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江戸川乱歩トリック論集 中公文庫

Ranpo Edogawa

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122075665
ISBN 10 : 4122075661
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2024
Japan

Content Description

探偵小説にとってトリックとは何か?

戦後、江戸川乱歩は海外作品を渉猟し、「なぜ小説を書かぬ?」と揶揄されながらも、独自のトリック研究に没頭した。
物理トリックは本当に出尽くしたのか。これからのミステリが進むべき道とは‥‥。

多くの追随者を生んだ、全推理ファン必読の名篇「類別トリック集成」、およびその随筆版として自身が編んだ『探偵小説の「謎」』。ほか、乱歩のトリック論を精選し、初めて一冊に。
巻末に、トリック研究の只中に行われた横溝正史との対談「探偵小説を語る」(1949)を付す。
さらに、乱歩没後、松本清張指揮のもと研究を引き継いだ中島河太郎・山村正夫による「トリック分類表」(1969)を書籍初収録。

「類別トリック集成」という伝説を乗り越え、来たるべき探偵小説を模索するための、文庫オリジナル。
『江戸川乱歩座談』(中公文庫)に続く生誕130年記念刊行。

【目次】
1 類別トリック集成
2 探偵小説の「謎」
3 トリック各論・補遺:珍らしい毒殺の話/微視的探偵法/自動車と探偵小説
4 トリック総論:探偵小説のトリック/トリックを超越して/「謎」以上のもの/トリックの重要性/一人の芭蕉の問題/本陣殺人事件/探偵小説と子供心/創意の限度について/探偵小説の特殊性への執着/トリックについて
5 トリック分類表(中島河太郎・山村正夫)/探偵小説を語る(対談・横溝正史)

解説 新保博久

【著者紹介】
江戸川乱歩 : 1894年、三重県名張町生まれ。本名・平井太郎。早稲田大学政経学部卒業後、数々の職業を転々。1923年、雑誌「新青年」に「二銭銅貨」を発表し作家デビュー。36年の『怪人二十面相』以降は少年探偵団もので人気を博す。47年、探偵作家クラブ(のち日本推理作家協会)初代会長となり、54年、江戸川乱歩賞を創設。57年より雑誌「宝石」の編集にたずさわる。65年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    本格ミステリ愛読者は頭の中にトリックのデータベースを構築し、常にデータの更新を怠らない。探偵文壇で活躍してきた乱歩は、戦後入手した英米作品の原書まで調べ上げて当時最先端のデータベースを作り上げた。私も中学時代に集中の『探偵小説の「謎」』を現代教養文庫版で読み、その面白さに夢中になった。これに類別トリック集成をはじめ関連トリック論を集めた本書は、まさに「娯楽としての殺人」を楽しむための基礎教養本といえる。ハイテクや特殊設定も出現した今は同様の分類表作成は難しいが、ミステリの心踊る喜びの真骨頂を味わえるのだ。

  • ぐうぐう

    『江戸川乱歩座談』に続く文庫オリジナル。タイトルからわかるように、トリックに関するエッセイが収録されている。巻頭を飾る「類別トリック集成」にまずは圧倒される。古今東西あらゆる探偵小説のトリックを系統的に分類しているのだ。この早い時期(1953年)にトリックのデータベース化を試みたと言うのが乱歩の乱歩たる所以なのだが、逆にこの早い時期だからこそ可能だったとも言える。800にもなるトリックを眺めていると、「死体が犯人」や「人形が犯人」など、その突拍子もない意外性がシンプルに面白い。(つづく)

  • 阿部義彦

    最近良く買うようになった中公文庫です。前回の江戸川乱歩座談に引き続き、江戸川乱歩が生前に過去の海外を含む探偵小説を読破し、(中には翻訳が無く原書で読んだのも含む)そのトリックを類別してまとめたものです。そんなのが有るというのは昔微かに記憶に有りましたが、それがこんな形で文庫オリジナルとして読めるなんて思いませんでした。一人の作家が生きてる間に作れる満足できる探偵小説は良くて6作。後はエピゴーネンとは説得力がある。私が好きなチェスタトンは乱歩も凄みがあるし、逆説など視点が斬新で一目を置いてるのが嬉しい。

  • Inzaghico (Etsuko Oshita)

    よくもまあこれだけトリックを集めたものだ、と感心する。有名どころは覚えているものが多かったが、実際の犯罪事件まで取り上げていて、どれだけカバーする範囲が広いんだ、と。各所に書いたものを一冊にまとめたので、重複が多いのは致し方なかろう。『本陣殺人事件』は何度登場したことか。おかげでトリックのみならず犯行の動機まで思い出せた。乱歩はこの動機がまったく気に入らなかったようだ。トリックといえば、バカミスの傑作(褒めてます)クリスチアナ・ブランドの『ジェゼベルの死』を、乱歩ならどう評価(もしくは酷評)しただろうか。

  • あつべよしき

    乱歩のミステリを広め良くしようという、器の大きい仕事はともすれば作品そのものより偉大だな〜と感じた。この中で言及されているマルセル・エイメのある男に後光(天使の輪?)が現れて、それを無くそうと悪行含めて手を尽くす話を読みたい。おそらく世界文学全集20世紀の文学37に収録されている『恩寵』がそれっぽいので、手に入れようとしている

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