Comp.symphonies: Temirkanov / Rpo
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DG | 埼玉県 | 不明 | 27/November/2016
不覚にも、これまでこの録音を聴いたことが無かったのですが、今回、低価格のバジェットシリーズが発売され、購入してはじめて聴きました。稀代の名演奏家による録音が数多あるチャイコフスキー交響曲全集ですが、その中においてもこの全集は秀逸の逸品だと思います。期待通りのロイヤルフィル(RPO)のクリアかつ厚みあるキラキラしたサウンド(録音の良さも手伝っているのでしょうか)はもちろんのこと、テミルカーノフの音楽解釈も緩急・強弱を織り交ぜたもので(この点においても、ロシア的とか、古き良きオーケストラ音楽と強く感じる方もあるかもしれません)、チャイコフスキーらしい、聴いていてとっても心地よいものとなっています。これもテミルカーノフの解釈と、それを表現するRPOのパフォーマンス力の高さ(日々培われたタフな体力)の上に実現し得たのかなと思います。どの曲も確固たる中軸となる一本の大きな音楽の流れが存在し、その安定した基盤の上に細やかな音の造形、緩急・強弱が構築されており、かつ時代錯誤を感じさせるような陳腐さも無く、安心感をもって聴くことが出来ます。RPOは金管の鳴りも良く、ティンパニのトレモロ、大太鼓の強打が合わさる部分(悲愴の3楽章など)ではロシア系爆演的な要素も垣間見れます。いずれにしても、この盤はどこにでもあるような演奏ではありません。フルトヴェングラー&BPO、カラヤン&BPO、バーンスタイン&NYP、ムラヴィンスキー&レニングラードフィルといった稀代の名コンビ&名演・名盤に匹敵する、歴史に残る名盤と云っても過言ではないと思います。3 people agree with this review
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日向 爽 | 東京都 | 不明 | 09/November/2016
チャイコフスキーは、最も早く西欧で認められたロシアの作曲家ということになっているが、その反面、ロシア国内では、作風がロシア的でないとして批判を浴びていたそうだ。 チャイコフスキーは、そうした国内の批判をかわすために、民謡などロシア風の素材を用いて作曲もしたが、逆に今や、ロシア国内では、そうした曲はチャイコフスキーの作品の中では出来が悪いとみなす向きもあるようだ。 そうした事情を反映してか、ロシアを代表する指揮者、ユーリ・テミルカーノフが指揮するチャイコフスキーの作品は格調高く色彩豊かで、まさに西欧風の洗練の極みであり、日本人が想像しがちなステレオタイプの「ロシア臭い」チャイコフスキー像とは大きく異なっている。 ロイヤルフィルのアンサンブルもよく練られ、細部まで彫琢されていて、完成度も高く、これから初めてチャイコフスキーの交響曲を聴くという人には、ぜひおススメしたいセットだ。2 people agree with this review
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