ブロムシュテットの能力は不当に過小評価されている。ここでは、機能美にすぐれたSFSOを率い、美しく、古典的な演奏を行っている。実は、最初のプレスで「イタリア」と組んであった「スコットランド」が、全ての点で完璧、文字通り超名演だったので、それが入っていれば文句無く最高点だったのだが。

このＣＤとても良いです。おだやかで、何回も聴きたくなります。当時の広上先生と日フィルの関係も良かったのでしょう。響きまろやかでストレスが全然ありません。この２曲のライヴ録音という存在もとても貴重です。ご興味ある方は是非お聴き願います。

このスコットランドは10インチのレコードで愛聴していた演奏。録音は確かに古いが、それも味の内。クレンペラーの名演をも凌駕する至福の時をもたらしてくれます。SKDの深い響きに心を奪われる第1楽章に続き、生命感溢れる第2楽章が駆け抜ける。見事な構成の引き締まった第3楽章のあとには、疾風怒濤の第4楽章。ケンペは同曲のステレオ録音を残さなかったが、これで十分。それにしても何と素晴らしい交響曲だろう！