Pirates Of The Caribbean: At World's End

海賊たちの自由な時代は終わりを告げようとしていた。東インド貿易会社のベケット卿はデイヴィ・ジョーンズの心臓を手に入れ、この“深海の悪霊”と彼のフライング・ダッチマン号を意のままに操り、次々と海賊たちを葬り去っていた。そんな中、処刑台に向かういたいけな少年の小さな歌が、やがて囚人全員に広がり、高らかな大合唱となっていった。　―♪ヨーホー　掲げろ　髑髏の旗を♪―　それは、海賊たちに決起の時を告げる“召集の歌”だった。
シンガポール―　エリザベス（キーラ・ナイトレイ）とバルボッサ（ジェフリー・ラッシュ）、ティア・ダルマ（ナオミ・ハリス）、そして、ウィル（オーランド・ブルーム）は、この地の海賊長であるサオ・フェン（チョウ・ユンファ）の元に向かう。目的は、“ディヴィ･ジョーンズ・ロッカー（海の墓場）”からジャック・スパロウ（ジョニー・デップ）を救い出す為“世界の果て（ワールド・エンド）”への航路を示す海図を手に入れることだった。“歌”が歌われた今、海賊たちに残された道はただひとつ―選ばれし9人の海賊長からなる「評議会」を召集すること。サオ・フェンもバルボッサも海賊長のひとりであり、ブラックパール号とともに囚われているジャック・スパロウもまた、その一員だったのだ。
海図を手に入れたエリザベス、ウィル、バルボッサ、ティア･ダルマ、そして、お馴染みのブラックパール号の乗組員たちは、海図が示す謎めいたメッセージを頼りに“世界の果て（ワールド･エンド）”を目指す。やがて、船の前方に巨大な滝が現れ、一行は果てしない海の奈落へと落ちていった・・・。
不気味な浜辺に打ち上げられた一行の目の前に現れたのは、ブラックパール号とキャプテン・ジャック・スパロウだった！ジャックを救出すると、全員はブラックパール号に乗り込み、帰路を急いだ。死の国の海には、海で命を落とした者たちの屍で満ちていた。ティア･ダルマによれば、この死者たちをあの世に導くことこそ、女神カリプソがデイヴィ・ジョーンズに与えた務めだった。彼は、１０年に一度だけ愛する女に会うため陸にあがることを許されたが、務めを怠った為に怪物に姿を変えられてしまったという。
落ち着きを取り戻したブラックパール号、しかし、危機を脱した瞬間から、それぞれの裏切りのゲームが再開する―。ブラックパール号の船長の座を狙い争うジャックとバルボッサ。フライング・ダッチマン号に囚われの身になっている父親“靴ひものビル”の救出のために手段を選ばないウィル。狡猾なサオ・フェンに、「評議会」の裏をかきたいベケット卿・・・・それぞれの思惑とその場しのぎの取引が複雑に絡まりあい、もはや誰ひとり信じることはできない状態になっていた。
ジャック、エリザベス、ウィルの運命が再び交差する時、前代未踏の“ワールド・エンド”で海賊たちの自由を賭けた最後の決戦の火蓋が切られるー。