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Review List of フォアグラ 

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  • 3 people agree with this review
     2021/08/25

    ユニヴァーサルから出たグリュミオー全集は速攻で完売。不良があったということで一時的に再発したがこれも瞬殺。そりゃそうだ。私も買ったもん。ユニヴァーサルはグリュミオー人気を過小評価していたんじゃないか。だって、ヴァイオリンの魅力を突き詰めるとグリュミオーにいくんだから。オリジナルジャケットの問題とかいろいろあるけどやっぱり買っときたい。さて、グリュミオー全集を買えなかった人にメンブランのセットは手頃に見えるが、これはお薦めできないなあ。コリン・デイヴィスとのモーツァルト・コンチェルトとフルネとのフランスものの音が悪すぎる。板起しに使ったレコードの状態が良くなかったのだろう。このセットの音源は全集がなくても国内盤で全て手に入るからそちらを買うべきだ。

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     2021/08/10

    この演奏、新譜で出た時に評論家から酷評されたのをご存知だろうか。曰く、ワルベルクの鈍重な指揮がグリュミオーの足を引っ張り云々。嘘はいかんよ嘘は。ワルベルクのどこが鈍重なの。この曲に必要な要素はちゃんと用意されているしオケも燃えている。グリュミオーはユダヤ系のヴァイオリニストとは違い、音色は脂っこくなく透明で清潔、それでも緊迫した展開も歌心も万全の名演奏である。

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  • 5 people agree with this review
     2021/08/08

    70年代中学生になってから様々な指揮者の実演に接することができた。その中で驚いた指揮トップ3はショルティ、ザンデルリンク、ブーレーズ。ショルティとザンデルリンクはそのヘンテコぶりに思わず笑ってしまった。一方ブーレーズはここまで指揮者が感情的にならず冷静かつスマートに指揮できるものかと感心したのだ。カルロス・クライバーはもちろん凄かったが、クライバー以降は指揮者がかっこよさを相当意識するようになり、その弊害も大きかったと思われる。ショルティ、ザンデルリンク、ブーレーズは自分がどう見られているかは関係なく自分の音楽を表現するとあのスタイルになったのだろう。これが本来の指揮者の有り様だと思うのだが。さてこの大阪での「トリスタン」。実は映像を見ることができる。前奏曲ではアップはないもののブーレーズの指揮ぶりが見れるのだが、これが私が70年代に見たブーレーズとは違い、大きく手を振りときに熱情的なのだ。そして非常にわかりやすい。N響がワーグナーに不慣れなことを知りスタイルを変えたのだろう。N響に非常に好評だったというのはよくわかる。ブーレーズは臨機応変にできた人だとわかるし、ブーレーズには珍しく白熱する場面もある。歌手の出来はバイロイトのベーム盤以上かもしれないしオケもなんとか持ちこたえている。記録的価値を考慮しなくても一聴の価値があると思う。

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  • 3 people agree with this review
     2021/07/29

    クーベリック/シカゴBOXからの流れでロジンスキーコレクションを購入。というのも、シカゴでのクーベリックの前任がロジンスキーでキャシディ女史はロジンスキーを激賞しクーベリックをこき下ろしたからだ。共通するブラームス1番、チャイコフスキー6番、「展覧会の絵」を聴き比べるとクーベリックが断然いい。キャシディには音楽的見識も良心もなかったことがわかるが、こんな人間に23年間評論させ、クーベリック、ショルティ、マルティノンの心に深い傷を負わせたトリビューンの責任は重い(ショルティが最晩年に書いた自伝でもキャシディへの怒りを隠していない)。とはいえそれはロジンスキーに関わりないこと。彼の音楽はテキパキ進行する割にクライマックスはそっけなく淡泊なところが物足りない。オーケストラ・ビルダーとして有名な人だからNYPの状態はいいが紹介されているような熱血、爆演は少ない。これはウェストミンスター盤に共通する感想だ。いいと思ったのは、シベリウス4番、ワーグナー。コロンビア交響楽団を振ったトワイライト・コンサートは随分ごった煮のプログラムだがなかなか楽しめる。SPの音質は驚くばかり。スクラッチノイズもほとんどなく極めて鮮明だ。

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  • 3 people agree with this review
     2021/07/24

    クーベリックの遺産中最高のものがシカゴ響とのマーキュリー録音である。クーベリックのライフワークであった「わが祖国」も第1回録音のシカゴ盤が断然素晴らしく同曲のベストワンだと私は思っている。知と情のバランスが見事でフォルムは崩れず、それでいて白熱的な演奏であり、シカゴも圧倒的な素晴らしさだ。またブラームスの1番、チャイコフスキーの4番、6番も屈指の名演であり、クーベリックが欧州に帰って数年後に録音したウィーン・フィルとのデッカ、EMI録音とは密度も燃焼度もまるで違う。クーベリックはエモーショナルな表現が突然出てフォルムを崩したり、知が勝ちすぎて面白みのない演奏になったり私はあまり評価していないのだが、シカゴ時代はそんなことがないのだ。オケとの関係が良好だったことも伺える。加えてマーキュリーの超優秀録音!ウィルマ・コザート、ロバート・ファイン夫妻との出会いがこの幸福な録音を生み出すことになった。エロクエンス盤の解説が読み応えがある。これを見ると当時クーベリックが意欲満々のプログラムを組んでいたことがわかる。また、クーベリック退任の大きな要素になったシカゴ・トリビューン紙クローディア・キャシディの功罪がまとめられているのも興味深い。彼女の批評の表現はちょっとありえないレベルでありこれだけ優れた演奏をしてこんな叩かれ方をされたらクーベリックが深く傷ついたのもむべなるかなと思わせる。

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     2021/07/22

    私にはもうひとつわからない指揮者であるキリル・ペトレンコの新譜。7番はマーラーの交響曲中最も好きな曲なので評価も厳しくならざるを得ないが、高水準な演奏であることを認めつつトップ5に入るものではないという感想だ。ペトレンコでよくわからないのは表現の一貫性が希薄なことで、ここでも抜群に切れ味鋭い部分と案外サラッと過ぎてしまうところが混在している。そのため部分的には面白いのだが、意外に盛り上がらないのだ。第3楽章も随分明るい音楽になっているが失われたものも多いように思える。

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     2021/06/14

    ベートーヴェンのピアノソナタ全集にはポミエのような楽しく聴けるものもあるが、ポリーニは違う。CD1枚がブルックナーの交響曲3曲分くらいのカロリーがあり疲れ果ててしまう。1音も疎かにせず完璧で息の詰まるポリーニの演奏は苦手であり、ショパン、シューマンは聴き続けられない。しかしベートーヴェンは作曲家の懐の深さが違い、ポリーニの40年の挑戦もがっちり受け止める。奇抜な表現は全くないが、それでもこんなベートーヴェンは唯一無二であり、大変な偉業だと思う。やっと全曲聴き終えたが、これからもまた少しずつ聴き直してみよう。ポリーニの半生かけた全集なのにパッケージが安物くさいのが気に入らない。ポリーニに失礼ではないか。また、通し番号がなくニックネーム表記もないのも不親切だ。作品番号だけでああ、あの曲と分からない人はリスナーにいらないということなのか。

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     2021/06/02

    イギリスを中心に活躍する藤倉大の作品集。多作家らしいがソニーから毎年新作をリリースされているのはコンテンポラリー作曲家としては異例だし幸運とも言えよう。フリー・ジャズ風だったり環境音楽風だったりで肩の凝らない作品群だが、ホルン協奏曲がホルンという楽器の魅力を無視したところを面白いと思うかどうか。その点では笙のための「OBI」が最も楽器に即した音楽になっている。正直もう一度聴きたいとは思わないのだが、最後の「UMI」は少し様相が違い、聴き手のイメージを喚起させる力を持っている。藤倉は映画音楽に力を入れたいそうだが、確かにその方向が合っているかもしれない。

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  • 18 people agree with this review
     2021/05/15

    オリジナルカップリングになっておりバルビローリボックスよりはるかにいいが、裏ジャケットの復刻はしてほしかったな。「ロメジュリ」やチャイコフスキー3大バレエは表裏一体のイラストだったから残念。それはともかくジャケットを眺めていたら70年代録音の80%はLPで持っていたと思い至った。当時中学生から大学生、どうやって資金調達したのか。プレヴィンの大ファンという訳でもなかったのだが、そういえばこの頃のプレヴィンで失望したものはひとつもないのだ。プレヴィンはレコーディングに詳しく、クリストファー・ビショップ、クリストファー・パーカーとのチームは当時のEMIでは別格の良質の録音を提供していたと思う。ラフマニノフ、チャイコフスキー、ウォルトン、ブリテンは今も最高の演奏。合わせ物も大変上手い。ソリストと丁々発止でありながら見事にソリストをたてている。手を出さなかった残り20%はプレヴィンと相性がいいとは思えなかったシリアスな曲でそのショスタコーヴィチを8番から聴いたのだが驚愕。73年にロシア以外でこの曲の真髄にここまで迫った演奏があっただろうか。シカゴとの4番も傑出した出来。ほんとに70年代のプレヴィンは冴えていた。これが80年代RPOとの録音では残念ながらタガが緩んでいる。プレヴィンにとっても、そしてLSOにとっても70年代は黄金時代だったと思うが、たしかプレヴィンはドイツものが弱いとして楽団員、会員からクレームが入り辞任のきっかけになったと聞く。絶頂期は後年になって気が付くものだ。

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     2021/05/11

    2020年3月のライブ。オケ、合唱とも2団体の合同で、写真を見るとステージ上の人数は凄いことになっている。さらに普通に客も入っており、ドイツでは3月にまだこんなコンサートがやれたんだと驚く。グレの歌が上演できるのは次回はいつになるのやら。その意味でも価値ある録音ではある。ティーレマンの練達の指揮、歌手陣及びシュプレッヒゲザングのグルントヘーバーの好演等水準の高い演奏であることは伝わる。ただ、聴き手を巻き込むところまではいかない。マイクが遠く音量が小さいのも一因で、生々しさが足りないのだ。オケもあまり上手く聴こえないし「山鳩の歌」の痛切さ、兵士の合唱の複雑怪奇な魅力ももうひとつ。先の「影のない女」でも録音に不満があったが、折角のキャスティングなんだから、スタッフはちゃんと仕事をしてもらいたいものだ。

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  • 13 people agree with this review
     2021/05/03

    レーグナーの年表をHMVが作ったのを知って大いに驚いた。旧東独で活躍したスイトナー、ケーゲル、レーグナーは欧米では無名なのでこんな詳細な年表を作るのは日本ぐらいなのだろうが、これを無料で見れるのだから深く感謝し未だレビューがないので御礼もかねて書かせていただく。レーグナーは日本と深く関わった人だが、その割によくわからない指揮者と評されることが多い。それはレーグナー応援団であった評論家宇野がクナッパーツブッシュやシューリヒトに例えて賞賛したことが大きかったと思う。まず、クナとシューリヒトでは全く個性が異なるし、大体この評自体が頓珍漢なのだ。レーグナーは音楽の見通しがよく、タメを作らず前へ前へ音楽を推進する腕の立つ職人指揮者であり、タイプとしてはスタインバーグが近い。このブルックナーでも音楽は快調に進み、やるべきことは全てやっているので早いテンポでも不足感はない。むしろブルックナーの音楽が持つアグレッシブな面が出てきて非常に面白い。6曲いずれも出来は安定して優れておりレーグナーの実力がわかるし、読響もそれを認めていたから東独崩壊後も彼を招聘し続けたのだろう。ウェイトブリックから出ているブラームスも優秀であり、昔の変な評に左右されず聴いてほしい音楽家だ。尚、4番はノーヴァク版と紹介されているがハース版だと思うのだが。

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     2021/04/23

    メータ/LAPボックスの7番を聴いた後にクルレンツィスを聴いたのだが、メータのほうがよかった。メータはヴァイオリンを両翼配置にしているがクルレンツィスはやっていない。クルレンツィスは第1楽章で内声の弦の刻みを強調しはっとさせるが、実はメータもやっている。そしてメータにある興奮がクルレンツィスにはないのだ。結局クルレンツィスは表情をどぎつくやっているだけという疑問が湧く。ピリオドでこれだけの精度は瞠目すべきものであるが、徹底的な作りこみがベートーヴェンの音楽が本来持つ爆発力を減退させたのではないか。その点ではロトやエラス=カサドのほうが上だと思う。まあ、こんなことを言って毎回CDを買っている段階でクルレンツィスの術中に嵌っているのだが。彼は元々聴き手を感動させようなどとは考えていない。その手口を検分して議論にしてもらうことが目的なのだ。もしかすると21世紀のクラシックはこうしたものかもしれない。

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  • 1 people agree with this review
     2021/04/16

    ルース・スレンチェンスカ。天才少女として4歳でデビュー、7歳でコルトー指揮パリ・フィルと共演の写真がブックレットにある。2度のリタイアを経て夫の死後教え子の後押しで2度目のカムバック。日本との関りも深く2018年にサントリーホールでリサイタル、この時なんと93歳。今もご存命でお元気の様子。私は全く知らないピアニストだったのだが動画で知り、興味を持って購入。30代後半の録音だが、これが実に素晴らしい。CD1のショパン・エチュードから冴えたテクニックと繊細なタッチ、溢れる詩情で魅了される。ショパンはどれも抜群だが、リストもいい。機械的と批判されたそうだが、当時は彼女の新しさが十分理解されなかったのかもしれない。どうやら彼女のことを知る人は今も多くないらしく今回のリリースの大半は初CD化らしい。エロクエンスはよく復刻してくれたものだ。幼少期、全盛期の写真も豊富。多くの方に是非聴いていただきたい。

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  • 10 people agree with this review
     2021/04/12

    他のレビュアーの方も書かれているが、ユニヴァーサルとしては異例な裏ジャケットまで復刻、カプリングが変わったものもさりげなく裏ジャケットにオリジナルのように曲目追加してある。カルショウが嘆いていたようにデッカの営業はジャケットにコストを費やす気はさらさらなかったから魅力的なジャケットはあまりないのだが、それでもコンプリートボックスを購入する人間には大事なポイントだ。アバド/LSO、グリュミオーのBOXがなぜできなかったのか、不思議な会社だ。全盛期のデッカの録音は実に素晴らしく聴いていて本当に楽しいしリマスタリングで奥行きも広がっている。。演奏もどれも大変優れている。ラヴェルを楽しみにしていたのだが、ロジェ・ワグナー率いる合唱共々こんなに艶っぽい「ダフニス」は他にないし「ラ・ヴァルス」の痛快さも気持ちがいい。有名な「春の祭典」もスリル満点。「ペトルーシュカ」は1911年版と記載されているが、1947年版の間違いだろう。バレンボイム・ソニーBOX、アバド/LSOBOXと続けて聴いて、彼らの70年代の演奏はなんて面白いんだろうと思わずにいられない(今度出るプレヴィンワーナーBOXも)。覇気が合ってノリがよくやりたいことをやりきっている。これが80年代ベルリン・フィル、ウィーン・フィルの常連になる頃から皆つまらなくなってくる。オケ、伝統と妥協することで個性は薄れ立派だが退屈な演奏に陥ってしまったのは誠に残念なことだった。

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  • 2 people agree with this review
     2021/04/06

    欧州に商用で出かけた際時間があればコンサート、オペラに飛び込むのを楽しみにしていたが、そうした機会にアーロノヴィッチを3回聴いた。パリで1回、ケルン2回。凄い確率だと思う。日本では知名度が低いが欧州では活躍した名匠であった。代表盤であるラフマニノフでもスケール大きくオーケストラを鳴らしこくもたっぷり、ピアノとの絡みも緻密で素晴らしい。ヴァーシャリも万全のテクニックと高い音楽性を持ったピアニストであり、ラフマニノフの憂愁、憂鬱な楽想を見事に描き出す。あまり演奏されないが実は非常に面白い曲である1番、4番の魅力をこれだけ引き出した演奏は少ないし3番もベスト演奏のひとつ。

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