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Review List of 風信子 

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  • 0 people agree with this review
     2018/06/14

    チック・コリアが知己フラヴィオ・クッキのために書いた”6つのルミネーションズ”が素晴らしい 楽曲が奏者を知っている 奏者は楽曲を自分のものにしている ギターのソノリティを十全に味わい愉しめる 聞き惚れるとはこのことだ 冒頭の”子供たちの歌”はクッキがギター二台で演奏できるように編曲したコリアのピアノ曲で クッキが多重録音している 不思議な味わいがある ピアノ演奏以上に隙間が挟まる 空間性がありながらどこか二次元的な流れを感じさせる ひらひら風に舞っている音符を追いかけて子供たちが野原を駆け回っているようだ 後半のジスモンチとクレメンティの曲も多重録音だ どちらもメローで耳に心地よくリラックスして聞ける 掉尾に置かれたデュアルテの”イギリス組曲”ではギター音楽の真骨頂を目の当たりにした爽快感がある クッキのギターを堪能した 朋に知らせたい あなたも如何 

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  • 7 people agree with this review
     2018/06/14

    CDが世に現れた時 あからさまに拒否反応を示したり欠点を論ったりする人が出た いや今もってLPを称揚する人は後を絶たない それはこの国に遅ればせながらコンサート専用ホールができた時にも類似した現象が起きた ヒトには慣れ親しんだものを愛し美しいとして離れられない心があるようだ だが痘痕も靨であるが日常になったらこの世はトワイライトゾーンに陥ったままになってしまう レコードや公会堂と呼ばれる多目的ホールに厳然とあった音楽を聴くに障害となっていた数々の事実を忘れてはいけない ヘルシンキ・ミュージック・センターの欠点を挙げて何になる これまで録音に使われたタンペレホールは多目的ホールであり フィンランディアホールは議事堂である 念願の専用ホールを手に入れたフィンランドの人たちが成長発展していけるように応援したいと思う 旧来のホール録音より音の分離も良くなり細密な表情が伝わるようになったことは好いことだ 肝心の演奏を忘れはしない ”花の章”は第二楽章に入れて聴いた これでオリジナルに近くなる オーストリーだかユダヤだかフィンランドだか知らない ここにはマーラーサウンドをニュートラルに鳴らして愉しむ新しいソノリティがある マーラーが一番望んでいた音楽のあり方が実現している 先ずは聴いてみて朋よ あなたも如何

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  • 5 people agree with this review
     2018/06/14

    1990年スイトナーはシュターツカペレ・ベルリンを辞するとともに指揮活動を停止している 手の震えが原因だというドキュメンタリーをTVで見た記憶がある だが前年東ドイツが消滅したことと無関係ではないと踏んでいる このブルックナー第5交響曲は最後の録音の一つだ 残されたブルックナー録音5曲中の白眉でもある 演奏は自由にテンポを動かしてスイトナーらしい豪放さと繊細な抒情性を歌い込んだように見えるのだが これほどブルックナーが開眼した”スタイル”を理解した演奏はない 慥かにスコアにないテンポ変化やフレーズの対照性を際立たせようとして差異を拡げたり間を置いたりしたために幾分ギクシャクが生じている だが第5交響曲の素顔とその魅力を伝えて止まない スケルツォで時を喰ったが 基準演奏時間65分にほぼ沿っていて楽曲の流れを損なっていない もしこの演奏が”速い”と思う方は是非一度スコアを読んでみるといい ブルックナーが何を書いたのか知って 新たに”第5番”を聴かれれば 130年前のシャルクだけではなく多くの指揮者が恣意によってブルックナーを捻じ曲げてきたことが分かる そしてこのスイトナーがいかに優れた指揮者であるかも知れよう あなたも真のブルックナーの仲間になっては如何 

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  • 0 people agree with this review
     2018/06/13

    ピリオド楽器による演奏のブラームス シュトライヒャー1868 当にブラームスがいた時代のウィーン製のピアノによる間奏曲集と幻想曲集を聴く 妖艶な響きといったら言い過ぎだろうか よく鳴らせるハンマーアクションを持った優れたピアノだ ちょっと鼻にかかったような声(音)に色気を感じるのはわたしだけだろうか すっかり気に入ってしまった 19世紀も半ばを過ぎるてピアノの進化は大輪の花を咲かせていたようだ やはり音色を度外視して楽曲は聞けないし語れない 音色が持つ意味は音楽にとっては言葉以上に深くわたしたちの想像力と思考を刺激する そして何よりも言わなければならないのは イヤフォンやヘッドフォンで聞いていたのでは この意味は汲み取れないということだ これはわたしが犯した過ちだ リスニングルームに入ってDirectで再生して初めてこれが書けている はじめ無視しようとしたピアノ・ソナタもここでは美しい あなたも如何

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  • 3 people agree with this review
     2018/06/13

    第8交響曲はよく書けている だから誰がやっても”音楽”になる ただ完成した当初もそうだったようにどうやっても長い曲なので指揮者とオーケストラは一苦労覚悟で取り組まなきゃならない 演奏時間も70分から100分を超えるものまで様々だ どれでも(繰り返すが)”聞ける音楽”になる ではどれが好いのか 嗜好と美意識の問題だろう わたしは(稿にも拠るが)75分が基準線だと見る その観点から見ればスウィトナーは遅い 特にAdagioがということになるが 前後の楽章も各所でテンポ感が落ちるから 自然こういうバランスになったのだろう しかしこの演奏のどこが遅いのかと訝しむ人の多いことも承知している だから上記の問題ということになる そこで立ち上がってくるのがスイトナーの音楽性だろう このブルックナーは美しい 聞こえ方は人それぞれだとしても 世界と人生への愛をブルックナーに共感し唱和していることは分かるだろう そしてわたしも同感する あなたは如何   

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     2018/06/12

    これもピリオド演奏になるのだろうか 修復した19世紀のベヒシュタインで弾いたサティ 話題になるどころか 無視されて10年近く経ようとしている 薔薇十字団のために書いたフルートとハープのための音楽をピアノにパラフレーズした”星たちの息子” ペラダンも自作の詩劇に沿わないと三つの前奏曲しか使わなかった 1890年代この曲を理解できなかったのは薔薇十字団長だけではない コピー販売されたピアノ譜をラヴェルが求めたというが管弦楽編曲には至らなかった それほどにサテイは未来を歩いていた シェーンベルクやストラヴィンスキーの時代へ跳んでいる いや 21世紀の今でさえほとんど耳にする機会がない リュビモフ奏でるベヒシュタインは妖しい魅力の銀粉を振りまく それ以上に”サティ”が凄い 聴きだすと耳を離せなくなってしまう 朋よ そしてあなたも如何  

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     2018/06/11

    ルクセンブルク大公国はベルギー フランス ドイツの三国に囲まれている その東側を接するドイツの州がラインラント=プファルツ州だ どちらもドイツ系住民が主体の国と地域だが 大戦後フランスが統治したことからフランス音楽に親近感を持つ フランセの”2台のピアノのための協奏曲”という終ぞお目にかかれない曲目に惹かれて縁ができた 同名曲がプーランクにある ここに併録されたというよりはこちらがメインなのだろう これならば既知だ さらに”模範的な動物たち”があれば どう見てもフランセが前座なのだろう なんとプーランクが自作自演に及ぶ時 相方を務めていたのがフランセだとか ならば自分もと触発されたのも首肯ける 一楽章増やし規模を拡大した意欲作だ それでもフランセらしさは消えない 流れる水や大気のように澱みなく軽やかだ プーランクのような押し出しの強さや魅惑する艶かしさはない これを好しとするか食い足りないとするかは聞く側の性質に拠る バード姉妹のピアノを含めてわたしは大いに愉しんだ あなたも如何 

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     2018/06/11

    愛するバルビローリの遺産に感動を新たにする人も多いだろう しかしわたしはこれを最後とするだろう それは一つの時代の世界観と固有の美意識から引き出された演奏に類すると判じたからだ 誤解しないでほしい バルビローリの仕事や人間性への敬愛は消えない ベートーヴェンが現れてハイドンは最後の12の交響曲に影響を受けた 今ベートーヴェン演奏も新たな視点と美意識が打ち出されている 20世紀末をピークに スコアの校訂とピリオド演奏の成熟を目の当たりにしてきた今 この演奏は残念だが資料に収めるべきものだ ベートーヴェンが書いたスコアを尊重した第3交響曲の演奏時間は47〜8分になる バルビローリ&BBCsoは54分強だ 第2・第4楽章はいかにも遅い 歌謡性の強調が仇になった 音楽が重く口説い印象を拭えなくなった 現在ピリオド演奏は古楽器集団の専売ではない より普遍性のある美 それはハイドンが聴いた”英雄”の響きに近いだろう 彼の胸中を照らした二筋の光 日出と日没が同時に訪れたような心境だったと思う しかしハイドンもバルビローリも微笑んでいると思う 

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     2018/06/09

    美しい音と響きに聞き惚れるだけに残念だ 御多分に洩れず第一楽章の感動の焦点が定まらない 冒頭を4/4で演奏している ここは2/2アラ・ブレーヴェである 練習記号Bに〔C ruhig〕とあるのでこのテンポで統一して 練習記号Mまではtempo giustoで行こうとする指揮者は多い 百歩譲ってこれを是としよう しかしここに落とし穴がある そしてこう始めた指揮者は100%落ちる M〔2/2 molto animato〕でネルソンスもテンポを上げる スコアでは上げたテンポにブレーキが掛かるのは練習記号Sの9小節目〔etwas gedehnt〕からだ しかし練習記号N〜Sまでは音が薄くなるのでMの勢いが保てなくなる だからMは曲想が激変したかの如くギアを上げないといけないだ ブルックナーは「非常に活発な2/2で」と記しているのに従わない 因みにこの後第一楽章は〔breiter〕〔ruhig〕〔Sehr feierlich〕とテンポを次第に緩和し練習記号X〔2/2 Alla breve〕と念を押した上で〔非常に穏やかに、そして次第に速めて〕楽章を閉じる このように単純明快な構成をなぜ理解できないのか 優れた指揮者の墓穴を幾つ覘いたことだろう  

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     2018/06/08

    若きザビーネ・マイヤーとヴェルザー=メストの記録 音楽はモーツァルト ウェーバー ロッシーニのオペラのアリアをクラリネットが歌った後にオペラから主題を得て幻想曲あるいは変奏曲に仕立てた曲が続く クラリネットの歌謡性と技巧性の両面を聞かせるプログラミングだ 19世紀がクラリネットの表舞台になった背景が如実に浮かび上がってくる 水も滴るいい女ならぬクラリーノの魅力が横溢する 冒頭に置かれたヴェルディの「リゴレット」からのパラフレーズが聴きものだということを言い忘れるところだった オーケストラが最も活躍するのがここだ クラリネット・ファン オペラ・ファンに限らず愉しめるDiscだろう あなたも如何

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     2018/06/08

    プッチーニが教会オルガニストとして出発したことを忘れていた 後にミラノ音楽院に学びオペラを書き始める プレミア・レコーディングであり初めて耳にした ソナタ14曲 行進曲7曲 詩曲5曲 ほとんどが1〜2分台の小品だが美しい オペラ「マノン・レスコー」「修道女アンジェリカ」「トスカ」から間奏曲なども演奏される これはなかなかの聴きもの タミンガは規模の異なる三種類のオルガンを引き分けているから音色も変化して愉しめる 流石にプッチーニとあってメロディアスでオルガン音楽の厳しさややっぼったさはない さてどこでどんな風に聴くか 聴く者の裁量は無限大 あなたも如何

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     2018/06/07

    半世紀以上前の録音でありながら 今以て新鮮な驚きと感動に震える そもそもアイヴズの音楽を聴きたい人はいるのだろうか 岩城宏之の指揮で”第4交響曲”をかぶりつきで聴いて以来好きになったわたしも二度と実演を聴いた覚えがない 一体誰が演奏し誰が聴くのだろう 需要がなければ供給はされない 啓蒙する意志がない演奏では聴いてみようという人も増えようはずがない 新しいDISCが出ない訳だ アメリカの歴史や風土そして文化に興味がない人が〈多数決 彼らはそこに! 選挙 リンカーン・偉大な解放者〉とアメリカ民主主義を象徴する題名が並ぶ合唱曲に関心を持つか? ロパート・ブラウニングって誰だよ! 況して種々雑多なモチーフが猫の目のように入れ替わり立ち替わり現れる音楽に目眩はするけれど共感し自己の思いを載せていける人がどれだけいるのか? だがわたしは魅せられ離れられなくなった こう言ったらどうだろう アイヴズはピカソだと! キュービズムの音楽だと 一見デタラメで下手くそに聞こえるかもしれないけれど ピカソが一人の人間の様々な表情や感情を一枚のキャンバスに描いたように アイヴズは自分が見て聴いて感じている社会や人々を同時に音楽の中に存在させた 実際にそこにあるが如く 社会に見られる様々な事象やそこに渦巻く人間の思いや現れる感情の数々を凡て存在させた音楽 素晴らしいではないか あなたも如何 

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     2018/06/06

    20年忘れていた ブームの最中レーグナーまでがマーラーかという思いを持ったものだ 聞きはしたもののそのまま流していた 今頃になって さてどんなものだったかと聞き直してみる気になった 聴いて愕然とした これはなんだろう 広々とした空間に散らばってオーケストラが配置されたような響きだ しかも残響が浅い 音響の混濁がない 全てのパートの音が分離して聴き取れる マーラーが書いたスコアが透視図のように鮮明に浮かび上がってくる 極めて分析性の高い再現と言えそうだ ステレオタイプのロマンチックに誤魔化されていない演奏 見事に装われた形骸に切れたことさえ自覚できない透明な刃を通した演奏 第3交響曲は第六楽章“愛が私に語ること”に至って充足する 何と言っても感動の焦点は最後にある 夏の朝の一瞬がもたらした啓示 人生(=世界)の真理が歌われている レーグナーは醒めている 溺れない 第三楽章“森の動物が私に語ること”のTempo I から聴こえてくる「野生の生々しさ」に胸を突かれるのはわたしだけではないだろう 朋よマーラーの声を聴け あなたも如何 

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     2018/06/05

    GIANTSというあまり見たくないスペル以外は美しい モンテヴェルディとジェズアルドとそしてヨハン・セヴァスチャン・バッハ3人の曲を並べている オリジナルではなく凡てをハープとリュートで演奏している ハープはペダルアクションによる現代の大型ハープではなくバロック時代にウェールズで生まれたトリプル・ハープだという わたしたちが見知ったハープの弦は一列に並んでいる 所謂一連であリここで使われるのは三連 どういう音の配置になっているのか知らない ペダルはないがクロマチック・ハープだ 比較的小型ということもあり音色はリュートと近似している バッハのリュートのための2曲も違和感なく立体性すら感じさせて想像力を刺激する演奏になった ジェズアルドは彼一流のマドリガルを4曲 モンテヴェルディは”オルフェオ”組曲だ 何と言っても音色を愉しむ一枚だろう 優秀録音でもあり朋に知らせたい あなたも如何

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     2018/06/04

    20年余を経た今も コンロン&GOCのマーラー ”第5”が聴けることを歓びたい この葬送行進曲付き交響曲は”子供の不思議な角笛”交響曲集の皮切りでありマーラーの死生観を反映したものだ それは死への恐れよりも寧ろ憧れを抱いた生に耽美する精神が彷徨した軌跡だ これを不健康と嫌悪するか否かそれは人それぞれの人生観に拠る だが20世紀 時の刻みに並行してマーラー音楽へ傾注する人が増え続けたことは事実だ 時代がマーラーを求めた 20世紀は社会の隅に生きる一個人に至るまで国家によって生命を脅かされる不幸な時代だった証でもある コンロンのマーラーはスポーティーであり頽廃の影はできる限り薄められている 耽美するよりは美を描出するに精励している そこからはマーラー音楽の構造と個性のソノリティこそが鮮明になっている 神格化したマーラーなど椅子と名声が欲しい大家に任せておけばいい 今生まれ今を生きる老いない精神に喝采を あなたも如何 

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