小川のせせらぎの如き女性Vo

Friday, June 24th 2011

名古屋を中心に活動し08年にデビューした中垣あかねの2nd作は、スタンダード、ポップス、オリジナル楽曲を透明・繊細でセンス良く。



2008年にアルバム『Yes』でデビューした中垣あかね。ピュアでクリスタル、透き通る歌声、コケティッシュでキュートな表現力と親しみやすい選曲で、新鮮な魅力を放ちました。

それから3年を経て、彼女の待望となる2ndアルバム『River』がリリースされました。本作では、その3年という月日が、いかに彼女を大きく成長させたかを実証する歌唱を聴かせ、独自の表現を更に確立したと言える作品となりました。

叙情的なレノン＝マッカートニーのM1に始まり、現代的アレンジを施したスタンダードM2、パーカッションのリズムに乗るスティングのM3、キュートなラテン仕上げとなったM4、スキャットだけで歌い、バックの演奏と一体化した器楽的なチック・コリアのM5、王道的3拍子バラードM6、実力が問われるであろうピアノ・トリオによる極小の音使いによる繊細バラードM7、M8、気持ちの抑揚を見事に描いたM9、リズムが目間ぐるしく変化する中、再度スキャットのみで歌いきるチック・コリアのM10、洗練された現代的要素溢れるオリジナル楽曲M11など計11曲。

アルバムに一貫して言えるのは透明感・繊細・優しさに溢れる中垣あかねのヴォーカル。濁る事無く、女性らしい叙情性を全曲に生かした歌唱がスタンダード、ポップス、オリジナルなど、時代やジャンルを越えた、いかなる楽曲においても彼女の世界・色に染め上げています。

そんな彼女の歌に最大にマッチするのが、前作に引き続きピアノとアレンジを手掛けた、関西の重鎮、竹下清志のセンスの良さに他なりません。現代的で都会的ながら、冷たさがない温かい流れるようなサウンドが竹下と西垣のコラボにて実現できたと呼べるでしょう。

従来のジャズ・ヴォーカル・ファンは勿論、センシティヴなヴォーカルを好む音楽ファンにもお薦めの１枚です。

Track List

• 1 Black Bird (Paul McCartney, John Lennon)
• 2 The Days of Wine and Roses (Johnny Mercer, Henry Mancini)
• 3 If I Ever Lose My Faith in You (Sting)
• 4 You're Everything (Neville Potter, Chick Corea)
• 5 Humoresque (Kiyoshi Takeshita)
• 6 A Thousand Memories (Akane Nakagaki)
• 7 The Second Time Around (Sammy Cahn, James Van Heusen)
• 8 Leave Yesterday Behind (Karlin Fred)
• 9 Midnight Sun (Johnny Mercer, Lionel Hampton & Sonny Burke)
• 10 Windows (Chick Corea)
• 11 Torne (Akane Nakagaki, Kiyoshi Takeshita)

中垣あかね (vo)
竹下清志 (p)
佐藤有介 (b)
山下佳孝 (ds)
塩谷 博之 (ss)

中垣あかね プロフィール

1982年生まれ。愛知県豊田市出身。2003年9月初めて聴いたJazz Live に感動。以後、様々なジャズのCDやライブを聴くうち自らもジャズプレイヤーを志すようになり、発声を鈴木和美氏、磯野久仁子氏に、ジャズボーカルの基礎を三槻直子氏に師事。2004年4月初ライブ、その後、名古屋を中心に東海地区主要ライブハウスでジャズ・ヴォーカリストとして活動を開始。若手ヴォーカルだが個性的な選曲に加え、豊富なレパートリーを持ち、その支持層を確実に広げている。2008年2月、ホワッツニューレコーズレーベルより１stアルバム「ＹＥＳ」が全国発売。 スイングジャーナル誌2008年度ジャズディスク大賞にノミネートされる。同年８月、グレイスノーツレコーズより全国発売された「ジャズボーカルショウケースVOL.1」に参加、好評を得る。