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もういちど村上春樹にご用心

Tatsuru Uchida

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784903951379
ISBN 10 : 4903951375
Format
Books
Release Date
November/2010
Japan

Content Description

目次 : 新版の読者のみなさんへ / はじめに   村上春樹の太古的な物語性について / 1 初心者のための 村上春樹の「ここが読みどころ」 / 2 『1Q84』とエルサレム・スピーチを読む / 3 村上春樹の世界性 / 【特別対談】 柴田元幸×内田樹 『村上春樹はからだで読む』 / 4 翻訳家・村上春樹 / 5 うなぎと倍音 / 6 雪かきくん、世界を救う / 旧版のあとがき / 新版のあとがき / 初出一覧

【著者紹介】
内田樹 : 1950年東京生まれ、東京大学文学部仏文科卒。神戸女学院大学文学部教授。専門はフランス現代思想。ブログを拠点に武道(合気道六段)、教育、アメリカ、ユダヤ、メディアなどさまざまなテーマを縦横無尽に論じて多くの読者を得ている。『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書)で第六回小林秀雄賞受賞、『日本辺境論』(新潮新書)で第三回新書大賞を受賞。2010年7月より大阪市特別顧問に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ケイ

    作者は哲学者で翻訳家で村上春樹の大ファン。村上作品の根底にあるものを彼の知性を駆使して語る。これを読むと、村上の作品についてわかった気になる。彼の作品を読んでいることを前提として。「邪悪なものをめぐる神話」、「青年の成長譚」 「血族と因果の物語」。世の中には「父権的」なものがあるが、それがなかったら人はどのようにして生きるのか、君はそれでもいいかい?との問い。そして弱い一人のボクがその父権的力に戦いを挑む、それは狭いエリアの戦いで終わる、ささやかだが大切な仕事。それを念頭に置いてまた読み直すとするか。

  • との

    前半は仕事が忙しい時に読んだからかあまり残っていないけど、後半はとても興味深く読めました。どうして村上春樹に惹かれるのか、自分でもよくわからない部分を、内田樹が交通整理してくれた気がする。◇村上文学における労働哲学と、朝ごはんの機能性が特に面白かった。世界には不条理な「邪悪なもの」があって、でも一人一人の雪かき仕事のような無名の、ささやかな献身の総和として、世界は辛うじて成り立っている。そんな雪かき的な仕事が、世界の善を少しだけ積み増しする。村上春樹の誠実さが垣間見えます。さて私は、どちらの人間だろうか。

  • Gatsby

    改訂版だと知っていながら購入。もちろん、前の本でも読んでいる内容が多かったのだが、そのことも確認しつつ楽しく読むことができた。やはり、優れた読み手によって、小説は新たな光を与えられるのだと実感した。柴田元幸先生との対談にあったのだが、内田先生が離婚して精神的にまいっていた時期に村上春樹を読んで評価するようになったとのこと。実は私も失恋した時に村上春樹をむさぼるように読んだことを思い出した。The Great Gatsbyを原書で読んだのも同時期だったな。

  • fishdeleuze

    『村上春樹にご用心』にエルサレム・スピーチ,いくつかの小論,柴田元幸との対談などを新たに収録し編纂された本(別のベストアルバムみたいなもんですとのこと)。新たに収録された小論のうち『1Q84』についての論考において,村上は今回初めて「父」なるものについて言及していると述べている。「父」なるものとは?「父の呪縛」とは?天吾らの反リトルピープルモーメントが「父」(=NHK, さきがけ,証人会)の世界の根源的未規定性あるいは本質的無意味性を暴いてしまったあと「子ども」達はどう生きていけばいいのか?→

  • Christena

    本の冒頭の「新版の読者のみなさんへ」が面白い。『村上春樹にご用心』の改訂版ということで、重複する文章も多かったけど、図書館で借りた本なので、がっかりすることもなかった。この本で印象に残ったのは、人生は不公平で自分の持っているものでやりくりしなくてはならない、村上春樹の小説に出てくる料理の描写は、冷蔵庫にあるもので作っていて、そのことを象徴しているということ。なんか深いなぁ。

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