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Debussy (1862-1918)

CD La Mer, Orch.works: P.jarvi / Cincinnati So

La Mer, Orch.works: P.jarvi / Cincinnati So

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  21/March/2011

    ドビュッシーの有名な管弦楽曲をおさめたCDであるが、いずれも素晴らしい名演と高く評価したい。パーヴォ・ヤルヴィは、父ネーメ・ヤルヴィ譲りのきわめて広範なレパートリーを誇っている指揮者であるが、決して粗製濫造には陥らず、多種多様な楽曲のいずれについても水準の高い演奏を繰り広げているというのは、類稀なる才能の証左であると言えるところであり、現代における最も注目すべき指揮者との評価もあながち言い過ぎではないと考える。ドビュッシーの管弦楽曲については、フランス印象派を代表する楽曲であるだけに、マルティノン、アンセルメ、近年ではデュトワなどのフランス系の指揮者によるフランス風のエスプリに満ち溢れた瀟洒な味わいがある名演がもてはやされてきた。また、フランス風とドイツ風を融合させたカラヤンによる重厚な名演や、豊かな歌謡性を全面に打ち出したアバドやジュリーニによる名演もあった。これら海千山千の指揮者による個性的な名演と比較すると、パーヴォ・ヤルヴィの演奏には、聴き手を驚かせるような特別な個性があるというわけではない。では、没個性的な演奏かというと、決してそのようなことがないのである。ここでのパーヴォ・ヤルヴィのアプローチは、例によって精緻で丁寧に曲想を描き出していくというものである。恣意的な解釈はいささかもなく、音楽も滔々と流れていくが、どこをとっても情感の豊かさを失っていないのが素晴らしい。このように、持ち前の豊かな音楽性を発揮し、いわゆる自然体のアプローチを施すことによって、ドビュッシーの印象派ならではの精緻にして色彩感豊かなオーケストレーションの魅力をダイレクトに満喫することができるのが、何よりも本名演の最大の長所と言っても過言ではあるまい。要は、聴き手がゆったりとした気持ちで音楽自体の素晴らしさを味わうことができるということであり、その意味では、本名演は、過去のいかなる名演にも決して劣っていないものと考える。さらに、本盤が優れているのは、マルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質録音であり、ドビュッシーの精緻にして色彩感豊かなオーケストレーションを鮮明な音質で味わうことができることを大いに喜びたい。

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