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街場の文体論

Tatsuru Uchida

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784903908366
ISBN 10 : 4903908364
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2012
Japan

Content Description

言語にとって愛とは何か?30年におよぶ教師生活の最後の半年、著者が「これだけは伝えたい」と教壇で語られた「クリエイティブ・ライティング」14講。全国民に捧げる、「届く言葉」の届け方。

目次 : 言語にとって愛とは何か?/ 「言葉の檻」から「鉱脈」へ/ 電子書籍と少女マンガリテラシー/ ソシュールとアナグラム/ ストカスティックなプロセス/ 世界性と翻訳について/ エクリチュールと文化資本/ エクリチュールと自由/ 「宛て先」について/ 「生き延びるためのリテラシー」とテクスト/ 鏡像と共―身体形成/ 意味と身体/ クリシェと転がる檻/ リーダビリティと地下室

【著者紹介】
内田樹 : 1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。神戸女学院大学文学部総合文化学科を2011年3月に退官。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。第3回伊丹十三賞受賞。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ひめありす@灯れ松明の火

    読んでおいた方がいいよ、と勧められたので。そしてその内容を他の友達に話した所、哲学の別の話をしてくれて、また面白くて。学生の頃に戻ったみたいでした。講義をまとめた物なので、『先生、質問質問!!』と何度も脳内で著者に質問をしながら読み進めました。常に読み手のいない文章などない事。伝えたいと思って書く事。感想をかく時の参考にもなりました。最後の課題レポートでは私だったらエクリュとクリシェとエクリチュールとエリクシエルのあれこれについて書きたいなあとか思ったり。でもこれって読み手に敬意を現してない表現なのかしら

  • ユメ

    『創作の極意と掟』を読んで『文学部唯野教授』に手を伸ばし、もう少し文体について学ぼうと思いこちらを読了。著者のクリエイティブ・ライティングという大学講義を基にまとめられた本。この講義を生で聴けた人は幸運だと思うが、そうでない我々にも著者の肉声が語りかけてくるかの様で面白い。ソシュールもバルトもスッと身体に入ってくる。最も胸を打たれたのは「創造的な言語は読み手に敬意を払い、情理を尽くして語る時にのみ生まれる」という主張。メタ・メッセージ的な文章を書けるようになりたい。繰り返し読みたいし、人にも薦めたい良著。

  • SOHSA

    《購入本》内田作品は『日本辺境論』以来2作目の読了。著者の大学での最終講義をベースに仕上げられている。言語・文学論を主題として氏の思想が展開される。このように書籍化され文字として読むと内容は難解であるにもかかわらずとても解りやすい。すべてを吸収するところまで私自身が達せていないが、あちこちに胸を衝き腑に落ちる箇所があった。著者の放つ言葉のベクトルは確実に読み手に向かっている。本書の中で述べられているように、著者から襟首をつかまれ身体をがたがたと揺さぶられた。著者からのメタ・メッセージは届いた。

  • ゆーじん

    最初は身構えつつ、構造主義を懐かしみ、クリエイティブな言葉の秘密を求め読み耽った。頭のいい人だ。複雑な事象も、直に本質に潜り込み、見事に解説してみせる。私の研究室にも優等生がゴロゴロ居て、悩まされた。が、著者は優しい。堕落した作家など糾弾したらさぞ胸がすくだろう、という場面でさえ、労わりの手を差し伸べる。クリエイティブな言葉とは、結局伝えたい切迫感そのものなのだという主題に、大賛成。が、作家などを僅かでも皮肉れないほど、日本の出版界は、まるで統制下に置かれているように堅苦しいのかと気になった。

  • 長谷川透

    本書は「文体論」を謳っているが「真っ当な生き方論」「真っ当な知性の使い方論」でもある。真剣に文章を(内田氏も語る文脈の上での真剣にということだ)書いたことのある人ならば、文章を書いて何かを伝えるという行為は、自らが持つ知識・知性を総動員しなければならないタフな行為であることはご存知だと思う。骨の折れる作業だし、周囲の評価を伴わないことさえもある。しかし、巨大なシステムの脆弱さが露呈している今、そのタフさは、このご時世を生き抜く上で強力な武器となる。この本が示してくれたのは文章を書く技術云々ではなく勇気だ。

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