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犬の記憶

Daido Moriyama

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309474144
ISBN 10 : 4309474144
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2001
Japan

Product Description

世界的な評価をえる写真家が、自らの記憶と軌跡を辿りながら、撮影の秘密を明らかにする幻の名著、待望の文庫化。絶妙な文章で描かれる六○七○年代の“闇”への誘い。写真多数収録。写真ファン必携。

Content Description

「いったん逃げた風景のかずかずは、僕の内部でもうひとつの風景となってある日とつぜん立ち現われてくる。それは、まったく時空を超えた視覚のなかと脈絡を絶った意識のなかに、ふと再生されてくるのである」。写真は現在と記憶とが交差する時点に生ずる思考と衝動によるもの、という作者の、自伝的写真論。巻末に横尾忠則による森山大道論を付す。

目次 : 1 犬の記憶(陽の当たる場所/ 壊死した時間/ 路上にて/ 地図/ 夜がまた来る ほか)/ 2 僕の写真記(写真よこんにちは/ 有楽町で逢いましょう/ 街を駆けぬけて/ 写真よさようなら/ そして光と影)

【著者紹介】
森山大道 : 1938年大阪生まれ。高校中退後、デザイナーから岩宮武二、細江英公の助手をへて、’64年独立。写真の概念を刷新する比類のない作品群は、第一線で活躍する写真家の、最も重要な一人としてあげられ、写真界にとどまらない強い影響力をもつ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 佐々陽太朗(K.Tsubota)

    文章だけでなく写真が多く収められているが、文庫本で紙質が良くないので写真はそれなりのものになってしまう。ただ、森山氏の写真の質感は充分に伝わる。つまり森山氏によって象徴化、抽象化された記録、あるいは森山氏の言葉を引用すれば「光の記憶と化石」である。また、横尾忠則氏に言わせれば「作りすぎている文章」だが、それがまたイイ。森山氏の写真と文章に記された森山氏の思考が相まって我々に「写真とは何か」を問いかけ迫ってくる。私にとって森山氏の写真は自由律俳句のようなものです。なんの変哲もない風景が心を揺さぶります。

  • RYOyan

    1960年代の大阪、東京、青森と放浪してみたい。そしてカメラを質にいれて、場末の酒場で写真論やりながら飲み明かすのだ。現在と違って手触りのある街場感に惹かれて、何度もページをめくっていた。

  • galoisbaobab

    森山大道のOn the Road。「過去とはつねに現在の比喩なのではなかろうか」とはよく言ったものだ。ボクらの記憶って「自信の内部に懐かしく立ち現れる、かく在りきイメージの再現行為などではなく、現在を分水嶺として、はるか前後へと連なっていく大いなる時間に向けて、したたかにかかわっていく心の領域のこと」だろうからね。つまり写真というコトもイメージではなく見る者の心の動きそのものであるんじゃないかな。でも、森山大道はボクよりももっと謙虚だ。未だに「写真とな何か?」という命題の前で途方に暮れている。

  • misui

    光=記憶=写真=歴史=自己をめぐる過剰なまでに感傷的な文章を追っている間はうんうんと頷くも、読み終えて顔を上げるとどこか居心地の悪さを覚える。それだけ森山大道という個人に密着した文章であるのだろうし、解説で横尾忠則が言うように一種の文芸作品として読むべきなのだろう。いつかこのような生と自分の生が交錯するのか、それともしないのか、忘れた頃に再読の機会を設けて確かめたい。続編も読もう。

  • OKA

    読み始めた瞬間「これ、男ならみんな好きなんじゃないか。。」と思うくらいセンチメンタルさが半端なかった。ただ、読み進めるうちになんかネタ切れ感というかそういうものを感じた。これは俺の仕事が忙しくなって余裕がなくなったからかもしれないけど。しかし、写真家なのに文章がうまい。

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