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Review List of フォアグラ 

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     2021/03/27

    ジェイムズ・レヴァインが亡くなった。とはいえ、この20年病気で指揮台に立てた機会は少なく、さらにセクハラ騒動で引退状態だったのでショックはないのだが寂しい最後に感慨もある。そう、一時は飛ぶ鳥を落とす勢いだったのだ。私は昔からレヴァインはクラシック界のスピルバーグだと思っていた。ワクワクドキドキのエンターテインメントに仕上げる能力は抜群、ただ深みはない。コンサートよりオペラのほうが合っており、とりわけイタリア・オペラを面白く聴かせる。最高傑作がこの「カヴァレリア・ルスティカーナ」だと思う。重々しいカラヤンとは比較にならない充実ぶりで輝かしい歌とオケの饗宴であっという間に終わってしまう。歌手もみな好演。ドミンゴはプレートル、シノーポリとの後の録音よりこれのほうがよい。78年の録音だが、レヴァインが良かったのは70年代、RCA、CBS、EMIに入れていた頃だろう。オリジナル・ジャケットで出しなおしてほしいものだ。

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     2021/03/27

    バヴゼはお気に入りのピアニスト。ここでもテクニック、音楽性ともに万全。問題はノセダの指揮にある。早いテンポで疾走することで迫力を出そうとしているのだが、1番終楽章マジャール色は消えてしまい打楽器との掛け合いの面白さも中途半端になってしまっている。フリッチャイ、ショルティそれにブーレーズのテンポは実に見事だった。2番も全く同じことがいえる。2番終楽章のショルティの素晴らしさとは比較にならない。ノセダのバルトーク理解の底の浅さが露呈。BBCフィルはロンドンのオケ以上の好演だし録音も優れているのに残念。

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  • 8 people agree with this review
     2021/03/21

    ネゼ=セガンらしいよく整理された爽快な演奏。混乱したところもある1番だが、ネゼ=セガンはものともせずメリハリある表現で楽しく聴かせる。2曲とも雑味がないのでスルスルと音楽が進み、あっという間に終わってしまう。しかし、それでいいのだろうか。この2曲は聴き終わって苦いものが残る作品ではないのか。最近DGから出る指揮者はみなこういう傾向だと思う。今度ワーナーからプレヴィンのコンプリートが発売されるが、プレヴィンは濃厚なロマンティシズムと洗練のバランスセンスが抜群だった。近年の指揮者は感心はしても感動はさせてくれない、というのは私の感性が衰えたからなのか。

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     2021/03/04

    ミュンシュの1番はNHKの音源に瑕疵があり使えなかったためINAの音源を使ったそうだが、NHKのはステレオであった可能性が高く惜しいことをした。それでも良質のモノーラルで鑑賞に支障はない。演奏は壮絶。第1楽章展開部の強烈さはフルトヴェングラー/北西ドイツ放送以来ではないだろうか。終楽章では興奮したミュンシュの叫びも聞こえる。ボストン響、パリ管よりはるかに素晴らしいと思う。これほどの熱演でも客席からはブラボーが飛び交わないのが時代の差を感じさせる。マルティノンの4番も面白い。テンポはかなり動くし第2楽章の熱っぽい表情、終楽章パッサカリアでの各変奏の個性的な描き分け等聴きどころは多い。「海」もシンフォニック。フランス国立放送管はチェリビダッケが来るまでは第1級のオケとは言えなかったが、反面木管、ホルン等濃厚なローカル色があり、アインザッツが揃わなくてもこれはこれで楽しい聴きものである。

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  • 2 people agree with this review
     2021/03/02

    既に多くのレビューが寄せられており蛇足かとも思ったが、その素晴らしさに驚いたので。いやいや、これはアンセルメの録音の中でも一番好きかもしれない。何も加えず何も引かず、というオーソドックスな演奏なのだが、音楽には十分な勢いがあり旋律も歌いこむ。そしてどの曲にも従来の演奏ではあまり感じられない瑞々しい青春の息吹があるのだ。それは4番や悲歌といった曲でも感じられる。音楽が暗くない。フランス音楽やロシア音楽では非力が露呈するスイス・ロマンドがここでは全く万全の演奏ぶりなのも予想外。デッカの録音は鮮烈、ティンパニの強打も胸をすく。そうか、アンセルメはドイツ物得意なんだ。これはハイドン、ベートーヴェンもいいかもしれないな。

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     2021/02/28

    クリュイタンスのワーナーによるリマスタリングは先に出たラヴェルの音質改善が著しく、このベートーヴェンも期待したのだが…。昔セラフィムのLPで聴いた音とあまり変わらず残念だった。マスターの保存状態とかでも変わってくるのかな。録音のせいか低弦、ティンパニが弱いためメリハリが効かないし、あまりベルリン・フィルらしくない印象。数あるベートーヴェンの交響曲全集で存在を主張するのは厳しい。

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     2021/02/21

    モノながらワーナーのリマスタリングは良好で聴きやすい音。50年代だからスコア改変はあるが、セルのような酷いことはなく許容範囲。いや、なによりも名演だ。クレンペラー、バーンスタイン、バレンボイム等ユダヤ系指揮者のシューマンへの共感の深さはなんなのだろう。非ユダヤ系のサヴァリッシュ、スイトナー、クーベリックらは客観的で前期ロマン派のスタイル内での演奏なのだが、ユダヤ系の指揮者はそこから一歩踏み込んでシューマンの心象風景に迫ろうとする人が多く、クレツキもまさにそうした方向。ときに極めて濃厚な表情を付けるし感情が爆発する部分もある。クレツキを即物主義の指揮者だと思っている方はびっくりされるかもしれない。イスラエル・フィルも全力で演奏しており実に熱い熱いシューマンになっている。実質交響曲である「序曲、スケルツォとフィナーレ」も含まれ全集としての価値は損なわれていない。

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  • 4 people agree with this review
     2021/02/06

    エピック・レーベルからの発売だったのか。だからオケ、指揮者をケチったんだ。合点がいった。とはいえ、オケ・パートに大きな不満はない。うま味はないが特別下手でもないし、サイモンはよくまとめていると思う。無名の音楽家を叩いてマウントをとる評論家は昔たくさんいたからサイモンは酷く言われたが、虚心に聴けばちゃんと仕事をする指揮者であることはわかる。クラウスのピアノはかろやかでタッチも多彩で大変素敵だ。リマスタリングで大幅に音質改善しており、70年代のペライアよりいいくらい。かつてはこの演奏あまり評価されなかったが、この音質で聴くと充分魅力的な全集であり、音のよくないデュクレテ・トムソンやRCAよりはるかにクラウスの良さがわかる。

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     2021/02/03

    元N響の磯部周平氏による「彼らは日本の管楽アンサンブルの新しい歴史を作った」という一文が決して誇張ではない素晴らしい演奏。オーボエもクラリネットもファゴットも本当に上手い。しかもどの奏者も出しゃばらず、変幻自在にパートは受け渡される。ピッチの揃ったハーモニーの美しいこと。これぞハルモニームジーク。録音も含めてザビーネ・マイヤー・アンサンブルより上だと思うのだが、傑作「グラン・パルティータ」の傑出した演奏が地元愛知の若き女性陣にて成し遂げられたことに感慨を持たずにはおれない。

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     2021/01/22

    このセットを聴いて思うのは、アンドルー・デイヴィスは平凡な指揮者だということだ。根本的な指揮技術に問題があるのか常にオケのアンサンブルは曖昧で詩情は薄く音楽がエスプレッシーヴォになる瞬間は皆無。詰めが甘いのだ。ボールト、バルビローリと比較は酷にしても、バレンボイム、ハイティンク、ハンドリー、トムソン等にも遠く及ばない。エルガーの小品「ソスピーリ」1曲をとっても、この人はこの程度しかこの曲から感じないのか、と悲しくなる。安いからとこのセットを購入して、エルガー、ヴォーン=ウィリアムズって退屈だなと思われたら残念なので余計な一言を書かせていただいた。

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     2021/01/14

    ヴァインベルグの弦楽四重奏曲は初めて聴いたが、3曲とも極めて優れた作品であり、個人の好みでは交響曲や室内交響曲よりいい。ショスタコーヴィチに通じるシニカルな音楽だが、ヴァインベルグ特有の叙情性がどの曲にもあり、大変美しいのだ。アルカディアの演奏も抜群だ。前回バルトークが出た際シャンドスはこのカルテットの録音を継続してほしいと書いたが、どうやらその方向のようでなにより。

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     2020/12/08

    ラトル久々の傑作。ラトルにとって2度目の録音であり、この公演の2年前にはベルリン・フィル定期でも同じピーター・セラーズのセミ・ステージ上演をしていた。再録音にあたり、ベルリンではなくロンドンをとったのはラトルとしてより寝かせて熟成させたかったのかもしれないが、やはりラトルの機動部隊にはLSOのほうがよかったのだろう。チェコ勢と比べるとラトルはオペラのポイントを強調し、わかりやすく面白く仕立てている。こうしたラトルの啓蒙主義はベルリン・フィルのプロフェッサーたちには不評だったが(は?今更なに教えとんねん、という空気が濃厚だった)、ロンドンでは「おらが国の大マエストロ」としてLSOも素晴らしい反応で演奏している。フィンリー以下キャストも好演。十分感動的な演奏だ。「シンフォニエッタ」はバービカンの酷い音響のせいでこじんまりした演奏に聴こえてしまう。かつてバービカンをLSOが専用ホールとして使うことが決まった時、他のオケは随分文句を言った。今はどこも言わない。LSOもここで演奏する限り一流オケとはみなされないだろう。

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     2020/12/03

    ドゥヴィエル待望のメロディ集。選曲もセンスがいい。ドゥヴィエルは非常な美声でほれぼれする。ただ、あまりに透明、清純で色気、嫋やかさにやや欠けるかもしれない。それをカバーしているのがタローの素晴らしいピアノ。フランスのメロディでこれほどニュアンスに満ちたピアノ伴奏はあっただろうか。お薦めの一品。

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     2020/11/28

    ザンクト・フローリアン修道院での全集、これに尽きる。驚かされるのは凄い重低音が聴き手を包み込むことで、教会でオルガンを聴く体験に近い。ザンクト・フローリアンでの演奏は朝比奈、レミ・バローなど他にもあったがこんなサウンドはこれが初めてだ。全休止で無音のはずが残響がずっと残るのも特別。ゲルギエフの指揮も余分なことをせず(できず)遅めのテンポで丁寧に仕上げているのも好感が持てるし、ミュンヘン・フィルも極めて上質。ただ良い点ばかりではない。1番の終楽章、ジョン・アダムズかと思わせるような革新的な部分は早いテンポをとれないためどうしてもぬるく感じる。また、響きの混濁を避けるため金管はセーブしており、破壊的なクライマックスは訪れない。7番の第2楽章もムーディーに傾く。よって大満足とはいかないのだが、他では聴けないものなので大甘で満点にする。

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     2020/10/22

    「悲愴」、マンフレッドが出た後一気に全集が出たので録音も集中して行われたのかと思っていたら、2015年から19年にかけて5年を費やしじっくり取り組んだもののようだ。それは演奏に表れている。正攻法の表現でけれん味は一切ない。どの曲も完成度は大変高い。ときに、もっとエキセントリックにとかビシュコフならもっとやれると感じる瞬間もあるが、多分ビシュコフはチェコ・フィルの端正で室内楽的なサウンドを生かそうとしたのではないか。チェコ・フィルは上質でとりわけ管が優秀。最近出た全集では、ユロフスキ/LPO、ペトレンコ/RLPOより上、キタエンコ/ギュルツェニヒと互角か録音、白熱度でキタエンコのほうがやや部があるかな。録音レベルが低く設定されているのでボリュームを上げて聴かれることをお勧めする。なお、ピアノ協奏曲第1番は初稿での演奏で、ピアノがアルペッジョで始まるのでびっくりさせられる。

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