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ISBN 10 : 4909753192
Content Description
都市のあちらこちらで再開発の計画が持ち上がり、少なからず反対の声があがっている。社会科学や自然科学の研究者は問題点を指摘するなど活発に発言しているが、人文学の研究者からの発言はあまり表に出ていない。都市は人間が生活する場であり、そこには暮らしの歴史や物語がある。そう考えると、歴史学や倫理学、美学など人文学の研究者も何か語ることができるのではないか。そのような思いから、2023年6月に、神宮外苑再開発問題をめぐるオンラインセミナーが開かれた。
本書ではそのときの登壇者にあらたな執筆者をくわえ、10章構成で、それぞれの専門分野から、都市の自然と人間との関わりについて論じた。関係的価値、グリーンインフラ、将来世代への責任などのキーワードを軸に、具体的な事例を参照しながら幅広いテーマを扱っている。都市に生きる私たちにとって、持続可能な都市とは何かを考える一助となるだろう。
【内容】 場所の記憶から照射するジェントリフィケーション(北條勝貴)/人と深い関わりがある自然の保全の理念はどうあるべきか(鬼頭秀一)/都市における自然の価値(吉永明弘)/都市の生きた遺産としてのグリーンインフラ(太田和彦)/ヨーロッパの持続可能な都市の輪郭(穂鷹知美)/すべての生き物のためにデザインされた共存共栄都市へ(ルプレヒト・クリストフ)/将来世代にどのような都市を残すか(吉永明弘)/生活の時間と公園の時間(青田麻未)/場所や自然とどのような関係をもつべきか(高橋綾子)/より多くの人が都市を故郷と呼ぶ時代に向けて(太田和彦)
【著者紹介】
太田和彦 : 南山大学総合政策学部准教授。東京農工大学大学院連合農学研究科修了。博士(農学)。専門は環境倫理学、食農倫理学、シリアスゲーム。アジア太平洋圏食農倫理会議、第4回オンライン大会、第5回名古屋大会主催
吉永明弘 : 法政大学人間環境学部教授。千葉大学大学院社会文化科学研究科修了。博士(学術)。専門は環境倫理学
北條勝貴 : 上智大学文学部教授。専門は東アジア環境文化史、パブリック・ヒストリー
鬼頭秀一 : 東京大学名誉教授。東京大学大学院理学系研究科(科学史・科学基礎論)博士課程単位取得退学、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授を経て、現職
穂鷹知美 : 学習院大学人文科学研究科博士後期課程修了。博士(史学)。日本学術振興会特別研究員(環境文化史)を経て、2006年よりスイス在住ライター
クリストフ・ルプレヒト : 愛媛大学社会共創学部環境デザイン学科准教授、一般社団法人FEAST理事。地理学・都市計画・生態学博士(2015年、オーストラリア・グリフィス大学
青田麻未 : 群馬県立女子大学文学部専任溝師。博士(文学)。東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学。日本学術振興会特別研究員PD(成城大学)を経て、現職
高橋綾子 : 兵庫県立大学環境人間学部教授。新潟大学大学院現代社会文化研究科修了。博上(学術)。専門はアメリカ文学、環境文学、アメリカ現代詩(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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