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Review List of 一人のクラシックオールドファン 

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     2010/05/30

    最近ミュンヒンガーは忘れられた感があるようですが彼の戦後果たした役割は決して小さなものではありません。彼のあと数多同類演奏者が続出し又演奏スタイルの変遷に伴ってミュンヒンガーの存在感・位置付けは時代遅れの様に薄らいで途中病で倒れたことも拍車をかけたみたいですが晩年遺したベートーベン交響曲選集の出来からも彼の志しの高さは語り継がなければと思っております(この選集も本HMVレビューでは多くの人の賛辞を受けていたのですがいつの間にか消えてしまって?この世界、ビジネスとは言いながら寂しい限りです・・・)。本盤に含まれている典雅な趣きのハープ・フルート協奏曲は1962年VPOのメンバーと録ったものでVPOの音色と相俟って素晴らしい出来上がりになっております。演奏タイムは@11’20A8’18B9’54と特に第1楽章の余裕ぶり馥郁さは聴く側もゆとりを感じさせホッとします。私はこのハープ・フルート協奏曲と同じく1962年VPOと録ったクラリネット協奏曲がセットの盤(この二つの曲のセット盤はいろいろ種類があり所謂名曲シリーズ廉価盤でも必ず含まれていたほどの名演奏だったのですよ・・・)で聴いていますので本盤に入っている他の曲は聴いておりません。ただマルコムという名を見てマルコムと言えばこのミュンヒンガーとのバッハの素晴らしいハープシコード協奏曲盤を思い出した次第。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/30

    私がクナッパーブッシュ/VPOによるブルックナー第5交響曲を知ったのはクナッパーブッシュ唯一のステレオ録音(1956年)LP盤です。LP1.5枚つまり二枚目の裏面は全くノッペリのLPでした(LP演奏タイムは@18’53A13’24B9’34C18’53)。さて、演奏はクナッパーブッシュが原典版を使わない方針なのかこの第5番もあれこれ特に第4楽章に加減の手が入れられた版を採用してカトリック的世界を再現していますがそのスケール感は少し私には大げさにも思われました(その最終楽章の結びへかけては確かに凄い化け物的演奏で決して現在の並みの演奏者からは聴けないものではありますが・・・)。曲自体私個人として大変好きな第4番と第6番に挟まれたやや中途半端なイメージがつきまとっていてその割りに単調な大風呂敷的演奏が更に足を引っ張ったのでした。ブルックナーの交響曲の中では比較的「クセ」のある曲目だけに・・・その曲のストーリー性に説得力が私には弱いとも思われその扱いも指揮者の料理腕次第でクナッパーブッシュと言えどやや及ばない未消化な処もあるようでそれは当時の録音条件から来る要因もあるのでしょう(クナッパーブッシュの第5交響曲はMPOを振った1959年ライブ盤も別に何種類か出ており確か最近も・・・)。本盤は平林氏の手になる復刻盤で演奏タイムは@19’02A13’33B9’43C18’53と一応なっています。平林氏のいつも熱心な姿勢には敬意を表しますが私のこの曲への好み中心でOKランクに当面させて下さい。スミマセン! (タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/30

    ミュンヒンガー(本盤演奏録音時推定49歳)のバッハ・マタイ受難曲は1964年に録音(演奏時間約197分)されたもの。どうしてもクレンペラー盤(1961年収録、約225分)やリヒター盤(1958年収録、約197分)と我々の世代は比較してしまいますがお互いスタンスが異なるのですからその違いは止むを得ない事だし私たちは夫々を聴く時間があるだけ幸せなのでしょう。クレンペラー盤のような懐の奥深い雄大さとかリヒター盤に聴く緊張感の厳しさといったものとは異なり比較的暖かさが伝わる・・・そうですね、情緒的にはホッとさせる演奏かと思います。この頃のミュンヒンガーはもうかつてのガチガチのスタイルから変化をしつつある経過的な時期だけに多分ミュンヒンガーも演奏録音当時当然先の二大名演を知っており、さりとて特別に奇異な事が出来る性格でもないので彼が本来持っているものを充分ひきだした結果のものでしょう。歌手陣も語り手のピアーズが時としては上ずり気味に聞こえるのは彼らしく、プライ、アメリング、ヘフゲン、クラウゼそして2年後事故で亡くなるヴァンダーリッヒと一同やヽ明るめなのが良いと思います。合唱は少年聖歌隊を前面に出したものなのでバラツキは仕方ないとして好みは分れる処ですね。一時はバッハ四大宗教曲演奏盤のトップクラスにも名を連ねたミュンヒンガーの長く今後も評価高いものとして残るべきものと私は思います。サンプリングでタイム的な処に触れましょう。リヒター盤との比較タイムで行きましょう(曲番はミュンヒンガー盤によるもの)・・・。第1曲合唱「来なさい、娘たち、ともに嘆きましょう」ミュンヒンガー9’42(リヒター1958年9’50)・・・以下同要領表示、第10曲アルト「懺悔と悔恨の情が」4’35(5’50)、第26曲テノール・合唱「イエスのもとで目覚めていよう、さすれば私たちの罪は眠りにつく」5’38(5’23)、第47曲アルト「憐れんで下さい、神よ」7’29(7’45)、第58曲ソプラノ「愛の御心から救い主は死のうとされます」4’39(4’29)、第61曲アルト「この頬の涙が何の助けにもならぬなら」6’47(8’02)、第66曲バス「来るのだ、甘い十字架よ」5’28(6’26)、第75曲バス「私の心よ、おのれを浄めよ」7’15(7’08)、第77曲独唱・合唱「今や主は憩いへとお着きになった、イエスよおやすみなさい」2’30(2’30)、第78曲合唱「私たちは涙を流しながらひざまづき7’30(6’24)・・・・・・・・・・・・といった具合です。自分の好みとしてはやはり幾分かこれらのサンプリング曲でもその情的な演奏局面からすればゆったりしたこれら旧来の演奏にほっとする時がしばしばあることが本音ではあります。大曲故最近のトレンディな演奏も含めて長くじっくりいろんな演奏に接することをお奨めします。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2010/05/30

    大指揮者の振る数あるブラームスの交響曲盤で比較的地味なものでオーケストラがPHOであるところがこのオケの実力過小評価の所以かもしれません。1956年録音の本盤第3番演奏を別盤で聴いておりますのでコメントする次第です。第1楽章から比較的きっちりアウトラインを明確に出しております、反復演奏している割にはさりげない処がクレンペラーらしさを表しているようです。第2楽章も淡々と運び第3楽章も浅い始まりで妙に芝居がかる事はありません。最終楽章終わりの方はやはりゆっくり動機を散らばせ終わります。この演奏一見健康そうに聴こえますがなかなかどうしてクレンペラーの幾分屈折した曲運びは「怪物」らしさを窺えます。演奏タイムは@13’05A8’18B6’07C9’10とほんの少し早めの印象を持ちました。正直、もう一ひねりあってもおかしくないのですがそこがクレンペラーたる処かもしれません、なお、15年後の1971年録音盤で同PHOを振っての同曲が出ていますね。もうひとつの第2交響曲よりは彼には向いているとは思います。その第2番が未聴ですので勝手ながら素晴らしいランク止まりにしておきます。なお、本盤は現在廃盤となっております。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/30

    レコード芸術今月号にミンコフスキの近況特集が載っておりこれからの抱負近況等を語っておりました、バッハなどへの取り組みについて熱弁をふるっているようで1962年生まれというからまだ50歳前仕事がますます面白い年代にかかってきているようです。さて、本盤は手兵レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルを振った2002年ライブ録音のベルリオーズ「幻想」交響曲その他であります。音色が微妙に新旧入り混じった様な感じで極端に言えばバロック的な響きも垣間見られ今まで我々に聞こえなかった処も聴かせる演奏です(@15’53A6’10B19’30C6’21D9’12の演奏タイムなのですが第2楽章が長さを感じさせない長さとなっております)。第1楽章「夢」の後半次の楽章へ差し迫りの為の切り込みは新鮮に聴こえます。第2楽章「舞踏会」はやや早いテンポで管楽器の扱いが特徴的、なお、この楽章の最後の残響が長く聞こえたのは私だけでしょうか。第3楽章「野の風景」は透き通った感じで遅めに表情をつけて運びます。この楽章がなかなか良い演奏です。反復を含めた第4楽章「断頭台」では低音基調の管楽器はドスが効き不気味さと共に厳しい迫りと反面性急な面が聴けミンコフスキの管楽器出身の一家言があります。最終楽章「夜の夢」、テンポを揺らせながら打楽器の扱い・・・タイミングのずれる鐘も結構美しい・・・が面白いです。時には掛け合い・整いがついていない処もありますが最後のせり上がりは不気味でなかなか新鮮斬新な「幻想」交響曲ですね。叙情的場面「エルミニー」(タッソーの詩「イェルサレム解放)に拠る)はアバドが立ち上げたマーラーCOとソプラノによるカンタータでタイムは23’04、出だし幻想交響曲にも使用されたテーマがのぞき全体としてこれも透き通った美しい曲で私は初聴きですが引き込まれました。バロックオペラ的な感じもすると思えばなかなか荒々しい筋肉質的な処もあり楽しめました。現在廃盤となっていますが又再登場すべき最高ランク盤と思われます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/29

    マイスキー、レーピンには共にこのチャイコフスキーピアノ三重奏曲の過去録音盤(勿論各々別演奏)があり前者は1998年アルゲリッチ、クレーメルという凄いメンバー共演でのライブ、後者はベレゾフスキー、ヤブロンスキー共演の1997年の録音でした。さて、本盤は2009年マイスキー、レーピンがラン・ラン(録音当時推定27歳)と共演した話題のスター級演奏者による演奏盤で演奏タイムは通しで49’31と他の演奏と比較すればややじっくりと進めたものです。第1楽章些か線細な軽い感じでスタートしますが時にシャープさを見せ始め中程ではゆっくり情感を込め「間」も適度に使って緩るやかにそのチャイコフスキーの敬愛したルビンシュタインへの追悼意義を深め終わります。次の楽章は変奏方式で時には振幅を大きく取り結構聴かせます。最終楽章はそれまでとは趣きを異とし速めに運び曲想に沿って深い味わいに漂い、時にはフェイントをかけて新規メンバー?ラン・ランの勢いだけでの演奏ではありません・・・もっとももう少し個性豊かさが出てもとは思いましたが・・・。それでも例のピアノによるこれまでの回想テーマは力強く念押しする如くでありました。そして次第に葬送へ静かな歩みの中に消え入る様に曲が閉じられます。ラン・ランと言えば「のだめカンタビーレ」最終楽章で上野樹里演ずる のだめ のピアノ影武者として指導もしたし北京五輪で式典での演奏で少し困った様な少女をあやす様に助けたりその優しい人柄が本盤演奏に反映している様にも思えますね。レーピン、マイスキーは夫々ある意味懐ろを大きくした演奏でそうスリリングな演奏とは申せませんがもう結構適度な年齢を重ねていたラン・ランにとっても喧々囂々の室内楽への足がかりとなる記念碑的演奏盤には違いないと思います。ラフマニノフの方(タイム14’56)は未聴です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/28

    フルトヴェングラーのブラームス交響曲第1番は演奏・音源種類等でいろんな盤があり演奏種類からは1952年1月のVPO、同年2月のBPOとのものが上位にランクされています。私は前者をEMI-CDで後者をDGG-LPで聴いておりますが生々しいライブの迫力、指揮者の心のウネリが直接捉えられている点で音は多少こもっているものヽLPでの後者つまりベルリン・フィルとの演奏に傾いてはいます(ウィーン・フィルとの盤はもう少し整っています)。つまり本盤の演奏(この演奏にも何種か盤がありますが本盤もその内の一つ)が一期一会的で繰り返し聴くということに執着しなければ最高かと思われます。なお、演奏タイムとしては@14’35A10’35B5’16C17’02で特に特徴はありません。彼の演奏は出来具合のブレもありますので他の約10種類も聴きたいとは思いますが先ずこの2点を聴き込んでみてからです。次に同じ1952年BPO収録(演奏タイム@11’55A12’10、第1楽章は反復無し)の「未完成」は彼の10種近い録音記録の内かなり名演の方だそうで勿論私など全てを聴いているわけではありませんのでその評価を信ずることとして実際聴いてみて説得性高い演奏と思いました。私は平凡だけれどこの演奏とワルター/コロンビアSOやシューリヒト/VPOの演奏が好きでこのフルトヴェングラーのものは第1楽章じっくり取り組んだ結果の「説得性」かと思います。いずれにしてもこの二曲についてフルトヴェングラーのこの二つの演奏が入っていることというわけで最高にします。 (タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/28

    『バックハウスのバックにはVPOを振る指揮者にはベーム、シューリヒトが何となくフィットする感じを持っていますがこのモーツアルトピアノ協奏曲は1955年収録、モーツアルト最晩年(というか死の年)の作に多くを語らない枯淡の色合いを重ねております。第2楽章など比較的技術的には平易であるところ、この御大両者の武骨さが訥々と伝わっても来る演奏は他には求められません。バックハウス80才をゆうに超した時の1967年収録のブラームス第2ピアノ協奏曲も通常若さを謳うところもそこから超越した愛想ぶらない男性的な名演・・「最高」盤として残しておくべきでしょう』・・・・これは以前私がスタジオ録音演奏盤に対してコメントした下りで今回このライブ盤についてもその感想大要は変わっておりません。タイム的にはモーツァルトの方はDECCA盤1955年録音分・・・@13’25A7’05B8’43に対して 本盤1960年ライブ録音分は@12’50A6’14B8’48となっておりタイムこそ若干短いですが第2楽章はライブならではの思い入れがあるように聴きました。一方ブラームスの方なのですが1967年スタジオ録音は@17’11A8’45B12’20C9’48であり本ライブ盤1968年分は@17’30A9’05B12’29C10’27で本ライブ盤で印象的なのは出だしのゆっくりしたあの雰囲気!バックハウスには現在このブラームスピアノ協奏曲第2番演奏盤はベーム指揮のものとシューリヒト指揮のものと・・・この両名芸風は異なるのですが冒頭述べた様にベームのサポートに合うのです!・・・残されており今回同パターンでの追加です。40代の東京都の方が言われていることもすごく分かる様な気がしました・・・モノラルで限界もありますがこれも最高ランクにしておきますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/28

    1957年収録されたバーンスタイン/コロンビアSOバツクでのバッハの協奏曲についてのコメントです。この組み合わせはグールドがソ連に演奏旅行した時にも別途収録されている様です。バッハBWV1052ですが演奏タイムは@8’38A7’15B8’20と全体にじっくり取り組んだ演奏でバーンスタインのバッハ伴奏というのも面白いです。モノラルだからか大変分厚く聴こえ最近のバロック物とは全く趣が異なる何か私にはかつてミュンヒンガーのバックでマルコムが弾いた同曲のバック演奏・・・独奏演奏自体はハープシコード・・・が思い出され懐かしく聴きこみました。のだめカンタビーレでも演奏されたこの曲・・・本当に名曲でバッハの協奏曲でも特に私は好きです。本演奏、独奏と指揮がせめぎ合うとさえ思える場面もありグールドのバッハここに有りという感じです。中々聴き応えある素晴らしい盤と思いました。他の収録曲についてはもうグールド何回かいれているもののやはり1957年録音物で個々に明確なコメントは出来ませんが間違いない演奏でしょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2010/05/27

    クリップスは1970年代初めにACOとモーツァルトの交響曲集を収録しており名盤となっております。本盤こちらの方は1950年代DECCAへ録音されたもので私は「ハフナー」「ジュピター」カップリングの盤を聴いておりました。IPO、LSO、VPOとの共演での序曲も入った本盤でそのうち第35番「ハフナー」はIPOと1957年クリップス55歳頃の収録で演奏タイムは@5’24A6’40B3’18C4’07(参考までに1972年ACOとのものはタイム@5’38A4’54B3’14C4’09であります)、第1楽章はやや粗く典雅という雰囲気ではないけれど活気はあります。第2楽章はゆるやかな歌わせ方が印象的、しっかり、きっちりした第3楽章を経た最終楽章は割りとストレートな肌触りでプラスアルファがなくあの後年のクリップスらしいマッタリした感じはなく逆に言えば生気には溢れた演奏ということにはなるのでしょう、多分オーケストラの音色にもよるのでしょう。もうひとつの交響曲第31番「パリ」はLSOを振って1951年録音(モノラル)したもの及び序曲集(1950年、1951年LSO,VPO)は残念ながら聴いておりません。いずれにしてもウィーン子のクリップスの懐かしい演奏盤ですが玄人好みの存在盤になりつつありますね。やはりACO演奏のものが私は頭から離れませんでした。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/26

    レヴァインがまだ30歳を幾らも出ない頃1974年CSOを振りソプラノはJ.ブレーゲンを起用してのマーラー交響曲第4番で演奏タイムは@16’46A9’48B22’06C9’28と特に過不足感はありません。演奏自体はまだ若い頃でセル譲りの機能的な・・・CSO自体がそういう性格的なものを有したオーケストラでもあるようです・・・・感じがします。第1楽章軽めのタッチで進め各パートが大変分り易く音が聴こえ見通しが良く爽やかささえ感じそうです。ピークへのアプローチの語り上手はオペラ指揮者の腕前でしょうか、手前で「間」を充分とっての曲閉じは面白いですね。第2楽章はヴァィオリンのソロが付随する楽章でややバラツキと共に硬質なというか乾燥したイメージで受け取りました。続く楽章は穏やかな弦が天国花園へ誘います、テンポは幾分早めで途中の地獄的な処は怪我淀みは少ない方と思いました。壊れそうな繊細なヴァィオリン伴奏を経て終わりの方は対照的な「歓喜」が叫びます。最終楽章はやはり音の分離が良くハープも美しいです。テンポをずうっと落して一旦止まるくらいになってソプラノが明るい前奏に続いて登場・・・この曲の一番の「山」、シャンシャン鈴の音の運びは割りと早く又清澄なソプラノがゆっくりと「歓喜」を謳いあげます。最後は穏やかにゆったり・・・本当にこの曲の良い処ですね。レヴァインはユダヤ系アメリカ人ですがそんなに血濃くその「底」を見せずその辺りがこの演奏の評価の分かれ目かと思われます。私は比較的アッサリした本演奏は受け入れ易かったです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/25

    アシュケナージがハイティンク/ACOのバックを得て1981年(本盤演奏録音時推定アシュケナージ44歳)収録したブラームスのピアノ協奏曲第1番の方についてコメントさせていただきます。先ず演奏タイムが@22’00A14’05B12’33と特に特徴は見られません。全体正攻法で明るい感じがするのは独奏、指揮者の持ち味かも知れません。第1楽章、バックの底堅さにやや曖昧さを聴いてしまい上滑り調子なのとソフトはソフトで良いけれど「核」たる焦点がぼやけブラームスのこの曲での屈託の突っ込みが浅い様に私には思えました。オーケストラの音色が「くすみ」より掠れ気味なのはACO独特なのかも知れません・・・決して年齢的には両者ともこの曲に対する者として過不足ないのだけれど多分資質なのでしょう。瞬間私の聴き間違いなのかピアノとオーケストラの縦線の不合も聴いた様にも感じました。しかし最終コーナークライマックス辺りの畳みかけは流石巧者の両者ならではでソコソコ聴かせてくれます。第2楽章では青春の瑞々しさ、弱さを表現はしますがピアノのタッチおどりが賑やか過ぎる面も・・・。やや漫然とした最終楽章ではカデンツァの運びが面白く最終詰めでは結構踏ん張った演奏となりこの曲の表す若者の強さと弱さのバランスニュアンスはどうやら伝えた様に思いました。協奏曲第2番(こちらはオーケストラがVPOで1982年録音、タイムトータル約50分)については未聴ですので当面OKランクの確保ということにさせていただきました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/24

    以前このヨッフムによるDGGブルックナー交響曲全集の内バラで出ている第4番と第6番についてレビューを書いたのですが第8番については単品でカタログ上よう見つけませんのでこの全集盤に書き込む次第です。その前に演奏タイムを例によってこの三曲について追加メモしておきますね。1965年BPOとの第4番は@17’44A16’46B10’11C20’16であり1966年BRSOとの第6番は@16’23A17’05B7’50C13’16そして1964年BPOとの第8番(ノーヴァク原典版)は@13’45A14’00B26’49C19’58であります。ブルックナー協会会長だったヨッフムにはブルックナーの演奏盤が多く第8番交響曲も1949年フランクフルト放響、1976年SKD、1982年バンベルク放響、1984年ACOとの演奏盤がHMVカタログにはある様です。さて、1964年BPOとの分は奇を衒わず引き締まってやや明るいトーンでの演奏かと思います。第1楽章は割りと管楽器もBPOなのかギラギラ感があります。コーダへの足取りは比較的速くしかしコーダ自体はソフトタッチで咆哮するわけではなくゆったりと・・・ここでもう少しガッツが欲しい気もしました。第2楽章の中間部はヨッフムらしい美しさが効を奏しておりますがもう少し前後は暴れたい気もします。第3楽章、静かな開始の楽章はこの交響曲の白眉・・・結構引っ張って寄せる波の彼方の彼岸点にホルンは導いてくれます。最終楽章、管楽器はやはり派手?っぽくしかし厳つさとか凄さはなく穏やかに流れる感じ、底を打って欲しい気分になりはしましたがやがて終結段階では充分ためたものを噴出してくれ大満足といつた具合です。ヨッフムは後年EMIにシュターツカペレ・ドレスデンとブルックナー全集を録り直していますが、第8番の演奏タイムは@13’55A14’00B27’24C20’46とDGG盤と大差なく他演奏と比べますと第1,4楽章が少し短いかなとも思われます。LPから買い換えた強烈な個性派ではないヨッフムのものは悠久流離とスルメイカのような味わいを長く愛しています。本全集の上記3曲以外は未聴ですので無難に素晴らしいランクに止めておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/23

    朝比奈隆の指揮するブルックナー交響曲第8番はその演奏盤が数多く残されていて多分どの盤の解説にも最高的な評価が記されていると思います。気がついた盤の録音年/オーケストラをあげて見ますね。1976年/大フィル、1977年/新日本フィル、1983年/大フィル、1993年/新日本フィル、1993年/都響、1994年/大フィル、1997年/NHKSO、1998年/都響、2001年/大フィル・・・漏れているものもあると思いますがざっとこんな感じです。朝比奈のラストの録音公式盤は2001年9月に大フィルを指揮したブルックナー交響曲第9番(ラストコンサートはこの一ヵ月後に開かれている)でありますが本盤第8番を録った7月頃も体力を振り絞る如くの演奏でいずれにしても彼の死にあたる2001年後半に属する最期の仕事なのでした。2001年ブルックナー第8番(ハース版)の録音盤は実は東京公演分と名古屋公演分がありここでは前者についてメモして行きますね。演奏タイムとしては@14’34A15’19B26’14C24’05となっておりますが最終トラックは40秒余りの拍手が入ってのタイムです(実演奏は23’10程度)、過去の演奏盤から見ても若干でも短縮化・・・そう、彼にすれば虚飾的なものは切り捨てて行く彷徨過程だつたのかも・・・。なお、名古屋分はもう少し短い様であります。全体緩急自在な面があり私の個人的なスタンスでは悠揚迫らぬテンポの流れに身をまかせたい気分は幾分軽減された演奏ではありましたが朝比奈自身93歳の年齢ではそんな事は二の次で兎に角ブルックナーのスコアから更なる発見の発露シーンでもあつたわけでしょう。第1楽章やや速いテンポで進み力みといったものが皆無!それは後半詰まった処でのコーダに私は端的に聴いた感じであります。又曲中のティンパニーのドシッと段々刺さるように近づく打ち方が印象的です。第2楽章トリオの中間部の内省的な事!ハープも活きています、この楽章でもティンパニーの他の演奏では聴けない響きが特徴的。第7番と異なり第8番は後半戦が長い勝負なのですが第3楽章、静かな開始の楽章はこの交響曲の白眉、特にこの演奏は崇高でさえあると思われます。ここでも他の演奏では聴けないスコアの洗い直しと思われる部分が顔を覗かせます。そして最終楽章ここも比較的愛想なく早めに進み最期ブルックナーアプローチでは祈りの念というか宇宙を思わせやはりティンパニーで隈取りします。・・・やがて渾身の棒が下ろされます。本当はここで演奏者と共に余韻を味わいたいのですが即ブラボー拍手となりちょっと残念です・・・決してこれは演奏者の責ではありません。第8番については同じく大フィルを指揮した上記データにもある1994年ライブ分(タイムは長めであり@17’39A16’28B29’01C23’43)が評価が高いようですがそれも含めて同曲朝比奈代表盤は聴き比べしたくなりますね。本盤少し感傷も手伝いますが素晴らしいランクとさせていただきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/05/23

    朝比奈隆の指揮するブルックナー交響曲第7番もその演奏盤が数多く残されております。私の手元資料からは以下のとおりであります。・・・1968年日フィル@20’47A22’03B9’34C12’44,1975年大フィル@22’49A25’01B9’34C15’23,1976年大フィル@20’50A23’10B9’34C13’10,1983年大フィル@19’59A22’28B9’16C13’31,1992年大フィル(本盤)@20’58A21’20B8’10C12’42,1992年新日本フィル@22’04A23’53B8’52C13’23,1994年都響@22’21A22’10B9’38C14’53,,1997年都響@23’18A23’55B9’35C14’08,2001年都響@21’39A20’16B8’51C13’59,2001年大フィル@21’18A20’40B8’35C13’21・・・。さて、本盤は1992年大フィルを振っての演奏ですが実演分とリハーサル分が混ざっての収録なので・・・こんな事はよくある当り前の現実なのですがその演奏の首尾一貫性にふと立ち止まったのも事実ではあります。前に触れた1975年聖フローリアン寺院での大フィルとのライブ盤が少し「おすまし標準語」した演奏とすれば本盤演奏時、朝比奈は推定もう84歳という年齢の為なのか性急さ・せっかちさを見せオーケストラも実力相応に「せっかち大阪弁」な感じもします。第1楽章の最後コーダの盛り上がりと激しさは凄い迫力と言えましょう。やや見えもへったくれもない現実的な姿を見せます。端的なのは第3楽章、そんなに急がなくてもと思うくらいな処もあり縦線不合も私には聞こえました。最終楽章もテンポ変化が速く朝比奈が特に手塩にかけて育てた大フィルを振るだけに自己変化を試みよう、常に音楽の新鮮さと立ち向かおうとする姿勢が強く感じられます。ある意味つなぎ録音であるのに従来のイメージとは異なったリアリズムも感じられる盤に仕上がっております。第7番を聴くというより別面の朝比奈を聴くといった盤なのでしょう、OKランクにさせていただきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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