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哲学する民主主義 伝統と改革の市民的構造

Robert D. Putnam

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784757140240
ISBN 10 : 475714024X
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2001
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Content Description

本書は、イタリアにおける州の研究を通じて、イタリア人の市民生活に関する根本的な疑問のいくつかを検討する。具体的にはイタリアの地方政府の公共政策におけるパフォーマンスを比較分析することで、高い地域にはそれなりの伝統、つまり市民的政治文化があり、結局のところそれがパフォーマンスを上げているとの結論にたどりつく。パフォーマンスの高い地域とされた、中部イタリアには数百年に及んだ共和政の伝統があった。北部イタリアはフランスやオーストリアの勢力に翻弄されることが多く、共同体主義が発達しなかったし、ローマ以南の地域では何世紀にもわたる征服王朝による封建的土地所有が地域社会の基礎にあったため、その根本に不信があるという。著者は、共同体主義の伝統がない地域では政治の改革は深まらないと指摘する。

目次 : 第1章 はじめに―制度パフォーマンスの研究/ 第2章 ルールの変更―制度発展の二〇年/ 第3章 制度パフォーマンスを測定する/ 第4章 制度パフォーマンスを説明する/ 第5章 市民共同体の起源を探る/ 第6章 社会資本と制度の成功/ 補遺A 調査方法/ 補遺B 州会議員の態度変化に関する統計的証拠/ 補遺C 制度パフォーマンス(1978‐85年)/ 補遺D 散布図で用いた州の略記/ 補遺E 地方政府パフォーマンス(1982‐86年)および州政府パフォーマンス(1978‐85年)/ 補遺F 市民的関与の伝統(1860‐1920年)

【著者紹介】
ロバート・D・パットナム : ハーバード大学教授。1941年米国ロチェスター市生まれ。専攻、政治学。大学学部、大学院でアメリカ政治、比較政治、公共政策、国際関係論を講ずるかたわら、国家安全保障会議スタッフ、国務省顧問などを歴任。2001年9月から米国政治学会会長に就任予定。エリート論、政治文化論、民主主義論、比較政治学、イタリア政治論等多様な分野で数多くの著書、論文がある

河田潤一 : 大阪大学大学院法学研究科教授。1948年、神戸市生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業。神戸大学大学院法学研究科、甲南大学法学部教授を経て、1998年より現職。著書に、『比較政治と政治文化』(ミネルヴァ書房、1989年)、『現代政治学入門』(ミネルヴァ書房、1992年、編著)、『政党派閥―比較政治学的研究』(ミネルヴァ書房、1996年、共編著)、訳書に、チャールズ・P・ヘンリー『アメリカ黒人の文化と政治』(明石書店、1993年)、ジェイムズ・ジェニングズ『ブラック・エンパワーメントの政治』(ミネルヴァ書房、1998年)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ぽん教授(非実在系)

    南北イタリアの行政サービスの質や経済格差の原因は、歴史的な社会関係資本の濃密さの度合いの違いであった。以上の命題を証明すべく投入したデータ量・徹底的な分析でページを相当使っている。文化を分析する際にも統計学をガンガン使ってよいし、歴史的な叙述や質的分析もガンガンやってよい、というお手本である。

  • スターライト

    『ソーシャル・キャピタル入門』ではたびたび言及され、また他の本でも市民共同体についての分析がされていることで興味を持っていたので読んでみた。1970年から20年間のイタリアにおいて政治的分析を試み、各州の制度パフォーマンスの違いを詳細に説明。各指標で高スコアをマークする北・中部の州と低レベルの南部の州の違いは社会資本の違いであり、その原因は中世にまで遡る歴史的背景にあることを突き止める。それが、独立後の合衆国とラテン・アメリカの違いと似通っているのは興味深い。同じパットナムのアメリカ分析の書も読む予定。

  • ざっきい

    民主主義シリーズとして読んだ本。原題は「Making Democracy Work」で1993年出版、ソーシャルキャピタル論のさきがけ。1970年に始まったイタリアにおける地方分権制度と各地方の発展を20年ほど追跡し、社会や経済、考えがどう変わったか、なぜ変わったかを調査した本。なぜ社会資本の過多が存在するのかはもちろん、社会資本がもつ危険性や、外的要因に関するコメントが少ないと感じられるものの、注目すべき本であることは間違いない。

  • たむよ

    「社会資本」という言葉が独り歩きしているが、経路依存を実証的に分析した点をもっと評価すべき本。まぁ、最後はノースの礼賛に終わっていたが。

  • HALO360°

    原題は『Making Democracy Work』で、邦題の『哲学する民主主義』は原題にも内容にもかすってない残念なものだが、論文としての価値は高い一冊。本書はデータ分析によって民主主義の質を検証し、同じ制度であるはずのイタリアの南北格差を生む原因を水平的な人間関係に基づくソーシャル・キャピタル蓄積の歴史の有無に求める。

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