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TOP > My page > Review List of キュリオのおっさん
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0 people agree with this review 2015/05/16
1巻で、筆者陣を幅広くとるなら、いっそのこと哲学まで入れればいいのに、と思ったら、なんと2巻の巻頭に哲学者が来ていた。もとはギリシア哲学という王道路線の人だが、なぜか、日本各地で起こる行政の開発と環境を守りたい住民の間の軋轢を調整するという実学に行った変わった人で興味をそそられた。「空間」を哲学対象としているらしい。 **次章に来る淺川氏は「日本農業」は弱くない、食料自給率39%はまやかし、と明言する元気者で、その世界では有名な論客らしい。1巻の農業コンサルの意見と対立するが、まあ、多士済々ということで、このシリーズの幅広さがわかる。**次章の筆者が提唱する「半農半X」というコンセプトも、農業を志す主として都会の若者の間では有名らしいが、おっさんには「晴耕雨読」とどう違うのか、もひとつわからん。これが世代格差というやつか。**終章の社会学者は最近流行の「地産地消」を研究する人らしいが、その一長一短について、冷静に分析している。マスコミのイケイケ論調とはひと味違う冷静な分析が結構考えさせられた。 **変わった筆者選定の変わったシリーズが出たもんだ。
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ちょっと高かったが筆者陣の幅に興味をもって買ってみた。 ** 農業を産業ではなく、まず文化としてとらえる、というシリーズコンセプトらしいが、巻頭が農学部出身だから、これじゃ普通のすべりだしだ。 ** しかし、1章の筆者のアフリカ体験、奥地の原住民の村での体験談だが、いったんコミュニティに入れれば、基本的食料と薪は無償で提供される・・・カルチャーショック。自分など「コメ代稼ぎ」で四苦八苦しているのに。 ** 2章も軽くボディブローを受けた。日本だと洪水で床上浸水などしようもんなら、ニュースになる大事件だ。でも他のアジアの国では、洪水で池になった道路に釣り糸を垂れる人の写真があった。自然とともに生きるとはこういうことなのか。 この国では、稲も水害を見越して、浸水しても穂が水面に出るように茎が長く伸びるように進化しているそうだ。その写真を見て考えた。近代科学なんて、母なる地球の時間軸で見れば、しょせんまだまだ、一瞬の花火みたいなもんではないのか。 ** 3章の農業コンサルタントの人は淡々と書いているが、「日本の農業技術は最高!」なんて、だれが言ってんだというクールなまなざし。カルビーのポテトの栽培コンサルらしい。ここでも、世界視点から日本農業を見るべしと。 ** 4章の筆者は、自分には地味イメージの「農業ジャーナリスト」だけれど、実は世界中を飛び回ってる人らしい。ここでも日本農業の客観化ということを考えさせられる。 ** すぐ役立つ実用書とは程遠いが、じっくり農業を考えるには基礎資料になるな。筆者をもっと幅広く、いっそのこと哲学者あたりまで巻き込んだらいいのに。農学はやって農業すたれる、なんちゃって。
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