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ポリー氏の人生 エクス・リブリス・クラシックス

H・g・ウェルズ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560099124
ISBN 10 : 456009912X
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

百年を経ても心揺さぶる、自伝的長篇

アルフレッド・ポリーは貧しい商店主の家に生まれ、服地商の徒弟になる。父の遺産で自分の店を開いたものの倒産寸前。高嶺の花の少女にふられた反動で結婚した従妹の妻との仲もうまくいかず、ある決心をする――自宅に火を放って剃刀自殺をし、生命保険と火災保険を妻に遺して不毛な人生に幕を下ろすのだ、と。
『タイム・マシン』『モロー博士の島』『透明人間』『宇宙戦争』などの小説で「SFの父」と称されるウェルズだが、フェビアン協会に参加し、国際連盟の提唱、人権の遵守、英国の社会問題に取り組んだ社会活動家でもあった。
1910年に発表された本書は、徒弟身分の苦労を描いた『キップス』同様、自身の若き日を投影し、下層中産階級の苦悩をコミカルかつ哀切に描いている。人生の「おぞましい穴ぼこ」に嵌まり込んだ男の起死回生の物語であり、作家自ら、最愛の作品と認める自伝的長篇。
英『ガーディアン』紙は本書を「古今の名作小説100」に選出し、ウェルズを主人公にした伝記小説『絶倫の人』を書いたデイヴィッド・ロッジは、ウェルズ作品のトップ・テンに選んでいる。

【著者紹介】
H・G・ウェルズ : 1866‐1946。英国の作家・社会活動家。「SFの父」と称される。フェビアン協会に参加し、国際連盟の提唱、人権の遵守、英国の社会問題に取り組んだ活動家でもあった

高儀進 : 1935年生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。翻訳家。日本文藝家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ケイ

    ビターで、飲み込むには少し痛みを伴う。これが半自叙伝なのだとすると、自分の人生を丸ごと愛することは出来なかったのかなということかしら。女性目線で見れば、自らの愛に向かう態度にも不埒なところがあるために、少々しっぺ返しを受けたんじゃないと意見したいところ。ともかくも、2つ目の卵はなかなか美味しったという、そこがなんとも味わい深いところ。

  • まふ

    著者の社会問題小説の一つ。前半は自らの半生記を重ね合わせた「自叙伝」とも言われている。徒弟として働いた仲間との文学談義や自身の読書遍歴など、彼が後年優れた作品を書いた素地を示しているようで感慨深い。父親の遺産で店を開き従妹と結婚するが自身の生き方に意義を感じず自殺を図り自宅に放火するも大火となり、逆に人命救助の英雄に祀り上げられたりして違和感を抱き家を捨てる…。ここからがダイナミックな展開となって面白さは倍増する。H.G.ウェルズの作品はどれも面白い。これが本邦初訳だそうだ。G1000。

  • NAO

    この作品は、イギリスの教育は言語道断だと考えていたウェルズの社会抗議の書だ。やる気のない教師によるいい加減な教育は、子どもの学ぶ気力を損ない、好奇心を摘み取り、何一つ知識など身に付けることもなく卒業させる。ポリー氏は、そういったできそこないの典型として描かれている。すべて成り行き任せでついにはにっちもさっちもいかなくなってあることを計画するが、その計画さえもまともにやり遂げられない。この意思の弱さ。だが、ポリー氏の人生は、同じような境遇で同じような教育を受けたウェルズがなっていたかもしれない人生なのだ。

  • 星落秋風五丈原

    【ガーディアン必読1000冊】主人公ポリーの第一声は「穴ぼこ!(Hole!)」。一度では気が収まらないのか、"'Ole!穴ぼこ!"と続きとどめで. "Oh! Beastly Silly Wheeze of a Hole!おお、おぞましい、アホな喘息病みの穴ぼこ!"と穴ぼこ三段活用。例え本人がどんなに豊かな感受性を持っていたとしてもそれを育む環境がなければ穴ぼこに落っこちてばかりの人生を歩む。エドワーディアン繁栄のイギリスでウェルズが見ていたのは穴ぼこ。とことんの悲劇にしないのがウェルズの優しさなんだろう。

  • ヘラジカ

    なんとも陰鬱な前半部からドタバタ喜劇じみた後半まで余すところなく楽しんで読んだ。この物語ではウェルズ自身が歩んだかもしれない別の人生、分岐した道の行方を描いている。派手さも際立った特徴もないこの小説が、研究者や作者本人に愛されているというのも納得できる。こんなにも長い間邦訳されてこなかったのは、ウェルズのSF作家というイメージがあまりに大きすぎたからだろうか。作者の他の社会派小説のようなスケールもないので、これは仕方ないことなのかもしれない。地味だし古さは感じるが今読んでも褪せない良い作品だった。

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