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ISBN 10 : 415209284X
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『これからの「正義」の話をしよう』のサンデル教授最新作。テーマは「市場と道徳」。実際に起こった事例を検証しつつ、これらの背後には「道徳」をめぐる問題が横たわっていることを示し、いきすぎた市場主義の暴走に警鐘を鳴らす。
私たちは、あらゆるものが金で売買される時代に生きている。だが今やこの「市場主義」は、教育、政治、医療など、本来ふさわしくない領域にまで及んでいるのではないか? 暴走する資本主義から「善き生」を守るために、私たちにできることとは――?
教育や医療、政治といった領域に市場主義が入りこむことに多くの人が違和感を覚えている。その理由は大きく分けて、「それが不公平だから」「それが売買の対象となるものを堕落させるから」の2つ。サンデルがとるのは後者の立場である。ある財/善(goods)が市場の論理で処理されるにふさわしいかどうかは、その財の目的によって判断されるべき。つまり「それを売買するのは正しいか否か」というのは道徳的・政治的問題であり、単なる経済の問題ではないのだ。
第1章要約 (全5章)
「お金を払って行列に割り込む」のは許されるか? 高級レストランではチップをはずめば満席のはずの席を取れることや、コンサートの「ダフ屋」はよく知られている。さらに最近のアメリカの高速道路では、ラッシュ時に追加料金を払って、すいた車線に誘導してもらえるサービスが人気を集めている。
では次のような実話をどう思うだろう。ローマ法王のミサ席の確保を代行する業者。議会の公聴会の席をとるべく、ホームレスに金を払って傍聴券に並ばせるロビイスト。最高裁判所での重要な法案審議の傍聴券取得を代行する会社。追加料金でいつでも優先的に診療をおこなう「コンシェルジュ・ドクター」。いずれの取引も、「行列の倫理(自分の順番を待つこと)」を「市場の倫理(お金を払って早くサービスを受ける)」に置き換えるものだ。こうした置き換えは、コンサートなどの「娯楽」では許せても、政治や医療にまで及ぶと、多くの人が抵抗をおぼえる。両者にどんな違いがあるというのだろうか?
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Creator:望月ハルヒ
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