる最終楽章で例の「泣き」部分でも沈着冷静そのもの?しかし次第に最後の抉りはこのペースだとマァこんなものかと思います。演奏タイムは@19’38A8’40B9’12C11’08になりました。やヽ前半ゆっくりペースという位で特に特徴的なものは認められません。「悲愴」交響曲というかロシア物を別な面から聴けばこんな演奏になるのでしょうか。もう少しロシア雰囲気に浸りたいと思ったりして・・・参考までに他の二曲はタイムだけ付記しますと交響曲第4番・・・@20’48A10’17B6’00C9’14、同5番・・・@15’44A14’22B6’23C12’59と手元資料にはなっておりまたいつか聴いてみたいものです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/13

    ザンデルリンクは二十歳代から四十歳代後半まで当時のソ連で演奏活動をしていたので思いのほか所謂ロシア物は聴かせる場合が多いのです。本盤はもうその頃からずぅっと年月を経てBSOというドイツ楽団を振っての「悲愴」交響曲ですが結論からすればこういうのがドイツ風というのか私にはわかりませんが普段他の演奏で聴いている同曲より何か穏やかな感じがします。第1楽章出だしバスーン管楽器と弦からして柔らかですぐ続く管楽器群の強奏も遠く構えておりハーモニーの美しさを強調しているようです。日本側スタッフも入っての1979年の録音ですからザンデルリンクは67歳前後、この頃既にやはりBSOとハイドン、マーラーといった曲を収録済み?でもありどうもその辺りの雰囲気をこの「悲愴」第1楽章で私は思い出しました。バランスが良すぎ又粘つかないし全奏でも崩れません。後半詰まる処ではやや引っ張って確かな「腕前」は見せるのですが差し迫った感じは薄いです。第2楽章も穏やかで殊更飾り立てません。続く第3楽章もあのピークに入る前のティンパニーもキツク荒れずマーチ風の蠢きも少ないですが途中音を絞る処は面白いですね、しかしテンポは乱れず最後の詰めも「おっとりさ」さえ感じます。やや初めアゴーギグを見せる最終楽章で例の「泣き」部分でも沈着冷静そのもの?しかし次第に最後の抉りはこのペースだとマァこんなものかと思います。演奏タイムは@19’38A8’40B9’12C11’08になりました。やヽ前半ゆっくりペースという位で特に特徴的なものは認められません。「悲愴」交響曲というかロシア物を別な面から聴けばこんな演奏になるのでしょうか。もう少しロシア雰囲気に浸りたいと思ったりして・・・(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/12

    ヤナーチェクSQ・・・このSQは1947年設立で本盤収録時期には来日しており我々の世代には馴染み深いですね。私は本盤収録曲の内、1963年に録音されたドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番OP96「アメリカ」(タイム@7’07A8’13B3’56C5’59)と同第9番OP34(同@8’48A5’41B8’27C5’53)のLP盤を聴いておりました。本盤に入っている有名な前者ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」はしつこさというか妙な荒削りがなく品を保ちかつ余分なものの無い演奏かと思います。第1楽章そういった感じでやや大人しいかなとも思ったのですが最後の方はこの演奏雰囲気からすれば大きく見え切るのも面白いです。郷愁を誘う第2楽章もどぎつくなくしっとり感さえあります。最終楽章はアメリカらしい節々が決して大袈裟ではなく後半「表情」を見せながらの落ち着いた運びは「飽き」を呼びません。フォーマット改善された本盤なのですが他の曲を聴いてはおりませんので素晴らしいランクの確保ということにさせて下さい、すみません。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/12

    1934年あの厳格を後年極めたセルがまだ推定37歳頃、ポーランドの名匠フーベルマンの弾くベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲のバックとしてVPOを振っての録音盤です。勿論音も悪くSP盤乃至LP盤経由の転写なのでしょう、初めはそのテンポというか緩急のアップタ゜ウンに少し戸惑いました。これは決してヴァイオリンに合わせるタイミングではないのに(セルにはそんな事はないとは思いますが)長めの前奏から何か急ぎ足で前倒し気味に運んで端折り気味さえ思えます・・・セルの方はやがてのこの独奏者と合わせる?のが本演奏当面の課題だったのでしょうか、その第1楽章、ヴァイオリンの入りはそんなに鮮やかには私には聴けませんでした。しかし段々とその方向感は照準が合って結構弾力がありかつ緊張感溢れるものとなってきました・・・私は特にその辺を第2楽章に聴いた思いです。なお、第1楽章カデンツァはヨアヒムのものであります。演奏タイムは@21’10A9’09B8’28でありあのハイフェッツ/トスカニーニ盤をしのばせるスピード演奏であります。私の持っている本演奏のCDは本盤そのものではなく偶々手に入れた何故かセルの少年時代の写真(大人になってからと同じように度の強い眼鏡をかけた如何にも神童っぽい感じ!)が表カバーに印刷された安物ですが本演奏の面白さには引き込まれたものです。本盤はその安物よりもっと上質なお馴染の製作者CDなのでもっとその面白さを伝えてくれると思います。本盤の他の曲は聴いておりませんのでOKランクにさせて下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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